作文(さくぶん)

意志動詞と無意志動詞

意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)(ちが)

日本語(にほんご)動詞(どうし)は、意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)の2つに()けることができる。

意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)とは?

「する」や「()べる」のように動作(どうさ)行為(こうい)(あら)わす動詞(どうし)意志動詞(いしどうし)である。一方(いっぽう)、「ある」や「できる」のように動作(どうさ)行為(こうい)(あら)わさない動詞(どうし)無意志動詞(むいしどうし)である。

意志動詞(いしどうし)
意志的(いしてき)動作(どうさ)行為(こうい)(あら)わす動詞(どうし)
主語(しゅご)意志的(いしてき)制御(せいぎょ)できる
無意志動詞(むいしどうし)
意志的(いしてき)動作(どうさ)行為(こうい)(あら)わさない動詞(どうし)
主語(しゅご)意志的(いしてき)制御(せいぎょ)できない

あらわす意味(いみ)(ちが)

意志動詞(いしどうし)は、自分(じぶん)意志(いし)でそれを実行(じっこう)するという意味(いみ)()つ。一方(いっぽう)無意志動詞(むいしどうし)は、結果(けっか)としてそのことが(しょう)じるという意味(いみ)()つ。

文法上(ぶんぽうじょう)(ちが)

意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)には、文法上(ぶんぽうじょう)用法(ようほう)(ちが)いがある。

無意志動詞(むいしどうし)は、命令(めいれい)禁止(きんし)願望(がんぼう)意志(いし)依頼(いらい)可能(かのう)使役(しえき)()()をあらわす(かたち)にすることができない。

意志動詞と無意志動詞の文法上の違い
命令禁止願望意志依頼可能使役受け身
意志動詞書く書け書くな書きたい書こう書いて書ける書かす書かれる
食べる食べろ食べるな食べたい食べよう食べて食べられる食べさせる食べられる
するしろするなしたいしようしてできるさせるされる
無意志動詞ある××××××××
できる××××××××
×無意志動詞は《命令》をあらわす形にできない
  • ×()閉まれ。:「()まる」=無意志動詞
  • ×代表者(だいひょうしゃ)決まれ。:「()まる」=無意志動詞
×無意志動詞は《禁止》をあらわす形にできない
  • ×子供(こども)できるな。:「できる」=無意志動詞
  • ×部屋(へや)にゴミがあるな。:「ある」=無意志動詞
×無意志動詞は《願望》をあらわす形にできない
  • ×もっと日本語(にほんご)できたい。:「できる」=無意志動詞
  • ×(つよ)(かぜ)吹きたい。:「()く」=無意志動詞
×無意志動詞は《意志》をあらわす形にできない
  • ×みんなでできよう。:「できる」=無意志動詞
  • ×部屋(へや)(まど)開こうとしている。:「()く」=無意志動詞
×無意志動詞は《依頼》をあらわす形にできない
  • ×もっとお(かね)いってください。:「()る」=無意志動詞
  • ×もっと日本語(にほんご)できてくれ。:「できる」=無意志動詞
×無意志動詞は《可能》をあらわす形にできない
  • ×台湾の原住民は、授業料が半額になれる。:「なる」=無意志動詞
     ⇒ ◎台湾の原住民は、授業料が半額になる
  • ×このタンスは大きすぎて部屋に入れません。:「入る」=無意志動詞
     ⇒ ◎このタンスは大きすぎて部屋に入りません
×無意志動詞は《使役》をあらわす形にできない
  • ×学生(がくせい)日本語(にほんご)できさせる。:「できる」=無意志動詞
  • ×部屋(へや)あらせる。:「できる」=無意志動詞
×無意志動詞は《受け身》をあらわす形にできない
  • ×代表者(だいひょうしゃ)決まられる。:「()まる」=無意志動詞
  • ×学生(がくせい)にテストができられる。:「できる」=無意志動詞

意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)両方(りょうほう)使(つか)われる動詞(どうし)

動詞(どうし)には、意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)両方(りょうほう)使(つか)われるものもある。

なる
  • 親戚(しんせき)医者(いしゃ)なった。→意志動詞
  • 時刻(じこく)正午(しょうご)なった。→無意志動詞
(たお)れる
  • (さけ)()んでベッドに倒れる[=「寝る」意味]意志動詞
  • 地震(じしん)でたんすが倒れた。→無意志動詞
()とす
  • アメリカに爆弾(ばくだん)落とす。→意志動詞
  • バスで財布(さいふ)落としてしまった。→無意志動詞

「なる」

動詞(どうし)「なる」は、意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)両方(りょうほう)使(つか)われる。

「なる」は、人間(にんげん)役割(やくわり)性質(せいしつ)をあらわすときには意志動詞(いしどうし)であり、それ以外の「なる」は無意志動詞(むいしどうし)である。

目的(もくてき)をあらわす表現(ひょうげん):〜ために/〜ように

意志動詞(いしどうし)無意志動詞(むいしどうし)とは、目的(もくてき)をあらわす表現(ひょうげん)でも(ちが)いがある。

「ために」の(まえ)には意志動詞(いしどうし)(もち)いられる。また、意志動詞(いしどうし)場合(ばあい)、「ように」の(まえ)には可能形(かのうけい)(もち)いられることが(おお)い。

意志動詞の「なる」
  • (えら)(ひと)なれるように勉強(べんきょう)しています。
  • ◎偉い人になるために勉強しています。
  • ?偉い人になるように勉強しています。(やや不自然な表現)
無意志動詞の「なる」
  • ×野菜(やさい)(おお)きくなれるように(みず)をたくさんやります。
  • ×野菜が大きくなるために水をたくさんやります。
  • ◎野菜が大きくなるように水をたくさんやります。

練習問題

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