アレルギー編

ようこそ!鈴の木こどもクリニックアレルギー外来へ

 目次

   0. アレルギーとは何か

        T  免疫反応

        U  アレルギー反応

   T.気管支喘息と診断された患者さんへ

T 気管支喘息の定義

U 気管支喘息の病態生理

V 気管支喘息の症状

W 気管支喘息の危険因子とその予防

X 気管支喘息の疫学

Y 気管支喘息とまぎらわしい病気

T アレルギーの検査

U 呼吸器の検査

0.治療の変遷

T 発作児の治療(急性発作への対応)

U 体質を変える治療

V 生活療法

      U.アトピー性皮膚炎と診断された患者さんへ

      V.花粉症と診断された患者さんへ

      W.ダニアレルギーについて

アレルギーとは何か

 「変な反応」-オーストリアの小児科医ピルケPirquetによって名付けられたアレルギーは、「大騒ぎの、けたたましい」免疫反応です。免疫とは本来、外敵から自己を守る防衛反応で、自然界では下等な生物でもこの防衛システムを有しています。それがヒトにおいて高度に完成し、複雑かつ巧緻な免疫システムが日々発動され、私達を守っているのです。人間のからだには不断に異物が侵入してきます。それなのに、私達が平穏な日々を送れるのは、からだの中の免疫システムが外界からの侵入者を捕捉し、排除し続けているからなのです。

 まず、このすばらしいヒトの免疫の仕組みを見てみましょう。そして、次に免疫の脱線であるアレルギーを理解していきたいと思います。(アレルギーについては無数の解説本がありますが、最もわかりやすい(と当クリニックが評価している)北中進日大教授の解説をもとにお話しを進めます)

T 免疫反応

 @リンパ球

 人間のからだには動脈、静脈のほかにリンパ管という第3の血管が身体中にはり巡らされています。このリンパ管には、リンパ球と呼ばれる白血球の一種が巡回しており、侵入者に目を光らせています。赤血球は流れていないため、リンパ管は白い血管とも呼ばれます。また、リンパ管は血管と相互に乗り入れしているので、リンパ球は血管の中にも自由に移動し、探索を続けています。 

  このリンパ球をさらに詳しく分類すると、Tリンパ球(T細胞)とBリンパ球(B細胞)に大別され、さらにナチュラルキラー細胞、キラー細胞などという少数派のリンパ球もいます。このうち、T細胞はヒトの防衛システムの司令官で、Tはthymus(胸腺)に由来します。このリンパ球は胸腺(thymus)で、徹底して「自己」と「非自己」を区別する高等教育を受けたエリートリンパ球です。このT細胞がヒトの防衛軍を指揮して、外敵にあたります。このT細胞はさらにその役割から、Th細胞(ヘルパーT細胞)とサプレッサーT細胞に分けられます。

 もう一つのリンパ球、B細胞は全てのリンパ球のふるさとであるBone Marrow(骨髄)から名付けられました。B細胞は下士官で、T細胞の指令で抗体(ミサイル)を作り発射するのが仕事です。実際に戦場で戦うリンパ球部隊です。

 A免疫反応                   

 異物(抗原と呼びます)がヒトの体内に侵入してくると、まず門番であるマクロファージが立ちはだかります。マクロファージは大食細胞とも呼ばれ、身体中いたる所に存在し、外部から侵入した細菌、ウィルス、寄生虫や、さらに老廃物やごみなども始末しています。

 このマクロファージが抗原を食ってしまいます。しかし、外敵が強力で呑み込んでしまえなかったり、処理しきれない時は、侵入者の情報=たんぱく質の組成情報をT細胞に伝え、外敵の侵入を知らせます。また、周辺にいる好中球(白血球の一つ、顆粒球とも呼ぶ)も抗原を食べて、マクロファージに協力します。

 マクロファージからの外敵侵入の情報を受け取ったT細胞はただちに戦闘モードに入り、Th1細胞とTh2細胞に役割分担します。Th1(ティ-エイチワン)細胞はマクロファージを励まし、Th2(ティ-エイチツー)細胞は抗原(侵入者)に見合った抗体(迎撃ミサイル)を作るよう、B細胞に指令を出します。Th2細胞から抗体の設計図を受け取ったB細胞はそれに基づき、抗体を作り出します。

 B抗体(免疫グロブリン)

 B細胞が作り出した抗体は、抗原を撃退するミサイルです。カギとカギ穴のように抗原を補足しやすい、Y字形をした抗体ミサイルはしっかり抗原を捉まえ、無力化します。抗原と抗体が反応することを抗原抗体反応と言います。

 抗体は5種類あり、グロブリンというたんぱく質からできているので、免疫グロブリンImmuno-globulin(Ig)と呼ばれ、それぞれ

  IgG (アイジージー)
  IgM (アイジーエム)
  IgA (アイジーエー)
  IgD (アイジーディー)
  IgE (アイジーイー)

と名付けられています。

 抗原が侵入するとまずIgMが作られます。これは巨大なグロブリンで、他の免疫グロブリンが一つのミサイルなのに対し、5本のミサイルを持っています。これが最初に先端を開きますが、5日ほどで主力部隊のIgGと交代します。(IgMは寿命が短い)

 IgMに代わって登場するIgGは抗体の主力部隊で、寿命(個々の活動期間)も3週間ほどあり、終始戦いをリードします。また、IgGは胎盤を通過するので、生まれたばかりの赤ちゃんを守っているのも、胎盤を通って移動してきたお母さまのIgGです。

 IgAは消化管、目、鼻の粘膜など他の抗体が働きにくい、組織の表面などを守ります。また、母乳中に含まれており、生まれたばかりの赤ちゃんの消化管を守ります。

 (IgDはその働きがいまだによくわかっていません。)

 IgEはもともとは寄生虫に対する抗体でしたが、現在アレルギーの原因になっています。IgEについては、次章で詳しく見ていきます。

 このように戦いが始まって、3〜4日でIgGが作られると外敵は駆逐され、免疫反応は終了します。

 Cサイトカイン

 マクロファージ、T細胞、B細胞はおたがいにサイトカインという情報伝達物質を出して、連絡を取り合います。たとえば、Th2細胞はB細胞に対して、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン5(IL5)、インターロイキン6(IL6)というサイトカインを放出して、抗体を作るよう命令します。また、Th1細胞もインターロイキン2(IL2)を放出して、T細胞を増やしたり、マクロファージを活性化させたりしています。このほかにも、Th1細胞はインターフェロンガンマ(IF-γ)というサイトカインよって、Th2細胞の働き過ぎにブレーキをかけることもあります。Th1細胞とTh2細胞はお互い働きすぎないよう、バランスを取っているのです。マクロファージもサイトカインを出して、T細胞やほかの免疫担当細胞の働きを助けています。このように、免疫担当細胞同士はサイトカインをお互い交換し合って情報ネットワークを形成し、組織的に外敵と戦っているのです。

