NHKニュース『ニュース10』2004年10月20日分
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住宅の被害は全壊が16棟、半壊が21棟、住宅の一部が壊れる被害が104棟、床上浸水が347棟、床下浸水が1410棟となっています。さらに、岡山県や和歌山県など、29の府と県で23万3000世帯あまりが、停電しています。
台風23号は、風速25メートル以上の暴風域はなくなりましたが、現在、関東甲信越地方の広い範囲を強風域に巻き込みながら進んでいます。各地の現在の状況を中継でお伝えします。まず、千葉の館山からです。
千葉県の南端館山市にある洲崎漁港です。雨は時折強く降っています。風の強さは先ほどよりは多少収まってきていますが、時折強い風が船のマストを揺らしています。港では20隻ほどの船が陸にひきあげられ、しっかりとロープで固定されています。ええ、しかし、うち寄せる波は依然として強い状態がつづいています。高い波が防波堤を越えて波しぶきが飛び散っています。港の中の船着き場はうち寄せる波にあらわれています。千葉県では明日の明け方にかけて、雷を伴った非常に激しい雨が降り、暴風雨となる見込みです。また海上では次第に大時化となる見込みで、銚子地方気象台では、土砂災害、河川の増水・氾濫、暴風雨、高波に注意するよう呼びかけています。千葉県の館山市からお伝えしました。
え、はい、続いて、甲府、さいたま、長野、前橋の現在の様子を中継でお伝えします。
JR甲府駅前です。現在は雨はあがっています。山梨県の南部ではこれまでの雨量が300ミリを超えたところがあります。この雨で、甲府市内では土砂崩れで川がせき止められ川の水があふれ出しました。甲府市では200世帯あまりに避難勧告を出しています。また、山梨県ではこの他、身延町で53世帯、鰍沢町で5世帯に避難勧告が出ています。さらに交通機関にも大きな影響が出ていて、JR中央線や身延線の一部で運転を見合わせています。甲府からお伝えしました。
さいたま市のNHK埼玉放送局の前です。さいたま市内の雨は現在小康状態になっていますが、埼玉県内では所によって1時間に20ミリを超える強い雨が降っています。越谷市では降りはじめからの雨量が180ミリに達しました。風も次第に強まってきていて、午後9時過ぎに、越谷市で22.4メートルの最大瞬間風速を観測しました。この雨や風で、埼玉県西部の小鹿野町にある障害者の施設では、近くの山の斜面で土砂崩れれの恐れがあるとして、入所者など54人が避難しました。県内では、現在、あわせて111人が自主的に避難しています。台風は、この後午前0時ごろに埼玉県に最も接近する見込みで、気象台は、埼玉県全域に引き続き大雨洪水警報を出して厳重な警戒を呼びかけています。さいたまからお伝えしました。
長野県南部の駒ヶ根市です。2時間ほど前から雨脚は弱まりましたが、依然として風は強い状態が続いています。樹木の枝全体が大きく横に揺れています。傘をさしていると風が当たって前に進めません。時折風が激しくなり、風が吹く音以外何も聞こえなくなるほどです。気象台は、県内の多くの地域で、過去数年間で土砂災害が起きるおそれが最も高まっているとして、厳重な警戒を呼びかけています。長野県の駒ヶ根市からお伝えしました。
NHK前橋放送局の前です。風で街路樹がわずかに揺れています。雨も降り続いています。群馬県内では昨日の降りはじめからの雨量が草津町で135ミリ、嬬恋村で119ミリ、前橋で101ミリなど、各地で100ミリを超え、山間部の道路では雨量が規制値を超えたため、通行止めのところが出ています。前橋地方気象台によりますと、群馬県内では明日午前3時頃にかけて多いところで1時間に30ミリ前後の激しい雨が降るおそれがあり、気象台は河川の増水や土砂災害に注意するよう呼びかけています。前橋からお伝えしました。
関東地方の被害と影響です。
今日午前9時前、千葉県九十九里町の片貝漁港で、堤防を補強する工事をしていた作業員のうち二人が波にさらわれて行方がわからなくなりました。海上保安部によりますと、現場周辺では台風の接近に伴い波が高くなっていて、当時は波の高さが3メートルほどだったということです。海上保安部や警察などは二人の捜索活動を進めていましたが、夕方、捜索をいったん打ち切り、明日朝から再開することにしています。また、横浜市では大雨で川があふれたり崖が崩れたりする恐れがあることから、川沿いのおよそ8200世帯に避難勧告が出されました。
「そうね、心配だよね。足も悪いし、いよいよ水が出てからね来たんじゃ、もうお父さんが大変になると思ってね。それで、あの、早くあれしてきたんだけどね。」
NHKが各地の放送局を通じてまとめたところによりますと、このほか、関東地方の6つの県であわせて737人が自主的に避難しています。一方、浸水の被害は、床上浸水が神奈川県で4棟、茨城県で一棟、床下浸水が千葉県で19棟、茨城県で11棟、神奈川県で5棟、埼玉県で4棟、東京都で二棟となっています。また、台風による強い雨や風の影響で首都圏のJR、私鉄各線にも、運転見合わせや運休が出ています。JRで運転を見合わせているのは、京葉線の東京と千葉県の曽我の間の全線、中央線の甲府と小淵沢の間、八高線の群馬県の高崎と埼玉県の駒川の間、青梅線の御嶽と奥多摩の間、水戸線の小山と岩瀬の間、東北線は氏家と矢板の間、内房線が上総湊と浜金谷の間、さらに鶴見線と伊東線は全線となっています。この他にも、特急などを中心に運休が相次いでいます。一方、私鉄です。西武鉄道では、西部秩父線が大雨のため午後10時から埼玉県の高麗と西部秩父の間で、上下線とも運転を見合わせています。
それから新幹線ですが、JR山陽新幹線、大雨のため新大阪と岡山の間で運転を見合わせていましたが、さきほど午後11時に上り下りとも全線で運転を再開しています。各地で被害をもたらしている台風23号、九州の南の海上を北上し、午後1時頃高知県に上陸しました。