実写でボクシング スパー天国 公式マニュアル         








実写でボクシング

スパー天国 公式マニュアル





提供・アースインフィニティ

開発・サンドバック



目次

1.実写でボクシングについて 5

こんなゲーム 5

これまでの歴史 6

ゲームモード 8

2.スパー天国について 15

こんな天国 15

入室の条件 16

ダメージについて 16

レベルランキング 17

チャンピオン 18

3.スパーリングについて 19

ルール 19

4.ボクサーのアクションについて 21

操作キー、各種ボタン 21

方向キーとボタンによるアクション一覧 22

攻撃の基本ルール 23

攻撃のターゲット 23

パンチの質 24

ジャブ 25

ストレート 27

フック 28

アッパー 29

ボディジャブ 30

ボディフック 31

防御の基本ルール 32

防御する部分 32

防御の質 32

ガード 33

ダッキング 34

スウェー 35

腹筋 36

その他のアクション 37

フットワーク 37

フェイント 38

武者震い 38

イヤ倒れ 39

コーナー寄りかかり 39

5.システムについて 41

打たれ慣れ 41

相打ち 41

インターバルの回復幅 42

ロープ際 42

クリンチ 42

ダウン 43

エフェクト 43

6.グラブ色による性能差 44

赤グラブ 44

青グラブ 44

白グラブ 45

7.ゲーム画面について 46

ダメージゲージ共通 46

顔面ダメージゲージ 47

ボディダメージゲージ 47

疲労ダメージゲージ 48

ラウンドタイマー 48

呼吸ゲージ 49

クリンチゲージ 50

8.テクニック 51

攻撃テクニック 51

防御テクニック 53

9.ユーザーコラム 54

マウスを使って「実写でボクシング」を楽しむために 54

ユーザーから見たスパ天の発展 57

スパーの流れ 62

ストレートカウンター 65

10.実ボク用語集 69



1.実写でボクシングについて


こんなゲーム


 「実写でボクシング」(以下、実ボク)は、ボクシングを題材とした"2Dアクションゲーム"です。主な特徴を以下に記します。



1) キャラクターを実写で表示

  キャラクター表示に実写のボクサー画像を使用しています。

 リーチの長さや頭の位置が実際の人体そのものなので、スパーの攻防にリアリティがあります。

 ちなみに被写体は31歳時の私、ゲームの開発者です。

 拳闘における年齢的衰えを、ゲーム化することで未来永劫凍結させるというSF的ロマンの実現でもあります。

2) 直感的に動かせるボクサー

 直感的にボクサーを動かせるように、操作システムがシンプルです

 矢印キーと4つのボタンだけで全てのアクションを行うことができます。ストーリーモードの基本技術を習得する頃には、画面内の実写ボクサーを思い通りに動かすことができるでしょう。


3実体験に基づくダメージ

 何千何百とパンチを受けてきた開発者による、納得のいくダメージ計算。


4ジム入門の仮想体験

 ストーリーモードはボクシング未経験の主人公が基本テクニックを徐々に習得していくゲーム内容のため、プレイすることで実際のボクシングに関する知識や感覚が順を追って自然と身につきます。

 

5) 世界中のユーザーと対戦できる

 ネット対戦の場が用意されており、リアルタイムでの対戦プレイが可能です。


6) 永遠に強くなっていくライバル達

 オフラインモードでプレイヤーが強くなればなるほどCPUキャラ強くなっていきます。この仕様により「簡単すぎる」という状況には絶対になりません。

 オンラインによるネット対戦では、CPUキャラ相手では決して味わうことのできない人間の知恵をベースにした高度な読み合いを楽しむことができます。


7) 熱心なバージョンアップ

 公開から15年たった現在開発が続けられており、新しい要素が次々と追加されています

これまでの歴史


 実写でボクシングは、かつてボクシングジムを運営していたサンドバックにより開発され、2004年夏にHSPプログラムコンテスト応募作品として初めて世に公開されました。

 公開直後からボクサーのリアルな挙動や深刻なダメージ設定がネット上で話題となり、その人気はHSPユーザーだけではなく、ボクシングファン及びボクサーへと拡大していきました。

 コンテストの交流掲示板には多くの感想や要望が書き込まれ、締め切り直前までバグ修正や最適化などの更新が施されました。

 審査の結果、実ボクはHSPプログラムコンテスト最優秀ゲーム賞を受賞します。ニュースサイトやパソコン雑誌で紹介され、公式HP開設と同時に多くのユーザーが集いました


 2005年には 100円ショップダイソーCD媒体による店頭パッケージ販売が開始されパソコン初心者や子供達、ネットに接続していないユーザーからの声も届くようになりました。

 ウェブ配布用の実ボクは更に改良が加えられ、細かなバージョンアップを重ねていきます

 2006年には開発当初からの念願だったネット回線を利用したリアルタイム対戦が実現します。ただし当初は回線が不安定でスパーを最後まで行えただけでホッとしたものです

 2007年には通信対戦専用サーバを開発者の自宅にて24時間稼動、不安定だった通信環境が安定しました。更にCGIによるリアルタイムの世界ランキング制度や世界タイトル(チャンピオン制度)が追加され、これまで単に戦うだけだったスパー天国に目指すべき頂点が生まれました。ユーザーによる戦績データの管理・公開サイトや攻略サイトが開設されたのもこの時期だったと記憶しています。

 2008年にはサーバの電気代を捻出するため、フリー版に広告配信ソフト「オプトメディア」が導入され運営の基盤を強化しました(が、この導入には賛否両論ありました)。

 2009年にはユーザーからのカンパで最新スペックの自宅サーバを導入、性能アップにより多くのスパーが快適に行えるようになりました。

 2010年にはスポンサーとしてNEOインターナショナル様(現アースインフィニティ様)の支援をいただき、不評だったオプトメディアによる広告の表示を廃止、よりユーザーに負担を与えない配布形態と安定した運営が実現できました。更にラジオ京都、ラジオ関西の番組内で紹介していただき、多方面で露出する機会がありました。

 2011年にはポート開放によりユーザー同士が直接通信できる仕組みが実装され、同時に多くのスパーを行うことが可能になりました。

 2012年にはネット対戦のロビーにbotボクサーを常駐させ、対戦相手がいない状況に対応しました。

 2013年にはグラブ色によってボクサーのスタイルが変化するようになり、より多彩な戦術による対戦を楽しめるようになりました。またサブサーバが追加され、ネット対戦の通信基盤が強化されました。

 2014年には、ミニゲーム滝行が追加されました(得点ランキング)。年末には自分以外のスパーを観戦できる「スパ天のスパー再生」が追加されました。

 2015年には、ジムサーバにギガ回線を導入しました。これによりネット対戦の安定性が増し、一度に多くのスパーを行うことが可能になりました。年末にはイロレーティングを導入。おぼろげだった各ユーザーの「強さ」を示しました。

 2016年には、フリー版でもA級ライセンス取得すると色グラブの選択が可能になりました。更にネット対戦に参加するまでの難易度を下げ、実力差のあるネット対戦の際にグローブハンデを適用しました。

 2017年には、有料だった完全版をフリーソフトとし、体験版を廃止。ストーリーモードの二周目に「地下ボクシング編」を追加しました。最下位の48位からランキングを駆け上がる、王道的なゲームを楽しめるようになりました。英語版リリースに向けた翻訳作業を開始しました。更に英語圏にもユーザー拡大を狙って英語版「SAMURAI BOXING」を公開しました。

 2018年には、トロフィー(実績)を実装しました。スパ天入室によってログインボーナスを得られるようになりました。ビンゴをオフラインやボット戦にも拡大しました。

 2019年、サーバOSの老朽化・ネット対戦ユーザーの減少から11年間に渡って稼働したネット対戦専用サーバを廃止しました。開発者のWindows10作業機にサーバ機能を移植、数か月の不定期稼働を経て再び24時間稼働となりました。ネット対戦サービスが無限に続くサービスではないと実感、オフライン系の整備が進みました。

 2020年、頓挫していた英語翻訳にコタさんが参加、英語版リリースの夢が再び始動。地下編が音声実況に対応。拳友の全都道府県制覇をduaneさんとオーディンさんが達成。コタさん主催、非公式動画チャンネルが開設。PCゲームの標準的なコントローラ、XBOXコン(通称 箱コン)に対応。



実ボクユーザー 3902氏によるイラスト。

ゲームモード



ストーリーモード

 足立区竹ノ塚で活動していた西沢ボクシングジム、その二年に渡る活動を再現したモード。


 HSPプログラムコンテスト2004にて最優秀ゲーム賞を受賞した時点では、このストーリーモードしかなかったので、実質このモードが受賞したと言えます


西沢ジムの外観

ストーリーモードの舞台、西沢ジム。外観は普通のマンションだが…


 西沢ジムの理念(ボクシングは一部の猛者だけのものではない。もっと多くの人が、草野球のように楽しむことができるはず!)が再現されており、ボクシング素人の主人公も訪問初日からヘッドギア装着、グラブを握りスパーリングに挑みます

 ダメージ蓄積がジム退会(ゲームオーバー)の条件となっており、ゲーム中の出来事としてではなく、実際に殴られる怖さ・痛みを意識した慎重なプレイが要求されます。

 会長に指示されたテクニックを使ってスパーに勝利することで、次のテクニックに進むことができ6つの基本的なテクニックを全て終えると「基本技術の習得」となります。

 この習得により、ネット対戦を含む他のモードを遊べるようになります。

 その後、4名の練習生とスパーを繰り返した末に迎える対外試合を経てエンディング、ここまでが西沢ジムの活動を再現した「西沢ジム編」です。


 2周目プレイの際に新たに加わるのが新章となる「地下ボクシング編」。地下ランキング48位からストイックに頂点を目指す、本格的な内容となっています。

 純粋にスパーの実力だけで挑むとなると厳しい難易度なのですが、秘密の倉庫でのアイテムゲット、地底湖の亡霊から得られる蓄積ダメージの微回復、全回復リンゴ、下位ランカーと戦うことで得られる誠実値、などの隠し要素を駆使して乗り切ってください。

 ランキングを駆け上がり、地下世界のトップに君臨する実力が付いた頃には、猛者が集うスパー天国(ネット対戦)でも大いに活躍できるでしょう。

タイムアタックモード

 CPUキャラをどれだけ短時間で倒すことができるのかを競うモード。ストーリーモードの基本技術を習得することで遊ぶことができます。

 どれだけ大きなダメージを負ったとしても、次のスパーにはまったく影響しないので、思い切った攻撃でとにかく相手をマットに倒しきることが唯一無二の目的です。

 相手、もしくは自分がダウンした状態、もしくはスパー終了後の結果表示の場面など、Kキーを押しっぱなしにすることで早送りをすることが可能です。次から次へとチャレンジを繰り返す際の時間短縮に活用できます(他のオフラインモードも共通です)。

 ネットランキングに対応しており、世界中のユーザーと競い合うことができます。

サバイバルモード

 CPUキャラを連続で何名倒すことができるのかを競うモード。ストーリーモードの基本技術を習得することで遊ぶことができます。

 自分の顔面とボディ(および相手のボディ)のダメージはスパー中だけでなく各スパー終了後にもまったく回復しないので、ハイスコアを目指すためには、他のモードとは別の攻略法が必要となるでしょう。(ガード時に受ける微細ダメージも無視できません)

 なお、回復しないルールなので、こちらがダウンした場合、負け(ゲームオーバー)が確定となります。タオルの投入、もしくはKキー押しっぱなしによる早送りを活用ください。

 サバイバルモードでの記録が伸びるたびに、全国に拳友(ボクシング仲間)が増えていきます(都道府県全制覇をされた方は公式HPにて表彰・掲載させていただきます)。

 ネットランキングに対応しており、世界中のユーザーと競い合うことができます。



トレーニングモード

 疲労しない空間でサンドバックを前に様々なアクションを試すことができるモード。ストーリーモードの基本技術を習得することで遊ぶことができます。

 ギリギリで拳が当たる距離を確認したり、コンビネーションブローの操作を練習したりするのが本来の目的ですが、現実の時間進行によるラウンドタイマーが稼動しているので、パソコンの前でプレイヤー本人が実際にシャドーボクシングをして汗を流すこともできます。


ダイエットモード

 トレーニングモードに「ワンツー!」や「ダッキング」などの音声指示追加したモード。実ボクサーではなく、ダイエットするのはプレイヤー本人なのでお間違えなく。単調になりやすいシャーボクシングのお供にどうぞ


トロフィーモード

ゲーム内の様々な偉業をトロフィーで表彰するモード。全てのトロフィーを獲得した猛者はまだいないので、達成した方は報告をお願いします!

滝行モード

 空中に浮かぶミットに向かって正しいパンチを決めていくモード。ストーリーモードの基本技術を習得することで遊ぶことができます。

 パンチを当てる標的となるミットは、ジャブ・ストレート、フック、アッパー、ボディジャブ、ボディフックの5種類。防御すべき敵弾として、上段ロケットパンチ(ガードで対処)と下段ロケットパンチ(腹筋で対処)、背後からのヘビーボール(ダッキングで対処)、つらら(フットワークで対処)があります。

 一定時間で消えてしまうミットを打ち落としたり、敵弾を的確な防御で凌ぐと得点が入り、ノーミス状態を維持することで得点が青天井に増していきます。

 次に登場するミットや敵弾は、左上の枠内に表示されるのですが、つららだけは表示されません(落下寸前に落ちてくる砂利?で察知可能)。

 やがて登場するボス的存在を倒すことでエンディングが流れ、タイトル画面に変化が…!

 ネットランキングにも対応しており、世界中のユーザーと競い合うことができます。

 噂ではストーリーモードの地下編とも接続されているらしいが、その行き方は謎である。



2P対戦モード

 一台のパソコンで二人対戦ができるモード。

 ネット対戦が実現する以前は唯一対人戦ができるモードとして価値のあるモードでしたが、現在ではこれといった価値を見出すことができない遺物ともいえるモード。

 モード自体の削除も検討されましたが、遅延値0で戦える快適さやダメージ量の確認、ネット環境のないオフラインプレイヤーの対戦手段として現在も残してあります。



超回復モード

 タイムアタックモードに隠されている裏チャレンジモード。異常な回復力を持つCPUボクサーと対戦することができます。

 勝ち進むたびに対戦相手の回復力が上昇するため、いずれ顔面へのダメージだけでは倒しきることができなくなります(最高ダメージでダウンを奪っても立ち上がられてしまう!)。

 そのため、ハイスコアを狙うためには、相手の回復力を奪うためのボディアタック(主にボディフックを効果的に当てる技術)が必要となるでしょう。

 超回復モードでの記録が伸びるたびに、全国に拳友(ボクシング仲間)が増えていきます(都道府県全制覇をされた方は公式HPにて表彰・掲載させていただきます)。

 ネットランキングにも対応しており、世界中のユーザーと競い合うことができます。



vs会長モード

 最強のCPU思考ルーチンを持つ会長と対戦ができるモード。ネット対戦モードで10以上のキャリアを積むと遊ぶことができます。

 Lv1Lv4の会長と六回戦を行い、全レベルの会長に勝利するまで何戦費やしたかが記録されます(スパー数が同数の場合、通算のラウンド数で優劣を決定します)。

 ネットランキングに対応しており、世界中のユーザーと競い合うことができます。

ネット対戦モード

 ネット通信を介して世界中のユーザーとスパーを楽しむことができるモード。ストーリーモードの基本技術を習得することで遊ぶことができます。

 いまや実写でボクシングのメインモードといっても過言ではなく、vs CPUキャラでは決して味わえない、対人特有の緊張感、読み合いが多くのプレイヤーを虜にしています。

 ジムサーバに通信の負荷が集中することによって処理能力が追いつかなくなることがあり、場合によってはカクカクした動作による対戦(最悪の場合フリーズ)となってしまう可能性があります。が、5949番ポートを開放することでジムサーバを通さずに直接相手と通信できるようになるので、知識のある方はぜひポート開放していただけると助かります。

 現実のプロボクシングのようにランキング制度やチャンピオンベルトも存在しますが、詳細は、次章「スパー天国について」に記します。



リプレイ観戦モード

 実写でボクシングで行われた各種スパーを、観戦できるモード。

 観戦中は↓キーで一時停止、↑キーで再開、←→キーで再生速度を変化させることができます。

 自身が戦ったネット対戦直近8戦のスパーは自動でリプレイ保存されます。スパー直後に任意で選んだスパー思い出として8戦まで保存できます。

 最近のスパ天(もしくは最近の王座戦)を選ぶことで、サーバに保存されている自分以外のスパーを観戦できます。他人同士のスパーを観戦する事で新たな発見があるかもしれません。

 連続再生は、展示会に出品するために用意されました。(が、いまだに実ボクはどの展示会にも出品されていません)



実ボクユーザー はまこ〜氏による投稿挿絵







*右下モクモク枠「回復力x3以上に勝つと…」は「回復力x3以上にKOで勝つと…」に変更


開発者のコラム1) 実ボク開発のきっかけ


 私は高校時代からボクシングに興味を持ちましたが、思い返せばそれ以前にもゲームで遊ぶ際にはボクシングを題材としたゲームを選んでいたように思います。


 古くはファミコンの時代、アーバンチャンピオン、ファミリーボクシング、マイクタイソンパンチアウトなどのパイオニア的な名作をリアルタイムで楽しみました。

 やがて家庭用ゲーム機の性能がアップ、スーパーファミコンの時代を迎えると、優れた線画能力を活かしてRPGやアクションなどのジャンルは格段の進化を果たしました。

 が、残念ながらこの時代、国内の大きなゲーム会社はスポーツというジャンルにあまり興味を示しませんでした。僅かに発売されたボクシングゲームからも斬新な進化は感じられず、唯一リディックボウボクシングという海外作品がボクシングというスポーツを正しく表現できていたんじゃないかな、と個人的には思います。

 その後、サターンやプレステの時代を迎えると、ボクシングゲームもポリゴンによる立体で表現されるようになりました。プレステではボクサーズロードという現在でも人気のある作品が発売され、多くのボクシングゲームファンを虜にしました。

 が、その時期、私は実際のボクシングの虜になっていたので、残念ながらボクサーズロードは未プレイのままで現在に至っています。


 ボクシング競技からは、大きな怪我をするでもなく自分の限界を知る前に逃げるように離れてしまいました。(世話になった多くの大人に暴言を吐いて去ったあの日、まだ夢に出ます)


 やがて大人になり、結婚して子供が生まれ、近所の子供たちに無料でボクシングを教え、更にはインターネットで練習生を募集して、規模が拡大していき…。私設ジムの活動は順調でしたが、自宅マンションでの活動には色々と制約もあり、ライフワークと化していたこの活動も志半ばで閉鎖へと追い込まれました。

 失意の閉鎖を受け入れつつも、私のボクシングに対する情熱は燃えさかったまま。グラブやマウスピースを押入れにしまったところで、まったく衰えてくれませんでした。


(ボクシングを教える方法は、実際に会って教える以外にもあるのではないか…!?)