 Dその他の免疫担当細胞

 好中球はマクロファージと同じように抗原を食べてしまいます。数をたのんで密集した陣形で敵と戦います。ナチュラルキラー(NK)細胞は、独自にガン細胞やウィルスと戦っていますが、外敵が侵入すると他の細胞と協力して戦います。キラー(K)細胞やキラーT細胞も抗体といっしょに戦います。サプレッサーT細胞は、Th2細胞やB細胞の働きにブレーキをかけるのがその役目です。このように、ヒトの免疫反応にはさまざまな細胞がお互い協力し合いながら、戦いを展開しているのです。 

U アレルギー反応

 アレルギー反応は、今見てきた人間の免疫反応が過剰に働いた状態と考えることができます。

 @IgE

 まず、ダニのフンやスギの花粉など、人間にとって無害なごみのような抗原(異物)が身体のなかに侵入してきます。これをいつものようにマクロファージが貪食します。そして、このとるにたらない抗原の情報をT細胞に伝えます。するとT細胞はTh2細胞に分化し、Th2細胞は何を勘違いしたのか、けたたましく騒ぎ出し、IL4というIgEをつくる指令(サイトカイン)をB細胞に伝達します。

 これに驚いたTh1細胞はIFγ(インターフェロンガンマ)を放出して、Th2細胞をなだめようとしますが、Th2細胞の暴走を抑えることができません。

 このようにアレルギー反応とは、マクロファージから送られてきた、たわいもない抗原情報にTh2細胞がけたたましく大騒ぎしてB細胞にIgEを大量に作られること、さらにTh2細胞のパートナーであるTh1細胞が、Th2細胞の暴走を止められないところからスタートします。

 Aマスト細胞(肥満細胞)

 B細胞がせっせと作った大量のIgE抗体はダニのフンやスギの花粉とくっつくことができないため、やむおえず皮膚や鼻、呼吸器の表面近くに分布するマスト(肥満)細胞のレセプターに結合します。(マスト細胞のカギ穴とIgEのカギはぴったりはまる関係にあります。)

 マスト細胞は細胞の中に沢山の化学物質を抱えているため、ボツボツをいっぱい抱えた太った細胞で、肥満細胞とも呼ばれます。マスト細胞の表面に、無数のIgEがとげのようにくっついた状態を「感作」といいます。

 やがて再び、同じ抗原が侵入してくると、この抗原はマスト細胞の表面のIgEのとげにひっかかり、架橋を作ります。その結果、マスト細胞に抗原抗体反応が始まり、マスト細胞から大量の蓄えられていた化学物質(ヒスタミン、セロトニン)が放出されます。また、同時進行でマスト細胞の内部でロイコトリエン、プロスタグランディンが製造され、これも放出されます。

 マスト細胞から飛び出したヒスタミン、ロイコトリエンなどは、マスト細胞周辺の気道、皮膚、鼻粘膜などを手当たり次第に攻撃し始め、戦場となった組織は赤く腫れあがり、炎症を起こします。また、気管支平滑筋を急に収縮させたり、血管の壁をもろくして内部の血液中の水分(血漿=けっしょう)を漏れ出させたりして、組織は大混乱に陥ります。

 B好酸球(エオジン細胞)

 マスト細胞からヒスタミンなどが放出されて炎症が起きると、白血球の一つである好酸球が遅れてこの場に集まってきます。好酸球もまたさまざまな物質を分泌し、炎症をさらに悪化させる役割を果たします。この好酸球の行動もまた、Th2細胞からIL5という指令を受けて行われているのです。

 このようなアレルギー反応によって、気道が腫れて狭くなりゼイゼイヒューヒューしたり、鼻がつまったり、皮膚が赤く腫れかゆくなったりと、さまざまなアレルギーの症状が現われてくるのです。

 Cアレルギー反応のタイプ

 アレルギー反応にはいくつかのタイプがあります。今まで、みてきたアレルギーのメカニズムはT型(即時型)アレルギーについてでした。気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)など子どものアレルギー疾患はほとんどT型アレルギーが原因になっています。ただし、アトピー性皮膚炎は、T型、V型、W型が関係するといわれています(詳細後述)。

タイプ 名称 主な関係者 反応時間 主な病気
T型 即時型 IgE、マスト細胞、化学伝達物質 15分〜8時間 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹
U型 細胞障害型 IgG、IgM、補体 15分〜8時間 自己免疫性溶血性貧血、血液型不適合
V型 免疫複合体 IgG 4〜6時間 糸球体腎炎、リウマチ熱
W型 遅延型 T細胞(感作リンパ球) 24〜48時間 接触性皮膚炎、ツベルクリン反応

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気管支喘息と診断された患者さんへ

はじめに

 気管支喘息は、夜間突然ヒューヒュー、ゼイゼイと音がするようになり、呼吸が苦しくなって、咳が止まらなくなる病気です。少し前までは、秋の台風シーズンになると、夜間の小児科救急外来はヒューヒュー、ゼイゼイ、青ざめ肩で息をしている喘息発作の子であふれかえり、入院する子も多数みられました。又、減感作という注射に、週何回も病院へ通う子どもも多く、ひどい発作を繰り返す子は「施設療法」といって地方の保養所に入所して治療することもあったほどです。

 喘息といわれると、このような闘病生活をイメージして、ショックを受けられるお母さま、お父さまもいらっしゃるかもしれません。しかし、現在小児気管支喘息を取り巻く環境は、昔と一変しました。

 第一に、喘息は今もありふれた病気でありながら(患者数はむしろ増えています)、各病院小児科病棟の入院患者は激減しており、喘息発作も軽症化しています。むかしよくみられた、肩で息をしてゼイゼイする、典型的な発作の子どもをみることも少なくなりました。

 第二に、喘息は親子で必死に闘病生活するような難病ではなく、発作を起こさない普通の生活を送っていく中でお薬を飲んで治していく病気だ、という治療が確立したのです。一部の小児科アレルギー専門医がめざしていた、極端な除去食の強制や「シンプルライフ」という何の楽しみの無い宗教者のような生活スタイル、身体の鍛錬療法は少なくても喘息治療の中心からは消えていきました。

 第三に、吸入ステロイドについてです。これは喘息の発作を完全に抑え、今や喘息治療の中心的な薬剤となりましたが、かつてのアトピー性皮膚炎に対するステロイド軟膏のように、きわめて有効であるがゆえに、効果と副作用を慎重に評価して乱用を慎まなければならない薬剤です。子どもの喘息は大人と違い、体の成長に伴い、治ってしまうことも多いため、もはや自然に治る可能性のない大人の喘息と同じように、ステロイド吸入という強力な治療一本槍でよいのか、多いに疑問だと思います。小児喘息も成人喘息と全く同じ感覚で、フルタイド(後述)とセレベント(後述)の組み合わせのオンパレードという治療は、当クリニックでは行いたくありません。 

 しかし、小児喘息も1割以上が子どもの間に寛解せず、また治ったと思っていても、風邪をひいたときなどに発作を起こす人もいます。子どもの時の喘息発作の回数や程度や重さが、大人に持ち越すかどうかの因子になるという考えも有力視されています。そのため、当クリニックでは吸入ステロイドも喘息の程度に応じて、必要な場合には積極的に導入するようにしています(詳細は治療編をご覧下さい)。

