ラオス 山からだより 4号 

ラオス山の子ども文庫基金        
2005年10月 



「図書館はもうできたの?」と、よく尋ねられるのですが、いえいえ、まだまだ・・これからです。

いよいよ10月末には長期でラオス入りするつもりです。と言いましても、8月も丸々ラオスにおりました。今回は安井のみ行ったのですが、今回の滞在で、図書館の建設に対しての、県、郡、村、全部の許可が取れました。本当にほっとしました。村に行ってみると、建設予定地にあったブタ小屋はすでに移動してあり、ありがたいなぁ、と思いました。前回3月に建てた竹のドームはすでに壊れていましたが・・・・

「つい最近まであったよ。雨がひどくなってからとうとうつぶれてしまったけど・・・子どもたちが遊んでいったかと思うと、馬や牛なんかもやってきてね、みんながドタンバタン遊んでいたよ」ということでした。

今夏、日本でも台風で水害が相次ぎましたが、ラオスでも同じ。雨がひどく洪水になった地域もありました。村ではトウモロコシ畑が水に浸かったとのことで、子どもたちと一緒にトウモロコシもぎに行った時、腐って倒れたトウモロコシをたくさん見ました。

10月、雨季があけたら、いよいよ始まりです。                   (安井清子)

「よろしくお願いします!」

安井さんがラオスに図書館を作りたいと思っていることを知り、最初、安井さんにそのお手伝いをさせて欲しいという話をしたときには、ただ太郎がここに存在していたことを形として残しておきたいと思っただけでした。まったくの個人的な思いだけで、運動としてとらえてはおりませんでした。

それでも、安井さんの行動力や鈴木さんの若い力の凄さを見ているうちに、私にももう少し何かお手伝いできるのではないかと思うようになりました。

3月末で仕事を辞める際に、宮城教育大学の横須賀学長にこの「文庫」のことをお話ししたのですが、学長は私の心配(個人的な思いを他の人に押し付けることになるのではないかという)を軽く受け流して下さいました。そしてすぐに力強い協力者を紹介して下さったのです。まったく思いもしないことでした。

それで思い切って、退職の挨拶と一緒に何人かの人たちに発行済みの「通信」を同封して送りましたら、すぐにみなさんから励ましと共感とご支援をいただきました。

さらに、安井さんたちが立ち上げた「文庫」のホームページを見てくれた太郎のお友達からも早速ご協力をいただきました。

本当に有難いと思っております。と同時に人のつながりの不思議な素晴らしさに感動し勇気がでました。

ラオスのゲオバトウ村に「文庫」の建物が建ち、活動が軌道にのるようになるまでには、色々困難なことがあるようです。私はラオスのこともわかりませんし、「文庫」活動の経験もありませんが、安井さんや鈴木さんの頑張りに励まされ、もっと客観的に関われるようになりたいと思っています。

どうぞみなさん応援して下さい。私もこれからの人生に「やらなくてはならないこと」が与えられたことを前向きに捉え、「文庫」を成功させることを目標にして、「文庫」の活動に関わっていきたいと思っています。よろしくお願い致します。

                                  武内桂子

日本での活動報告    
  「様々な方に意見・協力を頂いています!」 

 日本でも、少しずつ準備を進めています。その中でたくさんの方々に出会い、ご協力、応援頂いています。この通信では、ラオスの村のことを日本のみなさんに伝えていますが、ラオスの村の人たちにも、「ほら、こんなに大勢、日本から応援してくれている人たちがいるんだよ」ということを、今後伝えていきたいな・・・と思っています。


町田で刺繍絵本展

5月23日〜29日、東京、町田のぱるるプラザで、以前タイの難民キャンプでの子ども図書館活動の中で、モンの子どもたちが刺繍で作った絵本を展示しました。これは、町田の市民サークル‘わんりぃ’の皆さまが企画、全面的にご協力下さり実現したものです。約50点の刺繍絵本の原画である刺繍の布などを展示、また、山の子ども文庫基金の活動も紹介しました。多くの人々がとても熱心に見て、モンのお話の世界を楽しんで下さいました。‘わんりぃ’の田井光枝さん、岩田温子さんをはじめ多くの皆さま、心からのご協力、本当にありがとうございました。       

 その後、‘わんりぃ’の毎月発行する通信に、この「ラオス山からだより」を転載して下さっています。
←展示会場で。わんりぃの方々と

     





