報告とは?

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報告(ほうこく)とは(なに)

報告(ほうこく)種類(しゅるい)

報告(ほうこく)には、(つぎ)のような種類(しゅるい)がある。

要約(ようやく)
ある文章(ぶんしょう)()んで、その文章(ぶんしょう)のポイントを自分(じぶん)のことばで(みじか)くまとめる
学習報告(がくしゅうほうこく)
あるテーマに(かん)して、資料(しりょう)調(しら)べたり、学習(がくしゅう)したりした内容(ないよう)をまとめる
調査報告(ちょうさほうこく)
実験結果(じっけんけっか)調査内容(ちょうさないよう)具体的(ぐたいてき)事実関係(じじつかんけい)観察(かんさつ)した事柄(ことがら)などをまとめる
レポートには報告と小論文の2つがあり、報告はさらに(1)要約、(2)学習報告、(3)調査報告に分けられる。

要約(ようやく)

要約(ようやく)は、書籍(しょせき)論文(ろんぶん)などの文章(ぶんしょう)()んで、その文章(ぶんしょう)(みじか)くまとめるものである。要約(ようやく)では、文章(ぶんしょう)のポイントが()さえられていることだけでなく、自分(じぶん)のことばでまとめられていることも重要(じゅうよう)である。それによって、要約(ようやく)した(ひと)が、もとの文章(ぶんしょう)をどのように理解(りかい)したのかがわかるからである。【参考→「文章の要約」】。

なお、要約(ようやく)に、()()評価(ひょうか)(くわ)えたものは「書評(しょひょう)」と()ばれる。書評(しょひょう)は、(たん)なる読書感想文(どくしょかんそうぶん)ではなく、文章(ぶんしょう)適切(てきせつ)要約(ようやく)したうえで、その内容(ないよう)分析(ぶんせき)し、()()評価(ひょうか)()べるものである。

学習報告(がくしゅうほうこく)

学習報告(がくしゅうほうこく)は、課題(かだい)として設定(せってい)されたテーマに(かん)して、文献(ぶんけん)資料(しりょう)調(しら)べた内容(ないよう)や、授業(じゅぎょう)講義(こうぎ)(まな)んだ事柄(ことがら)をまとめるものである。

学習報告(がくしゅうほうこく)では、自分(じぶん)実験(じっけん)やアンケート調査(ちょうさ)(おこ)なったり、分析(ぶんせき)考察(こうさつ)(くわ)えたりする必要(ひつよう)はない。

調査報告(ちょうさほうこく)

調査報告(ちょうさほうこく)は、自分(じぶん)調査(ちょうさ)(おこ)ない、その内容(ないよう)結果(けっか)をまとめるものである。

ここでいう「調査(ちょうさ)」には、実験(じっけん)やアンケート調査(ちょうさ)詳細(しょうさい)文献調査(ぶんけんちょうさ)観察(かんさつ)などの方法(ほうほう)がある。それらを客観的(きゃっかんてき)分析(ぶんせき)したうえで報告(ほうこく)としてまとめるのである。

報告(ほうこく)条件(じょうけん)

要約(ようやく)であれ、学習報告(がくしゅうほうこく)であれ、調査報告(ちょうさほうこく)であれ、報告(ほうこく)(もっと)重要(じゅうよう)なことは、記述(きじゅつ)した事実(じじつ)やデータが正確(せいかく)だということである。

具体的(ぐたいてき)には、(つぎ)の3つの条件(じょうけん)(まも)られていなければならない。

  1. 事実(じじつ)認定(にんてい)やデータに(あやま)りがない
    《ただしく()く》
  2. 事実(じじつ)記述(きじゅつ)公正(こうせい)である
    《はっきり()く》
  3. 事実(じじつ)やデータが恣意的(しいてき)選択(せんたく)されていない
    《すべてを()く》

よい報告(ほうこく)(わる)報告(ほうこく)

古郡(2006:12)は、(つぎ)のように()べている。

文章(ぶんしょう)には、(おお)まかにいって、(ふた)つの種類(しゅるい)があります。「うまい−へた」によって評価(ひょうか)される文章(ぶんしょう)と、「よい−(わる)い」によって評価(ひょうか)される文章(ぶんしょう)です。小説(しょうせつ)詩歌(しいか)前者(ぜんしゃ)(ぞく)します。実用文(じつようぶん)、マニュアル、レポート、論文(ろんぶん)などは後者(こうしゃ)(ぞく)します。