 喘息は特別な難病ではありません。きちんとお薬を飲み、吸入し、呼吸の状態を測定し、定期的に当クリニックのアレルギー外来に通っていれば、いつのまにか発作が消えていく(寛解といいます)病気なのです。しかし、喘息は完全に克服するまで長く時間のかかる病気です。小児の発育を正しく評価し、必要な期間、必要な強さの薬剤を選択し、本人を取り巻く生活環境を家族とクリニックのみんなで相談して整えていき、発作が完全に出なくなるまで頑張りましょう。

 気管支喘息は、小児科専門クリニックのもとで、本人、お母さま、お父さま、クリニックの医師、看護師、栄養士、事務員がチームを組んで、みんなで取り組む病気だと当クリニックは考えています。

気管支喘息とはどんな病気でしょう

 T.気管支喘息の定義

 小児気管支喘息は、発作的にゼイゼイ、ヒューヒューする呼吸困難(息が苦しい)を繰り返す病気です。赤ちゃんが気管支炎になったり、かぜをひいたりした時にゼイゼイすることは、それほど珍しくはありません。気管支喘息はこのゼイゼイ、ヒューヒューを繰り返し、反復することが診断のポイントになります。さらに発作で生じた呼吸困難は、自然に治ったり、治療によって軽快します。進行性に悪化しつづけるということはありません。

 しかし喘息の患者の呼吸器の組織を調べると、気道(空気の通り道。気管支)は狭くなっており、また好酸球やリンパ球が沢山集まってきて組織が赤く腫れていることが観察されます。

 また、喘息と診断するには、同じような症状を示す肺、心臓の病気を否定しなければなりません(この場合は別の病気になります)。

 気管支喘息は、アトピー型(抗原に特異的なIgE抗体を証明できるもの。子どもでは圧倒的にアトピー型が多く、特にダニに対する特異的IgE抗体の保有率は90%に及びます)と非アトピー型(特異的IgE抗体がみつからないもの。ウィルス=RSウィルス、パラインフルエンザウィルスなどやマイコプラズマなどによる感染症が引き金になってゼイゼイしだすお子さまもいます)に分類されることがあります。

 U.気管支喘息の病態生理

 V.気管支喘息の症状

 喘息発作を起こすと、胸が締め付けられるように息苦しくなり、息を吐く時にゼイゼイ、ヒューヒュー音を立て、ゆっくり息をはき出します。呼吸回数も増し、肩を上下させながら呼吸をします。息を吸い込んだ時に、肋骨の間が陥没します。発作がひどくなると、話ができなくなり、うずくまるようになります。

 W.気管支喘息の危険因子とその予防

 X.気管支喘息の疫学

 小児気管支喘息は、日本のこどもの5%にみられ、男女比は1.5:1で男子に少し多いようです。ただ性差は縮まってきています。親族に喘息の人がいる子の喘息の発病率は、喘息の人がいない子の発病率の約2倍と報告されています。

 一般にアレルギー体質の子の、そのアレルギー症状の移り変わりをアラ-ジック・マーチ(アレルギーの行進)と呼びます。その経過は、1歳前(乳児期)は湿疹が出やすく(アトピー性皮膚炎といわれる子も多い)、1〜2歳ごろは風邪をひいた時に少しゼイゼイし、2〜5歳頃になると気管支喘息と診断される例が多いようです。

 喘息のお子さまは2〜3歳で60%、6歳までに80〜90%が気管支喘息と診断されています。一方、12〜15歳頃(中学生)までに60〜80%の喘息児は症状が出なくなります(「アウトグロー」という)。 残りの10〜20%は、大人になってからも体調が悪いと喘息発作を起こすといわれています。

 喘息は死亡することがある病気です。主な死因は窒息死です。喘息発作が原因で亡くなる人の割合は、10万人に対して0.4〜0.5人ですが、15〜19歳の”思春期喘息”では、患者が親の言うことを聞かず、病院にもきちんと通院せず、携帯吸入器を用いて気管支拡張剤を乱用して、気管支が完全に閉塞して病院に着いたときにはすでに窒息死している例があり、問題になっています。

 Y.気管支喘息とまぎらわしい病気 

 ヒューヒュー、ゼイゼイして呼吸困難をきたす病気は、気管支喘息だけではありません。ゼイゼイすればすぐ喘息だと思われがちですが、喘息と診断するには下記の病気を否定(除外)しなければなりません。

 @先天性、発達の異常にもとづく喘鳴

   大血管の奇形(動脈輪など)、先天性心臓病、気道の解剖学的異常、咽頭・気管・気管支軟化症、繊毛運動機能異常

 A感染にもとづく喘鳴

   クループ、気管支炎、細気管支炎、肺炎、気管支拡張症、肺結核

 Bその他

   アレルギー性の肺炎やカビの病気、サルコイドーシス、気管支内異物、肺塞栓症、心因性咳嗽、過換気症候群、気管・気管支の圧迫(腫瘍)、肺浮腫など

気管支喘息の検査について

 T.アレルギーの検査

@総IgE値(非特異的IgE;IgE-RIST)

 非特異的IgEは、血液中のIgEの総量を測ります。IgEは前章で見たように、Th2細胞の命令でB細胞が作り出す免疫グロブリンで、アレルギー反応を引き起こします。したがって、IgEが増えていれば、アレルギーを起こしやすい体質があると考えられます。大体の目安は、赤ちゃん10IU/ml以上、幼少児では100IU/ml以上、成人では250IU/ml以上で高値と判定します。

A血中好酸球数、鼻汁好酸球

 好酸球(エオジン細胞)もまた、アレルギー反応が起こるとTh2細胞の指令(IL5)で炎症場所に集まってきて、組織を破壊したり、他の細胞を動員したりして、アレルギー反応を一段と悪化させる働きをします。好酸球は通常は全白血球数の7%以下ですが、寄生虫が感染していたり、感染症の終末期、さらにアレルギー反応がからだのどこかで続いていると7%以上になります。したがって、血中好酸球が7%以上あれば、今現在アレルギー反応がからだのどこかで起きている疑いがあります。

 また、好酸球が鼻汁中に多数出現している時は、鼻粘膜でアレルギー反応が起きていることを意味し、アレルギー性鼻炎、花粉症が疑われます。

BIgE-RAST(ラスト)

 IgE-RASTは、血液中の特異的IgE抗体(ダニならダニに対してのみ反応するIgE抗体)を調べる検査です。特異的IgE抗体が高値ということは、その測定項目に対するアレルギー反応が起こりやすいことを意味します。現在よく行われている特異的IgE抗体測定法はキャップ・ラスト法(CAP法)と呼ばれる検査法で、IgE抗体の量を7段階に分けて、2以上を陽性、4以上を強陽性と判定します。

 また、MAST法(マスト法)はIgE抗体量によって5段階に分ける検査法で、1以上が陽性、3が強陽性と判定します。少ない採血量で多項目のアレルゲンの検査ができるため、初診時や年少児で行われます。

