SCO
高分子成形加工(Polymer Processing)、コーティング、繊維形成(溶融、乾式紡糸)関係のコンサルティング、ソフトウエア開発を専門とするコンサルタントです。
また、STEP(ISO 10303) AP227(3次元プラント設計情報規格)の国際共同開発経験もあり、この分野でもお役に立てます。


ブレードコーターの流動理論とシミュレーション

ブレードコーターは、フレキシブルな板またはリジッドな板を、ウェブに対して斜めに配置して、ウェブと板の隙間で塗工液を制約しながら計量、塗布する方式のコーターであり、ナイフコーターと呼ばれるものと似かよった形式のものである。

本コーターは、顔料等の粉末を多く含む塗工液に適しており、数ミクロンから100ミクロン超の塗布が可能である。

グラビアコーターと呼ばれる、グラビアロールを用いるコーターでは、フレキシブルなブレードが使用される場合が多く、この型式のもはブレードをグラビアロールに押し付けて変形させ、塗工液の液圧とバランスさせて形成する狭い隙間で計量を行うものであり、薄膜塗工を行うのに適している。

塗工液の流動状態を決定するブレードの接液部の形状には多種のものがあるが、本報で述べるプログラム作成法に従えば、形状が異なったものにも容易に対応することができる。

本報では、ブレードコーターの基本形と考えられる一定勾配の傾斜版による場合、コンマコーターと呼ばれる円形断面のおよそ1/4を切り取った形のロッドを用いる場合、並びにフレキシブルブレードコーターの簡易的な取扱いの3ケースを取り上げて、その流動理論とシミュレーションについて具体的に述べる。

【「ブレードコーターの流動理論とシミュレーション」, コンバーテック, No.417, P.59 (2007. 12)】