文字化資料

NHKニュース『ニュース10』2004年10月20日分

ファイル:36分36秒から

大型(おおがた)台風(たいふう)23(ごう)は、この時間(じかん)山梨県(やまなしけん)北東(ほくとう)(すす)んでいるものと見られます。風速(ふうそく)25メートル以上(いじょう)暴風域(ぼうふういき)はなくなりましたが、東海(とうかい)から東北(とうほく)の広い範囲(はんい)で雨が降り続いています。では、現在(げんざい)各地(かくち)様子(ようす)中継(ちゅうけい)でお(つた)えします。

神奈川県(かながわけん)葉山町(はやまちょう)葉山(はやま)漁港(ぎょこう)です。依然(いぜん)として生暖(なまあたた)かい風が強く吹いていますが、1時間ほど前に比べますと、風は弱くなってきました。上空(じょうくう)の雲はどんどん切れています。ここ葉山では現在雨はほとんど降っていません。しかし、神奈川県内では、これまで24時間の雨量(うりょう)相模原市(さがみはらし)で213ミリ、横浜市(よこはまし)で181ミリとなっています。横浜地方気象台(よこはまちほうきしょうだい)では、引き続き雨や風に厳重(げんじゅう)警戒(けいかい)を呼びかけています。神奈川県葉山町でした。

東京(とうきょう)赤坂(あかさか)です。11時頃から雨・風は弱くなりまして、今は雨は降っていません。風もほとんど吹いていない状態(じょうたい)が続いています。この通りに面した1階にある店ではいつもよりも閉店(へいてん)時間(じかん)を早めて店の入り口に土嚢(どのう)()んだり、ドアの隙間(すきま)にガムテープを()ったりして台風の接近(せっきん)(そな)えていました。こちらには地下鉄(ちかてつ)赤坂見附駅(あかさかみつけえき)がありますが、今は人の姿(すがた)はまばらです。いつもですとこの時間、午後11時から深夜(しんや)0時過ぎにホームは帰宅(きたく)する人でいっぱいになるということですが、駅員(えきいん)によりますと、今はいつもの4分の1ぐらいしか人の姿は見られず、今日は大きな混乱(こんらん)もなかったと話していました。東京赤坂からお伝えしました。

JR甲府駅前(こうふえきまえ)です。山梨(やまなし)県内(けんない)では雨は(とうげ)を越え、午後10時過ぎからは1時間に数ミリ程度(ていど)の雨となっています。甲府(こうふ)市内(しない)では弱い雨が断続的(だんぞくてき)に降っているだけで、1ミリにも()たない雨となっています。しかし、これまでの雨で甲府市内では、土砂崩(どしゃくず)れで川がせき止められ、川の水があふれ出しました。甲府市では200世帯(せたい)あまりに避難勧告(ひなんかんこく)を出しています。また、山梨県(やまなしけん)ではこの他、身延町(みのぶちょう)で53世帯、鰍沢町(かじかざわちょう)で5世帯に避難勧告(ひなんかんこく)が出ています。さらに交通機関(こうつうきかん)にも大きな影響(えいきょう)が出ていて、JR中央線(ちゅうおうせん)身延線(みのぶせん)一部(いちぶ)運転(うんてん)見合(みあ)わせています。甲府でした。

さいたま市のNHK埼玉(さいたま)放送局(ほうそうきょく)の前です。熊谷(くまがや)地方気象台によりますと、台風は、現在、埼玉県に最も接近(せっきん)していると見られます。さいたま市内の雨は現在小康(しょうこう)状態(じょうたい)ですが、埼玉県内では所によって1時間に20ミリ前後の雨が降っています。越谷市(こしがやし)では降りはじめからの雨量(うりょう)が180ミリに(たっ)しました。風も強まっていて、午後9時過ぎに熊谷市(くまがやし)で22.4メートルの最大(さいだい)瞬間(しゅんかん)風速(ふうそく)観測(かんそく)しました。この雨や風で、埼玉県内では現在8つの市町村(しちょうそん)で、あわせて114人が自主的(じしゅてき)避難(ひなん)しています。また住宅(じゅうたく)(むね)床下(ゆかした)まで浸水(しんすい)しました。気象台は明日の午前3時頃までは、短い時間に(はげ)しい雨が降るおそれがあるとして、厳重(げんじゅう)警戒(けいかい)するよう呼びかけています。埼玉からお伝えしました。

この台風による被害(ひがい)は、九州から関東の広い範囲に広がっています。

岡山県(おかやまけん)玉野市(たまのし)では住宅7棟が(くず)れてきた土砂(どしゃ)()まり、5人の行方(ゆくえ)がわからなくなっています。

「勉強してたらゴーって音がして、で、外、出て見に行ってみたら人がもう埋まって、下半身が埋まっている人がいて、で、助けてくれって言ってたんで助けに行ったんですけど。」

愛媛県(えひめけん)宇和島市(うわじまし)では正午(しょうご)ごろ住宅の裏山(うらやま)が崩れて住宅に土砂が流れ込み、1階にいた24歳の女性が巻き込まれました。女性はおよそ1時間後に助け出されましたが、病院で死亡(しぼう)しました。

岡山県(おかやまけん)倉敷市(くらしきし)では、午後五時ごろ山の土砂が崩れて60歳の男性の行方がわからなくなっています。

千葉県(ちばけん)九十九里町(くじゅうくりまち)の漁港で堤防(ていぼう)補強工事(ほきょうこうじ)をしていた男性二人が波にさらわれて行方がわからなくなっています。

この台風による死者は18人、行方不明(ゆくえふめい)になっているのは25人となっています。また30の府と県で、228人がけがをしました。横浜市では大雨で、川があふれたり(がけ)が崩れたりする恐れがあることから、川沿(かわぞ)いのおよそ8200世帯に避難勧告(ひなんかんこく)が出されました。

「そうね、心配だよね。足も悪いし、いよいよ水が出てからね来たんじゃ、もうお父さんが大変になると思ってね。それで、あの、早くあれしてきたんだけどね。」

一方、避難指示(ひなんしじ)兵庫県(ひょうごけん)など7つの()(けん)で、24000世帯あまりに出されています。また、避難勧告は岡山県など19の府と県で、およそ20万2000世帯に出されています。このほか38の都府県(とふけん)で、1万人あまりが自主的に避難しています。住宅の被害は全壊(ぜんかい)が17棟、半壊(はんかい)が21棟、住宅の一部が(こわ)れる被害が193、床上浸水(ゆかうえしんすい)が443棟、床下浸水(ゆかしたしんすい)が1907棟となっています。さらに岡山県や兵庫県など32の府と県で25万1000世帯あまりが停電(ていでん)しています。

お伝えしていますように、大型の台風23号、甲府市付近を東北東(とうほくとう)に進んでいます。

台風は勢力(せいりょく)が弱まって風速25メートル以上の暴風域はなくなりましたが、東海から東北の広い範囲(はんい)で強い雨が降り続いています。気象庁(きしょうちょう)(はげ)しい風や雨に警戒(けいかい)するように()びかけています。

ページの先頭へ↑
←ひとつ前に戻る
トップページへ