2015年 区議会 第3回定例会 一般質問全文

区議2期目を向かえた鈴木博は、品川自民党の方々と結成した統一会派、品川自民党・子ども未来の一員として、今後もさらに全力で、医療と子育て支援に取り組んでまいります。
それでは、自民党・子ども未来を代表して、一般質問を行います。

1. 品川区の感染症対策について

1に、品川区の感染症対策について、質問いたします。

まず、ロタウイルスワクチンについて、お尋ねします。
ロタウイルス胃腸炎は、 激しい白色下痢便と嘔吐を繰り返す、感染性胃腸炎の一つです。
このロタウイルス胃腸炎を予防するロタウイルスワクチンは2種類あり、いずれも重症ロタウイルス胃腸炎を90%減らし、ロタウイルス胃腸炎全体に対しても79%発病を予防する、素晴らしい効果が報告されています。

しかし厚労省の集計によれば、 現在ロタワクチン接種率は全国平均で45%、東京都は65%ぐらいに留まっています。ロタワクチンは接種費用が高額なため、接種できないご家庭もあり、接種費用の補助を繰り返し要望してきました。

ロタワクチンの接種費用の助成が実現すれば、品川区は東京23区中で日赤のお膝元の渋谷区に次いで、B型肝炎ワクチン、ロタワクチン、おたふくかぜワクチンと、子どもに大切な3つの任意接種、全てを助成する先進的な自治体となるのです。

ロタワクチンの次年度よりの接種助成を、再度強く要望いたしますが、区のご見解はいかがでしょうか。

次に、肺炎球菌ワクチン接種費用の助成について、お伺いします。

現在わが国では年間120万人が死亡しており、肺炎は死因の第3位です。その肺炎死亡者のうち、65歳以上の高齢者が97%を占めており、高齢者肺炎の約1/3が、肺炎球菌によるものです。肺炎球菌感染症には、肺炎球菌ワクチンが有効です。

肺炎球菌ワクチンは現在2種類あります。
一つ目は、23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン、ニューモバックスです。このワクチンは、全部で93種類ある肺炎球菌のうち、23種類の肺炎球菌に効果がありますが、構造がシンプルのため、効果はだんだん下がってきます。
そのため1回接種した後、5年以上あければ、再接種できることになりました。
平成2610月より、高齢者に対して、定期接種となりました。ただし、このワクチン自身は、昭和63年から使用されてきたものです。

二つ目は、13価肺炎球菌結合型ワクチン、プレベナー13です。このワクチンに効果のある肺炎球菌は13種類ですが、キャリア蛋白を結合させ、構造を複雑にしているため、免疫の記憶が長く残り、免疫力も強化されます。
平成27年より高齢者にも任意接種として使用できるようになりました。しかし、昨年10月の定期接種のワクチンには採用されませんでした。

平成277月から品川区では独自に、定期接種の年齢以外の65歳以上の区民にも、任意接種として23価ワクチンの接種費用の助成を始めました。

一方、平成269月、アメリカ予防接種諮問委員会(ACIP)は、65歳以上の全高齢者にまず13価ワクチンを接種し、引き続き6か月〜1年後に23価ワクチンを接種することを推奨しました。

ここで質問いたします。
1. 23価ワクチンを品川区の任意接種助成で受けた場合、同じ23価ワクチンを定期接種として、再接種することは可能でしょうか。
2. 13価ワクチンを任意接種として受けた場合、1年以上の間隔を開けて、今度は定期接種年齢に23価ワクチンを定期接種として、受けることはできるのでしょうか。
3. 今回、13価ワクチンが品川区の接種費用助成の対象とならなかったのは、どのような理由からでしょうか。


すでに23価ワクチンを受けている人は、5年以上間隔を空けなければ、副反応が強いため、23価ワクチンを再接種することができません。一方、13価ワクチンなら1年以上あければ、23価ワクチンを接種でき、しかも免疫が強化されます。
13価ワクチンは、小児用肺炎球菌ワクチンとも呼ばれ、小児における接種実績があり、高齢者での安全性も確かめられています。


以上、23価とともに13価ワクチンも、接種費用助成の対象に加えることを強く要望いたしますが、区のご見解はいかがでしょうか。


風疹対策について、お伺いします。

平成25年に爆発的に広がった風疹流行も終息しました。二度と風疹の大流行を起こさないよう、国も「風しんに関する特定感染症・予防指針」を策定し、東京オリンピックの開催年である平成32年度までに、風疹の排除を達成することを目標に掲げています。