(思えば、自分が一番最初にボクシングと出会ったのは「ゲーム」だったのでは…!?)


 「実写でボクシング」の開発は、行き場を失った情熱の受け皿でした

初めてプログラムを組み始めた2004年の8月以降、当時の熱いテンションがずっと維持されています

2.スパー天国について


 スパー天国(以下、スパ天)とは実ボクにおけるネット対戦の場の総称です。ユーザー同士でチャットができるロビー、スパーリングを行うリング、で構成されています。


こんな天国

 パソコンという仮想空間でボクシングのスパーリングを再現したい!と開発された実ボクですが、2004年の公開当初はオフラインのみ、一人プレイ限定の作品でした。

 当時は個人製作のゲームでネット対戦に対応したゲームはほとんどなかったのですがすでに実ボク初版のread meには「いずれネット対戦に対応させたい」と記載されていました。

 2年を費やし、リアルタイムによるネット対戦が実現した時の感動は忘れられません。

 これまで掲示板を通じた付き合いだった遠方のユーザーと技の限りを競い合える幸せ老いること、ケガに悩むこともなく、相手の肉体を傷つけてしまう心配ない「ボクシング」

 ここは夢のような空間ずっとずっと続いて欲しい…。

 掲示板でのやりとりから、この空間は"スパー天国"と名付けられました。そして、何年もたったこの名前でよかったな…と心から思えていることが、まさに天国の証明だと思います



スパー天国の入室画面。通常は通信の安定しているジムサーバを利用するので、ユーザーIDやパスワードを入力する必要はありません。

入室の条件


 技の限りを尽くすスパー天国には、誰もが入れるわけではありません。

 もし、実ボクの仕組みやコツをまったく知らないユーザーが入室してしまったら、打たれるばかりで楽しみをまったく見出すことができないだけでなく、打つほうだって複雑な気持ちになります


 スパ天に入室するためには、ストーリーモードにて、基本技術を習得する必要があります。

 実ボクにおける基本技術とは、ジャブ・防御・ストレート・フック・アッパー・ボディ攻撃を指します。これら全てを習得することによって、スパ天で戦い続けるために必要な最低限のテクニックが身についたと判断されるのです。


 初心者にとって基本技術の習得は難しいかもしれません。

 が、ストーリーモードでは、一度も負けることなく習得した技術を、次回の挑戦で省くこと(スキップ)が可能です。この飛び級制度を利用すれば、アクションの苦手なプレイヤーでも努力次第でスパ天に辿り着けるはずです。


 基本技術を習得したとしても、個々の環境、パソコンのスペックによってはネット対戦のサーバに接続できない場合もあります。ネット接続方式が有線で光通信だと、高い確率で快適な対戦を楽しめます。無線、もしくはADSL通信だと速度や安定性にムラがあることが多いです。



ダメージについて


 スパー天国はボクシングを愛する者にとって夢の世界です。思う存分に拳を交え、回復に数ヶ月かかるようなダメージを負ったとしても、スパーが終わってチャット画面に戻った時点で全ての肉体ダメージがスカーッと抜けてしまいます。減量も体調管理も、全て完璧な状態でリングに登ることができるのです。


 例外は後に記述する精神ダメージです。これはタイトルマッチに敗戦した場合、「チャンピオンになれなかった…!」という精神的なショックを示しています。

 唯一、この精神ダメージだけはスパー後も残ってしまいますが、スパ天で勝利を掴むたびに回復していくでしょう。



レベルランキング


 スパ天ではそれぞれのボクサーの地位をレベルという数値で表していますレベルは日々のスパー結果により増減するため、ベテランだから高いとは限らず、常にリアルタイムでの地位を表しています。このレベルによる順位システムがレベルランキングです。


 レベルはスパーすることで得られる経験値を一定値獲得することで上昇します。ドローや判定負けした場合でも経験値を得ることはできますが、レベルアップができません。勝つことによってしかレベルアップの壁を突き破ることができないのです。

 自分より上位レベルの相手と戦い、いい勝ち方をすると大量の経験値を得ることが可能です。いい勝ち方というのは、全てのゲージで蓄積ダメージを負うことなく相手をノックアウトするような勝ち方です。強敵相手に無傷の大金星をあげれば、一気にレベルが複数上がることでしょう

 自分よりレベルが低い相手にノックアウト負けをしてしまうとレベルダウンします。両者のレベル差が大きければ大きいほど派手にレベルダウンするので、格下相手とのスパーでは「倒されない」という慎重な戦い方が必要とされます。

 自分が到達した最大レベルは記録されていて、もしレベルダウンで最大値から陥落したとしても最大レベルに達するまでは倍の経験値を得ることができます。よって、最大レベル数を増やすことで経験値を獲得しやすい有利な状況を作ることができます。


 スパ天デビュー時、新人のレベルは必ず1です。もし、レベルの高いベテランがまだ勝ち星のない新人にノックアウト負けするようなことがあると、ベテランの大幅なレベルダウンは避けられません。


 このレベル増減システムはボクシングジムでの地位を再現したものです。

 入門したての新人に先輩が倒されてしまうというショッキングなシーン。ジム内での立場、両者の関係に大きな影響を与える、ということが容易に想像できると思います。

 絶対に倒れない!という先輩の意地、失うもののない新人が振るう若い拳。それぞれの真剣な気持ちが数々の名勝負を産んでいます。



公式HPにて常に最新のレベルランキングを確認できます。

チャンピオン


 ボクサーなら誰もが夢見る憧れの頂点、チャンピオンの座。本来であれば頂点ですからひとつが望ましいのですが、スパー天国にはふたつの王座が用意されています。

 チャンピオンに挑戦するためには、レベルランキングで一定の順位を獲得する必要があります。


 通常のスパーに勝利すると月間ポイントを6p獲得しますが、タイトルマッチ勝利すると月間ポイント150p獲得できますちなみにドロー防衛で2pしか獲得できません。

 よって王座戦ではまずベルトを守ること、更には勝つこと、が重要となるでしょう。


 タイトルマッチにおいて挑戦者がタイトルを獲得できなかった場合、もしくは王者がタイトルを失ってしまった場合、その選手には精神的ダメージが残ってしまいます。

 タイトルマッチ中に受けた蓄積ダメージの合計値から算出され、今後のスパーで勝利するたびに減少していきます。精神的ダメージが残っているうちはタイトルマッチに出場することができません。

 顔面・ボディ・疲労、全てのゲージで酷い蓄積ダメージを負った場合、当分の間タイトルマッチに出場できなくなる可能性があります。逆にまったく蓄積ダメージを受けることなく判定負けした場合、精神ダメージが1の場合もあります(一勝すればタイトル再挑戦が可能)。


スパ天王座

 スパ天で最も古く、権威のあるチャンピオンベルト。

 タイトルマッチは12回戦で行われ、そのスパー中はダメージゲージが3本とも表示されません。

 王者に挑戦するには、レベルランク10位以内・精神的ダメージ0 が条件です。


ボク街王座

 ボクシングサイト、ボクシングの街(ボク街が提供しているチャンピオンベルト。

 タイトルマッチは12回戦で行われ、そのスパー中は全ての判定結果が表示されません。

 王者に挑戦するには、レベルランク16位以内・精神的ダメージ0 が条件です。

3.スパーリングについて


 スパーリングとは実戦形式で行う練習を指します。

 多くのボクシングゲームでは、プロボクシングの試合をゲームの舞台として選んでいますが、実ボクでは西沢ジムで行っていたスパーリングを舞台としています



ルール


 実ボクにおけるスパーリングルールは、実際のボクシングルールを参考にしており、大きな違いはありません。


 簡単に言えば、相手の顔面やボディを上手に殴った選手が勝ちとなります。


 競技時間はラウンドで管理され、「3分戦い、1分休む」を1ラウンドとし規定の回数を繰り返します。ゲーム内の時間経過の速度は、現実の時間よりも早く設定されているので、実際の3分間や1分間ではありません。

 スパーにおけるラウンド数は両者のレベル平均値から算出され、必ず偶数となります8、もしくは10回戦だと、レーティング対象試合となり、タイトルマッチだとレベルの数値とは関係なく全て12回戦(12ラウンド制のスパー)となります。


 ラウンド中に足の裏以外が床に触れた時点でダウンとなり、スパーが中断されます。たとえダメージを受けて腰が落ちても、床に触れることなく踏ん張ればダウンと認定されません。

 ダウンした場合、10カウント以内に立ち上がり、ファイティングポーズによる続行の意思を示さないとノックアウト負けとなります。中途半端に立ち上がった状態では、カウントの進行は止まりません(ダメージの回復時間に当てることも可能です)。

 ダウンのカウント中にラウンド終了のゴングが鳴ったとしても、ダウンのカウントそのまま継続されます立ち上がった時点でラウンド終了となります。

 もしダウン中にセコンドからリング内にタオルが投げ込まれた場合、10カウントを待たず即座にスパー終了とします。

 ネット対戦では、スリーノックダウン制を採用しています。同じラウンド中に3度ダウンすることでたとえ立ち上がれる状態だったとしても強制的にレフェリーストップとなります。


 規定のラウンド数を全て終えた時点で両者共にノックアウトされなかった場合、勝敗はジャッジ3氏による判定に委ねられます。ジャッジはラウンドごとに満点10点から減点させていく方法で採点し、スパー終了時に各ラウンドの採点を合計することで優劣を判定します。3者の判定のうち2者の優位を得ることで勝利としますが、優位1者と同点2者の場合ドロー判定となります

 3名のジャッジはそれぞれ独自の採点基準を持っており、ユーザーはそれを熟知することでスパーを優位に運ぶことができます。ポイントを獲得し続けることで、相手が選べる戦術は限られていくので、判定やKOを問わず勝利する上でポイントの計算は重要です。以下に各ジャッジの特徴を記します。


ジャッジA

 プロボクシングらしさ、ショーマンシップに優れたアクションを評価します。それはバリ、ビッグヒットです。相手よりも大きなダメージを与えた選手にポイントを与えます。

 ガードの上を叩いた非有効打だとしても単純にダメージ判断するので、フックによるガード削りはジャッジAに向けた大きなアピールとなります。


ジャッジB

 より涼しい顔をした選手、無傷で戦い続ける姿勢を評価します。要はラウンド終了時点(インターバルの回復量を含む)での残り顔面ゲージ残量が多い選手にポイントを与えます。

 顔面蓄積ダメージを負ってしまい最大値に制限がかかってしまうと、ジャッジBのポイントを連続して失うことも考えられます。


ジャッジC

 相手の顔面ボディへのヒット、有効打の数で評価します。ダメージの大小を問わず、単純にヒット数だけで判断するので、最もアマチュアルールに近い厳格なジャッジです。

 ガードごと強引に削るような攻撃は評価されず、たとえダメージが1だったとしても拳が相手の顔面かボディに触れたアクションを評価します。具体的な例を挙げると、ダメージ1のジャブヒットが評価され、40ダメージを超えるフック削りは評価されません。


全ジャッジ共通

 ダウンした選手は、即座に立ち上がっても、カウント9ギリギリで立ち上がっても、1ポイントを失います。更にダウンを繰り返すとその回数だけ更にポイントを失います。

 ダウンしたとしても各ジャッジの基準により優勢と判断された場合、1ポイント取り返します。よって現実にはあまり推奨されていない10-10の互角採点となる可能性もあります。

 イヤ倒れによる故意のダウンは、大幅な減点対象となります。相手選手の操作ミスで発生したとプレイヤーが判断した場合、自分もイヤ倒れを行うことで採点は互角となります。(が、これを強要したり期待してはいけません)



ポイントリードが結果的にノックアウトを呼びます!

4.ボクサーのアクションについて


 動作を表す言葉、「アクション」。ボクシングにおけるアクションは、大きく分けると攻撃と防御に分けられます。

 ボクシングは逃げているだけで勝てる競技ではありません。相手よりも多く、相手よりも強く拳を当ててこそ、勝者になることができるのです。ですから、攻撃という要素は勝つために防御よりも大事な要素だ、と言えます

 しかし、ボクシングには、相手の攻撃を防御することで自分の攻撃たりやすくなる、といった定石があります。ですので防御に専念することこそが勝つために必要だ、とも思えます

 このように攻撃と防御は、どちらもおろそかにできない、重要な要素です。

 刻一刻と変化していく状況に応じて、最善の戦術をチョイスし続けるインテリジェンスな部分。これこそが暴力的だと思われがちなボクシングの本質の部分であり、何年携わっても決して飽きることのない魅力の部分なんだ、と私は思います。

 実写でボクシングの開発には、こういった攻防の堂々巡りを再現すべく、本当に長い時間を費やしました。攻防のスリルと勝利への過程最大限に満喫するためには、各アクションのメリットデメリットをしっかり理解しておくべき、と言えるでしょう


操作キー、各種ボタン


矢印キー

 ←→キーでマイボクサーが前後に移動します。相手がいる方向のキーを前進キー、逆を後退キーと呼びます。

 ↑↓←→、4種類のキーと以下に紹介するボタンを組み合わせることで、攻防に関する様々なアクションを行うことができます。


軽打ボタン (デフォルト "Z"

 ジャブとボディジャブを放つボタンです。

 ボタンを押していると拳が相手に向かって伸びていき、ボタンを離すと拳が自分の胸に戻ります。左右キーと組み合わせることで、更に繊細な動きが可能となります。


強打ボタン (デフォルト "X"

 ストレート・フック・アッパー・ボディフックを放つボタンです。

 ボタンを押した瞬間に渾身の力で打ち始めるので、押している長さによる調整はできません。


防御ボタン (デフォルト "C"

 ガード・ダッキング・スウェーで身を守ります。軽打の最中に押すと即座にガードできます。


フェイントボタン (デフォルト "S"or"D"or"V"or"E"

 強打ボタンの代わりに押すことで、その強打をフェイントとすることができます

方向キーとボタンによるアクション一覧

アクション

操作方法

備考

前移動

前キー

ボディダメージにより減速

後ろ移動

後キー

ボディダメージにより減速

前ダッシュ

前キー、前キー


後ろダッシュ

後キー、後キー


ジャブ

軽打ボタン(左右キー追加可能)

ガードキャンセル可能

ボディジャブ

下キー+軽打ボタン(左右キー追加可能)

ガードキャンセル可能

ストレート

強打ボタン


前進ストレート

前キー+強打ボタン


フック

後ろキー+強打ボタン


飛び込みフック

フック直後に前キー


アッパー

上キー+強打ボタン


前進アッパー

上キー+前キー+強打ボタン


ボディフック

下キー+強打ボタン


前進ボディフック

下キー+前キー+強打ボタン


強打のフェイント

強打ボタンをフェイントボタンに置き換え

当たり判定なし

ガード

防御ボタン

軽打キャンセル可

前進ガード

前キー+防御ボタン


ダッキング

下キー+防御ボタン

アッパー追加可能

前進ダッキング

下キー+前キー+防御ボタン

アッパー追加可能

スウェー

後キー+防御ボタン

ボディがら空き

腹筋に力込める

下キー

顔面がら空き

武者震い

上キー、上キー

ポイント合計値を確認

イヤ倒れ

下キー、下キー、下キー

全ジャッジ-3

立ち上がる

ダウン中に上キー(押しっぱなし)

連射ではない

タオル投入

ダウン中に下キー、下キー、下キー

ギブアップ

ストーリーモード基本技術の習得中、教わっていないアクションは使えません。

攻撃の基本ルール

 実ボクにおける攻撃は、拳による打撃(パンチ)のみです。

 実際のボクシングにおいて反則とされる攻撃行為、頭突き(バッティング)やローブロー(ベルトよりも低い部分を加撃)はありません。

 以下、攻撃における共通のルールを紹介します。


1) 攻撃を当てると、相手は やられモーションになる

 こちらのパンチを当てた瞬間に相手のフォームはリセットされ、例外なく やられモーション(後方に仰け反る)となります。どんな強打を放っていたとしても、軽いジャブを先に当ててしまえば無力化できるということです。

 やられモーションの最中はまったくの無防備で攻撃も防御もできません。

 やられモーションの拘束時間はダメージ量に比例しており、大きく仰け反らせた場合、避けることのできない必中の追撃を当てることも可能です。


2) 姿勢を崩している相手に当てればダメージが増える

 前進していたり、攻撃モーションの相手にパンチを当てることで、与えるダメージを増やすことができます(カウンターダメージ)。スイング動作を含む強打(フック・アッパー・ボディフック)の最中だと、特に大きなダメージを奪うことができます。



攻撃のターゲット

 ボクシングにおける攻撃標的は、相手の顔面とボディです。実ボクでは、それぞれの箇所に一定のダメージを与えることで、相手に悪影響を与えることができます。


1) 顔面

 ジャブ・ストレート・フック・アッパーは相手の顔面を狙う顔面攻撃です。攻撃を当てることで相手の顔面ゲージを減ら一定値を超えればダウンを奪うことができます。

 勝利への最短ルート、攻撃の王道と言えるでしょう。

 打ち始めた瞬間に密着時のクリンチゲージがリセットされるのも特徴です。相手がどんなに前押しで密着してきたとしても、顔面攻撃を発動させることでクリンチを拒否することができます。


