社内の人への挨拶
挨拶は、人間関係の基本のひとつである。挨拶をおろそかにすると、『近頃の若い者は、挨拶のひとつもまともにできない』などと、能力や人間性まで疑われてしまうことがある。
日常の挨拶
職場では、いつ誰にでも毎日同じように挨拶することが大切である。人や時間によって挨拶したりしなかったりするのでは、相手はあなたに悪い印象を持つかもしれない。
朝の挨拶
朝は一日が始まる大切な時である。朝の挨拶(出社時の挨拶)は、その人の印象を大きく左右する。
朝は早く起きる
挨拶される前に自分から挨拶する
相手の顔を見ながらにこやかに挨拶する
無理のない範囲で元気よく挨拶する
挨拶と同時に会釈する(手は挙げない)
朝の挨拶は「おはようございます。」と言えばよい。あなたが特に偉い人でないかぎり、相手に「おはよう。」と言ってはいけない。
おはようございます。
なお、挨拶する相手の名前をつけると、親しみを表現することができる。
田中課長、おはようございます。
挨拶をされたら挨拶を返すようにする。あなたが特に偉い人でないかぎり、手を挙げたり、会釈したりするだけで済ましてはいけない。
おはようございます。
あ、おはようございます。
前田くん、おはよう。
安藤部長、おはようございます。
短い会話ができる状況ならば、「おはようございます。」だけでなく、何か一言言い添えるのもよい。そのときは、季節や気候の話題、感謝のことばなどが無難である。
前田さん、おはようございます。今日は、いい天気ですね。
あ、おはようございます。ええ、本当にいい天気ですね。
前田さん、おはようございます。
あ、おはようございます。
昨日は、いろいろありがとうございました。
いえいえ、こちらこそ、助かりました。
前田くん、おはよう。
安藤部長、おはようございます。大分暖かくなりましたね。
うん。だからって、居眠りなんかしちゃいかんぞ。
ただし、会社は仕事をする場所なので、相手が親しい関係の人でも長時間の立ち話はよいマナーではない。あくまでも、挨拶として短い会話を交わすべきである。
こんなときどうする?
- 相手が携帯電話で話していて声がかけられない
- 会釈だけで済ませる
- エレベータに大勢の人が乗っていて声が出しづらい
- 黙って軽く頭を下げる(顎を少し引いて目を伏せる)
- 椅子に座っているときに偉い人がやって来た
- 椅子から立ち上がって挨拶する
- 歩いているときに反対から偉い人が歩いてきた
- 立ち止まって挨拶する
日中の挨拶
朝の挨拶は「おはようございます。」と言うが、11時を過ぎたら、「お疲れさまです。」と挨拶するのが普通である。
お疲れさまです。
社内で同僚や上司に出会ったら、昼でも夕方でも、とりあえず「お疲れさまです。」と挨拶しておけばよい。
こんなときどうする?
- 会社のなかで社外の人に会ったら
- 「いつもお世話になっております。」と言う
- いつも廊下を掃除している清掃会社のスタッフには
- 「お疲れさまです。」と言う
- いつも荷物やメール便を届けにくる宅配会社の人には
- 「お疲れさまです。」と言う
退社時の挨拶
勤務時間が過ぎたからといって、すぐに黙って帰るのでは印象が悪い。退社するとき(会社から帰るとき)にも、忘れずに挨拶をするようにする。
なお、相手が上司や年長者ならば、より丁寧な言い方をする。
なお、「ご苦労さま。」は、目上の人が目下の労をねぎらっていうことばなので、あなたが特に偉い人でないかぎり「ご苦労さま。」「ご苦労さん。」「ご苦労さまです。」などとは言わない方がよい。
他の人が残業しているとき
忙しそうに残業ししている人ががいるときには、何か手伝うことがないか聞いてから帰るようにする。
なお、これは形式的な挨拶なので、このように言ったからといって、何かの仕事をしろと言われることは少ない。ただし、何かの仕事を手伝ってほしいと頼まれれば、残業につきあうことになるだろう。
外出するときの挨拶
会社から社外へ外出するとき、外出から会社に帰ったときにも挨拶をするようにする。
自分が外出するとき
自分が外出するときには、黙って出て行くのではなく、行き先を告げるようにする。
おおよその帰社時間がわかっていれば、言い添えると丁寧である。なお、外出が短い時間であれば、「すぐ戻ります。」といえばよい。
帰社時間を伝えておけば、不在時の電話や来客にも対応してもらいやすい
(上司などに)何か声をかけられたときには、返事をしたあとで改めて出発の挨拶をするようにする。
竹南商事に行ってきます。3時ごろまでには戻ります。
契約延長の件、よろしく頼むよ。
はい。では、行ってきます。
竹南商事に行ってまいります。3時ごろまでには戻ります。[よりていねい]
契約延長の件、よろしく頼むよ。
はい。承知いたしました。では、行ってまいります。[よりていねい]
他の人が外出するとき
他の人が外出するときには、見送りの挨拶をすることになる。
できるだけ外出する人の方に顔を向けて挨拶する。
自分が外出から帰ったとき
外出から帰ったたときも、黙って席につくのではなく、必ず自分が帰ったことを知らせるようにする。
ただ今戻りました。
他の人が外出から帰ったとき
他の人が外出から帰ったときには、出迎えの挨拶をすることになる。
できるだけ外出から帰った人の方に顔を向けて挨拶する。