 このIgE-RASTは気管支喘息やアレルギー性鼻炎ではきわめて有用な検査ですが、アトピー性皮膚炎では必ずしも必須な検査ではありません。

 U.呼吸器の検査

 @胸部レントゲン検査

 気管支喘息と鑑別が必要ないろいろな病気の可能性を否定するために行われます。

 A呼吸機能検査

 もっとも簡単な呼吸機能検査はピークフロー(PEF;最大呼気流量)の測定です。このピークフローの測定で喘息を管理することができます。

気管支喘息の治療について

 0.治療の変遷

 気管支喘息の治療はここ10年で大きく変わってきました。以前は発作時の処置(生食、ビソルボン、ベネトリン吸入、ボスミン皮下注射、ネオフィリン持続点滴)や発作時のβ2拡張剤の吸入、発作の誘因を取り除く取り組み(環境整備、減感作、場合によっては除去食)が中心でしたが、現在では気管支の慢性の炎症を抑える治療が重視されるようになりました。すなわち、喘息発作を起こしていない時に、きちんと炎症を抑える薬をのむこと、吸入することが大切だと考えられるようになったのです。

  T.発作時の治療

 U.体質を変える治療

 V.生活療法

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アトピー性皮膚炎と診断された患者さんへ

はじめに

 他のアレルギー疾患と同様、アトピー性皮膚炎も増えてきています。愛知県で行われたアトピー性皮膚炎についての調査では、1981年に2.8%であったものが、1992年には6.6%と、約10年で2倍強に増加したと報告されています。

 アトピー性皮膚炎が他のアレルギー疾患と異なる際立った相違点は、「作られた難病」だということです。アトピー性皮膚炎は、金沢大学皮膚科の竹原和彦教授が精力的に明らかにしてきたように、「アトピービジネス」と名付けられた悪徳業者の一群と、それに意識的・無意識的に加担する一部のマスコミと医師のために、「難病」にしたてられてしまったのです(アトピー性皮膚炎の難病化の歴史については、稿を改めて詳しく解説していく予定です)。そして、ステロイド、卵白は悪の代名詞のようになってしまいました。

 現在でも乳児健診をしていると、「アトピーですか」、とか「卵をひかえたほうがよいでしょうか」、とよく聞かれます。アトピー性皮膚炎にはさまざまな治療を要する重症の例から、自然に改善していくことが十分期待される軽症のものまで、さまざまのお子さまがいることは事実です。しかし、アトピーを心配される大多数の赤ちゃんは、実際はアトピー性皮膚炎ではありません。

 また、アトピー性皮膚炎のお子さまであっても、適切な治療を粘り強く続けることによって、ほとんどの例では皮膚の状態は改善し、快適な生活を送ることが可能になるのです。

 以下、現在の最新の医学情報による、アトピー性皮膚炎の解説と当クリニックのアトピー治療について、まとめました。ただし、これはあくまで当クリニックのアトピー性皮膚炎の理解と治療戦略であることをお断りしておきます。

アトピー性皮膚炎とは

 T.アトピー性皮膚炎の定義

 アトピー性皮膚炎とは、「増悪と寛解を繰り返す、かゆみのある湿疹を主病変とする病気であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」と定義されています。つまり、@年齢によって身体のさまざまな部分にかゆみのある発疹が出たりひっこんだりする。A本人や家族にアレルギー疾患を持った人がいる。ということが、アトピー性皮膚炎の定義となります。ここでいうアトピー素因とは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の病気を本人か家族が持っていることをいい、アレルギーの症状が起こりやすい遺伝的な体質を指します。

 現在アトピー性皮膚炎にはいくつかの診断基準が提唱されています。参考のために,そのうちの一つ(厚生省心身障害研究班の診断基準)を示します。

 U.アトピー性皮膚炎のメカニズム 

 アトピー性皮膚炎のお子さまは、肌がかさかさして、かゆみを伴なう発疹が、繰り返し全身に出現します。最近の研究によると、アトピー性皮膚炎のお子さまの皮膚にはセラミド(角質細胞間脂質)という保湿因子(皮膚に水分を引きつけて肌をすべすべさせる物質)が生まれつき少ないことがわかってきました。またアトピー素因という、アレルギー症状をおこしやすい遺伝的な要素も関係しています。これらの土台の上に、皮膚の状態を悪化させる因子が加わった時、激しいかゆみをもった皮膚炎が広がると考えられるようになりました。

アトピー性皮膚炎の症状 

T.アトピー性皮膚炎の症状は年齢によって変化する

 アトピー性皮膚炎の皮膚症状は、年齢とともに変化していきます。

@赤ちゃん(乳児期)

 乳児期には口の周りや頬に、赤いポツポツ、ジュクジュクした発疹が出ます。また首、肘のくぼみ、膝のうら、手首や足首などの汗のたまりやすい部分が赤くなります。

A幼児期

 赤ちゃんの時期を過ぎるころになると、ひどい湿疹のあった赤ちゃんもかなりの確率できれいな皮膚に戻ります。しかしこの時期になってもアトピー性皮膚炎の症状の続く人は、顔面の発疹が減り、手足の関節のあたりや体に発疹が増えてきます。皮膚が乾燥してざらざらになってきます。

B学童期・思春期

 思春期・成年期はアトピー性皮膚炎が悪化しやすい時期です。いったん治った皮膚の症状が思春期になってぶり返す例もみられます。この時期の発疹は、顔面、胸部、背部、肘窩など上半身に強くみられ、特に顔面はいわゆる「アトピー性皮膚炎の赤ら顔」などと呼ばれます。

U.かゆみが最大の症状

 アトピー性皮膚炎のお子さまが最も苦しめられる症状は、かゆみです。お子さまは我慢することができず、掻きむしり、血まみれになってしまうこともあるほどです。自分で掻くことのできない赤ちゃんが、抱っこしているママの服に顔をこすりつけて、一日で顔が真っ赤にただれることもよく経験します。

 お風呂に入ったり、夜ふとんに入って体があたたまると、かゆみが増すことはよくみられます。これは、皮膚があたたまると、かゆみを感じる神経がかゆみに反応しやすくなるためと、昼間は遊びに夢中になっているため、あまりかゆみを感じず、夜、眠り始めるとかゆみが気になるためと考えられます。ストレスもかゆみを悪化させる原因と考えられています。

アトピー性皮膚炎の治療

T.治療の考え方

 まずアトピー性皮膚炎が疑われた場合には、正確に診断することが必要です(アトピー性皮膚炎かどうか)。典型例は診断は容易ですが、なかなか診断が困難な例もあります。当クリニックではこのような例は小児皮膚科外来で皮膚科専門医が診断するようにしています。そして、アトピー性皮膚炎と診断された時に治療を開始します。アトピー性皮膚炎の治療は、

@ アトピー性皮膚炎の原因・悪化因子をさがして、可能なら除去する

A アトピー性皮膚炎の皮膚の炎症を抑える薬物療法を行う

B アトピー性皮膚炎の皮膚の炎症を予防するスキンケアを行う

の三つの柱で行います。アトピー性皮膚炎の治療は皮膚症状が悪化と改善を繰り返すため、長期にわたり行われます。しかし、アトピー性皮膚炎は元来自然治癒傾向が強い病気であること、そして人生に何回か(乳児期後期、思春期など)治癒するチャンスが巡ってくることを理解して、できるだけお子さまの皮膚の状態を良い状態を保ち、その時を待つことが大切だと思います。

