ODVによる親潮データ料理書 1. 東経144度断面 ■東経144度断面のデータ検索 J-DOSSホームページから[海洋データ]⇒[各層データ]⇒[Access]の順に選択し、[スカラーデータ検索]*画面に到達する。親潮と黒潮を横断する東経144度断面の観測データを検索するパラメータは; 緯度: N 35_00’.00 -> N 43_00′.00 経度: E 143_50′.00 -> E 144_10′.00 観測日: 1991/07/01 <-> 1991/09/30 国コード: 49 (日本) 機関コード: 01201 (気象庁函館海洋気象台) その他の項目は無指定。 などとして、[検索開始]をクリックする。[データ検索結果]画面が表示され、「検索結果:検索条件を満たすデータの数 = 64」などと表示されるはずである。データ数が多すぎたり少なすぎたりするようだと検索条件を点検する必要がある。念のために日本地図をクリックし東経144度線上の測点が表示されていることを確かめて欲しい。 * http://jdoss1.jodc.go.jp/cgi-bin/2001/feti_scalar.j ■東経144度断面データのダウンロード 「フォーマット選択: ODVスプレッドシート(Generic)、ファイル圧縮形式: 圧縮しない」を選択し、[データ取得]をクリックする。Jdoss1.jodc.go.jpにリクエストを送信し、そのレスポンスとして[データのダウンロード]画面が表示され、「データ使用申し込み書」の記入が要請される。記入後[FTP用ファイル作成] をクリックする。[スカラーデータ ダウンロード]画面が返ってきて、「作成したファイル名: ftp_ODV_2027.txt、フォーマット選択: ODVスプレッドシート(Generic)、ファイルサイズ: 3802.4 Kbytes、ダウンロードデータの検索パラメータ、検索条件を満たすデータの数 = 64」が表示される。「作成したファイル名:」に続くハイパーリンクをクリックするとダウンロードが開始され、インターネット閲覧ソフトにもよるが、テキストファイルがデフォルトの表示ソフトによって画面表示される。これを適切なディレクトリに必要ならば新たな名前を付けて保存する。これでデータの探索から保存までの作業が終了する。 これを書いている時点では、J-DOSSのODVスプレッドシート(Generic)フォーマットは、正しくない。これは、データ項目に測器タイプ(Inst. Type)とその品質フラグ(QF)を含めているためである。ここでは測器タイプデータは特に必要ないので、ダウンロードしたファイルを点検し、これらのデータ項目を削除して、正しいフォーマットのファイルに直しておく。(ODVメインメニューから「Collection > Add/Delete Variable」をクリック、「Define Variable」画面で「InstType」を選択し「Delete」をクリックし「OK」。) ■ODVの起動 ダウンロードしたデータファイルを使って、断面図を作るのだ。まずODVを起動しよう。最初の画面には、一番上にタイトル[Ocean Data View]、次にメインメニュー[File Collection Configuration Import Export Utilities Help]、描図領域にはVersion情報[Ocean Data View mp-Version 2.0-2004 Reiner Schlitzer http://www.awi-bremerhaven.de/GEO/ODV/]が出ているはずである。(以下のODVの操作に関する説明は、バージョン2.0に対してであり、さらにユーザーズファイルを参照して欲しい。) その下に、[Choose File>Open to Open or File>New to create a collection.(「コレクションを開くためにFile>Openを選ぶか、新しいコレクションを作成するためにFile>Newを選べ」)]と「ヘルプ」情報を表示しているのがステータス行で、他に状況あるいは進行情報を教えてくれる。このヘルプ情報にしたがって、コレクションを作成しよう。 ■東経144度断面コレクションの作成とデータファイルの読み込み メインメニューからFile>Newの順に選択すると、タイトル[Create New Collectionノ]の付いたファイル保存ウィザードが、新しいコレクションを保存するディレクトリの指定とコレクション名の入力を求めてくる。ディレクトリを選びコレクション名をここではデータファイルの内容に沿って[144Section9107]などとして、[保存]をクリックする。ついで、ODVは[Create パス名コレクション・ファイル名]とタイトルで進行情報を提示しながら、「コレクション変数の定義(Definition of Collection Variables)」を求めてくる。ここでは、テンプレート・ファイル([.txt, .var, .o4x .* files as template])を指定する。するとODVは、タイトル[Select Template for パス名コレクション・ファイル名]で、テンプレート・ファイルの選定を求めてくる。そこで、ファイル名(例えば;“KF9107odv-rモ)とファイルの種類(ODV Spreadsheet Files (*.txt))を選んで、[開く]をクリックする。ODVはタイトル[Define Variables for コレクション・ファイル名]のウィザードで変数セットの加除・ラベルとその順序の修正を求める。ここでは変数セットのリストを確認し[OK]をクリックする。メインメニューの下の3行テキストウィンドウには、「[0/0] Collection is Empty!」と初期のコレクションが空であり、データの読み込みが必要であることが示される。