2) ボディ

 ボディジャブ・ボディフックは相手のボディを狙う攻撃(ボディアタック)です。ボディゲージを減らすことで相手の回復力を奪うことができますが、ダウンを奪うことできません。

 ガードのしっかりした防御タイプ、カウンター狙いの砲台タイプなど、顔面防御のしっかりした相手を崩す手段として有効ですが、ボディ攻撃は様々なリスク(打たれ弱い、疲れやすい、ダウンを奪えない、等)を伴うため初心者にとって修得は難しいとされています。

 ボディ攻撃では、密着時のクリンチゲージリセットできないので、クリンチを避けながらボディをしつこく攻め続けるには、前後に動くなどの工夫が必要ります

パンチの質

 ボクにおけるパンチの質は、軽打と強打に分類することができます。どちらもしっかりした意義があり、どちらか一方を無視することはできません。


1) 軽打

 ジャブボディジャブは、打ちながらも心のどこかで防御意識を残しておける「軽打」です。 

 体の前方にある拳を使うため当たり判定が発生するまでの時間が短く、更に攻撃モーションのどのタイミングであろうと一瞬でガード姿勢に戻ることができます。

 攻撃モーションの最中であってもいつでも前後動ける特徴で、踏み込んで鋭く当てたり、後退しつつ逃げ腰のストッピングジャブ、などを打つこともできます。

 打ち始め、打ち終わり、ガードキャンセルなど各ポイントでスタミナを少量ずついますが全て合計したとしてもスタミナ消費は少なめです。ただし、短時間に集中して連打すると、単発で打った時よりもスタミナの消費が激しくなります

 カウンターのタイミングでヒットを奪ったとしても、拳に重心が完全に乗っていないため、カウンター効果は強打と比べると半分となります。ダウンを奪ったとしても、ノックアウトに至らないことが多いかも知れません


2) 強打

 ストレート・フック・アッパー・ボディフックは、渾身の力で振り抜く「強打」です。

 通常のヒットでも充分なダメージを奪えますが、カウンターで入れば一気にスパーを終わらせる威力があります。逆に言えば、強打を打つ際は相手にカウンターされるリスクを常に負っている、とも言えます。

 強打を放つことでスタミナを大量に消費しますが、疲労度の減少は強打を打ち終わった時点で反映されます。ですので強打が打ち終わりまで至らず相手に打たれてリセットされた場合やゴングが鳴ってラウンドが終了した場合、こちらのスタミナはまったく減りません

 顔面に対する強打は、同じ種類を連続して当てる事でダメージが半減してしまう事があります。これは単調な攻撃だと打っても打っても倒せない状況、「打たれ慣れ」を再現したものです。相手の本能が作り出す無心のディフェンスを壊すには、軽打でもなんでも別種類の打撃を当てて警戒心をリセットさせる必要があります。


実ボクのミニ知識

  • 作者は、小学生時代に友人の家でMSXというマシーンに触れました。その友人がベーシック言語を使って簡単なゲームを数分で作り上げた場面に衝撃を受け、はじめてプログラミング言語の可能性に興味を持ちました。

  • 自分自身で実際に初プログラミングをした環境は、セガサターンのサターンベーシックというマイナーソフトでした。当時製作した「ボクシング」という自作アプリは、カートリッジメモリに保存しましたが、数年後に確認すると消失していました。

  • 開発環境がウィンドウズになってHSP言語と出会い、その後は全ての作品をHSPで開発しています。処女作は「グラフでボクシング」という作品でした。

ジャブ

顔面攻撃・軽打

軽打ボタン/軽打ボタン+左右キー



1伸縮自在

 軽打ボタンを押す長さを調節することによって、どこまで拳を伸ばすのか自由に決められます。相手との距離が遠ければボタンを長く押してリーチの限界まで拳を伸ばせますし、すぐにボタンを離せば短くコンパクトに打てます。これを繰り返せば細かい連打も可能です

 さらにジャブモーション中は前後にいつでも移動することできます。より遠くの相手を追いながら打ったり、逃げつつ牽制するなど、まさに攻防一体。ジャブは最も用途の広い多機能なパンチと言えるでしょう 


2) 弱い攻撃力

 手打ちで出し入れ自在のジャブでは大きなダメージを奪うことできません。たとカウンターのタイミングで当てたとしても、相手の重心全てをダメージとして換算できないでしょう。

 左手一本で大きなダメージを奪うのは難しいのですが、当て方によって威力に開きが出るの確か。腕が伸びきる直前に最大の攻撃力となり、それに前進・後退が加味されます

 ジャブは磨けば磨くほど光る、勉強しがいのあるパンチです


3) 低燃費

 攻撃力がない分、ジャブは最も疲れないパンチです。強打系のパンチは打ち終わりにまとめて疲労ゲージを消費しますが、ジャブ(軽打系)は小刻みに、以下の各タイミングで疲労ゲージを消費します。

 激しくジャブを連打すると、各タイミングの消耗度が上昇して燃費が悪くなります。


4) ガードキャンセル

 ジャブの攻撃モーションは、いつでもキャンセルが可能です。どのタイミングであろうと、防御ボタンを押したら即座にガード姿勢へと戻れます。

 防御ボタンと一緒に↓キーや後退キーを押すことで、ガード以外の防御、ダッキングやスウェーへの移行も可能です。 


5) ワンツー

 ジャブは打ちながら、いつでも奥の拳からのストレート(ツー)追加できます。ツーのストレートはジャブの反動を利用するので、単発でストレートを打つよりも少しだけ疲労しません。

 隙も少ないので、ワンツーは積極的に相手を攻めげる際の主武器といえます

 更に疲労して仰け反りモーションが大きくなっている相手であれば、一発目のジャブが当たった時点で追撃ストレートのヒットも確定します。



開発者のコラム2) ジャブのこだわり


 私が遊んできたゲームの中で「ジャブ」とは、「出が早くて威力のないパンチ」という位置づけばかりでした。

なので一度当てればコンボで当てることができる、などの特徴があったのですが、個人的にはこれを本当にジャブと呼んでいいのだろうかと納得できませんでした。


 私の打っているジャブの最大の特徴・メリットは、腕だけで打つので危ないと感じたら一瞬で防御に戻れるという、他のパンチとはまったく異質の用途でした。


 このジャブがあるおかげで、どれだけ自分のボクシングが安全に感じられたか…。

 出たとこ勝負の正面衝突に頼らないスタイルから派生する余裕が、色々なアイデアを試すキッカケとなり、ボクシングがどんどん楽しくなっていきました。


 プロボクシングの世界では横田広明や星野敬太郎、後期の西岡利晃がこのジャブを起点にボクシングをしており、私が運営していた私設のボクシングジムでもまずはこのジャブを教えていました。

 当初は練習生達に伝わるのだろうかという不安もありましたが、意外にもほとんど全ての練習生がすんなり理解・習得されて、この方向性に自信とやりがいを感じました。


 他のどのゲームもこのジャブの再現に挑戦すらしていません。

 そもそもゲームプログラマーや開発の現場にここまでジャブという特殊なパンチを理解している、もしくは執着している人がいなかったのかもしれません。


 「このジャブをゲームで再現する」というのが実ボク開発の目的の一つでした。


 そして、再現する目的は、(自信を持って言えるのですが)大成功しています。

 実ボクのジャブは、世界中のゲームで「最もジャブだ!」と自信を持って言えます。


 ゲームを褒めてくださる方でも、この点を挙げてもらえることは滅多にないのですが、もしかしたら私が一番喜ぶのは「実ボクのジャブって凄いですね」みたいな一言かもしれません。

ストレート

顔面攻撃・強打

強打ボタン/前進キー+強打ボタン



1速い、伸びる、強力!

 後ろ足の蹴り、腰の回転、肩の突き出し、利き腕の腕力全身を使って放たれるストレートは、パンチの王道と言えるでしょう。

 カウンターのタイミングで当てれば100を超えるようなビッグヒットも可能です。

 ストレート攻撃力は腕を伸ばすにしたがって上昇し、伸びきる直前マックス値を迎えます。近距離で当てた場合、ダメージが1の場合もあります。


2) 踏み込めば、更に伸びる!

 ただでさえ遠くまで届くパンチなのですが、前方キーを押しながら打つことによってグググッ踏み込むことができます。攻撃力が増すことはありませんが、半歩先の相手に拳が届くのは大きなメリットです。(青グラブの踏み込みストレートは、特に伸びます)

 ただし、肩や背中を無理にグイッと伸ばして放っているので、通常よりもやや疲労する上、カウンターを受けた場合に大ダメージを受けてしまいます。

 更に踏み込みストレートは、攻撃判定を失い空振りが確定した後、しばらく無防備なまま前方に移動してしまいます。危険な状態で相手に接近してしまうのは、大きなデメリットといえるでしょう。


3) 疲労の影響を最も受けてしまう

 ストレートは遠心力を利用しないパンチなので、自身が疲れてしまうと信じられないほど鈍ってしまいます。疲れてしまったら、ストレートは封印すべきでしょう。

 ヘロヘロのストレート、略してヘロストと呼ばれるダメパンチ。実力者その隙を決して見逃しません




フック

顔面攻撃・強打

後退キー+強打ボタン/後退キー+強打ボタン、すぐに前進キー



1) ガード状態の相手にもダメージを与える

 遠心力を利用して放つ渾身のフック、直撃80前後の大ダメージを与えます。これは顔面ゲージ満タンの相手に、一気に蓄積ダメージを与えるような数値です。

 更にフックは相手にガードされたとしても、ガードの上から脳に衝撃を与え、40前後のダメージを奪います。ダウンまであと僅か!という相手をフックでガードごと削り倒すのはファイタータイプの常套手段です。


2) 飛び込みフック

 後退キーを押す入力方法のため、どうしても短くなってしまうフックの射程距離。ですが、発射後すぐに前進キーを押すことで、飛び込みフックに変化させることができます。ちなみに前進キーを押すタイミングを早くすることで、飛び込む距離を微妙に伸ばすことが可能です。


3) 疲労度が高い

 振り回す、という表現がピッタリなだけにフックは非常に疲れやすいパンチです。

 ただし、フックをヒットさせた時やガードに当てた時は、空振りしたよりも疲れ具合が少なくて済みます。

 飛び込みフックに変化させると通常に打った時よりも疲労度が増してしまうので、届かないと感じたら、その場で寂しく空振りしましょう。





実ボクのミニ知識

  • 実ボクを開発する上で技術的に難しい部分で常に助けてくれたのは、広島在住の鳳蛋氏でした。ネット対戦は彼の助けがなくては実現できなかったと思います。

  • グラフでボクシング時代から楽しんでくれたベテランユーザー、フリッカー氏からは多くのアドバイスに加え、テストプレイやテクニックの極限を探っていただきました。

  • M.マウス氏、fight氏の両名には、スパ天でのデータ集計をお願いしています。

  • アースインフィニティ様にはスポンサーとしてご協力いただいております。ジムサーバを立ち上げていられるのは、スポンサー様のおかげです!

アッパー

顔面攻撃・強打

キー+強打ボタン/↑+前進キー+強打ボタン



1) 最高の破壊力

 沈み込んだ体勢から、遠心力に脚力を加えて下から拳を一気に突き上げるパンチ、アッパーカット。 破壊力文句なしのNo.1、実ボクにおいて最強のパンチと言えるでしょう。


2) 相手のダッキング姿勢に直撃

 ダッキング姿勢の相手に対してこちらのアッパーがまともに当たります。打たれた相手の顔面に蓄積ダメージが発生するのはほぼ確実、当たってしまえば大きく仰け反るため反撃もないでしょう


3) 前進しながら打てる

 前方キー押しながら打つことで踏み込みアッパーを打てます。射程距離を伸ばすことができますが、ただでさえ多いスタミナ消費が更に増してしまいます。ですが、下がっていく相手のアゴに追いつける時もあるので、リスク承知で踏み込む価値は充分にあります。


4) ダッキング姿勢から放てる

 一旦沈み込む動作があり大きな隙を持つアッパーですがダッキングの沈み体勢からそのまま打つことができます。相手のフックをダッキングで空転させそのままガラ空きのアゴにアッパーを決めれば、まず相手は立っていられないでしょう。ただし、通常に放つよりやや疲労します。


5) デメリット

 実ボクのアッパーは、攻撃に特化した捨て身のパンチです。

 放っている最中は完全に無防備なので、攻撃を受ければ大ダメージを受けます。

 更に疲労度の消費量は、全てのパンチの中でも最大となっています。二連発するだけで疲労に蓄積ダメージを負ってしまうでしょう。



ボディジャブ

ボディ攻撃・軽打

キー+軽打ボタン/↓キー+軽打ボタン+左右キー



1) ジャブ同様に遠近自在

 ボディジャブも前後キーと組み合わせることで顔面へのジャブと同様に自在に移動できますが、顔面が完全に無防備状態で露出するため気軽に打てるパンチではありません。ただし、実ボクにはボディに対するガードが存在しないため、ヒットさせることは比較的容易です。


2) ガードキャンセルが可能

 ガードキャンセルはもちろん守るためでもあるのですが、ボディジャブの場合、素早く攻めるための意味合いがより強いです。次に打つボディジャブを、回復されるよりも速く、相手が打ち返してくるよりも速く打つ必要があるからです。


3) 深刻なカウンターダメージ

 半分屈んだ姿勢、無理のあるフォームから放つパンチなので、モーション中に攻撃を受けた場合深刻なダメージを受けます。打ち始めから無防備な体勢なので、出始めに食らったとしても効いてしまいます。


4) 弱い攻撃力、高い疲労度

 ボディジャブをカウンターのタイミングでヒットさせても、カウンター効果によるダメージ加算は軽打のため半分です。初心者は一発の威力が徹底的に足りないと感じるかも知れません

 更にスタミナ消費量も多いので、当てても当てても自分が疲れるだけ、といった報われないシーンも目立ちます。

 ボディジャブは有効に使うための難易度が最も高い、上級者向けのパンチと言えるでしょう。


ボディジャブのコツ

  •  呼吸ゲージの光点攻撃を当てると数秒間だけその場所に留まります。自身の光点が高い時に初弾をヒットさせ、光点を高位置に固定させてから連打することで、呼吸ゲージによる攻撃力アップの恩恵を何度か連続して得ることができます。ダメージ数値としてはほんの僅かな上昇ですが、もしかしたら勝負の分かれ目になるかもしれません。

  • 各ラウンド終了のゴングが鳴る際の立ち位置により、インターバルの回復量が決まります。相手のボディダメージを回復させないように工夫してみましょう。

ボディフック

ボディ攻撃・強打

キー+強打ボタン/↓キー+前進キー+強打ボタン



1) デメリットの固まり

 攻撃発生までの時間、攻撃の射程距離、攻撃モーション中の防御力、スタミナ消費、どれをとっても実ボクのパンチの中で最低の性能を誇るパンチ、ボディフック

 かつて公式HPにて行われたユーザーアンケート「最も必要のないパンチは?」の設問で、ダントツのトップとなった実績があります。


2) 前進して打てる

 前進キー押しながら打つことで、ボディフックの短い射程距離を少しだけ伸ばすことができます。が、デメリットとして、より疲労度は増しカウンターを受けた場合のダメージ量も大幅に増加してしまいます

 前進して打つと、打った直後にクリンチになる可能性が高いかもしれません


3) ボディ攻撃、唯一の強打

 強打属性であるボディフック、カウンター効果利用できれば、一気に蓄積化させることも可能です。ちなみに前進せずその場打ちだと僅かに攻撃力をアップできます。

 もし腹筋に力を込められたとしても、完全に打ち消されることはなく、20前後のダメージを期待できます。


実ボクのミニ知識

  • 実ボクは2004年の8月に開発を開始しました。一番最初の作業は実写ボクサーの撮影でしたが、数日後にボディジャブの取り忘れに気がつきました。

  • ネット対戦の開発は、運良く国内のネット環境の発展と同時期に始まりました。ウェブ上でもリアルタイム対戦を実現するのは難しいとの情報ばかりでしたが、運良く時代の波に助けられました。

  • ジムサーバは2011年現在稼動しているのは二代目です。M.マウス氏の支援により設置することができました。初代は引退して、寝室の隅に安置?されています。

  • 何度か実ボクはオフ会を開催しています。開発者宅の最寄り駅に集合、雑談、カレーを食べた直後のボクシング指導、とメニューはなかなかハードです。

  • 掲示板にて若いユーザーの受験を積極的に応援しています。(東大に合格したユーザーも!)