製本作業

 上記の絵本展の準備として、刺繍の原画をデジカメで撮って印刷したもの・・・を製本しました。展示の際、実際に刺繍絵本に触れてもらうわけにはいかないので、プリントアウトした紙を製本して、それをめくって見られるようにしたのです。製本作業は、‘わんりぃ’の田井さんが教えてもらいながら、5人で製本しました。出来上がってみると、本当に素敵な絵本となりました。展示時に使いましたが、山の図書館が出来上がったら、入れる予定でラオスにすでに持っていきました。(田井さん、岩田さん、桑原紀子さん、友岡清秀さん、合谷木初実さん、ありがとうございました)

 また、7月19日と26日の2日間、福音館書店の和田信裕さんのご指導で、再び製本作業をしました。仕事や学校の後、8人が集まって作業。刺繍作った実物とは違いますが、同じくらいすてきな絵本ができました。

 モンの村の図書館に、同じモンの子どもたちが作ったモン語のお話絵本をどうしても入れたい!というのが私の願いですが、刺繍の布絵本のオリジナルを持っていくわけにはいかず、そこで、カメラマンのつちだ耕平さんがボランティアで、仕事の合間合間に、1枚1枚撮影してくれているのです。それをデータでもらい、家のプリンターでプリントアウトしては、手作業で製本しています。刺繍絵本は布で作ったたった1冊ずつの手作り絵本ですが、これもまた、1冊ずつ全部違う手作り絵本です。こんな贅沢な絵本が入る山の図書館なんて、他にはないでしょうね。将来、村でも製本作業ができるようになればいいな・・・と思っています。

 ご協力下さった和田信裕さん、つちだ耕平さん、井上博子さん、庄司絵里子さん、高松夕佳さん、大森恵子さん、近藤順子さん、合谷木初実さん、齋田麻美さん、どうもありがとうございました。製本は、これからも続けていこうと思っています。ご関心のある方、ぜひお手伝いください。                         

ホームページをたちあげる

やっと作りました。まだ構築中のページも多いですが・・山の村に電話はありませんが、村から一番近い町まで下りていけば、電話があり、メールも使えます。今後、村に入ってからも1週間に1回くらいはホームページも更新できるだろう・・・と思います。なるべく現状を丸のままお伝えしていきたいと思っています。 「ラオス山の子ども文庫基金」 http://www7a.biglobe.ne.jp/~laosyamanoko







絵本の翻訳貼り

 これまでに、福音館書店、偕成社、くがやま文庫、おはなしきゃらばんセンターはじめ、また個人の方々からも寄贈頂き、絵本は結構な数が集まってきています。モン族の子どもたちとはいえ、学校ではラオス語教育を受けています。ラオス語の翻訳がすでにあるものはほんの一部に過ぎませんが、その翻訳を貼る作業をしています。鈴木茂雄さん、鈴木恵美子さん、山口倫子さん、合谷木初実さん、齋田麻美さん、大宮考じょさん、菅原みどりさん、三浦ふみさん、小嶋紀子さん、そして静岡県浜北市の内野小学校のみなさん、「LABO」の中学生・高校生のみなさんご協力ありがとうございます。集まった絵本の一部を、このたびラオスまで運びました。8月に安井がラオスで通訳の仕事をさせて頂いた自治労東京本部のスタディツアー参加者、18人の方々が、1人5kgずつ本を持っていって下さいました。一気に100kg近い荷物を運ぶことができて、本当に助かりました。感謝感謝です。

                   

ブックカフェ・ダスにて報告

ブックカフェ・ダス(古本茶屋岩狸)とは高田馬場にあるとてもユニークな古本屋さんです。そこでは地域通貨を作ったり、たびたび面白い企画をたて、そのたびにユニークな面々が集まる素敵な場です。5月12日、鈴木と安井はカフェ・ダスにて、3月に村でやってきた活動、これからの計画などを話しました。2のつく日にいろんな企画をしています。  ブックカフェ・ダス 西早稲田2−16−17                           

土のおうちを訪問/図書館建設の参考に

 秩父にお住まいの陶芸家・黒澤有一、美奈子さん邸を美術仕事人の木村謙一さんの案内でお訪ねしました。黒澤さんは、自力で線路の枕木などを使ってどっしりとした立派な木の大きなおうちをコツコツと作られたのです。すごい。その黒沢邸の一角に、木村さんの指導を受けながら、建築家の日置拓人さんと明大の学生たちが作った小さなゲストハウスがあります。小さくとも、人の知恵と学生のパワーと日本の左官の技を結集した苦心の作です(実際に凄腕の左官職人が結集するなど、建設中からも多くの人が訪れた)。この空間は、土壁は現場の土で塗られ、三角の建具・入り口のドアも手作りで作られ、既製品を極力用いず、「ここの材料、ここでしかできない」建設のプロセスを多くの人の手を通して実現されており、それが沸々と実感できます。人をもてなす為の最高のそして最小の空間でした。木々に囲まれた空間に溶け込む建築。主張はするけど、まるで木の葉のような存在感。三角の窓から切り取られた風景から、ふとG村を想い起こしました。〜図書館もみなから愛される、美しい建物、気持ちの良い空間を。

