三陸さかな図鑑 索引へ  シイラ スズキ目 シイラ科  

シイラのオスとメス。上がオスで下がメス。

【地方名】
 マンビキ マンリキ

【名前の由来】
シイラは古来、黒潮(暖流)の影響する沖合いの潮目や流れ物に付くため、その付近に大群でいるカツオの豊漁を予感させるものであった。

“マン”は、“万” つまり大漁を意味し、“ビキ”は、“匹”を指す。シイラがいればカツオが万匹獲れるという意味から自然発生的に付いた名前ではないだろうか。マンリキはマンビキから派生したものと考えられる。針がかりしたシイラの引き味は、まさに万力のようでもある。


■オスの頭部
シイラのオスの頭部。でこっぱち


索引へ

■トップページへ
【分布】
世界中の暖海に広く分布する

【生息地】
日本沿岸では暖流の影響を受ける地域で、夏から秋に普通に見られる。表層性

【形態】
体色は背側が青色、腹側は黄色で銀色をおびた鮮やかな色をしている。オスは成熟すると頭部が角ばり、メスは丸みをおびる。体は側扁(平べったい)する。〜2m

【生活】稚魚は流れ藻につき、成魚は潮目や流れ物に付く。稚魚の頃から魚食性が強く、成魚は表層にいる魚を捕食する。
【利用】
白身の惣菜魚として鮮魚店などでよく見かけるこのシイラ、ごく最近までヒラブリなどという名前で販売されていた。特に夏から秋にかけての白身商材が少ない時期に漁獲されるシイラは安価な切身商材としての需要が多いのだ。

鮮度が良ければ刺身もいい。透明感のあるややピンク色の白身は、もちもちとした食感と飽きの来ないなかなかの味である。また、油を使った料理の相性は抜群、フライやバター焼きなどもおいしい。シイラの切身でフィッシュバーガーを作るととてもおいしくいただける。

魚卵は高級な部類だと聞いたことがある。確かに、このシイラの魚卵を煮付けご飯がすすむ。子無しのシシャモの腹にシイラの卵を注射器で入れ、子持ちとして販売するなどといううわさを聞いたことがある。本当だろうか。