SCO
高分子成形加工(Polymer Processing)、コーティング、繊維形成(溶融、乾式紡糸)関係のコンサルティング、ソフトウエア開発を専門とするコンサルタントです。
また、STEP(ISO 10303) AP227(3次元プラント設計情報規格)の国際共同開発経験もあり、この分野でもお役に立てます。


可塑化押出機(Donovanモデル)

Tadmorの可塑化押出しモデルの改良モデルとして、その後多くの理論モデルが発表されている。その中で、理論的にも顕著な改良がなされたDonovanモデルについて述べる。

Tadmorモデルでは、固体層のz方向速度が一定で、伝熱に関しては固体層の厚さを無限大としているのに対し、Donovanモデルでは、固体層加速パラメータ(solid bed acceleration parameter、SBAP)を導入して固体層速度一定の条件を外している点と、有限厚さの固体層での層内の温度変化を考慮している点が、大きな改良点である。

本章では、Tadmorモデルと対比しながら、Donovanのモデルに関する理論について述べ、さらにDonovanモデルを用いた計算例について述べる。

【「パソコンでできる高分子加工のシミュレーション解析(6)」, プラスチックス, Vol.50, No.4, P.122(1999)】