U.アトピー性皮膚炎の治療

@原因・悪化因子の検討と除去

 患者によって原因・悪化因子は異なるので、個々の患者においてそれらを十分確認してから除去対策を行います。

 気候、発汗、精神的なストレス、体調過労、日光、食物(卵、ミルクなど)、環境因子(ダニ、ハウスダストなど)、接触抗原(布、親の衣服など)が悪化因子としてあげられます。

 とりわけ、乳幼児では肌は抵抗力が弱いため、細菌感染やウイルス感染がアトピー性皮膚炎を悪化させます。

 生活環境の改善

 乳児期は食べ物(特に卵)がアトピー性皮膚炎の悪化因子になります。

 乳幼児期を過ぎると、ダニ、ハウスダスト、カビなどの 環境的な要素がアトピー性皮膚炎の悪化因子になります。 この環境的な要素は、生活の中の工夫や努力によってかなり減らすことができます。特に、ダニはアトピー性皮膚炎に深く関係する悪化因子のため、対策が必要です(ダニアレルギーについてを参照して下さい)。

 1.皮膚の清潔

 毎日の入浴したりシャワーを使いましょう。このとき、石鹸やシャンプーは洗浄力の強いものは避け、皮膚を強くこすらないようにします。また、石鹸やシャンプーは皮膚に残らないよう、十分にすすいでください。

 水温は肌にかゆみを生じるような、あつい温度はさけます。そして、入浴後には、必ず適切な保湿剤を塗布するようにします。保湿剤は、肌のうるおいを保ち、皮膚の乾燥防止に有用です。使用感のよい、お子さまが喜ぶ保湿剤を使いましょう(炎症を予防するスキンケア参照)。

 2.生活上の注意

 爪を短く切り、なるべくかかせないことが大切です。(手袋や包帯などによる保護が有用なことがあります。お子さまの状態に応じて適切な処置を行うことが大切だと思います)。

 新しい肌着は使用前に水洗いしてから使用します。

A炎症を抑える薬物療法

軽症 中等症 重症 最重症
外用薬

 乳児〜成人

 ステロイドを含まない外用薬が基本

(必要に応じて)

ステロイド外用薬 (マイルド以下)

外用薬

 乳児〜2歳

 ステロイド外用薬(マイルド以下)

 2〜12歳

 ステロイド外用薬(ストロング以下)

 13歳以上

 ステロイド外用薬(ベリーストロング以下)

外用薬

 乳児〜2歳

 ステロイド外用薬(ストロング以下)

 2〜12歳

 ステロイド外用薬(ベリーストロング以下)

 13歳以上

 ステロイド外用薬(ベリーストロング以下)

外用薬

 乳児〜2歳

 ステロイド外用薬(ストロング以下)

 2〜12歳

 ステロイド外用薬(ベリーストロング以下)

 13歳以上

 ステロイド外用薬(ストロング以下)

内服薬

(必要に応じて)

抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

内服薬

(必要に応じて)

抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

 

内服薬

(必要に応じて)

抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

 

内服薬

(必要に応じて)

抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

(必要に応じて一時的に)

内服用ステロイド薬

十分効果が認められない場合はステップアップ(右側の治療へ移行)、十分な効果が認められた場合はステップダウン(左側の治療へ移行)する。最重症は原則として、一時入院して治療する。

 図のような薬物療法のガイドラインが公表されています。アトピー性皮膚炎の治療は、いかに炎症を抑え、かゆみを抑え、皮膚を良い状態に保つかが治療のポイントになります。

 ●ステロイド外用薬(軟膏)

 アトピー性皮膚炎の治療の中心はやはりステロイド外用薬です。いかに副作用を少なく、効果的にステロイド外用薬を使いこなすかがポイントになります。炎症がひどい時は少し強めの(ストロング)、炎症がややひどい所は弱いステロイド(マイルド)を、というように肌の状態に応じて、きめ細かくランクを調節していきます。(上記のアトピー性皮膚炎治療ガイドラインに基づいて)

 ステロイド外用薬(軟膏)には以下の種類があります。

  強さ 一般名 製品名
T群 ストロンゲスト

(きわめて強い)

プロピオン酸クロベタゾール
酢酸ジフロラゾン
デルモベート
ジフラール、ダイアコート
U群 ベリーストロング

(かなり強い)

フランカルボン酸モメタゾン
酪酸プロピオン酸ベタメタゾン
フルオシノニド
ジプロピオン酸ベタメタゾン
ジフルプレドナート
ブデソニド
アムシノニド
吉草酸ジフルコルトロン
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
フルメタ
アンテベート
トプシム、シマロン
リンデロンDP
マイザー
ブデソン
ビスダーム
ネリゾナ、テクスメテン
パンデル
V群 ストロング

(少し強い)

プロピオン酸デプロドン
プロピオン酸デキサメタゾン
吉草酸デキサメタゾン
ハルシノニド
吉草酸ベタメタゾン
プロピオン酸ベクロメタゾン
フルオシノロンアセトニド
エクラー
メサデルム
ボアラ、ザルックス
アドコルチン
リンデロンV、ベトネベート
プロパデルム
フルコート、フルゾン
W群 マイルド

(穏やか)

吉草酸酢酸プレドニゾロン
トリアムシノロンアセトニド
ピバル酸フルメタゾン
プロピオン酸アルクロメタゾン
酪酸クロベタゾン
酪酸ヒドロコルチゾン
リドメックス
レダコート、ケナコルトA
ロコルテン
アルメタ
キンダベート
ロコイド
X群 ウィーク

(弱い)

プレドニゾロン
酢酸ヒドロコルチゾン
プレドニゾロン
コルテス

 

 ステロイド外用薬(軟膏)を使う時は、処方した先生によく質問して(塗り方、回数、期間、どうしてこの強さのステロイドが必要か)、適切な使用を心がけましょう。

 ●ステロイド外用薬(軟膏)の副作用

@全身への副作用

 内服薬(セレスタミンシロップ、デカドロンシロップ、プレドニンなど)や注射薬(サクシゾン、ソルコーテフ、リンデロンなど)は全身にステロイドが広がるため、副作用が起こる可能性があります(ただし、効果も強い)。しかし軟膏では皮膚から吸収されるステロイドの量は微量のため、全身性の副作用が起こる可能性はほとんどありません。

A皮膚におこる副作用

 外用薬のため、塗られた部分の皮膚に副作用が起こる可能性はあります。しかし、この場合も長期にわたって、不適切な強さのステロイド外用薬を塗り続けた場合に起こる可能性があるもので、十分医師から説明を受けて使用しましょう。

  @)ホルモンとして直接皮膚に影響する副作用
      血管が拡張して皮膚が赤くなる
      皮膚が萎縮して薄くなる
      にきび(顔・胸に使用している場合)ができる