ラオスでは、地元の素材を見つめなおし、これからの持続可能な住まい作りも村人と探っていくことを目標としたいです。日本でも多くの人の意見、日本の変わらぬ伝統・民間技術を参考にしたいと考えています。木村さん、黒澤夫妻からは、いろいろお話を聞き、またたくさんご馳走にもなりました。                             (鈴木晋作)

美術仕事人・木村謙一さんのホームページ  http://garamond.serio.jp/kkbk/ 



支援コンサートが決まりました 
日本からG村へ 響く歌声

来年1月7日(土)に、おおたか静流 さんが、池袋にある東京芸術劇場小ホール1にて、

「ラオス山の子ども文庫基金 支援コンサート」を開いて下さることが決定しました。

おおたか静流さんとは、友人の岩本宣明さんの知り合いの野口潤子さんの紹介で出会い、おおたかさん自身も会員になって下さっています。私自身、おおたかさんの歌声が大好きで、ずっと前からラオスに行く時もテープやCDを持っていって聞いていたので、本当にこんな夢みたいなことが実現してびっくりです。おおたかさんの歌声を聞いていると、アジアの地続きに、そして海を渡って、世界がつながっている・・・そんな実感がするのです。おおたかさんの歌が、ラオスの山の人たちと日本の人たちをつなげてくれるなんて、なんて素敵なことなのでしょう。ぜひぜひ、聞きにいらしてくださいね。                 

              開場12:30 開演13:30  一般 4000円 小・中学生 2000円(前売りのみ)           

なお、席が300しかありません。好評だとのこと、ぜひ、一刻も早く!お早めに お申し込みください

できれば、FAXにてお申し込み下さい。住所、氏名、電話番号、枚数を書いて

野口潤子さん 03−3706−7325(tel&fax)・ jedition@k7.dion.ne.jp

の方へご連絡下さい。

申し込み受付→ 郵便局払い込み用紙送付→ 入金確認→ チケット送付  となります。

屁っこき嫁の話

 夕方、リー、トン、ガオジェ、メドンのきょうだいの家を訪ねると、お父さんお母さんも畑から戻って、一家で一息入れているところだった。「さっきもいできたんだよ」というトウモロコシを囲炉裏端で焼いている。焼き上がると、「パヌン(安井のモン名)、ノォノォ(食べろ食べろ)」とくれる。おかあさんは、「じきにサツマイモが煮えるから食べておいき」と、鍋いっぱいのサツマイモを火にかけている。

「サツマイモ食べ過ぎると、チョッポー(おならが出るよ)」とお父さんが言い、みんなで大笑いになった。「チョッポー(おなら)、チュッチューペー(臭い臭い)」。みんな鍋いっぱいのサツマイモがゆだるのを待っていて、「その大きいのは私のだよ」「ぼくのだよ」と先を争って食べている。甘くておいしい。

お母さんは、「おならっていえばね、こんな話があるよ」と、屁っこき嫁の話をした。以前読んだ日本のお話とほとんど同じ。どうして、同じ話が日本とラオスの山奥で語り継がれているのだろう?

ある家に嫁がきた。嫁はいい嫁だったけれど、次第に顔色も黄色く元気がなくなってきた。心配した姑に「いったいおまえどうしたの?」と言われ、「おならを我慢しているんです。私のおならはすごいから」と嫁。姑に「そんな我慢しなくていいから、一発おやり」と何度も言われ、嫁はおならをする。あんまりそのおならがすごいので、姑はお笑いして死んでしまった。嫁は家に帰ることにしたが、貧しくて故郷のお母さんに持っていくお土産がない。しばらく行くと、布を行商している中国人がきた。その中国人は、嫁のおならで母さんが死んでしまった話を信じない。それなら試しにこの帽子にやってみろ・・と言われて、嫁は中国人の帽子をお尻につけて、一発ブー。帽子はふっとび、中国人は大笑いして死んでしまった。嫁は布を手に入れて、故郷のおっかさんと一緒に幸せに暮らしましたとさ・・・という話。

みんなでお芋をほおばりながら、お母さんが語る屁つこき嫁さんのお話を聞く。「屁こくなよ」なんて言ってくすくす笑う。なんだかうれしい、あったかい時間。



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