ビジネス作文(びじねすさくぶん)

文書の機能と表現の機能

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文書(ぶんしょ)表現(ひょうげん)機能(きのう)とは?

ビジネス文書(ぶんしょ)()機能(きのう)

ビジネス文書(ぶんしょ)は、それぞれが『機能(きのう)』を()っている。ここで『機能(きのう)』というのは、〈(なに)かをする〉という意味(いみ)である。たとえば、依頼文書(いらいぶんしょ)(なに)かを依頼(いらい)するために()くもので、注文書(ちゅうもんしょ)(なに)かを注文(ちゅうもん)するために()くものである。つまり、依頼文書(いらいぶんしょ)は〈依頼(いらい)する〉という機能(きのう)()っており、注文書(ちゅうもんしょ)は〈注文(ちゅうもん)する〉という機能(きのう)()っているのである。

表現(ひょうげん)()機能(きのう)

ビジネス文書(ぶんしょ)()つ『機能(きのう)』は、ビジネス文書(ぶんしょ)表現(ひょうげん)()つ『機能(きのう)』と密接(みっせつ)(かか)わっている。たとえば、(つぎ)の2つの表現(ひょうげん)(ちが)いは(なん)だろうか。

  1. 出席(しゅっせき)してください。
  2. 出席(しゅっせき)ください。

もちろん、1よりも2の(ほう)がていねいな表現(ひょうげん)だが、(ちが)いはそれだけではない。この2つの表現(ひょうげん)がビジネス文書(ぶんしょ)(なか)使(つか)われた場合(ばあい)(つぎ)のような機能(きのう)()つのである。

  1. 出席(しゅっせき)してください。指示(しじ)命令(めいれい)(=出席(しゅっせき)しなさい)
  2. 出席(しゅっせき)ください。勧誘(かんゆう)依頼(いらい)(=出席(しゅっせき)してほしい)

そのため、「出席(しゅっせき)してください。」は、通知文書(つうちぶんしょ)などの指示(しじ)機能(きのう)()文書(ぶんしょ)使(つか)われ、「ご出席(しゅっせき)ください。」は、案内文書(あんないぶんしょ)などの勧誘(かんゆう)機能(きのう)()文書(ぶんしょ)使(つか)われる。(ぎゃく)()えば、指示(しじ)機能(きのう)()文書(ぶんしょ)に「ご出席(しゅっせき)ください。」を使(つか)うことはできないし、勧誘(かんゆう)機能(きのう)()文書(ぶんしょ)に「出席(しゅっせき)してください。」を使(つか)うこともできないということである。

このように、ビジネス文書(ぶんしょ)表現(ひょうげん)では、文書(ぶんしょ)の『機能(きのう)』と表現(ひょうげん)の『機能(きのう)』に注意(ちゅうい)する必要(ひつよう)がある。まず、どのような表現(ひょうげん)がどのような『機能(きのう)』を()つのかを理解(りかい)し、文書(ぶんしょ)()つ『機能(きのう)』によって表現(ひょうげん)適切(てきせつ)使(つか)()けられるようならなければならない。

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