  A)ステロイドが局所の抵抗力を抑えるために起こる 感染症の副作用
      カンジダ皮膚炎(おむつかぶれ)や皮膚の化膿疹が悪化する
      ヘルペスウイルス感染症が悪化する(カポジの水痘様発疹)
      みずいぼが増える

※このような皮膚の副作用は、症状がおさまって薬をぬらなくなると通常数ヵ月から1年ほどで徐々に回復していきます。

B炎症を予防するスキンケア

 皮膚を清潔に保ち、水分と油分(皮脂)を補給することは、皮膚を良い状態に保つことができ、アトピー性皮膚炎の症状の悪化を抑えることができるため、スキンケアは重要です。

 皮膚の清潔を保つには、毎日の入浴・シャワーが大切です。

汗や汚れは速やかにおとす、しかし強くこすらない
石鹸・シャンプーを使用する時は洗浄力の強いものは避ける
石鹸・シャンプーは残らないように十分すすぐ
かゆみを生じるほどの高い温度の湯は避ける
入浴後にほてりを感じさせる沐浴剤・入浴剤は避ける
入浴後には、必要に応じて適切なぬり薬を使用する


 皮膚の保湿を保つため、保湿剤を効果的に使用しましょう。

保湿剤は肌の乾燥を防ぐためのぬり薬です。こまめにぬることが大切です。
入浴やシャワーの後は、保湿剤を使用する習慣をつけましょう。
お子さまがいやがらない保湿剤を使いましょう。

保湿剤一覧

 一般名  製品名
 ワセリン  
 亜鉛華軟膏  
 親水軟膏  
 尿素含有軟膏  ウレパール軟膏
 パスタロンソフト、パスタロン10ローション、 パスタロン20、 パスタロン20ソフト
 ヘパリン類似物質軟膏  ヒルドイドローション、ヒルドイドソフト
 アズレン軟膏  アズノール軟膏

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花粉症と診断された患者さんへ

はじめに

 スギ花粉症の患者さんは年々増加しています。東京都の平成8年の調査によると、スギ花粉症の有病率は19.4%と、10年前の2倍に増加していました。現在、全国で1200万人の人がスギ花粉症で悩まされているのではないかと推定されています。また、スギ花粉症の低年齢化が進み、6〜7歳ごろから花粉症の症状が現われる子どもが増えてきていると報告されています。花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻閉などの鼻症状のみならず、目のかゆみ、頭が重い(頭重感)、のどの痛み(咽頭痛)、さらに喘息、胃腸症状(下痢、腹痛)など全身の病気です。おとなと違い、子どもに好ましくない花粉症のお薬もあります。子どもの花粉症は、小児科専門医を受診することをお勧めします。

 T.スギ花粉症のシーズン 

 スギ花粉の飛散は、2月上旬から4月にかけてのスギの開花時期に起こります。したがって、この時期がスギ花粉症のシーズンということになります。しかし、スギの近縁に当たるヒノキの花粉の飛散が3月下旬から5月上旬まで続くので、ヒノキ花粉症もある患者さんはゴールデンウィーク明けまで症状が長引きます。

 U.スギ花粉症のメカニズム 

 スギ花粉が鼻から身体の中に何年も進入し続けると、身体の中にスギ花粉に対してこれを攻撃し破壊する抗体(スギ花粉特異的IgE抗体)が作られるようになります。ふつうは花粉は無害な物質なので、抗体は作られません。しかし、スギ花粉に反応しやすい素質を持つ人は、身体の防御システムの司令塔であるTリンパ球が過敏にスギ花粉に反応し、Bリンパ球に命令し、抗体を作らせます(このような過敏な免疫反応をアレルギーというのです)。このつくられたスギ花粉に対する抗体は、マスト細胞(肥満細胞)に接着して新たな敵(スギ花粉)の侵入に備えます。そして、スギ花粉が侵入してくるのを発見するや、マスト細胞から攻撃物質(ヒスタミン、ロイコトリエン)を発射させます(脱顆粒)。ヒスタミンは知覚神経を刺激し、くしゃみ、鼻水を生じさせます。また、ヒスタミン、ロイコトリエンは鼻の粘膜を腫れさせて鼻閉を起こします。一方、目ではヒスタミンが目の結膜を腫らしたり、知覚神経を刺激してかゆみを起こさせたりします。さらに免疫司令塔(Tリンパ球)の命令で好酸球が出動してきて、鼻や目の粘膜の炎症(赤く腫れる状態)をさらに激しくさせます。

 V.スギ花粉症の症状 

 スギ花粉症の症状は、スギ花粉を目や鼻から排除するための防御反応です。鼻がつまるのはスギ花粉を体内に侵入しないように物理的に空間を塞ぐことですし、涙やくしゃみは花粉を排除するための反応と考えられます。

@目の症状目のかゆみ、充血、涙目、目やに、目がごろごろする

A鼻の症状くしゃみ、はなみず、鼻づまり

B全身症状頭痛、頭重感、全身倦怠感、咽頭痛

 V.スギ花粉症の治療

○ 予防的(初期)治療

 スギ花粉症の治療は、まずスギ花粉の飛び始める前に、抗アレルギー剤(化学伝達物質遊離抑制薬)を飲み始めることから始めます。これを初期療法といい、花粉症の症状を軽くすることができるといわれています。抗アレルギー剤はシーズンの終わりまで続けることが大切です(スギなら5月上旬、ヒノキなら5月下旬まで)

 さらに、抗アレルギー剤の点鼻薬と目薬を使用して、様子をみます。

○ シーズンの治療

 大量に花粉が飛散し始めると、抗アレルギー剤だけでは症状が抑えられなくなります。症状がひどくなってきたら、ステロイドの点鼻と抗ヒスタミン薬の内服を併用します。また、漢方薬も副作用(特に眠気)が少なく、併用すると効果があります。

 以下に、それぞれの薬の特長を示します。

 

抗アレルギー剤

対症薬
抗ヒスタミン薬 ステロイド点鼻薬
薬の作用
  1. ヒスタミン・ロイコトリエンがマスト細胞から出るのを抑える
  2. ヒスタミンの作用を抑える
 ヒスタミンの働きを抑える  鼻粘膜の炎症を抑える
薬の効き方  花粉を吸入しても、症状が出にくくなる  花粉症の症状を抑える  花粉症の症状を抑える
効果の出る時期  1〜2週間後  20〜30分後。すぐ効くが、作用時間も短い  2〜3日後
副作用  弱い眠気  強い眠気  鼻に限定した使用のため、副作用は少ない
使用時期  シーズン前から毎日飲む  症状が出たら飲む  症状が出たら使用する
代表的な薬  クラリチン、アレジオンアレグラ、ザジテン、セルテクト、アゼプチン、アレギサール(点鼻薬もあり) ぺリアクチン、ニポラジン、タベジール、ホモクロミン、ジルテック フルナーゼ、リノコート

