全体的採点法と分析的採点法
作文の採点には、大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは、全体的採点法といわれるものです。もうひとつは、分析的採点法といわれるものです。
全体的採点法とは、採点者の印象によって自由に採点する方法です。この方法では、採点者がよい作文だと思えば高い点数が与えられ、採点者がよくない作文だと思えば低い点数が与えられます。作文の形式(表記、語法、文法など)と内容の両方が評価の対象になるのが普通ですが、採点の基準は採点者によって大きく異なります。全体的採点法では、A/B/Cのような段階点や10点満点法などで評価されることが多いです。全体的採点法は、多くの作文を採点するときに向いていますが、評価の客観性は低い方法です。また、作文の形式面よりも内容面に評価の重点が偏る傾向もあります。
分析的採点法とは、表記、語彙、文法、表現(法)、構成、論理性、説得力などの点から分析して、細かく採点する方法です。例えば、誤字1字について1点ずつ減点したり、高度な文型を使っていれば3点加算したりするという方法です。分析的採点法では、100点満点法で75点とか89点のように点数がつけられることが多いです。分析的採点法は、客観性の高い方法ですが、多くの作文の採点には向いていません。また、作文の内容面よりも形式面に評価の重点が偏る傾向もあります。
以下に、参考として分析的採点法の採点シートをあげておきます。
〔作文採点表〕
これは、育達商業技術學院の学内作文コンテストで実際に使用されているものです(800字〜1200字程度の作文が対象です)。