20〜40代の成年男女、特に男性は風疹抗体保有率が70〜80%と低く、いまなお風疹に免疫を持たない人が多数取り残されています。次に流行が起きたときは、この年齢層が再び流行の中心になると 危惧されています。
昨年の第3回定例会で、この集団にどのように風疹抗体検査、予防接種を勧奨するのか、具体的な施策をお尋ねしたところ、 保健所長のご答弁は、区報、ホームページで広報する、というものでした。

風疹を制圧するには、成人男性を含め、全ての風疹に感受性のある人に、ワクチン接種を行うことが基本です。 中南米はこの施策の大規模な実施により、風疹を根絶できました。

第一に、より広範な区民への広報活動が必要と考えます。墨田区のように、HP、区報だけでなく、町会の回覧、役所での婚姻届届出時や母子手帳交付時、保育園、幼稚園、小学校等の保護者の集まりでの 広報など、さまざまな場所、 さまざまな形で啓発周知を積極的に行うべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

第二に、麻疹風疹混合ワクチンの接種対象の拡大が必要と考えます。先天性風疹症候群対策としての「風疹抗体検査とワクチン接種費用助成」の継続は高く評価いたします。次年度以降の延長も望みます。

しかし、この事業では、ワクチンを接種しているにもかかわらず、妊婦健診で風疹抗体が低値、すなわち風疹に免疫を持っていないことが判明した女性は、出産後にワクチン接種費用の助成を受けることができません。 風疹に対する免疫を持たないが、妊娠を望む女性には、過去のワクチン接種の有無にかかわらず、接種費用の助成を行うべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

第三に、女性の健康診査、35歳からの健康診査に、風疹抗体検査を加えることを提案いたします。
現在出産年齢が高年齢化していること、この健診対象者と風疹感受性集団が重なっていることにより、風疹に免疫を持たない人を捕捉できる、またとない機会だからです。

ぜひ、風疹抗体の検査項目追加をお願いしたいと思いますが、区のお考えはいかがでしょうか。

母子感染症に対する、品川区の対策をお伺いします。

昨年の第3回定例会で、サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、ヒトパルボウイルスB19など、母と子を脅かす母子感染症に対する積極的な啓発と、生活上の注意の喚起を行うことを要望しました。
母子感染症に対する、区の啓発広報の現状と実績について、 ご説明をお願いいたします。

最後に、デング熱など蚊媒介感染症に対する対策について、お伺いします。

昨年70年ぶりにデング熱の国内感染例が報告され、「感染症法」に基づく発生動向調査へ報告されたデング熱症例は341例、うち国内感染例は162例に上りました。本年は今のところ、国内感染例の報告はないようですが、媒介昆虫であるヒトスジシマカの活動が続く10月下旬までは、警戒を強めなければならない時期と考えます。

現在台湾においてデング熱が大流行しています。台南市では828日から93日までの1週間で1414人の患者が発生し、本年51日以降の累積患者数は4115人と、市衛生局が発表しています。台湾とは人の往来も多く、いつデング熱が侵入してきてもおかしくはない状況です。
東京都感染症情報センターの、デング熱流行状況をみると、国外感染例が毎週10例近く、報告されています。

昨年のデング熱の国内発生を受けて、国立感染症研究所は「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」、「デング熱・チクングニア熱等 蚊媒介感染症の対応・対策の手引き」を公表、通達し、平常時のリスク評価と、ヒトスジシマカの定点モニタリング地点での活動を地方公共団体に求めています。

お尋ねいたします。品川区のデング熱発生に対する平常時の対応は、 現在どのように行われているのでしょうか。
また、区によっては、定点モニタリングの活動の結果を、ホームページ等で公開しているところもありますが、 品川区はどのように対応されているのでしょうか。



2.品川区の学校保健について


2に、品川区の学校保健について質問いたします。

まず、学校における食物アレルギー対応について、お尋ねします。

平成2412月、強い食物アレルギーを持っていた小学生が誤食後、アナフィラキシーショックで死亡する事故が起きました。この痛ましい事故を受けて、文科省は本年3月、二年間の検討の集大成である「学校給食における食物アレルギー対応指針」を公表しました。