防御の基本ルール


防御する部分

 ボクシングにおいて守るべき場所は、顔面とボディの二箇所です。

 背中や後頭部への攻撃、サミング、ローブロー、バッティングなどの反則攻撃は、実写でボクシングのゲーム中では再現されていません。


1) 顔面の防御

 顔面を打たれると、ダウン、もしくはノックアウトされてしまうので、ボクサーにとって顔面は最も危険な弱点と言えるでしょう。

 ガード・ダッキング・スウェーが顔面を守る防御手段です。もちろん、フットワークによる後退やジャブによるストッピングも防御と言えるかもしれません。

 防御をしている間は、顔面・ボディ・疲労、各ゲージの回復量が僅かに鈍くなります。


2) ボディの防御

 ボディをどんなに打たれても直接的にダウンを奪われることはありませんが、回復力や移動力、ジャッジの判定に多大な影響を及ぼします。(例外的な処置として、圧倒的に不利な展開になった場合、レフェリーストップとなる可能性もあります。)

 腹筋に力を込めることが唯一の防御手段ですが、もちろん後退によるダメージ軽減や回避、ジャブによるストッピング、更には相手の呼吸ゲージ確認などもボディ防御と言えるかもしれません。


防御の質

 受け止めて防ぐ、避けて空転させるの二種類があります。どちらも防御ですが、様々なメリットとデメリットがあります。


1) 受け止め

 ガード・腹筋は、受け止めるタイプの防御です。

 接触を伴うためダメージを完全に殺すことはできません。が、急所しっかり守っているので大怪我はしないでしょう。

 相手に接触の手応えを与えてしまうので、空振りと比べると疲労させることができません。


2) 避ける

 ダッキング・スウェー・後退は、避けるタイプの防御です。

 拳をこちらに触れさせないので、まったくダメージを受けません。が、急所を剥き出しにしたまま避けるので、万が一食らってしまった場合、大ダメージを受けることになります。

 相手を空振り(ミス)させるので、精神的にも疲労感を与えることができます。



ガード

顔面・受け止め

防御ボタン/防御ボタン+前進キー




1) 簡単で手堅い、防御の基本

 防御ボタンを押すだけでガードできるので、最も反射的に使える防御方法です。一刻を争う拳の交換、軽打のモーション中であろうとも押した瞬間に顔面を守れるガードは防御の基本といえるでしょう。

 ただし、パンチを受け止めるという特性上、ダメージ皆無とはいきません。一定量を食らう覚悟は必要です。


2) 前進できる

 ガードをしたままの状態で前進キーを押すと、ガードをしたままジワジワと前進できます。ただし前進ガード中は通常のガード時と比べると防御力が減少しています。

 ちなみにガードをしたままの後退動作はできません。スウェーになってしまいます。


3) フックを完全に防げない

 ガードごと薙ぎ倒そうと拳に遠心力を乗せて放ってくるフック、さすがにガードだけでは吸収しきれません。直撃の約半分、40前後のダメージを受けてしまいます。

 とはいえ、受け止めた後に硬直モーションが発生することはないので、その恐怖に怯むことがなければ衝撃の直後に返しの攻撃をうことができるでしょう


4ボディはガラ空き

 顔面専門の防御方法なので、ボディはガラ空きです。単に構えているだけの状態よりも顔面ガードをしている状態のほうが、ボディの防御力は減っています。



開発者の娘 モエカによる投稿挿絵

ダッキング

顔面・避け

防御ボタン+↓キー/防御ボタン+↓キー+前進キー



1) 空振りさせる

 頭を下げる事で、ほとんどの顔面攻撃を頭上でやり過ごす事ができます。完全に空転させるのでもちろんダメージは0ですし、ガードで受け止めた時よりも空振りさせたほうが相手の疲労度が高くなります。


2) アッパーをマトモに食う

 1)でほとんどの顔面攻撃をやり過ごす、と書きましたが、最強のパンチであるアッパーだけはマトモに食らってしまいます。これダッキング最大にして唯一の欠点かもしれません。

 アッパーを食らってしまった場合、顔面ダメージの蓄積化は免れないでしょうし、大きく仰け反ってしまうので更にフックなどの追撃を受ける危険性もあります。


3) 前進できる

 前進キーを押すことでダッキングしたままジワジワと前進できます。

 接近することで、相手のアッパーを引き出す「誘い」として使えますが、アッパーの射程範囲内では細心の注意が必要でしょう。

 ちなみにダッキングをしたまま後退動作をすることはできず、スウェーとなってしまいます。


4) アッパー発動がスムーズ

 ダッキングの下重心を利用できるため、アッパーの出始めモーションを一部省いて打つことができます。ただし、通常のアッパーよりも消費する疲労度増してしまいます。



スウェー

顔面・避け

防御ボタン+後退キー



1) 顔面攻撃を完全シャットアウト

 スウェーの姿勢が完成すると、最も射程距離の長い前進ストレートでさえ顔面にきません。 ボクシングの再現を目指しているゲームとして おかしい?と思われるかもしれませんが、前足を相手方向に残す西澤ジムで教えている西澤式スウェーの特徴を再現しています

 ただし、スウェー姿勢が完成するまでとスウェーを解除する過程では、顔面とボディ、どちらもまったくの無防備。強打を受けた場合、大ダメージを受けてしまいます。決して無敵の防御ではありません。


2) ボディ防御力が激減

 スウェー中は顔面の移動と姿勢の維持に徹するため、ボディがガラ空きです。ボディフックを食らった場合、一気に蓄積化する可能性もあります。


3) 長時間維持でスタミナ激減

 極端な後ろ重心を片足一本維持この姿勢で一定時間が経過すると後ろ足の筋力がピクピクしてきます。

 みるみる疲労ゲージが減っていくので、一刻も早く基本フォームに戻りたい!と思うのですが、スウェーの戻モーションは顔面・ボディともに完全なガラ空き状態です。スウェーから復帰するタイミング、その決断は良くも悪くも多くのドラマを生んでいます。


4) 動けない

 スウェーをしていると、その場から前にも後ろにもまったく動けません。


5) 極端なスピードダウン

 一定のボディダメージを受けると、スウェースピードがガクッと落ちてしまいます。鈍い!と感じたらすぐに戻さないと、復帰モーション最中に強打を食らってしまうでしょう。



腹筋

ボディ・受け止め

キー


1) ボディダメージを防ぐ

 腹筋に力を込めることで、最大16のボディダメージを防ぐことができます。が、腹筋の防御開始からマックス値まで防御力を上げるために、一呼吸分ほどの時間を必要とします。

 最大でボディダメージを16防ぐことができますが、ボディフックを完全に無力化するほどの防御効果は期待できません。


2腹筋中、顔面の防御力が激減

 腹筋にグッと力を込めることによって、体全体が硬直してしまいダメージを逃すために重要な柔軟性が失われてしまいます。

 腹筋中に顔面を打たれてしまった場合、最大で36ダメージが余計に追加されます。



開発者のコラム4) 製作の動機


 もう名前も忘れてしまったのですが、私はある市販のボクシングゲームで驚き、というかショッキングな体験をしたことがあります

 ゲームを開始して最初の試合を終えた時点、イヤ、最初にパンチを当て終わって追撃を当てた時点で、攻略法というか、大いなる欠陥を察知した。まさか、こんなのが通用してしまうなんて。いや大丈夫、きっと序盤だけ相手キャラを弱く作ったのだろう…。

 が、残念ながら、それはデビュー戦の相手から最後の世界チャンピオンまで全ての試合で有効、私は全ての試合をKOで勝利してしまった。そのコツとは…

 ズバリ、それは小学生でも可能な「連射」だった。

 ボクシングのスパーを一度でも経験した者なら、イヤ、ボクシングの試合を一度でも見たことがある者なら…。

 たった一発を当てる「難しさ」、たった一発を当てるために味わう「怖さ」、たった一発を打つ勇気、そして、たった一発を当てて感じる「喜び」…

 ボクシングを知らない若者がこのゲームを遊んで、むちゃくちゃな誤解をしてしまう前に、全どこかに埋めてしまいたい、そんな気持ちになった。そもそも開発中にテストプレイをちゃんとしているのかどうかも怪しい。なぜこんな酷いゲームが発売まで漕ぎ着けられたのだろうか…。曲がりなりにも市販するのだから、結構なお金をかけて作ったはずなのに…。

 きっとなにか末端のユーザーには分からないような理由があるのだろう、と当時の私は無理やり考えた。きっとボクシングをゲームとして再現するのはとてつもなく難しいのだ。うん、きっとそうなんだ、と無理やり納得するしかなかったあの頃…

 あの時の不満が「実写でボクシング」を作り上げる際の力の一部になっています。作っては試し、作っては試しを何度やったかわかりません。

 ボクシングという誤解されやすいスポーツを正しく伝えたい!という気持ちが、プログラミングの素人である私をこんなにも駆り立てたんでしょうね。

その他のアクション

 攻撃と防御、という勝利に向けた直接的なアクションを活かす為に、様々な副次的アクションがあります。



フットワーク

左右キー


1) 前後への移動

 左右キーで任意の方向に移動できます。

 前進時は前重心の影響で顔面・ボディ共にダメージが増してしまいます。後退時は下がりながらの被弾なので顔面・ボディ共にダメージを減らすことができます。

 移動開始の瞬間のみ疲労し、その後は惰性で移動できるのでどんなに距離を移動しても疲労は追加されません。

 地味であまり知られていませんが、全てのゲージが万全の状態だと移動開始時キビキビと動き始めることができますが、移動開始の瞬間にカウンターの危険が追加されます。


2) ステップイン・ステップアウト(ダッシュ移動)

 ←←や→→のように任意の方向を連続押しすることで、一定距離を高速移動できます。

 ジャブやガードのモーション中もダッシュのキー入力を受け付けていて、戻りモーションをキャンセルして即座にダッシュ移動できます。

 密着に近い状態で両者同時に前ダッシュすると、バッティングが発生します。(両者共に顔面ゲージが半減、自陣コーナーまで強制的に後退)

 赤グラブのみダッシュ移動と逆の方向キー、もしくは下キーを押すことでブレーキをかけられます。青グラブだと単なる移動のほうが燃費も含めて優れており、白グラブだと前ダッシュ中の防御力が激減しています。


3プッシュ

 相手に密着した状態で前ダッシュをすると、相手を後方に押すことができます

 プッシュの最中はクリンチゲージの上昇が止まりますが、プッシュが終わると同時にクリンチゲージは続きから上昇します。

 相手をコーナーに押し付ける際など何度もプッシュを繰り返す場合は、クリンチが成立しないようあらかじめ長いクリンチゲージの時にプッシュを開始するといいでしょう。

 ちなみにプッシュする際に↑キーを押すとクリンチゲージの上昇が止まりません。積極的にクリンチしたい場合に活用してください。

4) ベタ足

 左右キーに加え、キーを追加入力することでジワジワとゆっくり移動できます。

 ダメージや疲労に関しては、通常の左右移動とまったく同じで、特別なメリットはありません。

フェイント

フェイントボタン、フェイントボタン+方向キー


1) フェイクの強打

 全ての強打モーションを「打つ!」と見せかけて、途中で戻すことができます。

 こちらの強打を待ち構え、その打ち終わりモーションを狙っている相手のカウンター攻撃誘発させる効果があります。が、そもそもカウンターを狙っている相手じゃないと意味がありませんし、単純にガンガン攻めてくる相手に対しては隙を与えてしまうだけなので、相手の心理を読む必要があります

 実際に打つ場合の強打モーションと比べると、フェイントモーション中に食らった場合のカウンターダメージは低めに設定されています。


2) 攻撃力なし

 密着時にフェイントをすると、当たっているようにも見えますが当たり判定や攻撃力はありません。正真正銘のフェイクです。



武者震い

キー連続3回押し


1) 一定時間動けない

 ブルブルっと体を震わせて、約一秒間、動けなくなります。モーション中は防御力も激減しており、攻撃を受けてしまうと大ダメージを受けてしまいます。


2) ポイント確認が可能

 武者震いのメリットは、震えている間にジャッジの採点途中経過を確認できる点です(震えることで頭の中でポイント計算しているのかもしれません。)

 すでに終了しているラウンドのポイント合計値が、ジャッジシートの合計欄に点滅状態で表示されますが、ほんの一瞬しか表示されないので、武者震いをする際は見逃さないように、あらかじめ視線をポイントの合計欄付近移しておしょう。

 ボク街王座のタイトルマッチで適用される特別ルール、採点結果が非公開の状態でも、武者震いによる採点途中経過の確認は可能です。



イヤ倒れ

キー連続3回押し(ダウン中に行うとタオルの投入)


1) 自発的にダウンできる

 イヤ倒れは、無用なダメージを受ける前の降参の手段、もしくはネット対戦時の火急の用(突然の来客、電話など)へ対応するための手段として採用されました。

 結果として、ネット対戦時に顔面ゲージ残量があっても任意のタイミングで倒れることができるので、立ち上がるまでの間、各種ダメージを回復できたり、ラウンド終了のゴングまでに時間稼ぎをすることができます。

 が、上記の使い方は限られた戦いの時間に背を向ける、男らしくない行為なので、実質スパ天では禁じ手となっています。


2) 減点対象

 イヤ倒れはリングジェネラルシップに反する行為ということで、全ジャッジから3点の減点となります。ダウン中のタオル投入に関しては、降参ということで罰則はありません。



コーナー寄りかかり

背中がコーナーに当たっている状態で、更に後退側の方向キーを押す


1) 上体を後方に反らす

 スウェーと比べると顔面当たり判定の移動距離が少ないため、コーナー寄りかかりではギリギリ当たってしまうような顔面攻撃のみを避ける事ができます。

 ただし一瞬で通常フォームに戻すことができるので、戻るのに時間がかかるスウェーと比べるとクイックなカウンターを打ち込めるはずです。


2パンチを食らった場合、悲惨…

 顔面、ボディともに防御力が激減しています。

 特に腹筋以外に防御方法のないボディに強打を受けた場合、一気に蓄積ダメージを受けてしまうでしょう。

 


開発者のコラム3) 作者は上手なのか?


 私はオフライン対戦モードしかなかった実ボクの黎明期、開発者である自分が最も上手なプレイヤーだろう、と考えていました。


 自分はこのゲームを一から創造しただけでなく、直接プログラミングした人間であり、世界中の誰よりもその中身、なにより内部データ全て知っている。

 おまけに画面中のボクサー画像私自身、普通に考えれば世界中の誰よりも自分が自然にシンクロできる。他ユーザーは実写ボクサーとシンクロするのに少なくとも私よりは時間がかかるだろうし、もしかしたら永遠にシンクロできないかもしれない。

 ダメ押しとして挙げたいのは圧倒的なプレイ時間、経験のである。開発初期から孤独なテストプレイを延々と繰り返してきた。こうすればこう動く、この疲れ方ならワンツーを避けきれない等、全ての動きは私が想定し、試用し、実装した。誰よりも早く多く体験したのは確実に開発者である私なのだ。


 が、実際にネット対戦が実現すると(お、おかしい…)と驚かされるのです。

 ダントツのトップを走るはずだった私の勝率は、54%前後で安定。ユーザーが編み出していく突飛とも思える工夫の前に、勝ち越しの維持がやっと!という現実

 いつの間にか私自身が夢中になって攻略する立場となってる幸せ。自分で作ったゲームを新鮮な気持ちで遊べるという幸せ…。

 心底、嬉しかった。(この感動、伝わるかなぁ)



実ボクユーザー REN氏による投稿挿絵


5.システムについて


 ボクシングのスパーリングを再現したい!と開発されている実ボク

 が、立体物である肉体の殴り合いを平面のパソコンモニター上にて、数個のボタン入力だけで再現させるのは残念ながら不可能

 そこで重視したのは、スパーリングにおける感覚」や「緊張感」の再現です。

 例えば、実際にはラウンドの時間は3分間ですが、ゲームでも実際に3分とした場合、それはリアルな疑似体験といえるでしょうか?

 マラソンのゲームに置き換えればもっと理解していただけるかもしれません。2時間以上もボタンをポチポチ押しているのが、果たしてリアルといえるのか…。

 厳密な再現ではなく、感覚の再現。この基準で実ボクのシステムは構築されています。



打たれ慣れ


 深夜のボクシング中継。フックだけの選手が一方的に攻め続けているが、なかなか倒せない。ラウンドだけが刻まれていき、同じようなシーンの連続に思わず眠気が…。

 単調でワンパターンパンチを食らい続けることで、どういう訳だか効かなくなってしまう不思議な現象、「打たれ慣れ」。

 こんな場面を打破するには多くの場合、ちょっとしたパターンの変更がノックアウトへのキッカケとなります。実写でボクシングはシステムで、この「打たれ慣れ」を再現しています。

 打たれ慣れが発生する条件は、「同じ種類の顔面強打を連続して当てる」です。ストレート・フック・アッパーを当てた後に再び同じ強打を当てると発生し、二度目のヒットは時々ダメージが約半分となってしまいます

 打たれ慣れ対象となる強打を解除するには、別の攻撃を相手にヒットさせる必要があります。ガードされてしまうと打たれ慣れを解除できないので、例え1ダメージでも「当てる」というのが解除の条件です。

 相手から攻撃を食っても、インターバルをまたいでも、打たれ慣れの現象は継続します。



相打ち


 実ボクでは両者ともにパンチを繰り出した場合、少しでも先に当てた相手の攻撃モーションを打ち消してしまう、早い者勝ちシステムを採用しています。

 ピッタシの相打ち、完全に同着タイミングでヒットした場合、インパクトの角度や拳に乗ったパワーで優劣が決まります。よって、ジャブなどの軽打系は不利となります。

 もし、合わせ鏡のように同じ種類のパンチが同時にヒットした場合は、呼吸ゲージの光点が相手より上部にある選手が打ち勝つようになっています。ここぞの一発勝負では自分の呼吸ゲージを意識することで、勝利の女神を微笑ませることができるかもしれません


インターバルの回復


 ラウンドの終了ゴングが鳴った瞬間の立ち位置で、インターバルの回復幅が決まります。具体的には、どちらかの選手が自陣コーナーから離れていればいるほど、回復幅が多くなります。逆に両選手共に自陣コーナー付近にいると、ほとんど回復しません。



 ボディにダメージがあり回復力を失っている選手は、インターバルでの回復速度も鈍くなってしまいます。大ダメージを受けていると、まったく回復できない場合もあります。

 ジャッジBは、ラウンド終了のゴングが鳴って両者が自陣コーナーに戻り、顔面ダメージの回復が全て終わった状態での顔面ダメージゲージ残量を比較して採点しています。

 ラウンド終了時の立ち位置で、判定すら有利にすることができるのです。



ロープ際


 コーナーに詰まってしまった場合、パンチの衝撃を後方に逃すことができません。顔面でもボディでも後がない状態で被弾すると、通常よりも余計なダメージを追加されてしまいます。

 後退キーを押し続け、コーナーに寄りかかることで上体を後方に反らすことができますが、そのスウェー効果は中途半端なので防御として実用的ではありません。



クリンチ


 相手と密着すると両選手の中間にクリンチゲージが表示され、赤いライン伸びていきますそのラインがゲージの端に達することでクリンチ成立となり、両者共にコーナー付近まで戻されます。

 クリンチゲージの上昇は、顔面攻撃の発動や密着状態の解除によりリセットされます。ボディ攻撃やフェイントでは上昇は止まりません。


 クリンチゲージは、短・中・長の3パターンあります。クリンチ成立、もしくはラウンド終了のたびに順番で変化します。スパー開始時は必ずゲージ以後の順番は、短→中→長→短→中→長…のループとなっています

 短→中とクリンチをしてラウンドを終えた場合、次のラウンドでは長ゲージがスキップされ短ゲージからの開始となります。クリンチの回数を巧みに調整することで、苦手なゲージを避けることも可能です。

