「ハチロク」と言えば、そう、 「AE86」である。
　　
こいつを手に入れたのは大学３年の春だったか？
　　　

そもそも、車なんぞにまったく興味が無く、「走れば良いや」位の認識しかなかったおいちゃんが、
こうも「車道」にはまってしまったのは「この車」からである。
（遡れば、「こんな車」を買うようにおいちゃんを洗脳した人物がいるのだが、この話はまた別の機会に。）

おりしも、某走り屋マンガ「頭○字Ｄ」 がブレイクするちょっと前の購入だったと思う。
したがって、「ハチロク」とはいえ、購入価格は極端に安く、中古車屋での販売価格２５万円 という、
ちょっとびっくりする（いや、１０年選手の車では当時あたりまえの）金額プラス諸経費で購入した。
この時、実は同じ価格で「ＢＦファミリア４ＷＤ」 も店頭に並んでおり、おいちゃんの心を悩ませたが、
幸いかな、別のお客がとっとと購入してしまったため、結果的にハチロクを手にすることになった。
購入費用は当然、全部自分でバイトして稼いだ金である。


さて、この車を手にしたからにはやることはひとつ！

しかし、購入時のスペックは

・ショック・・・どっかのショップのオリジナルっぽいやつ。しかもスプレーで黒く塗ってある「車検対応」型。(^^;)
・バネ・・・ノーマル。
・ブレーキパッド・・・よく分からんけどノーマルではない。でも、効かない。
・ホイール・・・純正のゴールドのヤツ。
・タイヤ・・・なぜか「ＲＥ-711」！
・エンジンまわり・・・もちろんノーマル。
・マフラー・・・当然ノーマル。
・デフ・・・入ってる訳無い。オープンデフ。(^^;)


テな感じで、「訳わからん」状態だったのだ。

そんな訳で、いろいろ手を入れなければならない状態であったが、いかんせん学生なので「お金はない」。
いきなりのチューンUPはできないし、それこそ、ガス代も食費を削っての話である。
しかし、若き日のおいちゃんは燃えていた！

バイトがある日は一日一回の食事（バイト先での朝食）で我慢し、無い日には 一日２００円以内の食費で
すごす。（朝食：パン１２０円+夕食：インスタントラーメン８０円）でもって、夜には取り付かれたように走りに行く・・・。

最初は下手クソだし、デフも入っていないから、ターマックではドリフトできない。
だもんで、グラベルでの練習が最初は中心だった。（学校近辺は田舎だったので、未舗装路（あぜ道？）はたくさんあった。）
とにかく、走って走って、走りまくった記憶がある。

ガードレールとお友達になったのは何回あるだろうか？
田んぼにダイビングしそうになったのは？
側溝にタイヤを落として途方にくれたのは？

・・・今思い返してもけっこう無茶やってたと思う。

でも、そのおかげで「理屈じゃない部分で、実践で車の動きを覚えることができた。」  
と思う。（頭悪いんで。(^^;)

ようやく、ターマックでドリフトができるようになったのは半年経った頃だったか。
結局最後までデフは入れなかったけれど、（学生には１０万円なんてお金はぽんと出ないのだ。）
リヤにツルツルのタイヤを履かせて、「結構なスピードで」コーナーに侵入、  
アクセルオフの荷重移動からアクセル全開のドリフト！
勢いだけで滑っていく・・・。仲間内での通称は「飛んでけドリ」 (^^;)

雨の日などは好んで走りに行ったものだった。（オープンデフでもラクにドリフトができる。遅いけど。）


まあ、ドリフトもそうだが、それ以前に、「運転する楽しさ」を教えてくれたし、何よりいろんな意味で勉強になる車だった。

車を運転する上での基本操作はもちろん、ＦＲ特有のアンダー・オーバーといった車の挙動の 体内センサーの感受性訓練。
エンジン・ミッションのオイル交換から、へたくそしてぶつけた時のやっつけ修理、足回り交換などなど。
こいつに教えてもらったことは数え切れない。

同じ学生アパートの生徒に
「先輩って、見かけるときは必ず車をつついてますよねー。(^^)」

と言われるくらい、飽きもせずにジャッキＵＰして何かしら弄っていたのだ。



コイツの最終スペックは以下のとおり。

・ショック・・・GABジムカーナ用減推力調整式（F4・R8段）プラス、JIC（だっけ？）キャンバー調整式ピロアッパーマウント
・バネ・・・・・Kｇｍデュアルレート21
・パッド・・・・フロント：TRD　リヤ：エンドレス
・ホイール・・フロント：エンケイ？の五本スポーク　　リヤ：ワタナベの２ピース
・タイヤ・・・・フロント：M５（！）　リヤ：コンセルファ
・エンジン回り・・ノーマル。ただし、HKS純正型エアクリ、クスコストラットタワーバー
・マフラー・・・HKSリーガルマフラー
・デフ・・・・・なし。(^^)

ほとんどのパーツは、先輩や友人から安く手に入れた物で、リヤタイヤなどはGSから拾ってきたものである。(^^)
いやぁ、この頃はマシ楽しかったなあ。



　大学を卒業する際に、友人に譲ることになっていたのだが、不測の事故 により思いがけず廃車となってしまった。
・・・こうして昔の写真を見ると、非常にまた乗りたくなってくるなあ・・・。
（ハチロクよ・・・おまえを最後に運転していたのがおいちゃんでよかったと思ってくれているか？
手放そうと決めた事を怒ってか、あんなに素直だったおまえがいきなりコントロール不能になるなんて。
まるで、「あなたの手を離れるなら死んだほうがマシ！」みたいに・・・。）

・・・コイツに乗っていろんなところに行った。
愛知（知多）〜広島の往復は３回ほどしたし、富士にも２回、東海近辺はひた走りに走った。
手放すまでの１年半での走行距離は確か４万キロ弱。
行動範囲は飛躍的に広がった・・・。コイツ無しではおいちゃんの大学生活を語れない。
気の置けない友人たちとのツーリング。
たくさんの思い出は、セピア色になってはいるけれど、
いまも、心の奥底においちゃんの一部分として大切にしまってある。

もう、こいつのステアを握り、エキゾーストノートに心躍らせることは無いけれど、
初めてコイツを運転した時のよろこびを、いつまでも忘れないでいたいと思う。


ありがとう、ハチロク。





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