学校給食における食物アレルギー対応の大原則は、 食物アレルギーを有する児童生徒にも、安全な給食を提供することです。そのために、「食物アレルギー対応指針」では、教育委員会は食物アレルギー対応について 一定の方針を示し、 各学校はアレルギー対応委員会を立ち上げ、組織的に対応するよう、求めています。

教育委員会は食物アレルギー対応について、どのような方針を各学校に通達しているのか、お伺いいたします。
また毎回お尋ねしておりますが、校長を委員長に、副校長、教務主任、養護教諭、栄養教諭、学級担任などで組織され、食物アレルギーの対応を学校単位で組織的に行う、 アレルギー対応委員会の設置状況はいかがでしょうか。


また、学校給食においては、食物アレルギー原因食物の完全除去対応を基本に、日頃から食物アレルギー児の管理には、「学校生活・管理指導表」を有効に活用する必要があります。食物アレルギーの対応食を必要最小限にし、除去しなければならないものは確実に除去する 「学校生活・管理指導表」の活用には、正しい食物アレルギーの理解と対応について、学校側と園医、校医を含む医師会との連絡会、勉強会などがどうしても必要です。

横浜市をはじめ、 多くの自治体では教育委員会と医師会部会などが連携し、食物アレルギーのガイドラインやマニュアルを作成し、アレルギー対応を行っています。品川区には多くの小児アレルギー専門医を擁する 昭和大学病院があり、また医師会にも小児科医の部会があります。

品川の食物アレルギーを有する児童生徒のために、教育委員会、子ども未来部、医師会小児科部会、昭和大学小児科、学校保健会などが参加する、学校アレルギー連絡会を早急に立ち上げ、定期的に会合、各種研修会の開催、 誤食事故発生時の緊急ホットラインの開設などに取り組むべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

次に、学校現場における「感染性胃腸炎」の取り扱いについて、お尋ねします。

8月28日のNHKニュースで、今年はノロウイルスが変異し、免疫を持たない人が多いため、この新しいウイルスが大流行するかもしれないと報道されていました。
医療機関を悩ませているのは、 胃腸炎が流行りだすと、「ノロウイルス胃腸炎なら欠席にならないから、病院でノロウイルスの検査してもらえといわれた。」とか、「感染性胃腸炎という診断書を書いてもらえば欠席扱いにならないから、 診断書を書いてほしい。」といって、検査希望や診断書希望で来院する患者が増えることです。

ノロウイルス検査に関しては、本年春の予算特別委員会で、教育委員会学務課長より、「小中学生にはノロウイルス検査を実施しても保険適用されないこと、学務課長から学校長あてにノロウイルスの取り扱いの事務連絡を行い、周知している」 とのご答弁をいただきました。まず、この通知が徹底されることを望みます。

感染性胃腸炎と出席停止について、お尋ねします。

まず、「感染性胃腸炎」という病名は非常にあいまいな病名です。
感染症法では、「感染性胃腸炎」とは「原因はウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が多く、エンテロウイルス、アデノウイルスによるものや細菌性のものもみられる。」と定義され、「感染性胃腸炎」にはウイルス性、 細菌性、その他の病原体による胃腸炎が全て含まれます。

一方、学校保健安全法では、「感染性胃腸炎」は、「ウイルスによる腸管感染症が多い。ノロウイルス、ロタウイルスは冬季に多く、アデノウイルスは年間を通じて発生する。」と解説されており、細菌性腸炎を除いたウイルス性胃腸炎を意味するようです。したがって、学校保健安全法では、 感染性胃腸炎とはウイルス性胃腸炎、おなかのかぜと同義に考えてよいと思います。

文科省の「学校において予防すべき感染症の解説」によれば、「感染性胃腸炎」は「その他の感染症( 第三種の感染症として扱う場合ある)」に分類されています。「学校において予防すべき感染症の解説」の、「はじめに」の序文で、文科省は、

「その他の感染症」は、学校で通常見られないような重大な流行が起こった場合に、その感染拡大を防ぐために、必要があるときに限り、校長が学校医の意見を聞き、第三種の感染症としての措置を取ることができる感染症である。よって、ここに挙げた感染症に、児童生徒等が り患したとしても、直ちに出席停止の対象になるということではないため、くれぐれも誤解のないようにされたい。

と強調しています。
すなわち、文科省は「感染性胃腸炎」や「ノロウイルス胃腸炎」だというだけでは出席停止の対象にはならず、通常見られない重大な症状の胃腸炎が流行したときのみ、はじめて学校医の意見を聞き、校長が出席停止の判断をすることを求めているのです。

