日本語弁論基礎1

5回目の講義メモ

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1.スピーチの構成

スピーチの構成の基本

作文
2段構成が基本、意見文では3段構成でもよい
スピーチ
3段構成が基本、個人的なテーマでは2段構成でもよい

ショートスピーチ(1~3分程度の短いスピーチ)では3段構成を意識すると失敗しにくい

3段構成とは

3段構成の基本的なスタイルは次のようになる。


A [結論・答えを端的に述べる]

B [証拠・理由・具体例(経験や体験を含むようにするとよい)]

A' [結論・答えを少し詳しく述べてまとめる]


スピーチの場合は、最も基本となる3段構成から A または A' を省略すると2段構成になると考えればよい

※2段構成は、個人的なテーマの場合など、結論の重要性が低い場合、具体的な体験などについて話す場合に用いることができる

3段構成の例

例題:

「あなたが考える台湾社会の問題は何ですか?また、その問題を解決するにはどうしたらいいと考えますか?」

構成:

A《まず自分の意見を述べる》

私が考える台湾社会の問題は、所得の格差が大きいということです。格差を小さくするためには、税制を改革するべきだと思います。

B《具体例を挙げながら理由を述べる》

私の家は貧乏なので、アルバイトをしなければ学校に通うことができません。本当は、もっと勉強したいんですが、アルバイトが多くて思うように勉強できません。私の成績が悪いのは、遊んでいるからじゃないんです。アルバイトが多すぎるんです。本当です。信じてください。……それに比べて、私の友達のゼンさんは、家がお金持ちなのでアルバイトをしてません。でも、彼は勉強もしないんです。毎日遊んでばかりです。本当です。しかも、家が金持ちだから将来の心配もしていません。本当です。でも、これでは不公平というものです。それでは、みんな勉強する気がなくなってしまうかもしれません。わたしも、最近、勉強する気がなくなってきた気がします。でも、ちょっとだけですから、安心してください。まだまだやる気はあります。だから、私はこう主張します。それは、……息子が遊んでばかりいる金持ちには高い高い税金をかけること。息子が遊べなくなるほどとっちゃってください。そして、そのお金を、貧乏だけどやる気のある学生の奨学金にするんです。そうすれば、みんな安心して勉強できます。そして、なんかすごいものとか発明したりするかもしれません。でも、わたしのように貧乏が理由で成績の悪い学生もいるので、奨学金に成績の条件はつけないでほしいです。……お願いします。

A'《もう一度自分の意見を述べてまとめる》

私たち学生の場合だけでなく、台湾の社会は所得の格差が大きすぎると思います。格差を放置すれば、社会は必ず悪い方向に向かっていくと思います。そうならないために、税制を改革して、金持ちからとったお金を貧乏人に配るように主張して、私のスピーチを終わります。

スピーチの初めかたと終わりかた

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