ラオス 山からだより  21号 

                           20147

 201457日〜14日の日程で、前号で募集させていただいた「ゲオバトゥ村を訪ねるツアー」を行いました。会員の中から、5名ほどの参加希望がありましたが、日程と都合があった3名の方々と武内桂子、ビエンチャンから安井清子と夫のノイが同行し、ゲオバトゥ村での図書館見学、コミュニティセンターの贈呈式を行うことができました。今回は、参加者の方々からのご報告です。

三度目のゲオバトウ村                       武内桂子

 7年ぶりにゲオバトウ村に行ってきました。今回の訪問の主な目的は、昨年から村の方々が総勢で建設に尽力し完成した、コミュニティセンターの譲渡式ということでした。コミュニティセンターは、図書館建設の当初から要望があったものなので、無事に引き渡しができてほっとしています。図書館建設時から気になっていたトイレも出来ました。

2009年にサイガウお爺さんともう一人の長老の方が相次いで亡くなって、村の体制も変わり、今は村長のグループ体制でいろいろ協議をして村の運営を進めているようです。サイガウお爺さんには、図書館建設の初めからいろいろ力を貸して頂きましたので、亡くなられたことはとても残念でしたが、若い人達がちゃんと後を引き継いでいるようです。

コミュニティセンター引き渡しの日のために、村が総出で準備して下さり、子供達は特訓した踊りを何曲も踊ってくれました。民族舞踊のようでしたが、清子さんから、モンにはもともと踊りの習慣はなかったということを聞いて驚きました。ラオスの踊りだそうです。それで年配の方々は、踊りの輪には入っていなかったのですね。

7年前の開館の時に司会をして下さった元村長さんが、ご挨拶の中で、村のみんなが力を合わせて、モンの文化を子供達に伝え、大切に継承して行かなければならないと力を込めて言っていました。コミュニティセンターには、清子さんが長年かけて収録した民話のDVD、図書館での子供達の様子や、村の日常の生活のビデオなどの資料も沢山置いてあります。まさにモンの文化の集積所でもあります。今後は、村の人達への貸し出しも行う予定です。是非、大切に、また大いに活用して頂きたいと思います。すでに行政の保健指導など、村の集まりの時に使われているそうです。図書館やコミュニティセンターが、子供達の成長や、村のみなさんの生活の発展に役立ってくれれば幸いです。

村には昨年から電気が通ったということで、どこの家でもテレビや電話、冷蔵庫、電器釜などが普及しているようでした。朝から家の外まで響く機械音は、村の風景になじまないような感じもしましたが、音も自然に取り込まれて行くのでしょうか。

 太郎がここに来た時にお母さんの背中におんぶしていたこの家の長男トゥーローは中学2年ですが、お爺さんの後を継いでロー家の年長男性としてすっかり立派になっていましたし、7年前にはお爺さんに抱っこされて泣いていた次男のトゥージェも3年生です。お婆さんも娘さんのシェンもお変わりなく、お元気で良かったです。隣家の末っ子メドンは、私のことを覚えていてくれて、ちょっと酸っぱいスモモをくれました。創設時から数年間図書館のお世話をして下さっていたニア・ノーポーさん、みなさんにお会い出来てとても懐かしく嬉しかったです。同行して下さった柴崎さん、小澤さん、平田さん、お3人のお陰様で、とても楽しい旅でした。ありがとうございました。 (武内桂子)  

 





                           

ゲオバトウ村訪問の記                   平田雅子

5月の連休明けの7日朝、私たち4人はラオスに向け出発した。ハノイ乗り継ぎを経て、夕刻ラオスの首都ビエンチャン空港に降り立つ。お迎えにいらした安井さん、ノイさんご夫妻の車で気持の良い宿に案内いただき、近くのレストランでラオス料理をいただく。スパイシーで、とても美味しく、ラオスのもち米の美味しさとごはんの入った籠の細かな編みに感心する。

翌朝はホテルでのコンチネンタル風朝食後、ラオス国立博物館で古代からのラオスの歴史を見学する。お昼は香草たっぷりの麺。度重なる戦火をくぐり抜け現存するシーサケート寺に詣で、旅の安全をお祈りし、沢山の仏像を見、可愛いい仏さまにも会う。