 ブレイクが成立してコーナーに戻されるまでに、ダッシュ移動を繰り返して暴れると、スパー再開までの時間を遅らすことができます。僅かな時間ですが、極限状態での一秒はきっと競った戦況に大きな影響を与えるでしょう。

ダウン


 顔面ゲージがマイナスになってしまうと意識を失い、立っていることができなくなります。

 ダウンのカウントは、リングの床に足の裏以外が触れた時点から開始され、10カウントに達した時点でノックアウトとなりスパー終了となります

 もし、倒れるモーションの最中に顔面ゲージがマイナスからプラスに回復した場合、意識が戻って戦いの場に踏みとどまることができます。もちろんダウン認定を受けることもありません。

 ダウン中も通常時と同様に各ゲージは回復します。顔面ゲージがプラス領域まで回復した状態で↑キーを押し続けると立ち上がることができます(↑キーは連射押しではなく、押しっぱなしです)。

 ダウンから立ち上がる速度は、倒されたパンチのダメージ量によって決まります。60以上で鈍化、100以上でさらに鈍化します。

 完全に立ち上がりきらないとファイティングポーズをとったことにならないので、スパー再開となりません。立ち上がるギリギリで待機すれば、回復時間を稼ぐこともできます。

 ダウン中に↓キーを3連続押しすることでタオル投入、カウント途中であっても自身のKO負けを受け入れることができます。



エフェクト


 エフェクトとは、ゲーム画面に迫力や説得力を与えるための線画処理です。

 例えば、ダッシュ移動すると横に白いラインが描かれたり、パンチをヒットさせるとダメージ数に応じてパッと汗が飛び散ったりします。

 単なる演出のようですが、中にはジャッジによる判定の優劣をリアルタイムで判断できる、プレイヤーに有益な情報を与えてくれるエフェクトも存在します。

 一瞬の表示なので気が付いていないユーザーも多いのですが、その仕組みを知ることで、ジャッジの評価をラウンド中に視認でき、より確信を持って戦うことができるはずです。


1光線

 ダメージが発生し(ガード成功時のダメージも含む)、それがラウンド内における最大ダメージだった場合、食らった選手の顔面から前方上空に向かって白い光線が発せられます。

 この光線によりジャッジAのそのラウンドにおける途中評価をリアルタイムで確認できます。



6.グラブ色による性能差


 ボクサーが使用するグラブの色は、赤・青・白から選択することができ、それぞれのボクサーに性能差があります。

 同じ肉体のボクサーが、スピードを意識したり、強打を意識することで発生する性能差なのでデメリットも発生します。

 各色の特徴を把握することで、より優位に戦うことができるでしょう。



赤グラブ


 パンチ(特に前腕)を巧みに使いこなすテクニシャンタイプ。

 ボクシングの経験者と未経験者の技術的な分岐点を数多く表現しており、まさに正統派のボクサースタイルと言えます。


1ジャブのガードキャンセル

 ジャブの最中、瞬時にガード姿勢に戻れます。

 防御に役立つのはもちろんですが、次の攻撃へ素早く繋げることもできます。


2) 前後ダッシュの距離を調整できる

 ダッシュ中に逆方向キー、もしくは下キーを押すことで急減速できます。

ダッシュの距離が短くなり、その持続時間も減るので、数フレームだけ素早く動くことができます。


青グラブ


 移動速度に特化したフットワークタイプ。

 スピードを生かした、飛び込み・離脱により、相手にペースを与えない支配的なボクシングを目指せる。


1) フットワーク

 滑るようにリング上を移動でき、上下ジャブの射程範囲も広い。

 ただしボディに僅かでもダメージを受けると移動速度が落ち、無傷時には後退で避けられた前押しストレートに追いつかれてしまう。

2前押しストレート

 ストレートがぐぐぐっと前方に伸びます。

 先制打としてもカウンターとしても使えますが、伸びきる直前の最大ダメージで当てるコツが通常のストレートと異なるため注意が必要。近距離でのカス当たりになってしまうと、強力な反撃を受けてしまう可能性が高い。


3) 巧みなクリンチ

 高速移動を利用しての積極的なクリンチは成功率が高い。(特に短ゲージでは自在)

 更にブレイク最中に前押しすると再開時間を遅らせることができるので、ラウンド終了直前に活用することで相手のインターバル回復量を減らすこともできる。


4) 低いパンチ力

 僅かに全体的なパンチ力が低い。

 よって同じパンチだとダメージ量で負ける事が多いので、ジャッジAへのアピールはやや苦手といえる。


白グラブ


 全力で拳を振るうハードパンチャータイプ。

 ボクサーとしてのテクニックよりも力強さを優先しており、一撃一撃の破壊力が強い。よってどんな劣勢からでも逆転できる可能性(ロマン?)を持つ。


1) 強力なパンチ

 全てのパンチが強い、白グラブのメリットはこれに尽きます。

 ジャブをガードされても10程度の削りダメージを与えることが可能。


2攻撃面でのデメリット

 ボクサーとしてのテクニックを捨ててまで、強力なパンチを打つことに集中しており、相手を幻惑するような小技は苦手。


3防御面でのデメリット

 防御面の性能に関して言えば、厳しいと言わざるを得ない。



7.ゲーム画面について


 スパーリング中のボクサー様々な要素を消耗しながら戦っています。

 内部で脳がプカ〜ッと浮いている頭部を打たれれば、いずれ意識を失ってしまいます。血液を濾過する内蔵を打たれれば、回復力に影響がでるでしょう。暴れまくって酸素不足に陥ればベストパフォーマンスを発揮できないはずです

 刻一刻と変化するボクサーの状況は、画面内ゲージで随時表示されています。それを正しく把握することで、画面の中の実写ボクサーとシンクロ(一体化できるはずです。



ダメージゲージ共通


 コーナーポストの下に表示されているのが、ダメージゲージです。(左の図は青コーナー側選手のダメージゲージです)


 左が顔面ダメージ、中央がボディダメージ、右が疲労ダメージ、となっています。(ボディダメージのゲージはストーリーモードのボディ挑戦前まで表示されません)

 ゲージ上では数値で表示されませんが、各ゲージの最大値は162です。(数値はダメージを受けた際に表示される数値と同一です)


 左側で光が上下に往復しているのは、呼吸ゲージです。(光の往復速度はダメージゲージと連動しています)



1) 赤いゲージが実質の残量

 打たれたり、疲れたりすることで減少しますが、常にジワジワ回復し続けます。ボディにダメージを負うと、回復するスピードが鈍ってしまいます


2) 灰色のゲージが最大値を減らす

 赤いゲージが最大値の半分よりも減ってしまうと、灰色ゲージがダメージゲージ上部を蝕み始め最大値そのものを減らしてしまいます

 灰色ゲージの拡大によって、赤いゲージの回復できる範囲が狭くなってしまいます。一度発生した灰色ゲージは、スパーの最中に回復できません。


3マイナスにもなる

 マイナスになると黒地に赤ラインの縁取りで表示されます。

 顔面ダメージだとダウン、ボディダメージだと移動制限、疲労ダメージだと攻撃力の激減など、マイナス化すると大幅な戦力低下となます。

顔面ダメージゲージ


 顔面を打たれることで減少します。前進していたり、攻撃モーションの最中だとより大きなダメージを受けてしまいます。防御を駆使することでダメージを大幅に軽減したり、完璧に防ぐことができます。特にスウェーをしていれば、顔面ダメージをほぼ防ぐことができます。


減少することで発生する悪影響


1) ダウン

 マイナスになった時点で意識を失い、膝が折れて倒れ始めます。そのまま回復が間に合わないと本格的に倒れてしまい、ダウンが成立、カウントが開始されます


2ノックアウト負け

 ダウンのカウントが10に達する前に立ち上がれないと、ノックアウト負けになってしまいます。

顔面ダメージがプラスに転じた状態で↑キーを押し続けることで立ち上がることができます。



ボディダメージゲージ


 ボディを打たれることで減少します。前進していたり、攻撃モーションの最中だとより大きなダメージを受けてしまいます。腹筋に力を込めることで僅かにダメージを和らげることができます。


減少することで発生する悪影響


1移動速度が遅くなる

 最大値の半分以上、ボディダメージを負ってしまう、左右の移動速度が半分になってしまいます

 ボディダメージがマイナスに達してしまうと通常の前後移動がまったくできなくなり、ステップイン・ステップアウトのみが移動手段となります。


2) 回復力が鈍くなる

 ボディダメージの残量と全ゲージの回復力は連動しています。ボディダメージが減少することで回復力が鈍くなります。

 通常なら立ち上がることのできる小ダメージのダウンなのに、ボディダメージの影響により回復力が鈍ってしまい立ち上がることができない、というケースは実際によくあります。


3スウェースピードが鈍くなる

 ボディダメージとスウェーの速度は連動しています。ボディダメージを負った状態では、スウェーの完成までに時間がかかるため、スウェーはむしろ危険な防御方法となります。


4) ジャブの戻しが鈍くなる

 僅かなので気がつきにくいのですが、ボディに僅かでもダメージがあると1フレームだけジャブの戻しにディレイがかかります。ジャブの差し合いで割り込まれる可能性が増してしまうでしょう。



疲労ダメージゲージ


 パンチを打ったり移動したり、なんかしらのアクションを行うたびに減少します。同じ当たらないにしても、空振りをしてしまったケースよりもガードされたほうが疲れなかったり、直前の動作からの連動で勢いのついた動作だと疲れが浅かったりします。


減少することで発生する悪影響


1) 攻撃力の低下

 疲労ダメージと自身の攻撃力は連動しています。疲れることで全パンチの攻撃力が減少します。


2) ストレートのスピード鈍化

 疲労ダメージとストレートのキレ(ハンドスピードは連動しています。疲れれば疲れるほど、ストレートが鈍くなってしまいます。

 他のパンチのスピードには、まったく影響がありません。


3) 打たれた際の仰け反り幅が増加

 疲労ダメージと打たれた際の仰け反り幅は連動しています。疲れれば疲れるほど、被弾した場合の仰け反りモーションの時間が長くなり、操作不能の状態からなかなか回復できません。そんな状態で素早い繋ぎでワンツーを打たれると、最初のジャブが当たった時点で追撃ストレートの命中も確定してしまいます



ラウンドタイマー


 画面上部中央に表示されている電光掲示板が、ラウンドタイマーです。

 実際のボクシングと同様、スパーとインターバルの区切り時間管理していますが、実ボクでは独特のシステムに則っています。


1) 実際の3分ではない

 ラウンドタイムは、ボクシングをゲームとして再現する場合、最も自然に感じられるような "仮想3分" となっています。

 これはマラソンのゲームがあったとして、実際に二時間以上も画面の前に座っていられるか、それはゲームとしてリアルといえるだろうか、といった考え方に基づいています


2) ラウンドによって長さが変化する

 初回と最終ラウンドのみ、中盤のラウンドよりもラウンドタイマーの進みが遅くなっています。特にラスト10になるとタイマーの経過速度が鈍化します。



呼吸ゲージ


 ダメージゲージの脇で上下に動いている光点は体内のリズムを表しています。

 便宜上、呼吸ゲージの呼び方で統一していますが、かつては心拍数ゲージとも呼ばれていました。呼吸というよりは、 “体内にあるリズム” という表現がより正確かもしれません


1) 与えるダメージに影響

 攻撃を当てた際に自分の呼吸ゲージの光点が上部にあるほど、与えるダメージが増加します。最大で+5、最小で−5の補正がかかります。受けた側の光点の位置はダメージに影響しません。

 僅かなダメージ補正と言えますが、元々攻撃力の低いBジャブの一発一発に5ダメージが追加されるという事実は、積み重なることで強敵を倒すことになるかもしれません。


2光点の移動速度が変化する

 顔面・ボディ・疲労のダメージゲージが減ると、より速く光点が移動します。

 試合開始直後など万全の状態ではゆっくりと動き、打たれたり疲れたりなどして体がほぐれてくるとスイスイと滑らかに動きだす、といった感じです。人によってはダメージを負うことで、キビキビと能率よく呼吸ゲージを活用できるかもしれません。


3相打ち時に打ち勝てる

 実ボクには両者共に同時にダメージを受ける、いわゆる相打ちという概念がないのですが、時に両者の攻撃が同時にヒットするタイミングとなります。そういった場合、パンチの角度や力強さによって、どちらかのパンチが一方的に打ち勝つようになっています。

 もし、同じ種類のパンチによる相打ちが発生した場合、呼吸ゲージの光点が上部にある選手のヒットが優先され、一方的に打ち勝つことができます。相手もなにかパンチを放っているということですから、打ち勝った側が奪うダメージはカウンター効果が加算され大きな数値となります。これによって試合の勝敗が決まってしまうケースも充分に考えられます。


4ダウンにより光点の表示が消滅

 ダウンを奪われたボクサーは一定時間、呼吸ゲージを参照することができなくなります。時間が経つにつれ、徐々に光点が輝きを取り戻し、再び確認ができるようになります。


クリンチゲージ


 相手と密着すると両者の間にクリンチゲージが表示され、赤ゲージが上昇します。

 どちらかの選手が顔面攻撃したり両者の密着状態が解除されると、赤ゲージの上昇がリセットされクリンチゲージそのものも消滅します。

 クリンチゲージ最大値まで赤ゲージが達すると、クリンチ成立となり両者は一定の距離まで自動で離されます


1) 3種類の最大値

 クリンチゲージは3種類あり、その最大値は、短・中・長となっています

 密着状態が途中で中断したとしても密着するたびに同じ種類のゲージを繰り返します。が、クリンチ成立、もしくはラウンド終了により、別の種類のゲージに一定の順番で変化します。

 変化の順番は、短→中→長→短→中→長…のループとなっています。

 が、ラウンド終了による変化は、矢印ふたつ分となります。なので、中ゲージでクリンチをして終了すれば、次のラウンドでは短ゲージからとなります(長ゲージがスキップされます)。

 最終ラウンド手前のラウンドを中ゲージクリンチを行って終えれば、最終ラウンドは短ゲージで始まるため、リードしている選手が逃げ切りを考えているのであれば比較的容易にクリンチを少なくとも一度は行うことができるでしょう。


2暴れる

 クリンチが成立すると両者共にコーナー付近まで離されますが、この際に前ダッシュを何度も繰り返すことで、スパー再開までの時間を伸ばすことができます。

 ただし、ダッシュ動作も結構なスタミナを消費するアクションなのでリスクもあります。

 ちなみに操作機器がマウスの場合、クリンチ中に前ダッシュ動作ができないのですが、これは何度も前ダッシュが暴発してしまうことを防ぐための仕様となっています。ご了承を…。



実ボクユーザー REN氏による投稿挿絵

8.テクニック


 ここでは対人戦での基本となるテクニックを紹介します。

 実際にはどのテクニックにも対応策が確立されているので、実力者相手に単一のテクニックだけでは勝ち続けることはできないはずです。

 各テクニックを使えるのはネット対戦をするボクサーなら当たり前、それらを状況に応じてチョイスしていく頭脳、いわゆる「戦術」に優れてこそ一流のボクサーと言えるでしょう。


攻撃テクニック


1) カウンター

 相手の攻撃モーションの最中(主にフックやアッパーの打ち終わり)に、こちらの攻撃を当てるテクニック。

 通常のヒットよりも大きなダメージ(時に100を超える!)を与えることが可能。

 ただし、こちらが軽打(ジャブ、Bジャブ)でカウンターヒットした場合、ダメージ増加の効果は強打でヒットした時と比べると約半分になってしまいます。

 相手のフェイントにカウンターを暴発させてしまうと、逆にカウンターされてしまうのが最大の弱点です。なので対戦相手によってはフェイントか実弾かの読みが必要となります。

 タイミングに集中するため自身の手数が減ってしまう点と相手が打ってこないとどうにもならない点デメリットと言えるでしょう。更に待つという特性がボディアタックが巧みな相手にチャンスを与えてしまうかもしれません。


2フック削り

 ガードをしている相手にフックを叩きつけ、強引にダメージを与えるテクニック。40前後のダメージを奪うことができる。

 相手がカウンターパンチャーの場合、フックは格好の標的になってしまうので、フェイントを交えたり、テンポを遅らせるなどの狙われない工夫が必要となる。


3ジャブによるバリア

 ジャブを細かく何度も打つことで、相手の強打を打ち消し続けるテクニック。大きなダメージを奪うことは難しいが、時間稼ぎにもなるのでポイント劣勢の相手を焦らせる効果もある。

 ただし長時間に渡るジャブの連打は、思った以上に疲労度が高いアクションである。筋肉疲労しない程度、数秒の休みを入れながら行う必要がある。

 覚悟を決めた相手が強打ボタンを連打押ししてくると、ジャブの間に割り込まれて思わぬ大ダメージを受けることもある。


4) 強引な強打振り抜き

 強打ボタンを連打すること(もしくは押しっぱなし)で、消されても消されてもすぐに強打モーションを復活させるテクニック。タイミングが合えば、ジャブの弾幕を突き破ることができる。

 強打の疲労ゲージは打ち終わって初めて消費されるので、強打ボタンを連打していたとしても打ち消された分はまったく疲労しない。

 ただし、連打という性格上、タイミングがどうしても大味になってしまう点と読まれてしまえば距離を取られて空転→カウンターを食らってしまうのが大きなデメリットである。


5コーナー釘付け

 前ダッシュによるプッシュなどでコーナーに相手を追い詰め、ポジション的に有利な状態で、チャンスを伺い続けるテクニック。相手の背後にスペースがない状態で攻撃をヒットさせると、通常よりも多いダメージを奪うことができ、反撃を受けた場合でも自身の背後にある広大なスペースを有効利用できる。

