ラオス 山からだより  20 


 
  201311 

          

 ゲオバトゥ村は、今、収穫のまっさかり。稲刈り…そして、トウモロコシもぎ…

村の人々は畑仕事に追われています。土日は子どもたちも、山の畑で大人たちと一日、働きます。11月はじめ村を訪ねた私は、お世話になっている家族と一緒に、村から1時間半歩いて、山の中腹の水田まで行ってきました。同行した友人たちとともに、鎌の持ち方から教えてもらいながら稲を刈り、乾いた稲を運ぶのを手伝いました。「いつもは写真ばかり撮ってるけど、今日はよく働いて手伝ってくれたね。ありがとう」と言われ、うれしくなりました。実際にはたいした手伝いにはならなかったと思いますが、みんなが毎日毎日、精一杯身体を動かして、一つ一つの作業を重ねて、米を作り上げている、その大変さを少し体験させてもらいました。改めて、モンの生活の原点を見させてもらった気がします。この収穫作業を終えた後の新月に、モンの人はお正月を迎えます。

一年の大変な農作業を終え、モンの人たちは心からお正月を祝うのです。


村にコミュニティセンターができました

前号で着工を報告した、村のコミュニティセンターの建物が、出来上がりました。

まだこれから、机や椅子、棚などを揃え、その後には、これまで私たちが記録した村の写真、ビデオ、そして民話などを、村のみんなが使えるように整理して、センターの中でどのように展示、閲覧していくか…という中身を作る作業が残っていますが、とりあえず建物はできあがり、電気も通り、村の人たちの集会などがある時には、使えるようになりました。

今回の建設費の一部は、村の人たち76世帯が、1世帯につき、10万キップ(約1200円ほど)を出すということになっていました。これは、村の人たち自身が言いだしたことなのですが、現金収入が少ない人たちにとっては、結構な負担となります。


「そうは言っても集まらないのではないか?」と危ぶんでいたのですが、なんと3世帯を覗いて、集まったとのこと……これは、ゲオバトゥ村の人たちの結集力というかを示しているように思いました。

図書館とともに、このコミュニティセンターが、今後、村の人たちの集いの場になり、モンの大切なものを次世代に伝えていくために役立ってほしいと願っています。










太郎の図書館・活動報告

 今年2月に、開館当初からずっと図書館のお姉さんとして活躍してくれていたツィアが辞め、その後は、二人の若いお母さん……トゥルとマイが、週4日、図書館を開いている。トゥルには女の子2人男の子1人。マイには女の子1人男の子1人。ともに1歳になる男の子を連れて、図書館に来ている。ふと床を見ると1歳の子がコロンと寝ている時もあり、大泣きしている時もあり、図書館は託児所みたいな雰囲気でもあるが、でも、二人ともお互いの子どもをみあって協力して育児をしながら仕事をしている。



20131月〜10月までの「太郎の図書館」入館者

年月

子ども

中高生

大人

本を借りた人

2013/1

269

59

54

382

136

246

17

2

278

75

52

405

145

260

27

3

446

92

79

617

229

388

31

4

415

116

121

652

240

412

28

5

598

130

113

841

346

495

18

6

431

114

  92

637

259

378

  9

7

317

92

 87

496

190

306

  6

8

666

229

159

1,054

437

617

45

9

592

273

137

1,002

434

568

70

10

640

207

131

978

435

543

52

4,652

1,387

1,025

7,064

2,851

4,213

303


開館当初から、子ども、大人(モンの場合は、中高生が大人の範疇に入る)、老人(20代の半ばを過ぎた大人は老人の範疇に入る)のブロックに分かれた箱に、男の子は青色、女の子は緑色の石を入れることで統計を取っている。石を入れ忘れる子もいるけれど、子どもたちは図書館に入ってくると、まず、「石入れなきゃ」という習慣がついたようである。

前回の通信にも書いたが、昨年終わりに村に電気が入った直後の12月は、来館者が少なくなった。子どもたちはテレビが見たくてたまらず、学校から家に直行していたからである。その後、テレビ熱が落ち着いてきて、また図書館に戻ってきたことが、統計でもわかる。67月が少なくなっているのは、夏休みに入って、子どもたちが山の畑へと泊まり込んで農作業に出かけていることが多いためである。8月の末は、学校が始まる前、教科書を借りに来る中高生が増えるために、一気に本を借りる人数が増えた。大人の数が増えてきたのも嬉しいことだ。以前は、「子どもの場所」として、あまり大人は来なかったのだが…。農作業に行かず時間がある日など、遊びに行く場所もない村で、ふらっとやってきて、おしゃべりをしたり、本をめくるお母さんやお父さんも増えてきた。






ゲオバトゥ村の図書館は、本を借りて行く子が、安井が関わるビエンチャンの図書館に比べても、少ない。モン語とラオス語がまるで違う言語なので、学校でラオス語を勉強していても、スラスラと読めるようになるのは、簡単ではない……ということを示している。ビエンチャンのラオ族の子は、小学校低学年で、なんとか読めるようになり、高学年になると、かなりの数の本を読破するようになるが、やはり、違う言語を読むことは、大変だということだろう。それでも、数人、よく本を借りて行く中学生がいる。学校の行きかえりに寄っては、本を数冊ずつ借りて行く。

モンの子は、お話を聞くのが大好きで、集中して本当によく聞く。お話を聞いて大きくなってきている世代が、読む楽しみを身につけるには、どうしたらいいか? が新しい課題である。               (以上  安井清子)

写真を見ていると、山の図書館の様子がよくわかります。大勢の子どもたちが床に自由に座って、それぞれ好きなことをしているようです。子どもたちの楽しい場になっていることをとても嬉しく思います。この素敵な図書館を造って下さった鈴木晋作さんとのご縁にあらためて感謝しています。

 安井さんのラオスでの活動がテレビで放映され、思いがけない方々からご連絡をいただいたり、新しい方々から基金へのご支援をいただきました。ありがとうございました。
                                         (
201311月 武内桂子)