街の露店のフルーツは、色とりどりの多くの種類が並び、南国の食の豊かさを感じる。午後は果物をいただきながら、ホテルで、小澤さんから、子供達に教えるコマの作り方の講習会。これがなかなか複雑で皆集中して何時間も折り続け、全員マスターできたのは夕刻。

さあ、翌朝、いよいよゲオバトウ村へ。ビエンチャン空港からポンサワン空港まで30分、ポンサワン空港は空港とは名ばかりのただの広〜い野原だ。360度草原のみ。そこに一日一便の飛行機がポツリと着く。空港の建物(小屋?)までゾロゾロ歩く。スーツケースは台車で人力で運ばれてきた。

ポンサワンの市場はビエンチャンの市場よりは小規模なものの沢山の果物、野菜、生活必需品が整然と並ぶ。のびるまで、きれいに洗われ、ゴムでまとめられて野菜の列に並ぶ。お昼の麺のトッピングの香草も、バジルはもちろん、どくだみも。3時間のドライブの後、ゲオバトウ村から30分程手前のノンヘートに着く。市場で食料等を買い込み、悪路に揺られて、夕刻、ついに村に到着。

まず目に入ったのは、小屋の中に大きな石臼があり、男性二人掛かりで粉を引く光景。三日間お世話になるロー家の玄関先には、鶏や雛が自由に歩き、正面の道は朝夕カウベルの美しい音を響かせ牛たちを草地に連れて行く子どもの姿が見られる。

ロー家の裏庭の正面にはなだらかな双コブ山、その前に日々の糧と市場に出す菜を採るための畑があり、右側には先年亡くなられた主のサイガウおじいさんの墓がある。高床式のとうもろこし貯蔵庫もある。創意工夫の人だったおじいさんが作った、山からの水を引いてきた水道。玄関を入るとまず台所。家中すべて土間だった。台所の中央にいろりの様なものがあり、昨年電気が通り冷蔵庫、電気釜はあるものの食事は毎回火をおこすことから始めなくてはならない。片道1時間以上かかる田で1日働いた後、夕餉の支度をすることはどれほど大変であろうか。

食事はとてもシンプル。毎食、ご飯、汁物、おかず一品と辛い薬味。どれも大皿にドンと出て、各自自分のスプーンで自分の皿に取って食す。足りなくなりそうになる前につぎ足してくれる。大皿と一人一人全てワンプレート。テーブルも籐の椅子も食事の時に土間に並べ、済んだら片づける。何と空間を広く使い、洗い物も少なくシンプルな暮らしぶりであろうか。食事の度の大量の皿と洗い物! 以前から断捨離などと決意しては相変わらず物に囲まれている自分の生活と比べてみる。

村到着後、たろうの図書館と日曜日に開所式を迎えるコミュニティーセンターをみるために村の径を歩いていると、清子さんに次々と歓迎の声がかかる。皆、彼女の訪問を心より喜び、我々も歓迎してくれる。誰も彼も曇りのない笑顔で話しかけてくる。夕食のお誘いの声が次々とかかる。ロー家で食事をしていると、夕刻声を掛けてくれた隣の奥さんが訪ねて来て、夕食に誘われる。夕方空腹で、すでに九分目くらい食べてしまったのを多少悔いたが、隣家も一汁一菜の夕食の用意で迎えてくれた。ロー家の犬マッキー君の親がこの家の犬とのことで犬も猫も出入り自由だ。食べながらお話していると、今度は図書館の職員トルゥさんから夕食のお迎え。3軒目の夕食となる。そこでは一人ずつ歓迎の、そしてこちらは感謝のメッセージを述べた後ついで下さったビールを飲み干していく。4軒目は村長宅。ここでは自家製の強いお酒をおちょこに二杯ずつ。我々はとても無理と辞退したが、清子さんは皆の心遣いを感じ取って飲み干していく。翌朝もう一人の図書館員の家に呼ばれ、同様の歓迎を受けた。その場にいる皆が思いのたけを語り、グラスを回していく日本の茶懐席「千鳥の杯」のやりとりのようだと思った。今の日本では見られなくなったが同じ杯で同じ酒を酌み交わし、互いの親交を深める心を感じた。清子さんはお酒が強いだけでなく、大切なお酒を皆で飲むという和と輪の気持ちを大切にして飲まれたのだと思う。