 特にボディへの攻撃は腹筋で僅かに軽減させる以外は防御不能なので、不足気味の攻撃力を充分に補うことができる。

 更に終了ゴング直前の立ち位置を優先的に調整できるので、インターバルの回復量も自分に有利なように調整できる可能性が高い。

 ただし、クリンチゲージが短・中だとクリンチによる寸断で失敗しやすい。準備段階で必要な前ダッシュによるプッシュは、意外と疲労度が高く無防備となるのも難点。 


6ボディ攻撃

 相手のボディにダメージを与え、回復力や移動力を奪う戦術。単にボディを連打で攻め続けても、攻撃力不足や自身の打ち疲れで失敗することが多い。 自身が疲労していない状態に加え、自身の呼吸ゲージが上部にあるタイミングで攻撃を開始することで、成功率を高めることができる。(自身がダメージを負ってしまうと呼吸ゲージの往復速度がアップするが、これは上部を通過する回数が増えるとも言える。)

 逆転の定石手段だが即効性は薄い。最終ラウンドに仕掛けて成就するほど甘くはない。

 ラウンド終了時の立ち位置調整でボディダメージを回復させない、相手が腹筋に力を込めているなら顔面狙いに変更、など状況に応じた判断が必要とされる。


7終了間際の一撃

 ラウンド終了時間のギリギリ直前、相手の反撃が時間的に不可能なタイミングで強打を打っておくテクニック。ようは制限時間を利用した打ち逃げだが、相手も同じことを考えていた場合、強打の正面衝突、大事故に発展する可能性もある。

 大量にポイントをリードしている展開なら、ラウンドの終了間際は確実に防御するのが安全策である



防御テクニック


1) 徹底したスウェー

 スウェーの姿勢が完成すれば顔面攻撃を完全に防げるので、リードした展開で迎えたスパー終盤に徹底的なスウェーを行えば、絶大な逃げ切り効果を発揮できます。

 ただし、スウェー中はボディの防御力が激減しているため、ボディダメージを受けた場合のスウェースピード鈍化には細心の注意が必要です。スウェー鈍化中、ガラ空きの顔面に強打を受けてダウンした場合、ダメージの回復力も低下しているので立ち上がれないケースが多いのです。


2細かい出入り

 接近と離脱(前後の移動)を繰り返し、相手の強打空振りを誘うテクニック。

 ガードしたまま前進して、相手のフック削りを誘発してみる。そろそろ来るかなのタイミングで後退を開始する。もしフックが飛んできていたら、その目の前で空転している相手にしっかりカウンターを合わせるもよし、そのまま空振りさせて疲労させるのもよし。

 攻防一体の優れた戦術なのだが、相手がこちらの後退タイミングに合わせて前進ストレートで追ってきた場合が怖い。動作が単調にならないよう注意しよう。


3クリンチ

 短いクリンチメータの場合、積極的に狙って密着すると、高確率でクリンチを成立させることができる。成立すれば結構な時間稼ぎとなるので、展開によっては有効な戦術となる。

 クリンチメータが中から長の場合は、密着時間の増加によるリスク増加を考える必要がある。が、ガード姿勢のまましつこくぐいぐいと押してくるスタイルは、新しい展開を生むこともあるので制空権争いで敵わない場合など突発的にこの戦術を選択するのも面白い。


4) 相手の呼吸ゲージに注目

 実力者は少しでも自分の攻撃力を上げるために呼吸ゲージが上部にある時に攻撃を開始することが多い。

 こちらとしては、相手がボディを狙ってきそうなら後退やジャブ迎撃の準備、フックを狙ってきそうならカウンターの準備、など呼吸ゲージを注視することで事前に相手の攻撃を予想することができる。(もちろん自分の呼吸ゲージは自身の攻撃着火タイミングに活用できる)


5攻めない

 パンチモーションの最中は防御力が下がっています。自分から手を出さないというだけで、かなりの防御効果があると言えます。

フック削りでダウンしたとしても判定で勝てる状況やすでに50以上のダメージを与えていてジャッジAのポイントゲットを確定させたい時に選択します。

9.ユーザーコラム


マウスを使って「実写でボクシング」を楽しむために

M.マウス氏

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 このコーナーは「実写でボクシング」の攻略法でも技術論の場でもありません。


 上記タイトルのように、15000近いスパー数をマウス一筋に戦ってきたマウサー(マウス操作者をこう呼びます)の経験談のようなものです。又、普遍性もなく、あくまでも自分自身の主観によるものだという点をご理解の上お読み下さい。ただ、基本的な部分は共通していると思います。慣れてきましたらご自分のスタイルを作り上げてください。


 まず、マウスの設定をちょっと変えましょう。通常の設定でも構いませんが、このゲームでは一瞬の微妙なタッチが勝敗を分けますので、できれば下記の設定が良いと思います。

 コントロールパネルからマウスのアイコンをクリックしてください。そこにいろいろな設定がありますが、カーソルの移動速度は最大に、クリック速度は最大速度に(ダブルクリックがしづらくなりますが)設定しましょう。


 設定ができましたら、さぁ、トレーニング開始です。操作法はマウス選択時に解説されていますので、しっかり頭に入れておいて下さい。


 基本形は、カーソルをボクサーの顔面の付近に置いてください。常にこの位置に戻せるように心掛けながらパンチを出しましょう。マウスを動かす範囲は5cm 四方あれば充分です。あまり大きく動かすとカーソルの位置を見失い、捜している間に相手のパンチが飛んできますのでご注意。


 カーソルの位置はマウス操作の重要なポイントですので目を離さないように。このカーソルの位置、相手の動き、ダメージゲージに目を配りながら操作しましょう。


 実際のボクシングと同様にジャブ(左クリック)もっとも多用する操作です。軽くポンと一押し(短いジャブ)、気持ち長めのクリック(腕の伸びきったロングジャブ)、マウスを左右に動かしながら相手との間合いによって使い分けましょう。

 

 続いて、大切な「防御」、同時に左右クリックしたままの状態です。そのままカーソルをちょっと下方に(ダッキング)、後方に(スウェー)。

 ダッキングは相手のフック攻撃に最適な防御ですが、テクニシャン・実力者のお方はフック→アッパーのコンビパンチがありますので、ダッキングと同時にジャブを出すように。


 あとは、相手の動きを見ながら右クリック(強打)。ここでのカーソル位置は大切です。意図しないパンチになる事がありますのでご注意を。以上が基本的なマウス操作法です


 操作器機のマウスについては、手のひらにはいる程度の大きさ、クリック感度は軽目の浅目が良いと思います。


 しばらくトレーニングを続けると、だんだん自分に合うタッチの感触が感じられるようになってくると思います。使用中のマウスがしっくりいかないようでしたら、是非PCショップで実際に手に取りクリックの感じを確認の上ご購入ください。通販は禁物です。



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 前回、一般的なマウス操作について述べましたが、今回はもう少し具体的な細かい部分について触れてみます。

 「実ボク」(「実写でボクシング」の略です)用のマウスの準備、設定は済ませましたか?「実ボク」では通常とは違った動きが要求されます。ご自分で動かし易い形であればそれでも構いませんが、最初が肝心ですので。

 マウスを包み込むような感じでマウスの上に手を置いてください。普通の手の大きさのお方なら多分ちょっと小型のマウスになっていると思います。


 注意点は、

  1. クリックする指はあまり立てない方が良いでしょう。ちょっと伸ばし気味な感じでしょうか。

  2. 指先にちょっと力を入れる気持ちで指全体を使ってください。そのほうがクリックしやすくありませんか?

  3. 大切な「防御」の左右同時クリック、やりやすくありませんか?


 前回述べましたクリックタッチの感度「軽めの浅め」の理由はここなんです。


 それから手首と小指は自然な形でマウスパッドに固定されていますか? この点はマウスカーソルの無駄な動きをコントロールする上で大切です。マウスを動かす指はマウスの両横を軽くはさんだ親指と薬指の役目です。

 この状態でマウスを上下左右に動かしてみてください。あまり大きくは動かせませんね。しかし、手首と小指が固定されていればリング上ではその範囲内の動きで充分な事がお分かりになると思います。いわば、大きく動きがちになるカーソルを制御するストッパーの役割です。


 さて、チャレンジ→トレーニングに入ります。目の前に顔も、腕も、足もないサンドバックさんがぶら下がっていますね。このサンドバックさん、攻撃も逃げる事もしませんので仮想対戦者に見立てトレーニング開始です。画面下半分のコラム、解説には目を通しておいてください。

 ここでは、ジャブ→ガード→ジャブの繰り返しと当たる距離感を掴みましょう。マウスを左右に動かし、ジャブの当たる距離を確認しながら、できるだけ素早くクリック!!ガード!!クリック!!ガード!! 何度も何度も繰り返しそのタッチ感を指に覚えさせましょう。

 自分のパンチが当たる距離は、当然相手のパンチも届きますね。実戦ではガードしていても倒される事があります。時にダッキング、スウェーを交えながらスムーズな動きができるまで特訓です。又、バックステップで相手との距離を取る組合せもマスターしましょう。



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 おっ!!やってますね。その調子!マウス操作、随分馴れてきたと思います。思い通りに動かせるようになりましたか?


 カーソルの位置を意識しているようではまだまだです。無意識のうちに基本位置に戻し、瞬時に次の動作に移れるように頑張ってください。

 瞬間的な反射神経を必要とする「実ボク」では考えているヒマはありません。いかにうまく相手のパンチを避け、いかに相手より速く強いパンチを当てられるか、その点を頭にいれながらトレーニングに励んでください。


 マウス操作にも「フェイント」機能(Vキーです)があります。今の段階でフェイントの使い方も練習してください。操作法は、出そうとするパンチの位置にカーソルを置き、Vキーを押すだけです。


 「強打」の操作、あえて触れません。ここまで自在にマウスを動かせるようになった君にはチャンスをみて右クリックするだけですから。


 最後に自分の失敗(敗戦)経験より。


 「攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、果たしてそうでしょうか? 私は逆に、「実ボク」では「防御は攻撃の最大のチャンス」だと思っています。ジャブとガードのトレーニングの繰り返しを述べたのはそのためです。


 又、攻略法、技術論の場でない事は最初に書きましたが一言だけ。

 しっかりガードを固めジャブで間合いを取りながらジッと待ちましょう。相手は倒そうと必ず強打を振るってきます。その一瞬が強打を出すタイミングです。(難しいですが・・・・)


 いつの日かマウスを片手にジムサーバのリングに立つ君の姿を夢見て、このつたない経験談がご参考になれば幸いです。




ユーザーから見たスパ天の発展

フリッカー氏


 私は現在、テストプレイヤー時代から参加した最古参の数少ない生き残りとしてスパ天に今日も入り浸っています。当時、スパ天へ入室した時は、私の記憶ではサンドバック会長と鳳蛋さんのお二方がいたと思います(違っている可能性もあります)

 現在、スパー最初の数試合の記録が残っていないため、残念ながら最初の対戦相手を思い出すことができません。しかし、東京や広島、秋田と全国バラバラに住んでいる人間が電話回線の中を通る01の数字を介して、初めてリアルタイムで繋がった、その興奮と感動は今でも鮮明に思い出せます。


 当時、スパ天の環境はと言うと、今からすれば仰天する状態でした。

 遅延値16。現在のスパ天では多くの方が5に設定されており、感覚としては、殆ど遅延を感じさせない状態であり、多くても9であまり違和感を感じません。

 現在の標準の約3倍。衛星中継のような感覚と言えば分かりやすいでしょうか。

 とにかく予想しながら、予想しながら戦うという、戦略シミュレーションと格闘ゲームを

足して2で割ったような世界観でした。しかし、当時は夢とされていた対戦が、現実に行えているという事実。それが開発者、ユーザーに活力を与えてくれたものでした。

 いずれスムーズに戦えるようになる、きっとなる。よりリアルタイムに近い拳の交換が行えるまで。それは現在、夢から紛れもない現実へと成りました。



遠距離戦主流の時代


 この時代のユーザの戦い方は、O2(オーツー)システムという非リアルタイム通信推奨の、HSP開発者提供のサーバを用いていたため、遅延が16固定の厳しい環境でした。

 遅延の影響もあり、やや偶発的な当たりが多く、それゆえに遠距離から比較的安全なジャブで探り合う展開が主流でした。

 探りあい、相手の攻撃を出すタイミングや癖を読み、「置く」ように強打を打つ。読みが外れると不毛な空振りやガード合戦になるが、当たるときは面白いように当たる。

 そんな時代。当時は、より「スパーリング」「草試合」「練習生」という要素を強く打ち出し、4Rまでと試合数が短く判定決着が多いのも特徴的です。

 この時代の主流だったパンチはズバリ、ジャブとフック。安全なジャブと、遅延故に、ガード越しに当てられても予想しない限り反撃できないフックが猛威をふるいました。

 逆にボディ攻撃はラウンド数の少なさ、モーションのリスクの大きさもあり、鳳蛋さん以外の方は全くと言っていいほど使われない不遇の時期でした。

 そんな高遅延時代、ジャブとフックで遠距離戦が主流のシンプルな時代を経て、遅延129の時代へと移り変わって行きます。



アッパーが存在感を増した中遅延時代


 遅延12912では相変わらず難があったものの、より改善が進み、ついに9の時代へ。

 9ともなると、若干のタイムラグは否めないものの、強打の空振りを見て、それに反応できる。つまり、反応を活かしたカウンターを扱えるようになりました。

 これが意味するものは大きく、うかつにフックを振り回せばたちまちフック返しやストレートで潰される可能性が高くなり、ゲーム開発当初からの命題であったセーフティボクシングが本格的に普及され始めたのもこの頃です。

 そんな中、UMEさんという方が登場。オフラインモードでも驚異的な数値を叩きだしていた男の、満を持しての参戦。それまで、博打的な意味合いで用いられるに過ぎなかったアッパーを初めて戦術の1つとして組み込んだと言っても過言ではない存在でした。

 当時、カウンターパンチとして強大な力を発揮したストレートをかいくぐってのアッパー。結果、理論上有効と分かっていても誰もあまり使ってこなかったため、対処のしようがない。故に彼は次々とKOの山を築き上げてしまう。しかし、彼とそのスタイルの登場で、スパ天は質の高いボクシングを行うようになっていったのも事実です。

 容易にアッパーを打たれないためにはどうしたらいいか?ストレートに頼りすぎず、ジャブで軽く小突くだけにしてリスクを回避すべきか?はたまたストレートを打つと思わせてアッパーを先に出して出会い頭に叩くか?

 当時はまだフェイント機能は実装されておらず、強打は全て本物。そのため強打を主体とするボクサーは非常に厳しい立場にあり、ジャブだけで来られると、反撃の糸口をつかめず、自ら振り回せばカウンターを受ける。

 そのため、この時代はジャブを中心とし、より強打の数を絞った戦い方が見受けられる時代でした。

 また、この時代になり、レベルという概念も誕生し、現実のレベルランキングを模したものが、運用を開始。より「競争」を意識した部分も手伝い、一定以上スパーをした者の殆どが、安定した、正確には簡単には倒されない戦い方を会得し始めていく意識向上の著しい時代でもあります。

 この時代を経て、長らく懸念となっていた遅延問題は一定の解決を果たし、より現在に近いスパ天ワールドへと突入していきます。



リアルタイムボクシング、遅延5メイン時代到来。


 遅延5。一部の環境、及び海外から接続されている方は、やはり厳しかったものの、ついに

大多数のユーザーの環境でリアルタイムを味わえるようになりました。

 ラウンドも多数のユーザーからの要望で長期化が実現し、レベルランクによっては、1011Rという長丁場も体験できるようになりました。

 それからしばらくし、要望として出ていた強打のフェイント。これの出現により、強打スタイルを貫くユーザーの戦術の幅が広がり、より複雑になりました。

 ダッキングを続ける相手にアッパーフェイントで脅しを掛ける。フックフェイントを仕掛けてからすぐにフックを打つ時間差攻撃。同じくフックフェイントを行い、相手のカウンターフックを誘い、即座に下がってストレートでカウンター返し。これで強打スタイルの相手は待ち伏せすれば有利、という定説が完全に崩れ、より高度な駆け引きを実現させました。

 ここまでで、ジャブ、強打と2つのスタイルが確立し、互いのウィークポイントを解析し合う、シンプルながらも高いレベルの心理戦が展開され始めた時代と言えるでしょう。

 この頃、ついにサンドバック会長の自宅に「実ボク専用サーバ(通称ジムサーバ)」設置。通信の安定性が格段に向上し、より快適なスパー環境が整えられ、通信環境に関しては熟した頃です。



既成概念の破壊、ボディ攻撃の重要性浸透、三国志時代へ突入。


 この少し前にラウンドの長期化が起きましたが、この要素がスパ天における1つのターニングポイントをもたらします。

 ボディ攻撃。今まで最も冷遇され、こだわりを持つファイターにのみ用いられてきた攻撃。連続で当てて、ボディへ蓄積を与えれば、相手を一気に鈍らせることができるメリットがあるにも関わらず、ラウンドの少なさによる、トライ回数の少なさが響いて用いられませんでした。

 そんな時、ベテランユーザーであった武のんさんが既成概念を完全に破壊しました。ボディ攻撃を主軸におき、ひたすらボディを狙う。

 当時、既にジャブとストレートとフック、この3つを習熟していれば勝つことが可能だったスパ天において、改めて冒険をしようという選手は筆者を含め、ほぼいない状態でした。(特に私はボディ習得をさぼってました)

 多少のダメージを被っても、最終的に相手のボディを破壊し、全く動けなくなった相手を確実に仕留める。

 それまでジャブとストレートを主軸に戦うボクサータイプが全盛を極めていた時に、突如現れたインファイタースタイル。ファイタースタイルの先駆けとして、鳳蛋さんが既に存在したものの、首尾一貫してボディを執拗に叩くスタイルはスパ天の勢力図をついに塗り替えてしまうほどになります。

 武のんさん、鳳蛋さん、そしてアッパーで一時期を築いたUMEさんが本格的なボディ攻撃を習得し、次々と快進撃していきますが、開発者の予想を遙かに上回る有用性から、能力調整が行われることとなりました。

 反発する人もおらず、極めて円満かつ穏便に修正は行われました。具体的には、1発当たりの疲労度の増大、カウンターをもらった際の被ダメージ増。そして、初めてボディ攻撃への防御手段として登場した腹筋防御。