 漢方薬=小青竜湯、麻黄附子細辛湯、葛根湯加川弓辛夷が用いられます。

 W.スギ花粉症の生活上の注意

○花粉の遮断

 1.晴れて風のある日は外出を控える

 スギ花粉は晴れて風のある日に多く飛びます。このような日はできるだけ、外出を控えるか、マスクやメガネを着用します。

 外出時にメガネやゴ−グルを使用すると、目の結膜に接触するスギ花粉の数は1/3に減少するといわれています。コンタクトレンズのお子さまは花粉症のシーズンの間はメガネに変えることをお勧めしますが、コンタクトレンズを使用する時は、防腐剤無添加の人工涙液で洗眼することが必要です。

 スギ花粉症用の各種マスクもかなりの予防効果が期待できます。

 2.室内への花粉の侵入を防ぐ

 掃除の時以外は窓を閉めきり、花粉が室内に入ってこないようにします。布団や洗濯物は戸外に干さないか、取り込む時に花粉を十分叩き落とす必要があります。

 また、外出から帰ってきた時は、髪や衣服についている花粉をよく払い落としてから、家の中に入ります。表面が凸凹した花粉がつきやすい毛織物の衣服は避けたほうがよいでしょう。

 また、帰宅した時はお子さまに洗顔、うがいを励行させ、鼻水が出ている時は鼻をかませます。

○生活環境の改善

 1.環境をいつも清潔にする

 できるだけ、部屋の中は整理整頓し、ごみや花粉を部屋の中に残さないように注意しましょう。頻回の掃除も有効です。ふとんやカーペット、ベッドの下などを電気掃除機で十分吸いこみます。また、掃除機を使う際には、窓を開けて噴射口を室外に向けて行う必要があります。(花粉を室内に残さないため)

 2.ストレスを避け、十分な睡眠を

 過労やストレスは一般にアレルギーの症状を悪化させるといわれています。十分な睡眠と体力をおとさないよう、お母さまの配慮が必要と思います。

 3.かぜをひかないようにする

 花粉症の時期に流行るかぜは、鼻かぜを主な症状とするウィルスが多いです。鼻かぜは鼻の粘膜をさらにあらして、症状を悪化させるので、注意が必要です。(はやめに受診を)

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ダニアレルギーについて

気管支喘息のお子さまの80%は、ダニアレルギーを持っているといわれています。気管支喘息の原因になるダニの正確な名称は、「ダニ目-無気門-チリダニ科-ヒョウヒダニ属-ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ」です。このダニについて、少し詳しくみてみましょう。

 T.ダニの分類 

 ダニは昆虫ではなくクモに近い存在です。体はあたま(頭胸部)と胴体(腹部)の2部に分かれており、足は4対8本あります(ちなみにノミ・シラミは昆虫です)。大きさは大体0.1〜0.8mmで、種類は地球上で4万種以上と考えられており、日本からは1700種以上報告されています。ほとんどは森林などで自由に生活しており、ヒトと関係するダニは極少数です。

 「ダニ全書」より

 ダニは次のように分類されます(図はダニ目の分類図)。 陰気門(一番右)にはイエササラダニが属し、畳の中でカビを食べて生活しています。無気門(右から2番目)は、畳や家具食器に付着するコナダニと、アレルギーの原因になるチリダニと、人の皮膚にトンネルを掘って疥癬を起こすヒゼンダニが含まれます。このチリダニが喘息の原因になります。前気門(右から3番目)には、住宅内に発生しヒトを刺すツメダニが属します。中気門(中央)には、ねずみやにわとりに寄生しヒトを刺すイエダニやワクモが含まれます。後気門(左から3番目)には野外に生息し、ヒトから血を吸う大型のマダニなどが属します。  

 U. ヒョウヒダニについて

 

ヒョウヒダニ(チリダニ)は大きさが0.2〜0.5mmの小さなダニで、卵から成虫になるまで、15〜20日であり、寿命は2〜3ヶ月です。イエダニやツノダニのように刺したりすることはありません。このダニは、人間のアカや抜け落ちた髪の毛などをえさにしているため、高温多湿で餌となるフケやアカなどが沢山存在する6〜7月に盛んに増えます。密閉され湿度も高い、現在の日本の住宅構造は、ダニにとってきわめて快適で、繁殖の温床となっています。特に8〜9月は、増加したダニが寿命で死ぬため、ダニの死骸が増える時期になります。ダニによるアレルギーは、生きているダニそのものよりも、その死骸や糞が原因で起こることが多いため、秋口はダニアレルゲン量が最大になります(次ページ図)。これが秋に喘息発作の多い原因の一つとも考えられています。

 V.ダニが好む環境

 ダニが繁殖するには、@温度:25℃、A湿度:65〜75%、Bえさ、C棲み家が必要です。

@温度:気温が25℃以上になるのは春から秋ですが、冬でも暖房をかけていると、ダニの好む温度になります。

A湿度:湿度が60%を超えるのは、日本では6〜9月ですが、その他の季節でも加湿の仕方で60%を超えてしまいます。ふだんの生活湿度は50%を目安とすると良いと思います。

Bえさ:ダニのえさはヒトや動物(ペット)が落とすフケヤ食べカス、カビ、ホコリです。えさとなる物を掃除して減らすことはダニ対策で重要です。また、お子さまに食べ歩きさせない注意も必要です。

C棲み家:ダニの繁殖場所ベスト4は、じゅうたん・カーペット、寝具(ふとん、毛布)、布製ソファー、ぬいぐるみです。条件が良ければ、一家庭内にいるダニは数千万から一億匹を超すといわれています。

 W.ダニの増加の原因

 昭和30年〜50年ころ、日本の家屋は木造から、コンクリートやプレハブの機密性や保湿性の高い、洋風住宅に変わっていきました。洋風住宅に使われたアルミサッシは機密性に優れ、すきま風が入らず、また冷暖房完備により、室温は1年中一定に保たれました。その上、専業主婦が少なくなり、家の中は一日中閉切りの家が多くなり、大掃除、虫干しなどの習慣もすたれてしまいました。このころから、ダニが急増するようになったのです。

 X. ダニの多い場所

 室内のホコリの中にダニはいるのですが、小さくて目につきません。ふとんや枕の中、床には特に多く、ソファー、カーテン、ぬいぐるみなどにもたくさん生息しています。床はジュウタンが一番ダニが多く、たたみ、フローリングの順に少なくなります。室内で毛のあるペットを飼っている家では、ダニが多いことが明らかにされています。

 Y.ダニを減らすには

 住宅内のダニを全滅させることは不可能です。また、その必要もありません。ダニ数を最小限にするためには、通気を良くして湿気をとる。ごみやほこりを減らして清潔を保つ。この2点に気をつけましょう。

 @通気を良くして、湿気を取るには、できるだけ換気をします。ことにダニが繁殖する初夏から秋は冷房中も換気に気をつけます。除湿機は使用しても良いでしょう。畳やじゅうたんから湿気を追い出すために、なるべく天日干しを励行したいものです。

 A清潔を保つため、掃除をまめに行いたいものです。なるべく、必要のない家具は整理しましょう。また、拭き掃除はホコリ取りに効果的ですが、湿気を残さないよう、から拭きが良いと思います。

