SCO
高分子成形加工(Polymer Processing)、繊維形成(溶融紡糸、乾式紡糸)関係のコンサルティング、ソフトウエア開発を専門とするコンサルタントです。
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リバースロールコーターの流動と安定塗工限界

リバースロールコーターは、塗工可能な液の粘度範囲が広く、塗工厚さも広い範囲で使用することができ、低速から高速まで適用可能であると共に、適切な条件下では塗工厚みの精度も高いので、各種の製品の製造に用いられる汎用性の高いコーターである。

このように、リバースロールコーティングは重要なコーティングの方式であるが、その流動に関する理論的な解明と理解は必ずしも十分とは言えない。これは、その流動状態が複雑であることに起因していると考えられる。

均一な塗膜厚さを得るための適正な塗工条件を見出すためには、経験的な知見だけではなく、理論的な知見を併せ持っていることは極めて有用である。

筆者は既に、潤滑油理論を適用したリバースロールコーターの流動解析の理論とシミュレーションについて詳述したが、潤滑油理論を適用する方法は、理論的な取扱いが容易である一方適用範囲に限界あり、適正な塗工条件を知るための理論的な手段としては不十分である。

そこで本報では、リバースロールコーターの流動に関するより広範な理論と、不安定現象に関する知見について記すことにする。

【「リバースロールコーターの流動と安定塗工限界」, コンバーテック, No.434, P.74 (2009. 5)】