 これらの修正はボディ攻撃を主軸に置くユーザーに取って非常に大きなダメージとなったでしょう。

 しかし、結果としてジャブ派も強打派もボディ派も今まで以上のテクニックを編み出し、全てのパンチが舞台に立った、そう断言できる時代がようやく到来したのです。




チャンピオンシステム、サブコミュニティの誕生。


 これまでも、ブログなどで個人的に実ボクを応援するサイトはいくつかありましたが、初めて「メンバー」を募って実ボクに関わる交流を持つコミュニティが現れました。

「強打派友の会」

 以降の実ボクファンサイト誕生の切っ掛けとなる存在でした。このグループの発足で、これまでは強打スタイル=ブンブン丸というイメージが強かった状態を覆し、1発を決めるまでの考え方などが表されるようになり、技術、知識の交換を活発にし、より多くのユーザーが各人の持つ独特のテクニックの中身に触れることができるようなったのも、この辺りだったと記憶しています。

 もう1つ、忘れてはいけないのがチャンピオンシステムの導入。スパ天王座とボク街王座、2つの王座が設立され、現在、完全版ユーザーの誰もがこの王座を狙い続けています。

 当初、導入された時は、負けた際の蓄積ダメージによって次に挑戦できるまでの勝ち星数が変わるというもののみでした。

 チャンピオン、特別な存在という響きを醸し出すこの名称、スパーが12R固定になる以外は通常と全く同じ状況下。ただ、過去最大の長丁場となり、蓄積が後々に影響を与えるため、より慎重な試合運びが行われるようになり、タイトルマッチは意義あるものとなりました。

 後のスパ天、ボク街ともに、タイトルマッチ特有の仕様が実装され、現実のボクシングにある、どちらのタイトルをターゲットにするかなど、戦略的な面も発生し、それぞれシステムに順応し、通常スパーとタイトルマッチにおける引き出しの違いなどが生まれるようになりました。

 例えば、最初に創設されたスパ天王座はスパー中の体力、ダメージなどが一切表示されず、ラウンドごとのポイントのみ表示されるため、日頃から養ってきた『感覚』を頼りに戦い、心理戦に拍車を掛ける王座。戦術より戦略が重視されると言えます。

 これに対しボク街王座は、スパー中の体力、ダメージは表示されるものの、ラウンドごとのポイントが非表示となります。こちらはどちらかというと、思い切りよく戦う選手が強い傾向にあると言えます。ポイントを頭に入れながら慎重に戦おうとするタイプは、ひとたび乱打戦に巻き込まれてポイントを見失い、そのまま戦術があやふやになる可能性もある。また、思い切りの良さを活かせる反面、激闘型になり、ランク16位以内で挑戦できる点も手伝い、政権交代が頻繁に行われる王座となっています。戦略より戦術が重視される王座でもあります。

 スパ天におけるスタイルはこの頃になると、新人の方にありがちなブンブン丸が殆ど消え、デビューしたてから慎重な戦い方を心がけるユーザーが目立ってきた時期でもあります。



ビッグイベント続々開催、サブコミュニティ増加、「主流」という概念の消滅。


 以前にも大会と銘打たれたイベントが時折行われていましたが、このチャンピオンシステム導入と時を同じくして、23ヶ月に1度のペースで大規模な大会が開かれるようになりました。

 常連とされるユーザー、新人ユーザーの増加が実感として表される状態です。いずれの大会も、ユーザー主導の運営、過去の大会を参考に独自色の演出、サポートを徹底するなど、「人」としての付き合いがより強くなってきた時代です。

 さらに、この頃からどのタイプのボクサーが主流、と言えるものがなくなり、ジャブ主体、強打主体、ボディ主体の比率が均質化しつつありました。現在もやはりジャブ主体の選手が多いですが、圧倒的多数というわけでもなく、それぞれが自らの色を明確に出し、「彼と言えばこれ」という、代名詞的なムービングが多く生まれてきたのが、執筆中の現在の状態でしょう。システムの面に関して言えば既に円熟し、各人の技術革新合戦という高度な状態にあります。



 所々、端折った部分もありますが、スパ天の歴史を大枠で捉えるとこのような感じになるかと思います。

 これから先、どのように発展していくのか、それは誰にも分かりません。

 ただ、決して悪い方向へ進んだり、退行してしまうということはまずない、と私は考えています。

 なぜならば、何か問題が発生しても、世に数多く存在するオンラインゲームのコミュニティでも、かなり珍しい、高い自浄作用があり、ディスプレイの向こうに自分と同じ「人間」がいることを意識できるユーザーが非常に多いという点から言えます。

 スパ天がネット空間に存在し続ける限り、そして自身のネット環境が続く限り、これからもスパ天に通い詰め、勝って負けて雑談をして、スパ天の中を覗き続けて行きたいと思っています。




実ボクユーザー フリッカー氏による投稿挿絵

スパーの流れ

UME


 スパーに勝つということは簡単なことではない。

 相手の動き、そのときのゲージ状況、残りR残り時間等考慮して最も安定した行動を見つけられるように努力すべし。(これを「立ち回り」という)


 以下10Rの試合の例で簡単にさらっていこうと思う。



初回→牽制を飛ばしながら顔面(orボディ)蓄積を狙う


 開始と同時にダッシュ。これは相手をコーナーに詰める動きが基本であると同時に、ダメージを受けた際に下がるスペースを確保する狙いもある。


 序盤の主目的は安全に立ち上がりつつ相手の動きを確認することと、可能であれば顔面蓄積を奪い試合を作ってしまうこと(顔面蓄積を奪うことでジャッジBの支持を得続けることができる)。


 ポイントに関してはまだ過剰に意識する必要はないが、試合中そのR間の最大ダメージ値は記憶しておこう(ジャッジAのポイント獲得のため)。

 またボディアタックを得意とするプレイヤーは大抵ジャッジCをとりジャッジAをこぼすので、初回はジャッジAを優先的に取っておいたほうがバランスがとれる。



25R→押し引き、ゲージ状況に合わせた「いいとこ取り」


 30ダメージを単発で10発浴びても、90ダメージを一発返せればこちらが有利である。

 また80弱のダメージを何度浴びても蓄積を負わなければ問題ないし、30ダメージを連続4回与えれば相手に40近くの蓄積ダメージを与えることが出来る。この2つは決して矛盾していない。


 ともかく試合前半で大事なことは「顔面蓄積を奪う」ということに尽きる。そのために的確なカウンターや、まとめ打ちが必要となる。

 単発で大きめのダメージを何発も受けても無傷で切り抜けて、こちらは的確にパンチを集めて「不公平」に勝とう。


 このゲームは結局のところ「ゲージのやり取り」である。

 自分が一方的に有利なゲージ状況のときに攻め、不利な状況で引く。まずはこれを確立させよう。

 特に相手のゲージをきちんと確認すること。相手の体力が50程度減っていたらフックを狙う、スタミナ消費が激しければボディを攻める、など。


 この上で「自分がダメージを受けているから、相手が狙っているであろうフックに照準を合わせカウンターアッパーを打つ」などの動きができれば、より上の次元のボクシングになる。



69R→最終形(勝ち方)を意識し、それに必要な動きを


 私の立ち回りの実例を挙げよう。


相手が顔面大ダメージ、自分無傷

→早いRから完全に引いてアウトボクシング、ポイントはダウンを奪って稼ぎ判定狙い。


相手のほうが大きめの顔面ダメージ、自分ややダメージ

→ボディ攻撃は反撃を抑える狙いで(もちろん大ダメージを奪えればそのまま続行)、フックにカウンターを狙いつつアッパーが当たらない距離でボクシング、ポイントはACどちらかに絞らず3-0の判定勝ちをするつもりでとる。


お互いに顔面蓄積なし

→ボディアタックなどを脅しに使いながら、本線は判定。先にR最大ダメージ候補になるようなパンチを当ててからカウンターを狙うのが理想。


こちらが顔面蓄積あり、相手なし

→ジャッジACの支持を受けての2-1判定勝ちを本線に、ボディアタックやフックへのカウンターを狙う。より大きい顔面蓄積を奪ってもポイントが最終Rまでに追いつかない場合はこれに拘らない。


こちらが顔面大ダメージ、相手なし

→上記に近いが、優先順位が変わる。この場合はボディアタック本線、2-1判定勝ちが伏線。


お互いに大ダメージ

→ヘタに引くとダウンを取られてズルズルとポイントを流出したり、削りフックでKOされかねないのでやや強めに押して勝負に出る。

ジャブとフックを駆使しつつ相手のフックに反応してダッキングアッパーを狙う。反応重視の戦いにシフトする。


相手にボディダメージを与えた

→傷が浅い場合は無理せず流し、40ダメージほど与えたら無理してでも攻めて傷を広げ、ボディ蓄積を奪ったらまた引いて反撃を受けないようにしつつ顔面との2択を迫り、相手のゲージ3本を均等に削る。



 ふう、疲れた・・・おおよそこんなところであろうか。

 参考にしていただければ幸いである。なおやや「判定」という言葉の多さが目に付いたかと思うが、これだけ判定を意識しておきながら私はKO95%KOに拘る必要は全くない。



最終R→試合を締めくくる


 上記のような立ち回りの末、安全に試合を終わらせるかはたまた逆転を狙うか、意図を持って最終Rを。きちんとその試合を締めくくろう。


 基本的には上の続きなので特筆する事項はない。しかしひとつだけ。

 最後まで諦めない姿勢は立派であるが、最後にムチャ振りして勝っても決して喜んではいけない。

 ラスト1Rまで無傷なら、スウェーを駆使すればほぼ間違いなく逃げ切ることができ、もし最終Rそれをひっくり返したとしてもそれはあくまで相手のミス。

 このゲームは不確定要素が沢山あるかもしれないが、だからこそ結果より過程が大事なのだと私は思う。終わりよければ全てよし、では永遠に成長しないだろう。


 勿論最終Rは諦めろ、というわけではない。逆転を狙うのであれば、最終Rの逆転までの布石をどれだけ打てたか、ここまでにそれをどれほど積み上げられたかが大事だということを、筆者は強く記しておく。



ストレートカウンター

無頼男氏


 カウンターを主武器とする一人として参考までに・・・!思いつくままに書いたので読みにくい!わかりにくい!ところ多々あると思いますが、少し意識するだけで試合の流れが変わってくると思いますので、よかったら読んでみてください。


 ここでは自分の唯一の武器、ストレートカウンターについて書きたいと思います。簡潔に書こうとして、何だか偉そうに書いてしまっている部分も多々あると思いますが、新人の方に参考にして頂ければ、幸いです。他の方の攻略と重複する部分もあると思いますが、ご容赦ください。


 フックはガード越しでも一定のダメージを与えられる。これに対処できないと相手に好き放題蓄積を奪われてしまう。その対処としてあげられるストレートカウンターについて書きたいと思う。


相手がフックを打ちたいタイミングを知る


 予測したフックが来るのと、突然のフックがくるのではカウンターの精度も変わってくるため、これは非常に重要だと思う。相手が人であるかぎり、癖はあるし、共通する傾向もあるはず。


 ここでは、相手を自分に置き換えて、フックを打ちたいタイミングを考える。(→は対処法)


1、蓄積ダメージを与えたい場合


 あと少しで蓄積が与えられるとき、自ずとフックを打ちたくなってしまうはず。ガード越しでも一定のダメージを与えられるのでフックを選択する人が多い。ジャッジBを獲得できれば、試合を優位に展開出来るため。


 →距離をとるのが最優先。ジャッジ互角なら無理をする必要はないと思う。空振りさせてストレート。

 決められなくても相手に警戒させることはできるので回復のための時間稼ぎにもなる。


2、ダウンさせたい場合


 これも1と似ているが、ダウンさせてしまえば反撃はない上に、ジャッジも有利になる。しかし、それ故に隙が大きいフックを打ってしまいやすい。


 →これは読み切ってるなら、ダックアッパーからのストレートで一発逆転ならぬ二発逆転を狙っても良いかもしれない。ストレートで狙うなら、自分がロープ際に追い詰められたとき、半身後ろにスペースを作って、下がってストレート。


3、ジャブのやりとりで優位に立てない場合


 ジャブのうまい相手、あるいはボディジャブによってジャッジCを狙ってくる相手に対して均衡をやぶるためにフックを打つことがある。ジャッジA狙い。


 →時折、バックステップをしたりして自分のストレートは当たるが、相手フックは当たらない、もしくは当たってもカス当たりになる距離を作る。


4、ラウンド終了間際


 これは上位陣、かつジャッジを強く意識する人に多い。うまく当てられれば反撃はない上に、ジャッジAだけでなくジャッジBも奪える可能性がある。しかし、打つタイミングがズレれば分かりやすい。


 →カウンターを狙うとすれば・・・ガードしながら接近して、相手がフックを打ちやすい状況をつくる。あえてダッキングを入れないのも手。ラウンド終了間際バックステップ→ストレート。結構慣れるまでは難しい上に、一度狙うとバレる可能性大。


、相手の突然の接近


 蓄積を負わせ、ダウン寸前の相手が接近してきた場合、フックまたはストレート、あるいはジャブが選択されることが多い。相手をダウンさせるか、反撃の連打を抑えるのが目的。


 →これは私が使うせこい技のひとつで、一見むきになって接近してるかのように見せて、ダッキングアッパーを仕込むには最適の場面である。もちろん同じ相手に何度もすれば、ダッキングにアッパーをあわされてしまうため、ほどほどに・・


、強打コンビネーションの終わり


 これは、相手にしっかりとした蓄積を負わせるのが目的である。最初の強打が当たっても蓄積が奪えなかった場合、ガード上からのフックで蓄積を奪いたいと思う人も多いのでは・・


 →ダックアッパーもしくはガードでフックを受け入れてアッパーが理想。(体力ゲージに余裕があれば)下がって空転させてストレートもありだが・・・体感だとアッパーのほうが自然に打てる気が。


、相手の体力(スタミナ)ゲージが減っている場合


 これも上位陣の方に多い。体力ゲージが減っているときに打ちたくないのはアッパーではないだろうか。たとえ空振りしても返ってくるのが遅いストレートなら逆にカウンターできるうえに、アッパーはスタミナゲージ蓄積の恐れがあるので可能性が低いため。


 →ダッキングorジャブでやりすごすか、思い切ってアッパーを選択する。その選択は場面によって・・


、劣勢の相手が接近してきた場合


 これは、劣勢の相手が逆転を狙って連打してきた場合である。フックによって相手の攻撃を止めるのが狙いである。


 →相手も偶然のカウンターによる玉砕は避けたいので、連打が一瞬止んだところで放ってくることが多い。それを逆手にとり、フェイントを入れて時間をおき、反撃があったところでカウンターを合わせる。自分の体力ゲージと相談しながらだが、場合によってはアッパーを直接合わせてもよいと思う。



ストレートカウンターの敵は・・


1、フックを打たない相手


 相手がフックかアッパーを打ってくれないと始まらない。こちらの狙いがバレれば、相手もそうそう打ってはくれないので、打たざるをえない状況に追い詰めたい。


2、連続フック


 これはやられると結構プレッシャーになる。しっかり返せれば問題ないが、かす当たりだと二発目直撃もらう恐れあり。あえて一発受け入れて、下がってストレートを刺す。もしくはダッキングアッパーもあり。連続フック両方にストレートを刺すのも可能だが、二発目以降、ストレートは遅くなるので注意したい。


3、フックフェイント


 これをある程度見破れないと厳しい。そのあとの強打を逆にカウンターでもらう恐れあり。

フェイント後の強打にストレートがあまりない相手なら、ストレートだけ届く距離をとって打ってみるのも手。フェイント中は防御状態ではないので、偶然でも入るかも。


4、コンビネーション


 これは相手もリスク高いので、もらったらもらったで・・・。決められても満足?かも知れない。

ex.相手フックフェイント→自分ストレート返し→相手ダッキング(自分ストレートを潜って)→相手アッパー。フェイント見切れればアッパーにカウンターを合わせる。

 ex.相手フック→自分ストレート返し(カス当たり)→相手ストレート(自分ストレートへのカウンターになる)

 いろいろ作れると思うので、自分なりに対処を。


、ダッキングあるいはBジャブからのフック


 これは人によるかも知れないが、視覚的に反応しづらい場合がある。


、意識の外からくるもの


 よくあるのは、開始ゴング直後など接近したその瞬間に放たれるものなど。


カウンターで大ダメージが与えられない・・

 ストレートの特徴は距離によってダメージが大きく変化する点にある。

 ストレートが先端で当たる距離を意識する。前後移動による距離の把握で、与えられるダメージは大きくなるはず。


 長々と書きましたが、私がこれまでプレイした中での体感によるものが多いので、ここは違う!という点もあると思います。スパ天でお会いした際にでもアドバイス等頂けると、たすかります。よろしくお願いします。



実ボクユーザー REN氏による投稿挿絵


10.実ボク用語集


HSP

 ウィンドウズで動作するフリーのプログラム言語。

 ネット上に初心者向けの資料や説明がたくさんあるので、自作ゲームを無料で作りたい!という方にお勧めの言語。

 実ボク開発当初のHSP最新版は2.61であり、実ボクは現在でも旧版となる2.61で製作されています。

 スパ天に集うメンバーでは、鳳蛋氏・フリッカー氏・オリンピック氏らがHSPによるプログラミング経験者です。


HSPプログラムコンテスト

 HSP言語で製作されたアプリを対象としたプログラムコンテスト。

 2003年以降毎年開催されており、実ボクは2004年に最優秀ゲーム賞を受賞しています。


O2サーバー

 HSP提供による無料のネット通信サーバー。

 スピードを要求される通信は苦手ですが、オセロや将棋などターン製の通信ではまったく問題がない。

 実ボクのネット対戦はかつてO2サーバーで運用されていたが、現在ではより高速で安定したジムサーバーがメインサーバーとして使われている。

 大会開催中に負荷分散のため待合室として使うこともあるので、O2サーバーに入室するためのIDを取得(無料)しておくと便利。


O2システム

 HSP提供によるネット対戦を実現するためのシステム総称。

 段階を踏む必要のあるネット対戦のマッチング作業を、簡略化した命令ひとつで実現できる。

 実ボクのネット対戦やロビーでのチャットは、O2システムを利用しています。


perl

 CGI処理を得意とするフリーのプログラム言語。

 実ボクではレベルランキングやチャンピオンベルトの管理にperlを使用しています。


与得点

 勝率と勝ち星の数から算出されるボクサーの強さを示す数値。

 スパーに負けた場合、相手の「本日の得点」に加算されていきます。


アナウンサー

 ネット対戦時にスパーを実況してくれる男性。

 どちらの選手がマイプレイヤーなのか知らずに実況しているので完全に中立の立場です。

 放送席では独自の採点を行っていますが、公式採点ではないので当てになりません。

 音声合成にはAquesTalkという技術を使用しています。様々な言語で使えるフリーの日本語発音システムです。


イヤ倒れ

 下キーを3連打して故意にダウンすること。

 試合中一度だけ使用することができるが、不快に感じる人が多いため事実上禁じ手となっている。ただし、火急の用などで自分から負ける場合に使用するのは致し方ない。


勝ち抜き(勝ち抜け)

