「 前進飛行の空気力学 」  General Page の 参考文献のChapterにあげた物の他に 次の機関誌や雑誌の記事等から引用してまとめた

The Journal of the American Hericopter Society.
The Journal of the Helicopter Association of Great Britain.
Vertiflite.
Helicopter World.
Design Classroom 〜 Popular Rotorcraft Flying


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前進飛行の空気力学 1 〜 オートジャイロの性能計算

オートジャイロやヘリコプターなど回転翼航空機の性能計算も固定翼機(飛行機)の場合と同様 いろいろな条件のもとで飛行速度に対する必要馬力と利用馬力の曲線を描くのが基本であるが 前進飛行中の回転翼機の性能を計算する問題は口ーターの特性を求める式が長く複雑であり また多くの変数を含んでいるので大変厄介である。 従つてオートジャイロの性能計算も口ーターの特性〜飛行速度と揚力と抗力の関係〜を求める計算(固定翼機の主翼の特性計算に相当する)が大きな比重をしめる。 口ーターの特性が算出できれば その後の全機の性能計算は固定翼機の場合と基本的に同じである。 


理論の背景

ヘリコプターも含めて前進飛行中のローターに関する空気力学的な取り扱いは Glauert が Cierva のオートジャイロについて研究し 独創的な解析を行ってその基礎を作つた。 ローター特性に関する理論は大変複雑であるが Whealeyが以前の理論を整理してローター特性の表現式を実際の技術計算に便利な形にして発表した。 現在有用な理論のほとんどがオートジャイロの解析方法で展開され 従つて口ーターの空力はオートジャイロの規約を基礎として表現される。


基準軸


前進飛行中のオートジャイロのローター解析の第1歩は基準軸を明確に設定することである。 すなわちローターブレードの運動や空気流の方向に関して いろいろな軸が基準となり得る。 NACAの文献で口ーターに関するものの多くがコントロール軸(フェザリング無しの軸)を基準にしているので コントロール軸を基準とするのが一般的であり便利である。 なおダイレクトコントロール方式のオートジャイロの場合 ロ一ターヘッドのスピンドルがコントロール軸に相当する。 

 図1



ローターの合成空気力とその分力


ローターに作用する全ての空気力を合成したもの〜合成空気力〜は前進飛行時もローター円板面 (Tip Path Plane , Rotor Disc)に垂直となる。 正確には一般ローターの合成空気力は1度以内の角度でローター円板面の後方へ傾いている。 2つの軸の間の角度は後方傾斜角(Flap back angle, Blowback angle ,
a1 tilt angle)と呼ばれ 前進速度の増大に伴つて増える。 通常の回転翼機の口ーターでは5度以内である。

ローターの合成空気力とその成分(分力)を次の様に定義する。


 RR 合成空気力 ローター円板面に垂直な上向の力
            合成空気力≒推力  RR ≒ T

 T 推力     合成空気力の成分で コントロール軸に沿った上向の力。  
            通常 後方傾斜
a1は小さいので その大きさについては合成空気力に等しいとして扱つてよい。 
            推力=推力係数×空気密度×円板面積×先端周速

            T
=CT×ρ×πR×(ΩR


 L  揚力     合成空気力の成分で 飛行径路に垂直な上向の力。
            揚力=揚力係数×動圧×円板面積
            
L=CL × q × πR

 DR  抗力     合成空気力の成分で 飛行径路に沿つた後向の力(前進に逆う力〜抵抗)
            抗力=抗力係数×動圧×円板面積
            DR
CDR × q × πR

            
q : 動圧 = ρ× V  
       
     ρ :  空気密度
            R : ローターブレード半径
            Ω : ローター回転角速度

 図2



ローターの迎角 (むかえかく)

オートジャイロのローターの円板面は 飛行径路に沿つた速度から後方に傾け これをオートジャイロのパワーで引くか 
または押すことによってオートローテーション(自動回転)に必要な吹上げ空気流を生じる。 
ローターの迎角はコントロール軸に垂直な面 ( ダイレクトコントロール方式のオートジャイロではローターヘツドの
ベアリング・ハウジングの下面 ) と 飛行径路とのなす角度として定義する。 

オートジャイロの場合コントロール軸は後方へ傾き このとき迎角を正とする。

ヘリコプターの場合はこの逆で 迎角は負である。

  図3



ローター空気流の成分

オートジヤイロが速度Vで前進するとき ローターに相対的な空気流(誘導速度νを含む)を便宜上次の成分に分けて考える。 

  コントロール軸に沿つた流れの速度 

  コントロール軸に垂直な面に沿つた流れの速度 

そして それぞれをローターブレードの先端周速に対する比とし 無次元化して表わし 次の様に定義する。

                    V sinα−ν
λ:入流係数(Inflow facter) = ――――――
                      ΩR

                        V cosα
μ:先端速度比(Tip speed ratio) = ―――――
                         ΩR


   V : 飛行経路に沿ったオートジャイロの対気速度
   α : ローターの迎え角
   ν : ローターの誘導速度
   Ω : ローターの回転角速度
   R : ローターの半径(ローター・ブレードの長さ)


 図4

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