福井鉄道旧型車

福井鉄道では現在、名鉄600V線からやってきた低床車両で運行されています。ですが、以前は高床式の旧型車両で運行されていました。ここでは現在運行されていない旧世代の車両を取り上げます。
| モハ80型 |
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モハ80型は南海鉄道電5型をルーツとする電車です。現在のスタイルになったのは1956年で、台枠と車体が新製されています。昭和末期には国鉄からの発生品でカルダン駆動化されました。車内は千鳥配置のセミクロスシートに改造され、やっと完成形になったと思ったら、名鉄車導入で2006年に廃車になってしまいました。 |
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モハ80型は当初、モハ80〜84の単行四両でしたが、昭和52年4月に組成変更され、モハ81+クハ81、モハ82+クハ82の2編成体制になりました。第2編成は写真のコカコーラ電車塗装で一足早く最期を迎えています。 |
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2006年6月24・25日、ついに最期の時を迎えました。僚友のモハ120とともに行われたお別れイベントには各地から大勢の人が集まりました。
その後、モハ80は一両も保存されることなく、解体されてしまいました。ほぼオリジナル仕様といえるまでに改造され、福井鉄道の主力として活躍してきた車両だけに、一両ぐらい保存されても良かったのでは… |
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モハ80型の車内です。写真では見づらいですが、クロスシートは千鳥配置にされています。
なおさよなら運転の時、福井鉄道からのささやかな気配りで車両の見取図がが配布されました。お金をかけずにファンの心をつかむ良いアイディアだったと思います。 |
| モハ120型 |
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モハ120型は1950年に登場した自社発注車です。が、2両編成のうちのクハは自社発注ではなく、名鉄からの譲受車です。つまり、違った形式の2両を連結してひとつの形式に仕立て上げられているわけです。
モハ80型の更新車体より6年古いだけなのですが、シル・ヘッダーのある古くさい外観です。 |
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120型のクハは名鉄から譲受したモハ3001・3002の車体が利用されています。入線当初はこの名鉄からの2両で編成を組んでいたのですが、南越線廃止後に形式整理され、モハ120との編成になっています。 |
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モハ120型もモハ80型と同日、さよなら運転が行われました。
モハ122は越前市の今立地区で保存されています。 |
| モハ140 |
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写真はモハ141-1で、長野電鉄の長野駅地下化によって長野電鉄から移籍してきました。福井鉄道入線時に転換クロスシートが装備されました。
木床に転クロという組み合わせもなかなか珍しいものでした。 |
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こちらはモハ141-2で、名鉄瀬戸線の昇圧と栄駅地下開業を機に福井鉄道へやってきました。地下化で追われたものコンビってわけです。名鉄時代から転換クロスシートを装備しています。
福井鉄道に来ていない他の4両は北陸鉄道に譲渡され、東急7000系導入まで活躍しました。 |
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2006年10月14・15日、モハ140型も最終運行が行われました。吊掛式に木床、転クロ、非冷房という異色の電車の引退に各地から大勢の人が集まりました。
皮肉なことに、名鉄で昇圧によって追われた電車が600V線全廃によって名鉄を追われた車両によって置き換えられてしまいました。 |
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車内には転クロがずらーっと並びます。名鉄パノラマカーのような車内配置です。 |
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運転台です。旧型車はブレーキの機器が悪く、何度も込めの動作を繰り返している様子が印象的でした。 |
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