 スパ天に3名集まった際、勝った人が連戦し続けるという戦う順番の取り決め。

 特に決めない場合、勝ち抜きよりも交互対戦が推奨される。

 →交互対戦


簡易チャット

 試合中ファンクションキー(F1F4)を押すことによって、リアルタイムに発言ができるシステム。

 スパー開始直後の挨拶やダメージを受けた際の叫び声などで使われる。

 チャット画面右下にある「自己紹介」ボタンを押すことで、発言内容を自由に編集することができます。相手にとって不快ではないかよく確認して登録することが必要とされます


ギリモク

 ギリギリ強打が当たらず、空振りした際に発生する煙のこと。


クエスト

 スパ天で連勝を続ける猛者に与えられる技術的な課題。

 課題を達成した上でスパーに勝利するとクエストは成功となります。その結果は記録され、後にウェブページなどで確認ができます。

 クエストの成績から各ボクサーのテクニックレベルが算出され、最高位はS、続いてA…E、と6段階で評価されます。公式HPの「チャレンジ」から確認できますが、成功数の上位30名までしか表示されません。

 クエストが導入された理由は、連勝を続ける猛者にただ勝つこと以上の目標を与えて、更なる刺激を与えるためです。残念ながらあまり連勝できない実ボクサーには、あまりクエストが与えられないかもしれません。

 あくまでクエストは極秘指令であるので、スパーに敗れたとしても言い訳にしてはいけません。常に勝利を優先してください。

 クエストとタイトルマッチが重複した場合、タイトルマッチが優先されます。


クライアント

 ネット対戦で作成済みのリングをクリックした方の人。

 対語→ホスト。


グラフでボクシング(グラボク)

 抽象的なグラフの上下によりプロボクシングの世界を表現した異色のゲーム。サンドバックによるデビュー作。

 スパ天のロビーにあるミニボタンから起動でき、隣のミニボタンから最多勝の記録をアップロードすることが可能。

 現在でも秘密のパスワードがメールにて届くところから考えると、現役で遊んでいるユーザーもまだまだいると予想されます。


グラフ分析

 ロビー画面の右下にあるボタンから起動できる、対戦相手の研究用アプリ。

 これまでのスパーで蓄積したデータを元に、様々なグラフや文章で各選手の特徴を表示します。


削りフック

 ガードしている相手にフックでダメージを与えること。

 3050前後のダメージを与えることができる。相手が前進ガード、こちらの呼吸ゲージが上部近くにあると、50以上のダメージを与えることも可能。

 相手がカウンタータイプでこちらの削りフックを読んでいる状況なら、簡単に強打を打ち返されてしまいます。


月間ポイントランキング(月P)

 ボク街オフィシャルで毎月行われているポイントランキングのこと。

 スパーをすると1P、勝利すると更に2P、タイトルマッチに勝利すると77Pを獲得できる。

 上位3名には金銀銅のメダルが授与され、公式HPに名前が記載されます。


交互対戦

 交互に戦っていくという戦う順番の取り決め。

 スパ天に3名集まった際の基本的な対戦方法である。

 ABC3名が集った場合、A vs B → A vs C → C vs B となる。

 問題点として同じ相手と戦う場合に同じコーナーが続いてしまう欠点がある。


公式大会

 公式メダル対象大会のこと。

 8名以上の参加があった場合、公式大会と認定され、上位3名には金銀銅のメダルが授与される。


呼吸ゲージ

 顔面などのダメージゲージの外側にある、上下に光点が移動しているゲージ。

 光点が上にあればあるほど、与えるダメージを増やすことができます。増減幅は、010の範囲です。

 光点の移動速度は、ダメージによって変化します。平常時はゆっくり動くので、狙って攻撃力を増すことができますが、ダメージを負った状態では高速化するので自分で選択することは難しいでしょう。ダウン直後は暗くなってしまい、光点を確認することができなくなります。


こっそりアップ

 メジャーバージョンアップとするには心苦しいような小さな更新をした開発者が、最新版をこっそりネット上にて差し替えること。

 こっそりとあるが実際には実写カフェにて告知をしていることが多い。多くの場合、差し替えなくても問題はない。


実写カフェ

 実ボク公式HPに設置された掲示板。

 これまでの主な話題は、バグ報告、タイトル獲得・喪失、人生相談、受験の結果報告、データ課の更新報告、要望、大会の告知など。

 新人の方も積極的に書き込みしていただけると助かります。(スパ天ユーザーにおける絆の強さの一角を担っているのはこの掲示板です)


実写でボクシング(実ボク)

 二年間に渡った活動を志し半ばで休止した西沢ボクシングジム、熱意衰えぬ会長がその活動をパソコン上に再現した入魂のゲーム。

 HSPプログラムコンテスト2004にて最優秀ゲーム賞を受賞しています。


実ボク杯リーグ戦

 2009年12月から開始された、fight氏主催のリーグ戦。各月の個別初顔合わせから5戦目までのスパー結果が適用されます。

 fight氏の手動による集計で計算されるため、参加ユーザーの負担がほぼゼロ、進捗や結果は実写カフェ・fight氏のサイトにて公開されています。


ジムサーバー(旧)

 開発者の自宅に設置してあるサーバー。

 時代遅れのCPU、デュロン950が世界中から送られてくるボクサーの動きを必死で捌いている。

 チップセットのファンがたびたび騒音を発していたこともあり、2009525日を最後に引退しました。現在は開発者の寝室にて電源を外された状態で放置されています。


ジムサーバー(新)

 旧サーバーで頻発していたフリーズの軽減や更なる高速化をすべく導入された、NEC製のサーバー専用マシーン。

 古くからのユーザー、マウス氏のカンパにより購入できました。

 旧サーバーと比較すると、全ベンチマークの成績が倍以上にアップ、開発機を差し置いてジム内最高の性能を誇っています。


ジャッジ

 スパーの優劣をラウンドごとに採点する審判のこと。

 ジャッジは3名、それぞれ着眼点が異なっています。

 ダウンを喫した選手に対して全ジャッジは通常の採点から更に-1点します。なので、ダウンした選手が必ず8点になるとは言えません。例えばジャッジAは、よりビッグヒットを当てた選手がダウンを喫した場合、相殺して10-10をつけます。


勝者予想

 スパ天滞在時、自分が参加しないスパーでの勝者を予想、入力すること。

 入力方法はサンドバックを勝者と予想する場合、チャット欄に「/winサンドバック」と入力します。

 予想を的中させるとタイトルマッチで負った精神的ダメージを減らすことができます。(スパ天王座とボク街王座の精神的ダメージがそれぞれ10以上ある場合のみ)

 自身のスパー開始と同時に予想はキャンセルされるので、自分のスパーを予想することはできません。


スターオーラ

 スパー天国での連勝数に応じて開始ゴング直前にボクサーの頭上できらめく★マーク。

 デラホーヤがマライアキャリーのヒーローで入場してきた時、彼の周囲は★だらけでした。



スパー天国(スパ天)

 実ボクにおけるネット対戦の場。

 入場するには、ストーリーモードで基本技術を習得する必要があります。


スパ天王座

 スパ天で最も古く、権威のあるチャンピオンベルト。

 タイトルマッチは12回戦で行われ、そのスパー中はダメージゲージなどが表示されません。

 王者に挑戦するには、レベルランク10位以内・精神的ダメージ0 が条件です。


スランプ

 高勝率を誇っていた中堅や、彗星のごとく現れたルーキーが突然勝てなくなる現象。

 主に癖を研究されてしまった場合発生する。日進月歩のスパ天で勝ち続けられる戦法はなく、常に努力と工夫を怠らないことが大切である。


精神的ダメージ(精神ダメージ)

 タイトルマッチに出場して王座を獲得できなかった選手が心に負ってしまう心理的なダメージ。

 タイトルマッチで負った蓄積ダメージの合計から算出され、その後のスパーで勝つごとに減少します。全て解消させると、晴れて再びタイトルマッチのリングに上がることができます。

 タイトルマッチでどんなに蓄積ダメージがを負ったとしても、ベルトを獲得(もしくは維持)できれば精神的ショックは受けません。(ドローで獲得できないと敗北同様にショックを受けます!)

 大ダメージを負った状態で勝者予想を的中させたり、ボールゲームやストップゲームで一定以上の成績を残すと精神的ダメージは僅かに減少します。


フリー版

 公式HPで無料配布されてい実ボクの機能限定版。

 ストーリーモードではスパーリング15戦までという制限がありますが、基本技術の習得までプレイ可能でした

 201723日、有料だった完全版がフリーソフトとなったため廃止となりました。


ダイジェスト

 スパー後のロビーで直前スパーの印象的なシーンを再生する仕組み。

 最大5シーンまで記録されており、ロビーにある5つ並んだミニボタンで再生できます。ロビーの「設定」ボタンからスパーが終わるたび自動再生にすることも可能です。


ダイソー版

 100円ショップダイソーにて販売されている、バージョン1.36の実ボク(ネット対戦非対応)。

 CD-ROMの大容量を活かして、エンディングには西沢ジムのリアルスパー動画にて収録されています


台風

 頭角を現し始めた低レベル状態の新人ボクサーのこと。

 台風が発生すると、下記項目の「雪崩れ」と呼ばれる現象が置きやすくなり、レベルダウンへの警戒感が強まる。主な使用方法は「台風(ボクサー名)号」など。(→雪崩れ)


ダックアッパー

 ダッキングして相手の強打を避けつつ繰り出すアッパーのこと。


ダブルアクション

 フェイント→実弾の定型アクション。

 最初のフェイントでガードの固い相手を開け、そこに次の実弾を当てるのが目的。カウンターを狙っている相手に絶大な効果がある。


遅延値

 回線状態に合わせて19の間で任意に設定できる数値。

 必ずホスト側の遅延値設定が使用される。

 少ないとキー入力がすぐに動作に反映されるがコマ送りのようにカクカクする傾向があり、大きいとキー入力してもなかなか動作に反映されないが画面の動きは滑らかとなる。

 遅延値は、その状況でできる限り低い値にするのが望ましい。低い遅延値でもスムーズに試合できるのに、わざと高い値にするのはなるべく避けること。


超回復モード

 タイムアタックモードの特別な仕様で異常なダメージ回復力を誇るCPUボクサーと対戦できるモード。

 当初は回復力×5が最高値でしたが、あっさりクリアするユーザが多発したため、エンドレスに回復量が倍加していく恐ろしい仕様へと変貌を遂げた。


データ課

 スパ天でのスパー記録を事細かに数値化し、公開してくれている課。

 スパーデータを元にfight氏がエクセルを使って手作業により公開されています。現在ではリーグ戦や番付が主な運営となっています。

 fight氏、マウス氏により運営されていますが、現在は多忙のためマウス氏が離脱しています。


統一戦

 実際には王者同士が互いのタイトルを賭けて戦う試合を指すが、実ボクではボク街王者とスパ天王者が戦ったとしてもタイトルの移動・統一がないので、王者同士の試合のこと。

 通常スパーとは違う特別ルールが採用されます。ダメージゲージやジャッジの採点、ほとんどの要素がクローズ状態となり確認ができない状況でのスパーを楽しめます。


どうぞ

 お先にどうぞ、という意味。

 

飛び級制度

 ストーリーモードで蓄積ダメージを負ってジムを退会したとしても、無敗で習得した基本技術を次回の入門者がスキップできる制度。


雪崩れ

 強豪のレベルが暴落することによって起こるレベルのデフレ状態。

 レベルが低い状態のボクサーによる上位ランカー倒しが連続して発生し、通常は常にインフレ状態にあるレベルランキングの平均レベルが下がること。また、単に上位ランカーがランク圏外、下位ランカーにより大幅なレベルダウンを受けてしまうことをさす場合もある。津波とも。(→台風)


西沢ボクシングジム

 足立区竹の塚に二年間実在した私設無料ボクシングジム。

12の若者に防御を主体としたボクシングを指導した。現在は諸事情により活動休止中だが、会長の熱意はそのまま実ボクの開発作業へと継承されている


人気値

 実際の実ボクユーザーからの人気ではなく、スパ天にいる仮想観客からの人気を示した数値。

 スパー後の結果画面からロビーに戻るためのボタンを押すタイミングで人気の増減が決定されます。勝てばじわじわと上昇し、負けるとガクンと下がります。増減幅はスパーの内容によって決まるようです。

 長くスパ天に訪れない場合、一気に減ってしまいます。

 無人のスパ天で長時間に渡って留守番すると人気値が増加しますが、×ボタンでロビーから退出すると記録されないので注意してください。

 人気値に比例してファン数が増減し、熱心なファンはタイトルマッチになると応援に駆けつけます。会場に100名以上の観客が集うと有効打のたびに大歓声が響き渡り、タイトルマッチが盛り上がります。


ネット版(完全版)

 公式HPで販売している実ボクのフルバージョン。

 購入者には常に最新版が配布されます。


×押し

 対戦中、ウインドウのクローズボタンを押して強制終了すること。

 回数は自動でカウントされる。

 故意に繰り返す行為はマナー違反といったような簡単な話ではなく、繰り返せば社会的制裁もありうる。

 ただし、フリーズや回線の切断、鬼嫁やカーチャンの襲来など致し方ない場合もある。もちろん、前者なら不利な方が、後者ならやった方がわびを入れるのがマナーである。


 強打をヒットさせることで、相手のおでこから発生する謎の光線。

 ラウンド内の最大ヒットにより発生、ジャッジAにアピールできます。


ビンゴ(実ボクビンゴ)

 スパ天ロビーのミニボタンから起動できるサブアプリ。

 勝利することでナンバー抽選を行うことができる。ビンゴを達成すると相当嬉しい(はず)。


腹筋

 方向キーの↓キーを押すことによって、腹筋に力を込めボディの防御力を上げること。

 実際に力を込めるのと同様、最も防御力を発揮するまでに一息分の時間が必要です(押した瞬間から効果はあります)。

 腹筋防御中は最大でボディダメージを12防げますが、ガラ空きの顔面に攻撃を食らった場合は最大で36ダメージが追加されます。


ブンブン丸

 フックやアッパーなど、スウィング系の強打を乱発するボクサーのこと。

 初心者に多い。


ヘロスト(ヘロヘロストレート)

 疲労ゲージが減っている時に打つと発生する鈍いストレート。

 通常のストレートに比べ非常に遅いため、基本的に打ってはいけない。しかし、これを逆に利用し、タイミングをずらして被弾させる高等テクニックも存在する。


ボクシングの街

 過去の名選手紹介など、現実のボクシングを題材としたウェブサイト。

 実写でボクシング公式HPは、かつて"実ボク小屋"という名称でこのサイトのコンテンツのひとつだった。


ボク街王座

 ボクシングサイト、ボク街が提供しているチャンピオンベルト。

 タイトルマッチは12回戦で行われ、そのスパー中は全ての判定結果が表示されません。

 王者に挑戦するには、レベルランク16位以内・精神的ダメージ0 が条件です。


ホスト

 ネット対戦でリングを作成した方の人。

 対語→クライアント。


ボディ修正

 バージョン1.87で施された大規模なバランス調整のこと。

 リスクが高すぎるため、長く重要視されていなかったボディ攻撃。これを武のん氏がボロボロになりながらも徹底的に研究、結果としてリスクの壁を突き破る素晴らしいボディアタックを完成させました。が、その効果は開発者の予想を超えるものだったので、了承を得た上でボディ攻撃を弱体化させる修正を行いました。

 この修正のおかげで、実ボクは完成度を大幅に増すことができました。元祖ボデラーとしてボディ攻撃を開拓してくれた武のん氏の功績は、実ボク開発史の中で永遠に輝きを放ち続けます。


ボデラー

 ボディ攻撃を主武器とする実写ボクサーのこと。

 実際のボクシングでは使わない表現です


ポート開放

 通常遮断されている通信ポートを故意に開くこと。

 実ボクでは5949番のポートを開放することによって、スムーズなネット対戦、および他のユーザーに負荷を与えない通信を実現できる。


本日の得点

 勝利するたびに加算され、深夜0時にリセットされる日々の得点制度。

 実力のある対戦相手に勝つことで、得点を多く獲得することができる(対戦相手の与得点が基準)。

 一日でどこまで得点を稼ぐことができるのか、ユーザーそれぞれの目標となるのが狙い。


マウサー

 操作機器にマウスを用いるボクサーのこと。

 第一人者はM・マウス氏。独特の操作感から生まれるステップが特徴。意図しない二連ストレートなど、思いがけない痛烈な一打が生まれることもある。


ログアナライザー

 スパ天のスパーログをグラフィカルに表示してくれるアプリ。

 ロビーのミニボタンから起動できます。

 起動時にデータを読み込むため、データ量によっては時間がかかります。灰色の画面で止まってしまった様に感じますが慌てずお待ちください。

 製作は理系プログラマーの鳳蛋氏。


練習用リング

 戦績に記録しないようにできる特設リング。

 「リングの作成」ボタンの上にマウスポインタを置いた状態で、Tabキーを押すと「練習用リング」を設置することができます。


実ボクユーザー はまこ〜氏による投稿挿絵



































実写でボクシング公式マニュアル

著者   サンドバック(実ボク開発者)

寄稿   フリッカー/UME/M.マウス/無頼男


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