台所の隣のリビングの隅に二カ所くくりつけのベッドがあり、蚊帳を吊ってもらい、2人ずつ寝袋で寝た。その夜はずっと寝つかれず、闇の中の虫の音、隣家のかすかなカウベルの音、色々な音を聞いていた。時折、外に出る。満天の星空と満月に近い月が庭を照らす。吸い込まれそうな暗い空の深さと沢山の星々、星のまたたき。星の遠近がよく分かる。近いものは手が届きそう。北斗七星、北極星もとても大きく近くにある。月も夜をかけて右から左にゆっくり動いていく。何という月や星々の明るさ。静寂で澄んだ空気。出発前に想像していた、屋外のトイレに夜中にいく場合の不安を全て払拭する神々しいとさえ言える静けき世界、すぐそこに、サイガウお爺さんの眠る墓がある。「良いところにお休みですね」と心より思う。

安井さんが撮影した、サイガウお爺さんともう一人の村の長老の対談DVD。ロー家全員、食い入るように画面を見て懐かしんでいた。開所式前コミュニティセンターでの映像を流したら、村の多くの人が見に来て、長いテープなのだが、皆身じろぎもせず食い入るように見ていた。いかに村の長老として皆の尊敬を集めていたのかが感じられる。

村訪問二日目:朝食後の乾杯訪問の後、村を歩くと水場から子供達が水を運ぶ光景が見られた。水場では皆洗濯し、小さい子は水シャワーで全身を洗われている。子供達は自分がまだ小さくても幼少の兄弟をおぶって親を助ける。

たろうの図書館は「ラオス 山からだより」で何度も見ているものの、実物を見ると昔の民話の世界に迷い込んだ気分になる。わらぶき屋根のかわいらしい家だ。土曜日ということもあり、午前中から子供達が図書館に来る。本を読む者、多くはそこで遊ぶ。ビエンチャンのホテルで学んだ、折り紙コマの講習会が始まる。たくさんの子が次々に興味を示す。三枚の折り紙を折り、それを組み合わせて完成させる、なかなか手間のかかる作業なのだが、私の隣に座った、小学校2,3年くらいの男の子は、教えるとどんどん折っていく。まだ小さいので細かい箇所がきれいに折れないのだが、こちらに頼ることなく、納得するまで作業を続ける。一つ完成させて遊ぶのかと思いきや、彼は製作することに熱心で、素晴らしい集中力で作業を進めていく。結局3つのコマを完成させた。ほんのわずかな時間の触れ合いの中で、いろいろな子供達のそれぞれの関心や集中力を見ることが出来て、なかなか興味深かった。多くの子は自分で作ったコマで夢中で遊んだ。

夕方から夜にかけ激しい雨が降り続いた。やはり雨季だ。夕食のテーブルを皆で囲む。犬は人間の後ろに控え、猫はテーブルの下にはべる。村のあちこちには、豚や山羊や牛がいる。人間も動物も、生きものが皆一緒に暮らしている社会。互いの気配を身近に感じながら暮らしていく社会。


村滞在最終日は朝から暑かった。コミュニティセンターは、前日からノイさん達が村の子供達の写真をはったり、看板を取りつけたり、準備に大わらわだった。開所式は9時からということだったが、皆いっこうに集まる気配はなく10時過ぎて、ようやくチラホラ人が出てきた。8時過ぎから我々は行っていたのだが、待ちに待って始まったのは11時過ぎ。大入り満員、外から立ち見もありの状態となった。村長、元村長、安井さん、武内さんの挨拶後、安井さんによる除幕式を行った。その後、子供達による踊りが次々と披露され、そのうち我々も駆り出されて踊り三昧。その後はエンドレスの如き乾杯とメッセージ。賑やかな開所式となった。2時半頃にはお世話になった皆と別れを惜しみながらポンサワンへと戻った。



翌日はジャール平原の大つぼを見て、空路ビエンチャンへ。最終日は明るい日の光にさん然と輝くタートルアンで参拝し、草木染め手織りの工房見学、清子さん、ノイさんのマイホームと子供図書館を訪ねて、くつろがせていただいた後、想い出深い国を後にした。

