SCO
高分子成形加工(Polymer Processing)、コーティング、繊維形成(溶融、乾式紡糸)関係のコンサルティング、ソフトウエア開発を専門とするコンサルタントです。
また、STEP(ISO 10303) AP227(3次元プラント設計情報規格)の国際共同開発経験もあり、この分野でもお役に立てます。


溶融紡糸

ポリエステルやナイロン等の製糸プロセスである溶融紡糸は、高分子加工の範疇には入れられない場合もあるが、溶融紡糸理論は高分子加工分野のシミュレーションにも応用できるものであり、日本の研究者達がリードして発展させた世界に誇るべきものである。

溶融紡糸の理論は、加瀬及び松尾により本格的なものが始めて発表された。さらに、浜名等により、より完成された形にまで仕上げられた。

上記のものは、いずれも単糸系巨視理論と呼ばれるものであるが、その後より複雑な単糸系微視理論、多糸系巨視理等数多くのものが発表されている。

本報では、溶融紡糸理論の基本である単糸系巨視理論で、比較的高速域まで適用可能とされるGeorgeのポリエステル糸をターゲットとしたモデルを元に、その理論、シミュレーションプログラム、計算例について詳細に述べる。

さらに、このポリエステル糸用の理論をもとに、ポリプロピレン用にモディファイしたので、それについても触れる。

【「パソコンでできる高分子加工のシミュレーション解析(10)」, プラスチックス, Vol.50, No.8, P.95(1999)】