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NHKニュース『ニュース10』2004年10月20日分

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それでは、各地の状況です。まず、東海北陸地方です。

岐阜市の長良川です。現在この川に架かる長良橋では、川があふれる恐れが出てくる計画降水位にあと30センチあまりに迫っています。岐阜市では市内の長良地区と金華地区の450世帯、1300人に避難指示を出しています。さらに市街地に水があふれ出すのを防ぐための鉄の扉をすべて閉めて住民に避難を呼びかけています。現在も川の水位は上昇しており、岐阜市ではこの1時間がピークではないかと見て警戒に当たっています。また、長良橋の上流の芥見(あくたみ)地区では計画降水位を超えており、水防団が出て土嚢を積んで水が溢れ出すのを防いでいます、このため岐阜市は上芥見と加野地区に出していた避難勧告を避難指示に切り替えて避難を呼びかけています。岐阜、長良川からお伝えしました。

岐阜県北部飛騨地方の高山市や飛騨市などでは、道路が水につかり通行できない状態となっています。気象庁では、北陸各県と岐阜県では過去数年間で土砂災害が起こる危険が最も高まっているとして警戒を呼びかけています。それでは、富山、金沢、静岡から今の状況をお伝えします。

富山市です。ご覧のように木々が時々揺れます。先ほどよりはやや弱くなったものの風はまだ強い状態です。雨も激しく降っています。富山市の南、大沢野町(おおさわのまち)では、土砂崩れが発生し、16世帯32人が近くの公民館に自主避難しました。けが人などの情報は入っていません。気象台では、県西部南では、過去数年間で土砂災害の危険が最も高まっていると厳重な警戒を呼びかけています。富山でした。

金沢です。現在風は収まっていますが、強い雨は降り続いています。台風の接近にともなって山間部を中心に強い雨が降ったため、小松市と加賀市の3620世帯に今夜避難勧告が出されています。台風の暴風域はなくなりましたが、降りはじめからの雨量が150ミリに達している地域もあって、気象台は金沢市、加賀市、小松市、山中町で過去数年間で土砂災害が起こる危険性が最も高いとして厳重な警戒を呼びかけています。金沢でした。

静岡県御前崎(おまえざき)市の今の様子です。強い風に木が揺れています。ただ、現在、雨はほとんど降っていません。すぐぞばの御前崎海岸では、波の高い状態が続いています。時折、堤防を越えて波が道路に流れ込み、道路脇には大きな水たまりができています。静岡県の沿岸では、明日朝のうちにかけてうねりを伴った猛烈なシケが続く見込みです。最大で12メートルの波が予想されています。気象台は、高波や強風への警戒を引き続き呼びかけています。静岡でした。

一方、先月末の台風で大きな被害を受けた三重県の宮川村(みやがわむら)では、再び土砂災害の起きるおそれがあることから、引き続き天ヶ瀬地区(あまがせちく)内の4世帯11人に避難指示が出されています。また、東海・北陸地方全体で福井と岐阜、石川、三重それに静岡の5県であわせて14544世帯に避難勧告が出されています。以上、東海・北陸地方の状況についてお伝えしました。

続いて、え、近畿地方の状況です。

関西では、兵庫県や京都府など2府1県で2人が死亡、5人が行方不明になっているほか、22人がけがをしました。今日午後6時半過ぎ兵庫県波賀町小野(はがちょうおの)で町の消防団員の西中孝夫さんが、道路に倒れた木を撤去する作業中突然別の木が倒れてきて西中さんの頭に当たり、西中さんは病院へ運ばれましたが、まもなく死亡しました。兵庫県ではこのほか、午後4時半頃、吉川町(よかわちょう)市ノ瀬(いちのせ)で近くに住む無職、保尾栄さんが道路脇にある農業用の水槽で死亡しているのが見つかりました、また兵庫県の淡路島(あわじしま)では、午後5時前、津名町(つなちょう)(さと)の住宅の裏山が崩れて住宅ひと棟が倒壊しました。津名西警察署によりますと、土砂崩れには家族4人が巻き込まれ、4人は救出されましたが、このうち一人は意識がなく重体だということです。また、同じ津名町の生穂(いくほ)でも土砂崩れにより住宅ひと棟が倒壊し男性一人の行方がわからなくなっています。さらに、西淡町(せいだんちょう)でも帰宅途中だった39歳の男性一人が、川にながされて行方がわからなくなっているほか、県北部の美方町(みかたちょう)では今日午後から81歳の男性が自宅を出たまま行方がわからなくなり、警察では増水した川に流された可能性もあると見て、捜索を続けています。え、また、大阪府では、午後7時前、茨木(いばらき)市内の水路に近くに住む59歳の女性が転落して、行方がわからなくなり、消防と警察で行方を探しています。え、また、各地で避難指示や避難勧告が出ています。このうち、兵庫県豊岡(とよおか)市は丸山川(まるやまがわ)が危険水位を超える恐れがあるとして、15160世帯およそ42000人に避難指示を出しました。また、京都府の福知山(ふくちやま)市は由良川(ゆらがわ)が危険水位を超えたことから、6870世帯15833人に避難指示を出しました。さらに、関西では、兵庫県西脇(にしわき)市など、あわせて19000世帯、58000人あまりに避難勧告が出されています。え、また、兵庫県の加古川(かこがわ)は午後6時半に中流の西脇市で堤防を超えて溢れ出し、西脇市では少なくとも900棟が滝野町(たきのちょう)ではおよそ500棟が、それぞれ床上や床下まで水につかる被害が出ているということです。警察などでは、ボートを出して住宅の二階などに取り残された人の救出にあたっています。以上、近畿地方の状況でした。

