SCO
高分子成形加工(Polymer Processing)、コーティング、繊維形成(溶融、乾式紡糸)関係のコンサルティング、ソフトウエア開発を専門とするコンサルタントです。
また、STEP(ISO 10303) AP227(3次元プラント設計情報規格)の国際共同開発経験もあり、この分野でもお役に立てます。


高粘性流体の流動特性

高分子溶液や溶融体の流動は、高分子加工の現象を論ずる場合の最も基本的な事項の一つである。この場合の流動は、ほとんどすべてと言ってよいほど層流状態のものであるため、本シリーズは層流を前提に話を進める。

ずり応力(shear stress、剪断応力)とずり速度(shear rate、剪断速度)の間に比例関係があるとみなしてよい流体をニュートン流体といい、ニュートン流体の扱いに必要な諸式を先ず提示する。

実際には、広い範囲のずり速度を考えると、ほとんどすべての高分子流体は非ニュートン性を示し、高分子加工のシミュレーションでは、非ニュートン流体としての扱いが必要となる場合が多い。その扱いに必要ないくつかの非ニュートンモデルを示すと共に、実験値から正しい非ニュートン粘度特性を求めるのに必要となる管末補正のし方、温度依存性の表現法、ずり速度依存性と温度依存性を同時に表す実験式等について解説する。

【「パソコンでできる高分子加工のシミュレーション解析(1)」, プラスチックス, Vol.49, No.11, P.86(1998)】