つまり、報告(ほうこく)は、「よい−(わる)い」によって評価(ひょうか)される文章(ぶんしょう)である。報告(ほうこく)が『よい』か『(わる)い』かの基準(きじゅん)は、まず(なに)よりも「報告(ほうこく)条件(じょうけん)」が(まも)られているかどうかである。「報告(ほうこく)条件(じょうけん)」が(まも)られていないものは、それだけで(わる)報告(ほうこく)評価(ひょうか)されるであろう。

(わる)報告(ほうこく)(れい)

報告(ほうこく)条件(じょうけん)」が(まも)られていないものは(わる)報告(ほうこく)である。つまり、(つぎ)のような報告(ほうこく)(わる)報告(ほうこく)だといえる。

  1. 事実(じじつ)認定(にんてい)(あやま)りのある記述(きじゅつ)(あやま)ったデータが(ふく)まれている
  2. 公正(こうせい)でない記述(きじゅつ)(ふく)まれている
  3. 事実(じじつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)された記述(きじゅつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)されたデータが(ふく)まれている

このように不適切(ふてきせつ)記述(きじゅつ)やデータが(ふく)まれた報告(ほうこく)は、(わる)報告(ほうこく)である。以下(いか)に、不適切(ふてきせつ)記述(きじゅつ)具体例(ぐたいれい)(しめ)しておく。

事実(じじつ)(あやま)りのある記述(きじゅつ)

たとえば、(つぎ)のような出来事(できごと)記述(きじゅつ)する場合(ばあい)(かんが)てみよう。

このとき、

先生(せんせい)学生(がくせい)()って、学生(がくせい)がケガをした。

というのは、事実(じじつ)(あやま)りのある記述(きじゅつ)である。先生(せんせい)加害者(かがいしゃ)で、学生(がくせい)被害者(ひがいしゃ)だというのは、出来事(できごと)(もっと)重要(じゅうよう)なポイントであり、(あやま)りは(ゆる)されない。

公正(こうせい)でない記述(きじゅつ)

たとえば、(つぎ)のような出来事(できごと)記述(きじゅつ)する場合(ばあい)(かんが)てみよう。

このとき、

学生(がくせい)(あし)先生(せんせい)(あた)って、先生(せんせい)がケガをした。

というのは、公正(こうせい)でない記述(きじゅつ)である。内容自体(ないようじたい)には、事実(じじつ)(はん)するところはないが、これでは『学生(がくせい)先生(せんせい)()った』のかどうかがわからない(あるいは、故意(こい)(かく)されている)。結果(けっか)として、(あやま)った情報(じょうほう)(あた)える可能性(かのうせい)(たか)いため、公正(こうせい)だとはいえないのである。

事実(じじつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)された記述(きじゅつ)

たとえば、(つぎ)のような出来事(できごと)記述(きじゅつ)する場合(ばあい)(かんが)てみよう。

このとき、

学生(がくせい)先生(せんせい)()った。

というのは、事実(じじつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)された記述(きじゅつ)である。これも、内容自体(ないようじたい)には事実(じじつ)(はん)するところはないが、これでは『()られた先生(せんせい)がケガをした』ことがわからない(あるいは、故意(こい)(かく)されている)。

(おな)じく、

先生(せんせい)がケガをした。

というのも、事実(じじつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)された記述(きじゅつ)である。これでは『学生(がくせい)先生(せんせい)()った』ことがわからない(あるいは、故意(こい)(かく)されている)。

このように恣意的(しいてき)選択(せんたく)をすることによって、重要(じゅうよう)情報(じょうほう)伝達(でんたつ)されないままになってしまうのである。

不正(ふせい)記述(きじゅつ)

事実(じじつ)(あやま)りのある記述(きじゅつ)」・「公正(こうせい)でない記述(きじゅつ)」・「事実(じじつ)恣意的(しいてき)選択(せんたく)された記述(きじゅつ)」が意図的(いとてき)になされるならば、それは不正(ふせい)記述(きじゅつ)といえる。

(つぎ)のような記述(きじゅつ)不正(ふせい)なものである。このような記述(きじゅつ)は、けっして報告(ほうこく)(ふく)まれてはならない。

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