イカナゴ スズキ目 イカナゴ科


地方名
 ヨド

※宮城県内の他地方ではメロウドとも呼ばれている。

稚魚
 小女子(コウナゴ)とよぶ。

春告魚
 気仙沼では、春を告げる魚の一つ。一月ごろから獲れ始めるが、2月下旬頃からの沙(すくい)網が始まると漁も本格的になる。


分布
 沖縄を除く日本各地。朝鮮半島


生息地
 沿岸域に生息。


特徴
 円筒形、うろこが有るようには見えないが、皮の下に小さなうろこがある。


生活
 沿岸域でプランクトンなどを餌にしている。産卵期は冬。夏の高水温時には夏休み(夏眠)すると言われている。幼魚は半透明でシラスのよう。これを小女子と呼んでいる。

水揚げ中 イカナゴの
水揚げ中

追記】
 スーパーから買わずとも近所から回ってくる魚の一つ。近所のおばちゃんが、「ヨド食べさいん!」ってお茶を飲みに来る。買っても安い。食卓応援団だ。

写真は2006 1/6 撮影

利用
大型の物は、塩焼きや味噌煮などが旨い。軽く干すと旨味がますのでおすすめ。頭からバリバリ食べられ、内臓もたべる。しかしちょっとくどいか。鮮度が落ちやすいため生鮮向けは地元消費がほとんど。ツノナシオキアミを食べていると脂が乗るが腹が弱い。小さい物は養殖魚の餌にされる。
小女子 ●獲れたてのコウナゴは半透明だ。

小女子(コウナゴ)
気仙沼地方では、イカナゴの産卵が1月末ごろから始まるため4月ごろからコウナゴが獲れ始める。
幼魚(小女子)は、蒸したり煮たりする『蒸(煮)シラス』がおいしい。白いご飯にのせ醤油をたらして食べるのは私の大好物のひとつ。釜揚げシラスとも言う。野菜とあえるのもおいしい。春は小女子を干している様子が浜のあちこちで見られ、干した物は大きさごとに分けられ『干し小女子』として販売される。山菜を使った煮物の出汁にも最適。
沙網(すくいあみ)
 たとえれば巨大な金魚すくい。船の先に棒を二本、その間に網をかけ、イカナゴの群れが浮いて来た所に突進して漁獲する。

 ウミネコの群れや鱒などに追われて水面から飛び上がるのがたよりの漁法。

イカナゴのすくい網船 イカナゴの沙網船
大漁! 大漁!

■浪板のシラス
気仙沼では、昔から浪板のシラスが美味しいと言われている。浪板地区で作られている釜揚げシラスは、漁師さんが直接家庭をまわり販売していて塩加減などが絶妙。美味い。


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