今回は星空の美しさといい、全員で卓を囲むワンプレートの食事といい一生忘れない印象深い旅だった。夕食のはしご、朝食のはしご、朝から乾杯など、二度とはないであろう経験ばかりだ。犬猫の隣家との垣根の低さを先に書いたが、人間同士も同様である。近所の子供が、親が戸締りをして出かけてしまっても、家に入れなかった彼等は、ロー家に来て夕食も食べさせてもらっていた。困った時はお互いさま。日本でも昭和の中ごろまでは行われていた相互扶助、子供は地域の皆で育てる精神が残る。日本はいつの間に隣家の敷居がこんなにも高くなってしまったのだろう。自然や生活が厳しいと、助け合わずには暮らせないだろうが、物質的豊かさと引き換えに私達が捨ててしまったものが多く残る。日々の生活は、火を起こしたりすることも含め労力がかかり、苦労も多いことだろう。だが、村で会う子供達の目の輝きは、ロー家のトゥーローやトゥージェをはじめとして、何と生き生きしていることだろう。モンの文化は文字を持たず、踊りもないとのこと、厳しい生活と豊かな自然の恵みと美しさの中、長い歴史の中で人々は何を見、考えて来たのだろう。

今回の旅の中で、日本人が失ってしまった良きもの、良きことを沢山見つけた。しかし、同時に、日本人の良さにも気付いた。初等教育の質の高さと援助をあまりあてにせず、自力で復興させる粘り強さ、力強さが日本人にはある。参加を申し込む前は、今までに経験していない環境的にハードな旅ができるであろうかと悩んだ。無理かなと思う気持ちと、強く引かれる思いと。武内さんの「こういう所が桃源郷なのかなと思った」という一言を伺って参加を決めたのだが、村に着いてしばらくは、テレビ番組に出てくるような私にとっては非日常的な出来事(村の人にとっては日常風景)を目の当たりにして、「本当に私はこの地に来て、村の人の生活の場を共有させてもらっているのだ」と驚きに満ちた心持に浸っていた。何かタイムスリップしたような異次元異空間に迷い込んだような。2日目、3日目と経つにつれてなじんでいった。何とも得難い、とても有難い経験をさせていただけたことを、お世話して下さったシェンさん、お母さん、清子さんノイさんご夫妻、そして、同行のお三方に心より感謝とお礼のことばを述べたいと思います。またこの記をお読みいただいた皆様、次回チャンスがあったら是非足を運ばれると良いと思います。たいへん遠い所ですが、たくさんの心のお土産を持って帰れること請け合いです。  (平田雅子)



好奇心いっぱい 村の子どもたち                小澤恭子

 モンの村の図書館が完成!子どもたちに読み聞かせをしたら、すぐに、「自分たちも絵本をつくりたい!!」との反応が・・・やがて何やら絵を描きだし・・・

安井さんからのお便りを読んだ時、心から“行ってみたい、モンの子どもたちをのぞいてみたい、できれば話をしてみたい”と思っていました。こんなに早く実現できるとは思っていませんでした。

 山の村の麓に位置する町に着くと、安井さんのところに何人かの子どもたちが集まってきて笑顔で言葉を交わしていました。市場でも知り合いがたくさんいるようで、すっかり現地に溶け込んでいるようでした。村についてぐるっと一周しながら歩いていても、みな笑顔で挨拶してくれました。村長さんは、

「お客さん(安井さん夫婦を含めた私たち6人のこと)が来るので、散髪してもらってるところだ。」と庭先で髪の毛をカットしてもらっている最中でした。(なんてフレンドリー!!)どの道を選んでも坂になっている村で、ウシやニワトリ、アヒル、ヤギなどが放し飼いになっていてのどかそのものでした。彼らは自分で野草を見つけ、時には食事の後片付け?(残飯を食す)も手伝い、村人と同様にたくましく生きていました。

 到着の翌日、【太郎の図書館】で活動開始! 折り紙で作った立体ゴマを回して見せたり、フィルムケースの万華鏡をのぞいてもらったり、CDゴマで錯覚を楽しんでもらったり・・





