
技術情報 3
| ちょっと深く考えてみました |
私たちが設計をする時に一番基本となり準拠すべきものに、関係機関が発行する「示方書」 や「基準書」がありますよね。 たまに(頻繁に?)同一書籍の中で同一対象物に異なる数値を与えてみたり、どう見ても単純な計算ミスを掲載したりしてます。 こんな時あなたはどうしています? 右の表は「護岸の力学設計法」P109の下の方に載っている表です。 コンクリートの比重って 2.35 に決まっているんじゃなかったですか? 一つの表中で少なくともバラバラな数値では無いでしょう。 |
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| 土木の「示方書」 や「基準書」は実験や経験式に基づくものが多いです。それについては全くその通りだと思います。先人の経験に勝るものはありません。 現代それを体系的に行っているのが「土木研究所」で、あまたの天下り財団が書籍にしているだけです。 「護岸の力学設計法」について上記の矛盾を尋ねてみました。後に残すためFAXを用いました。 運よく当時の執筆担当者がまだ在籍していて答えてくれました。 やはり土木研究所で行った実験・研究を基に「護岸の力学設計法」は書かれているそうです。右は研究資料のコピーです。(内容は別のものです)。ホームページで見ると研究資料一覧が載っていて、請求すると有料で送ってくれます。高価ではありません。 当時の担当者曰く 「模型を作製して実験を行ったが、作られた模型が均一に出来なくてまちまちな比重になってしまった。」 そうです。質問への回答としては明快です。 でもそんなことでいいのか? そんなことで「護岸の力学設計法」にもそのままの数字が掲載されていて、それが基準になっています。納得できました?? 「示方書」 や「基準書」は土木研究所資料に由来しているものが少なくありません。 3〜40年前の成果に基づいて書かれた準拠もありますが、実際に多くの実験を経て決められたものですから説得力があります。基準書では唐突に掲載されている数値が、莫大なデータに裏付けされたものだと知ると妙に納得してしまいます。 また他の質問事例でも現在の職員が当時の担当者を探してくれ、的確に回答をくれます。上層部の人間は腐っていても担当者レベルではまだまだ日本は捨てたもんじゃないと思います。 がんばれ土研 |
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