 B掃除の具体的な進め方

○ 床の掃除

 1.畳の場合

 畳1畳あたり30秒以上かけてていねいに吸引します。週1回の掃除で、1ヵ月後には1/10にダニ数を減らすことができるといわれています。また、畳は水分を1畳あたり500cc吸収するといわれているので、定期的な乾燥(畳の端を少し上げて通気させるだけでも良い)が勧められています。

 2.じゅうたん・カーペットの場合

 じゅうたんはできる限り取り外しましょう。じゅうたんに掃除機をかける場合は、1畳あたり5分以上かけて念入りに吸引します。通気を良くし、乾燥に努めることも重要です。カーペットは、なるべくはがして天日干ししたり、その下裏側を掃除できるようにしたいものです。素材としては、ウールや麻で、裏張りが天然ゴムやジュートのものが無難です。枕の中身は、ダニが好むソバ、羽毛、羊毛は避け、プラスティック製のパイプ枕などが勧められます。

○寝具の掃除

 ふとん表面のダニ数は、ホコリ1gあたり約3000匹といわれ、その内部の綿には数百倍のダニとフンがかくれています。寝具の材料は、羽毛・羊毛などの動物性素材は好ましくありません。ふとん綿は綿100%、または化学繊維のもので、布地は木綿が良いでしょう。

 1.寝具を天日干しして、掃除機をかける

 できるだけ、寝具は乾燥を心がけ、天気のよい日には天日干しをしましょう(目安は1週に1回)。チリダニは50℃、20分の加熱で死滅しますが、ふとんの天日干しでは中綿が50℃に達することはなく、熱でダニを殺すことはできません。しかし、湿度を40%以下に下げることはできるので、ダニの繁殖を防ぐ効果はあります。(チリダニの発育に最も適した条件は、温度25℃、湿度65-75%です)。

 ふとんは軽く室外ではたいて、ほこりを出した後取りこみ、さらに掃除機をかけましょう。

 チリダニの卵が幼虫になる期間が約1週間であるため、週1回は使用しているすべてのふとん、枕、毛布などの表裏両方に電気掃除機をかけます。特に毛布類は最もダニが繁殖しやすい寝具のため、できれば厚手のタオルケットのようなものに変えた方がよく、使用する場合は必ず1週間に1回は掃除機をかけなければなりません。掃除機はふつうの家庭用掃除機(210W吸いこみ仕事率、紙パック式)で十分で、1uあたり20秒かけて(ふとん1枚両面を3分以上かけて)吸引すれば、1uあたり100匹以下にチリダニを減少させることができるといわれています。このぐらいのダニ数になれば、喘息発作がほとんど起こらなくなることがわかっています。 また、ダニは線維にしがみつくと風速40mの風でも吹き飛ばされませんが、弱い風だと逆に飛ばされてしまいます。したがって、高価な強力な吸塵力の掃除機を購入する必要は全くなく、ふつうの掃除機で十分です。

 また、ふとんを敷いた後、寝るまでに30分以上時間をあけると舞い上がったホコリが落ち着き、吸い込む量が少なくなるといわれています。また、ふとんの上げ下ろしの際には、窓を開けて十分換気しながら行うと良いでしょう。

 2.ふとんの丸洗い

 ふとん丸洗いには、機械洗いと足踏み洗いの2つがあります。その効果は、ふとんを使用しない場合では1ケ月持続しますが、毎日使用する場合は、部屋の掃除の回数やふとんカバーの洗濯回数などで、その効果には大きな差がでてくるようです。時に業者に頼むのはよいでしょうが、いずれにしろ、掃除機をかけることは必要です。

 3.防ダニふとんカバーの使用

 ふとんカバーの繊維を高密度にし、ダニやダニのフンをふとんに入れない、ふとんから出さないようにする方法です。カバーの素材は、木綿より化繊(ポリエステル、ナイロン等)のほうが、高密度の生地を作れます。しかし、化繊素材にアレルギーを起こす人もいるため、製品選びには注意が必要でしょう。

 当クリニックには、防ダニシーツや防ダニふとんの見本を受付に置いてあります。ダニに対してアレルギーを持つお子さんの家庭内の環境整備では、寝具の対策が最も重要なため、その対策として、防ダニシーツや防ダニふとんの購入も考慮してよいと思います。一度、ご覧になって下さい。

 ただしこれらの製品は、一般のシーツ、ふとんに比べると高額であり、支払った金額に見合うだけの効果が得られるかどうかは人それぞれです。また、防ダニとは名ばかりの、アトピービジネスに類するインチキ製品も数多くあるため、ここではその効果が認められている商品だけを紹介しますが、すべてのお子さまに効果があるとは保証できません。購入にさいしては慎重に検討し、一度ご相談下さい。

 4.防ダニふとんを使用

 防ダニふとんも、中綿の繊維に薬剤を吹き付けたり、薬剤をマイクロカプセルに入れ、繊維の中に編み込んである防ダニ加工綿を使用した製品と、防ダニふとんカバーと同じく、高密度繊維でダニやダニのフンの侵入を防ぐ製品があります。

 薬剤使用の製品は、中綿にダニ忌避剤を使用しているものが大部分で、ふとんの側生地に使用しているものはありません。しかし、中には揮発性の薬品や殺虫剤系の薬品を使用しているものがあり、安全性の上で、問題のある製品もありますので、注意が必要です。当クリニックでは、これらの製品のうち、効果の認められている製品を紹介しています。

○ソファー、カーテンなど

 ソファーはビニールや皮製のものなら、掃除がしやすくダニもあまり増えません。 また、カーテンもホコリがたまりやすいため、数ヵ月に1回ははずして丸洗いをしましょう。

○ぬいぐるみなどの手入れ

 ぬいぐるみは頻繁に洗濯のできるタオル地のものや、ダニの繁殖できない材質の物(待合室においてあるデズニ-人形がそうです)にするか、ビニールの袋やケースなどにいれて飾っておくのが良いと思います。

○殺ダニ剤は使わない

 ダニの殺虫剤は床のダニを減らしますが、生き残ったダニがすぐに増えるので効果は長続きしません。また、強力な殺ダニ剤は人体に影響します。殺ダニ剤はお勧めできません。

○空気清浄機は限界がある

 空気清浄器はフィルターファン式とイオン式があります。フィルターファン式は空気中の家屋塵を減らす効果はありますが、家中の空気をすべてきれいにする効果はありません。また、フィルターの交換、周辺機器の掃除はこまめに行う必要があります。イオン式は音はしませんが、捕集効果が劣ります。また寝具のホコリは減らないのでこれだけではダニ対策にはなりません。室内の掃除をしっかり行い、床などのホコリを減らした上で使用することが大切です。

 Z. ダニアレルゲンの測定

 

最近、寝具やソファーのダニの汚染を手軽に測定できるキットが、アサヒビールから発売されました。「ダニスキャン」と言います。アサヒビールのアトピーネット.com のインターネットのホームページから通信販売されています。価格は2回分が1480円(送料、税込みで2079円)(24個セット17760円)です。簡単にダニの汚染の程度がわかり、値段も手ごろです。

 当クリニック受付に見本があります。もしもご希望なら、当クリニックでも患者さんにお分けしてします。

 

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