無用な検査の依頼、無用な診断書の依頼のないよう、区から学校や園等に指導をお願いしたいと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。


3.品川区の子育て支援施策について


3に、品川区の子育て支援施策について質問いたします。

まず、待機児童対策についてお伺いします。
区の精力的な待機児童解消の取り組みを高く評価すると共に、 今後の一層のご努力を期待いたします。

待機児童対策に対する取り組みが全国自治体で強化され、保育所が急増する状況のなかで、保育士の人手不足は深刻です。保育士の奪い合いは、保育所の保育の質の低下を招きます。 一部の事業所が保育士の待遇を上げれば、ますます保育所間の格差が広がる恐れがあります。補助金だけでは解決できない、深刻な問題です。

まず、品川区の保育士の確保の現状と、対策の成果につき、お示しください。

東京都も東京都福祉財団人材養成部が無認可保育所職員を対象に、無料の講習会などを行っています。保育士の質の向上のためには、品川区も講習会等に保育士などが積極的に参加できる、環境づくりを整えることも必要ではないでしょうか。

たとえば、区指定の講習会、 研修会などに参加した保育士には区からポイントを付与し、ポイントが集まれば、「品川区認定保育士」に認定するなど、保育所にとっても保育士にとっても質の向上が図れる方策を、考えてみてはいかがでしょうか。 区のお考えを伺います。

また、「セカンドチャレンジ保育士・支援事業」のような、離職中の保育士の現場復帰を支援する施策は必要だと思います。しかし、保育は動き回る子ども達を相手にしなければならず、気が抜けず、 体力も使います。そのために、活動力がある、若い保育士の人材が多数必要です。

品川区は「資格取得・支援事業」なども実施しておりますが、今後も高止まりが続く保育士需要なども勘案し、 保育専門学校の開校をご検討されてはいかがでしょうか。
現在ある介護専門学校と併設すれば、将来介護と保育の必要性に応じて、応分の学生を育成できますし、なによりも介護士と保育士の若い資格者が増えることは、 品川の介護、福祉と保育の両面で大きく寄与できると考えますが、区のご見解をお伺います。


次に会派の松沢議員の第2回定例会の一般質問に引き続き、病後児保育についてお尋ねいたします。

保育園、幼稚園では、ここ数年、特定の感染症が爆発的に大流行しています。今年は手足口病が大流行しました。
その原因の一つとして、 病気の子どもが完全に治らないうちに登園してきて、園内に感染症を持ち込むケースが多いからだといわれています。回復期の子どもを病後児保育に預けることによって、保育園にも感染症が持ち込まれず、 子ども自身も個室で十分に安静療養することができます。
病後児保育室は、病気の回復期の子どもにとって、大切かつ有意義な施設と考えます。

ところが、事務事業概要をみますと、 病後児保育事業は毎年大幅に利用者が減少しています。病後児保育の利用者が減少しているのは、病後児保育の役割と意義が十分保護者に伝わっていないのではないかと思われます。

現在、どのように病後児保育のご案内を行っているのか、また、病後児保育の利用者増加の方策をどのようにご検討されているか、お伺いします。

また、病気の回復期の子どもをわざわざ遠方のなじみのない保育所に連れていくのを嫌がり、多少体調が悪くても通園中の保育所に預けてしまう事例も多いとお聞きしました。病後児保育室が品川区中に点在していれば、利用者にとって、病後児保育室が第2の通園施設として、身近に利用できるようになるのではないでしょうか。

その意味でも、病後児保育に積極的に取り組もうと考えている、意欲的な保育園、幼稚園への支援も必要なのではないかと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

最後に子育て支援についてお尋ねいたします。

少子化対策は、待機児童解消のための保育施設の整備だけにとどまるものではありません。「地域における、切れ目のない妊娠・出産支援の強化」をさらに発展・定着させるためには、 産婦人科医、小児科医、かかりつけ医などが、保健師、ソーシャルワーカー、助産師等と連携し、ネウボラネットワークの核となって活動することが、子どもの健やかな成長と、 子育て中の親の心身の健康を支援することに、大きく寄与すると考えます。

現在検討中の、しながわネウボラネットワークに、ぜひ医療の視点を加えるよう望みますが、区のお考えはいかがでしょうか。


子どもは未来であり、 希望そのものです。

品川区の子どもと保護者のための医療・子育て支援施策がさらに大きく広がることを希望して、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。