論文・レポートの文末表現
論文やレポートなどの正式な書きことばでは、文末に「〜だ。」「〜である。」が使われることが多い。
- 論文やレポートでよく使われる文末表現
- 人間は、復活する前に一度死ななければならない。
- 言語は、人間に不可欠である。
- 当然の事実を発見したというだけだ。
- 論文やレポートではあまり使われない文末表現
- 人間は、復活する前に一度死ななければなりません。
- 言語は人間に不可欠です。
- 当然の事実を発見したというだけです。
「〜だ。」「〜である。」の文末表現
「〜だ。」「〜である。」の文末表現は次のようになる。
「〜だ。」「〜である。」
| です・ます | 現在形 | 過去形 |
肯定形 | 否定形 | 肯定形 | 否定形 |
名詞 | 問題です。 | 問題だ。 問題である。 | 問題でない。 問題ではない。 | 問題だった。 問題であった。 | 問題でなかった。 問題ではなかった。 |
動詞 | 読みます。 | 読む。 | 読まない。 | 読んだ。 | 読まなかった。 |
考えます。 | 考える。 | 考えない。 | 考えた。 | 考えなかった。 |
理解します。 | 理解する。 | 理解しない。 | 理解した。 | 理解しなかった。 |
な形容詞 (形容動詞) | 重要です。 | 重要だ。 重要である。 | 重要でない。 重要ではない。 | 重要だった。 重要であった。 | 重要でなかった。 重要ではなかった。 |
い形容詞 (形容詞) | 早いです。 | 早い。 | 早くない。 | 早かった。 | 早くなかった。 |
その他 | …でしょう。 | …だろう。 …であろう | …でないだろう。 …でないであろう。 | …だっただろう。 …だったであろう。 | …でなかっただろう。 …でなかったであろう。 |
…(し)ましょう。 | …(し)よう。 | | | |
…ですか。 | …だろうか。 …であろうか。 | | | |
「〜だ」と「〜である」
「〜だ。」や「〜である。」は「〜です。」や「〜ます。」と同時に使うことはできない。ただし、「〜だ。」と「〜である。」は、同じ文章の中で同時に使うことができる。
○:人間は動物である。しかし、パンダも動物だ。
○:テーマは環境破壊である。特に、大気汚染について調べる。
×:人間は動物である。しかし、パンダも動物です。
×:テーマは環境破壊である。特に、大気汚染について調べます。
「〜である。」は「〜だ。」よりも強い表現である。強調強く主張したいところに使うと効果がある。
アメリカ
人はウソつき
だ。ジョン・スミスはアメリカ
人だ。だから、ジョン・スミスはウソつき
である。
⇒『ジョン・スミスはウソつき』を強調したいと思っている
「〜のだ」と「〜のである」
「〜のだ。」や「〜のである。」は、強い主張をあらわす表現である。強く主張したいところに使うと効果がある。
物価が下がると賃金も下がる。賃金が下がると購買力も下がり、さらに物価が下がる。物価が下がればさらに賃金が下がる。この悪循環こそが問題なのである。
しかし、「〜のだ。」や「〜のである。」を使いすぎると文章がくどく感じられるので注意しなければならない。「〜のだ。」や「〜のである。」は特に主張したいところにだけ使うようにする。
物価が下がると賃金も下がるのである。賃金が下がると購買力も下がり、さらに物価が下がるのである。物価が下がればさらに賃金が下がるのである。この悪循環こそが問題なのである。