太郎さん(写真)がやさしく見守る中、子どもたちは徐々にそれらに興味を持ち始めました。すかさず、

「作ってみる?」と日本語で話しかけ折り紙を選ばせて、立体ゴマを一生懸命折りました。中には一人で3つも作って満足そうにしている子もいました。1つのコマには3枚の紙を使うので、かなりのエネルギーを使います。子どもたちは手先が器用です。日本ではせっかくコマをつくっても回して遊べない子がいますが、ここではそのような心配はありませんでした。この万華鏡はオブジェクトを変えることができるので、はじめは道端に咲いている花や葉をいれておいたのですが、キャップを開けてとりだし、子どもたちに自由に入れてもらいました。さらに花をとりに外に行ったり、館内で手に入った鮮やかなピンクの糸の束を突っ込んで楽しんだり・・・・と様々に活動していました。今後も活用してもらえたら・・・・願ってやみません。

 図書館員の二人のお姉さんが交代で紙芝居を読み始めました。モンの言葉は全然わかりませんが、抑揚をつけて読むので雰囲気は伝わってきます。子どもたちは真剣な表情で集中して耳を傾けて聞いていました。この辺りは日本の子どもたちも同じかなと感じました。

書架には、ラオ語で書かれた本や日本の絵本にラオ語の訳を貼り付けたものが奇麗に並んでいました。子どもたち全員が進んでこれらの本を手にとることが、これからの課題でしょう。日本での現状となんら変わりありません。(小澤恭子)

                                        


ゲオバトウを訪ねる旅                     柴崎幸子

201459日、私は「ラオス 山からだより」の世界、何か夢のような、お話に出てくるような所にいました。

 ポンサワンは想像していたよりも賑やかで、穏やかな町で、市場は野菜、果物、肉など豊富な物資であふれていました。安井さん、ノイさんが村へ持参する肉、野菜、すいかなどを買い込み、いよいよゲオバトウ村へ出発です。車の酔い止めを飲み、ガタガタ道をかなりのスピードで走り続けました。道の両側には古い家にまじって新しいおしゃれな家もかなり建てられている様子。

3時間半、夕方やっとローさんのお宅に到着です。シェンさん、トゥーロー君、トゥージェ君兄弟、姪のアメーちゃんが迎えてくれました。

 その後、近くを散策するため歩きはじめると、民家の庭先で散髪をしてもらっている人がいます。村長さんでした。弟さんにカットしてもらっているそうですが、器用にはさみを使っていました。水場がありました。体を洗っている人、洗濯や水汲みをする人たちもいます。また少し歩くと豚の親子が柵の中にいます。「ラーシアのみずくみ」(安井著の絵本)の光景そのものです。感動しました。

少し坂を登るとコミュニティーセンターが見えました。どっしりとしたきれいな建物でした。隣にあるかわいい屋根をした図書館も見せていただきました。

 夕食は、大きな低い丸テーブルで、皆でそれぞれのスプーンで取りいただきます。豚肉のから揚げ、野菜のいためもの、スープ、おもゆなど。お料理が少なくなるとすぐにまた足してくれます。おもてなしをしていただいていることが伺えました。調味料は主に塩ということですが、シェンさんはとても味付けが上手で、端正な顔立ちの美人です。十分にお腹を満たしたころ、隣に住む親せきのお宅からも夕食に迎えられたのです。その後もう一軒、最後に村長さんのお宅と、4軒の夕食をご馳走になってしまいました。

もうお腹も心も満腹です。夜空を見上げると満天の星が大きく輝いていました。

 翌日は図書館で子供達と交流です。ビエンチャン滞在中に小澤さんから特訓を受けた、折り紙の3段ゴマを子供達に教えました。一生懸命に作ろうとする子供達。くるくるときれいに回るまで、どの子も完成させたいと頑張っていました。

ペットボトルを使った電話、フィルムケースの万華鏡には、その美しさと不思議さにびっくりしていた様子。どれも小澤さんから教えていただいたもので、私にとっても普段あまり使わない頭と指先の体操になりました。ことばは通じませんが、何かしら子供達の心に残ってくれることを願っています。


 村での最終日は、いよいよコミュニティセンターの開館式です。予定の時刻を大幅に遅れ贈呈式、除幕式、挨拶、その後、子供達が前日夜遅くまで練習を重ねていたというダンスを披露してくれました。最後には大人や私たちもダンスに参加、楽しい交流となりました。

 これまで、大変な道のりであったと想像します。人々との信頼関係、モンの民話の収集、そして図書館活動、自立支援等々。このツアーの企画をして下さった安井さん、ノイさんのサポート、そして武内さんの陰のご尽力に感謝します。 みなさまのこれからのお幸を心から祈っております。   (柴崎幸子)