それでは、気象情報担当の高田さんに、え、最新状況を聞きます。

「高田さん。」

「はい。」

「台風23号、暴風域はなくなったということなんですが、今後の進路はどういう予想でしょう?」

「はい。暴風域はなくなったんですけれども、ご覧のように15メートル以上の強風域っていうのはまだ大きく広がってるんですね。」

「大きく広がってるんですね。」

「え、ですから、風に対する警戒はまだまだ必要だろうと思います。そして、現在の位置なんですが、え、四国に上陸して、そのあと大阪に再上陸しました後、現在山梨県の甲府市の、え、あたりをですね、北東に60キロで進んでいるものと見られますね。」

「はい。」

「はい。このあとの予想進路を見てみますと、弱まりながらなんですが、関東地方北部を通って、明日、え、朝にはですね、明日の朝にはもう東の海上に出て、次第に低気圧にかわるだろうというふうに予想しています。はい。」

「弱まりながらということですが、雨はどのぐらい続きそうですか?」

「はい。あの、現在、あの、西の方ではほとんど雨は弱まってきております。それから関東地方、先ほど渋谷激しい雨だったんですが、今はだいぶ弱まってきておりますが、関東地方北部から東北地方にかけましては、ご覧のように激しい雨がまだ続いています。一部では30ミリを超えるようなどしゃぶりになっておりますし、このような状態は、え、明日の、あの、午前中ぐらいまでは、残るところがありそうなんですね。え、ですから、場所によっては1時間に30ミリ以上、50ミリを超えるような激しい雨の降るところもありますので、引き続き、その、激しい雨には注意が必要ということになりそうですね。はい。それで、現在の宇都宮(うつのみや)の様子をご覧いただきたいと思いますが、宇都宮はですね今日一日で126ミリのもう雨が降っているんですね。え、現在のところは、少し弱まっておりますが、え、これから、あー、明日にかけましては、あー、まだ雨の強い状況が残りそうです。え、これから、東北地方、あー、関東地方北部、そして東北地方、こちらが雨の中心になりますので、引き続き注意していただきたいというように思いますね。」

「はい。で、一方、その風の方はどうですか?」

「えー、はい。暴風域はなくなりましたけれども、相変わらず風の強い状態は続いております。え、敦賀(つるが)では、平均で17メートル、それから、これは吹き返しの風ですね。」

「あー、はい。」

「それから、あー、台風の東側の銚子(ちょうし)では、平均で15メートルという非常に強い風が吹いているんですね、え、ですから台風の周辺ではまだまだ強い風が続いているということで、この状況が、このあと台風の、この、あの、北上とともに北の方に移っていくということが予想されますので、引き続きこの強い風に対する警戒は必要だろうと思いますね。はい。」

「そうすると、波、海の荒れ、海の荒れっていうのは。」

「はい。やはり、あの強い、高い波はですね、このあと北日本の太平洋側を中心に、あの、高くなるわけなんですけども、まだ、明日の午前中くらいは、関東から西の海もですね、注意が必要ですね。それで、実際にこの伊予崎(いよざき)で現在14メートルの高波が打ち寄せているんです。」

「ああ。」

「はい。それから、あー、日本海の方でも11メートルの高波が打ち寄せておりますので、非常にまだ周辺は波の高い状態が続いているということで、道路などへの浸水もですね十分考えられますね。」

「はい。そうしますと、雨、風、そして、それから海、まだまだ注意が必要だということですね。」

「はい。そうですね。最新の情報で注意していただきたいと思いますね。そこで、注意事項をまとめてみますと、やはりこれまでの大雨で、かなり川、あの河川が増水しておりますので、まあ、そういうところにはもう近づかないということが必要ですね。え、下流で降っていなくても上流でかなり降ってますと一気に流れてきますので、絶対にもう近づかないということが必要だろうと思います。それから、海岸。これは今言いましたように、非常に風が強いということで、波の方も当然高くなっているわけですね。もう、防波堤をどんどん越えてきますので、えー、このものを見に行くとか、そういうことは絶対になさらないでいただきたいと思いますね。」

「はい。」

「はい。そして、えー、もうひとつはこの土砂災害。これは、もうこれまで各地で起こっておりますけれども、まあ、これからは雨は弱まったといいましても、これまでの雨で地盤がかなり緩んでます。ですから、少しの雨でも、おー、土砂災害起きやすいということですから、普段と違うような状況が見えましたらすぐ避難ということですね。それから渋谷(しぶや)など先ほど激しい雨が降りましたけれども、これから1時間に30とか50ミリの雨が降りますと、都市部では一気に、その、側溝とか、下水があふれてしまいますので、地下に水が入るということですから、まあ、そういう状況になりそうなときには、あの、もう地下には入らないということが必要だろうと思いますね。」

「はい。まだまだ、注意が必要です。気象情報担当、高田さんに聞きました。」

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