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今年の花見も各地大盛況だったみたい。どんどん盛り上がって、世の中活性化だガルド!
でも、困ってる人たちのことも忘れずにね。
花見酒                by リョウ
ここにタイトルを書きます
 
 

バックステージ・パス 第73回 2012年4月13日更新

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今年はいつまでも寒さが残っているけど、それでもちゃんと季節は巡っていて、花も咲く。
実は近所に桜のちょっとした名所があってさ。横浜の、うちのまわりでは一番小高い丘の上で、三ッ沢ってとこなんだけど、知ってる人もいるかもね。

小学生の頃は、ここへ毎週サッカーの練習に来てた思い出の場所なんだ。当時は桜なんかほとんどなくて、だいぶ後になって植樹されたんだけど、それが今やすごく大きくキレイになってね。毎年花見がてら覗きに行ってるんだ。
もちろん大人数でどんちゃんやるわけじゃないけどね。今年もビール片手にふらっと行ってきたんだ。

右の写真、ちょっと小さいけど、キレイでしょ?

いやもう、密度の濃いアルバムを仕上げることができたって達成感と、もうこれで連日の徹夜の作業ともおサラバだ〜!っていう解放感とで、なんかね、はらはらと落ちる花びらを見てて、ちょっとうるっときちゃったりして。

っていうのはね、今回のアルバムの裏ジャケに、燃える木と枯れた枝を描いたわけ。なんせバンド名が北欧神話の人間世界を意味する「ミッドガルド」だからさ。直接的には、その北欧神話の絵巻物みたいなイメージでね。終末の日である"ラグナロク"の時、世界樹"ユグドラジル"が"スルトの火"で焼かれているっていう光景のつもりなんだけど…、でももちろん、裏には別の意味合いも込めてあってね。
あんまりいろいろ説明するのは野暮だけど、まあこの一年のいろんなことに対する憤りとか、嘆きとか、祈りとか。要するに世界を壊しちゃいけないよ、森を焼くようなことをしちゃいけないよっていう逆説的なメタファーとしてね。

そんな作業をした直後だもんだから、まるでジャケ絵そのままの大木に桜の花が爛々と咲いて、しかもそれが陽の光を受けてキラキラしてる景色を見て…なんていうのかな、春に桜が咲く、それをぼんやり眺めていられるっていう、あたりまえのことがすごく幸せなんだ、ってあらためて思ってね。あたりまえの幸せをみんなが享受できるようにしないといけないよなって。

いまは、花見どころじゃない人たちがたくさんいるんだから。
人間、けっこういざとなると我が身かわいさで利己的になるからさ。去年はみんな口々に「絆だ」「助け合いだ」って言ってたくせに、いざとなると被災地の瓦礫受け入れ拒否だとか、送り火の薪に使うのもイヤだとか。ひどいのになると首長さん宛に脅迫状送りつけるアホまでいるって始末だし。きちんと検査して、科学的知見に基づいてやるぶんにはいいじゃない、ねえ?

まあ、そういう連中も、いたずらに責めるわけにもいかないのが難しいところなんだけど。でもこんだけスケールの大きいアポリアは、みんなで分散していかないと、誰か一人の手でどうなるもんじゃあないわけで。

うちのベースのモーリーがね、前に教えてくれたんだ。
「一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人がかりでも持ち上がらない」。
グッときたんだけど、これゲーテの言葉なんだって。さすが文豪、スルドいこと言うよね。
そんな至言をかみしめた
今年の花見だったことだなあ。詠嘆。








■この光景がいつまでも続きますように。