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4st60hp4 4ストローク 60馬力 (4)  [Jan. 09, 2007]

Bensen と B-8M Gyrocopter による公式ノンストップ飛行距離記録(注1)の更新を計画したとき、K. H. Wallis は、音がうるさくて安定性に欠けるマッカラー・ドローン・エンジンの代わりに、フランクリン60馬力航空エンジンを採用したのだが、次のようなエピソードがある(注2)(注3)。


フランクリン60馬力エンジン2台を新しく購入、その一つを搭載した WA-116。1972年9月11日朝、約20分の地上運転の後、飛行試験へ進んだ。

離陸浮上後、回転ムラとかミスファイアの兆候もなく、パワーが徐々に落ちて行くのに気付いた。
安全に飛行場へ戻れるような高度を確保したかったが、突然ひどい振動がしてエンジンが完全に停止した。

不時着場所は、選択の余地が無くて狭い道路。幸い無事に着陸し、急いでローター回転を止めて機体を道路脇へ寄せた。

調べると、プロペラはエンジンにロックされた状態で全く動かない。

FAA 型式証明取得、しかも新品の航空エンジンによる不可解なインシデントは、もちろんメーカー代理店に伝えられた。

経緯があって、Wallis 自らエンジンを分解調査することになり、判明した原因は、プロペラ・エンドにおけるクランク・シャフトとベアリングの固着。

加圧されたオイル」はスラスト・ベアリングの片面にしか供給されない構成で、この片面とは、トラクター・モードで荷重を受ける面であった。

FAA のエンジン型式証明規定に、型式証明は「トラクター・モードにのみ適用する」との記述は無い。


その後、正しく改造したエンジンを搭載した Wallis WA-116/F および WA-116F/S は、数々の世界記録保持機となった。

注1: 参照頁   12の世界記録
注2: 参考文献  The Lives of Ken Wallis
             Engineer and Aviator Extraordinaire / Ian Hancock / Dec. 2001
注3: 参照頁   0203xx Ken Wallis の本

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