メインメニューからImport->ODV Spreadsheet Data File->Select Spreadsheet Data File->“KF9107odv-r”>と選択し、Import Options>[OK]をクリックするとデータを読んで[Importing Station-Data: 49 stations Imported from データファイル名]を表示しOKか否かを聞いてくる。[OK]をクリックしてデータの読み込み完了。 もっと簡単には、ODV Spread-Sheet Generic Data Fileを選択し、ODVアイコンあるいはODVウィンドウにドラッグ&ドロップする方法も可能である。ODVが起動したらデータをチェックしておこう。メインメニュウ[Collection]⇒[Add/Delete Variable]⇒[Define Variables for &&&&&&]、[Define Variables]に表示されているデータ変数を調べ、問題なければ[OK]をクリックする。 ■東経144度断面の定義 表示されている測点地図(図1)を右クリックし現れた地図(Map)メニューから[Full Domain]を選択すると、現コレクションの測点領域が拡大表示される。拡大図には東経144度線上の測点が表示され、現在選択中(3行テキストウィンドウに表示中)の測点が赤印に変わっているはずである。描図画面はデフォルトの「測点(STATION)モード」になっているので、「断面(SECTION)モード」にしよう。背景メニュー(描図画面の背景領域でマウスを右クリックでポップアップ)で[Use Template]->[SECTION 5 Win]を選択する。すると[Plotting Section]ウィザードが「No section defined yet! Do so now? (断面が定義されていません!いま定義しますか?)」とたずねてくるので、[Yes]をクリックする。[Define Section (断面の定義)]⇒[Define Section Spine (セクションの中心線の定義)]を選択する。マウスカーソルが十字線に変わっているはず。マウス左クリックで断面中心線を連続的に決定し、終点でダブルクリックかEnterを押す。今の場合は直線断面なので始点と終点を決定すればよい。[Change Section Characteristics(断面の特性設定)]のダイアログボックスが現れるので、断面タイトル(Section Title)を確認して、水平座標(Section Coordinate)を緯度(Latitude)表示にする。海底地形(Bathymetry)を[Station Depth]から[ETOPO2]に変える。これは元のデータファイルに測点の海深が入っていないからである。 ■観測断面の海底地形の入力 ODVをインストールする際に、オプションファイルのETOPO2をダウンロードしなかった場合は、測点海深を入力する必要がある。3行テキストウィンドウに、[最深測定/測点海深]が[緯度/経度]の次に示されているので、確認する。測点海深がゼロになっているはずである。3行テキストウィンドウのヘッダー情報上でマウス右クリックし、[Edit Header(ヘッダーの編集)]を選択し、[Bottom Depth(測点海深)]に「表 144度定線の測点海深」の値を入力し、OKを押す。地図上で左ダブルクリックするかpを押すと、再描図される。断面図上で測点を左クリックで選び、次々に海深を入力する。ギザギザが残っているようならば、[Selection Criteria(選択基準)]ウィンドウ(メインメニュー[Configuration]->[Selection Criteria]あるいは地図メニューから)で[Name/Range]タブのサブ・ウィンドウの[測点タイプ]をCTDあるいはBottleに限定する。これはデータファイルにおいてCTDデータと採水器データとが同じ測点として扱われている場合、ヘッダー情報の編集改定操作では十分修正しきれないからである。この操作を終えて、Y軸の水深最大値を[Data Plot Menu]->[Set Ranges]->[Y Variable]:7500により最大水深を7,500mにする(図2)。 ■東経144度断面図のプロット 図1の断面図では水温や塩分の分布を眺めるには適切ではない。観測が密な0m-500mと500m-2000mの2段重ねの断面図を作ろう。作成したい図は、水温断面図0m-500mと500m-2000mおよび塩分断面図0m-500mおよび500m-2000m、そして測点図の5枚である。地図上でマウス左ボタンをダブルクリックするがpを押すと、断面に沿ったカラーの成分分布図などがプロットされる。背景メニューから[Window Layout]を選択(描図画面内の図が枠に変わる)し、図の位置とサイズを変更する。変更する図の上でマウスを右クリックして、表示される[Layout Menu]⇒[Move/Resize]を選択すると、図の枠が赤枠になり、枠上でマウス左ボタンを押しながらドラッグして位置とサイズを変える。水温と塩分の断面分布図が作られていない場合には、プロット変数の指定変更が必要である([Data Plot Menu] -> [X-Variables]: Latitude, [Y-Variable: Depth (Reverse Range:[_])], [Z-Variable]: TemperatureあるいはSalinity)。水深範囲は、[Data Plot Menu]⇒[Set Ranges]⇒[Y: 500 ミ 0 ]および[Y:500-2000]で設定できる。こうして作成したのが図3である。この図では、測定値の間を測定値に相当するカラーで埋めるグリッド化表示[Gridding]を[X Scale-Length]:25,[Y Scale Length]:10で行っている。