鈴の木版−予防接種のすべて(第1部)
T 予防接種の種類
U 定期接種
BCG
ポリオ
三種混合(DPT)
MR(麻疹・風疹)混合
日本脳炎 日脳ワクチン経過
V 任意接種
水痘
おたふくかぜ(ムンプス)
インフルエンザ インフルエンザ詳細
ヒブ(インフルエンザ菌b型) ヒブワクチン詳細
肺炎球菌(ニューモバックス) 肺炎球菌(プレベナー)
B型肝炎(ビームゲン)
ロタウイルス(ロタリックス)
子宮頸がん予防(サーバリックス) 子宮頸がん予防(ガーダシル)
Y その他の話題
予防接種には、定期接種と任意接種があります。定期接種はBCG(結核)、DPT(百日咳、破傷風、ジフテリア)、生ポリオ、MR混合(麻疹、風疹)、日本脳炎、老人のインフルエンザ(対象年齢規定)の6種類(予防する病気は全部で9種類)、任意接種はおたふくかぜ、水痘、ヒブ(インフルエンザ菌b型)、プレベナー(小児用肺炎球菌)、サーバリックス(子宮頚がん)、ガーダシル(子宮頚がん)、ロタリックス(ロタウイルス)、B型肝炎(母子感染予防事業以外)、インフルエンザ(老人以外)、A型肝炎(16歳以上)、ニューもバックス(老人用肺炎球菌)などです。いつからどんな順番で受けるかは、下の理想的な受け方を参考に、地域の接種スケジュールを確認しながら予定を立てましょう。
理想的な受け方
赤ちゃんは月齢が高くなるにつれ、ママから受け継いだ免疫が減って病気に感染する機会が増えてきます。ですから、感染する可能性が高い病気から優先的に。BCG、三種混合+ヒブ+プレベナー、B型肝炎と受けて合間にポリオを、次にMR混合といった順番で受けましょう。
任意接種は、費用がかかるので接種するかどうか迷いますね。ですが、実際に病気にかかると赤ちゃんに負担がかかるのはもちろん、ママも1週間〜10日間は赤ちゃんのそばにいて看病してあげなくてはなりません。それに、予防接種を受けることでほかの赤ちゃんに病気をうつすことも防げます。ぜひ、受けておきましょう。
| 月齢/年齢 | 接種するワクチン | 解説 |
| 2ヵ月 | アクトヒブ1 | ヒブ1回目+プレベナー1回目+ロタリックス1回目を同時に接種。(ロタリックスのみ経口) |
| プレベナー1 | (ロタリックスは生ワクチンのため、接種後4週間は他のワクチンは接種できない) | |
| ロタリックス1 | ||
| 3ヵ月 | DPT1 | 三種混合T期初回+ヒブ2回目+プレベナー2回目同時接種+ロタリックス2回目経口接種(ロタリックスは2回で終了)。 |
| アクトヒブ2 | (ロタリックスは生ワクチンのため、接種後4週間は他のワクチンは接種できない) | |
| プレベナー2 | ||
| ロタリックス2 | ||
| 4ヵ月 | BCG | 4ヵ月健診時にBCG接種。(BCGは生ワクチンのため、接種後4週間は他のワクチンは接種できない) |
| ロタリックスから4週過ぎていなければ、BCGは予備日まで延期。4週間あいた後の予備日に変更する。 | ||
| BCGも特別な理由がない限り、6ヵ月まで済ませる。 | ||
| 5ヵ月 | DPT2 | 三種混合T期2回+ヒブ3回目+プレベナー3回目同時接種。BCG接種後、4週経ったら、なるべく早く接種。 |
| アクトヒブ3 | (ヒブ、プレベナー最初1期の3回は終了。次回追加は1年後目安) | |
| プレベナー3 | ||
| 6ヵ月 | DPT3 | 三種混合T期3回+B型肝炎1回目同時接種。(DPTT期は終了。次回1年後) |
| B型肝炎1 | B型肝炎、不活化ポリオはこの時期から始める。 | |
| 6ヵ月1週 | イモバックス1回目 | 不活化ポリオ単独接種(DPT+B肝から、1週間以上あけて) |
| 7ヵ月 | B型肝炎2 | B型肝炎単独接種(1回目から1ヶ月後)(B型肝炎は1ヵ月間隔で2回、5ヵ月後に3回目) |
| 8ヵ月 | イモバックス2回目 | 不活化ポリオ単独接種(1回目から2ヵ月あけて) |
| (不活化ポリオは4混=DPT-IPVが登場すれば、DPTのスケジュールで接種。それまでは、6ヵ月、8ヵ月、1歳3ヵ月、4歳の4回単独接種) | ||
| 1歳 | MR | MR+水痘+おたふく+B型肝炎 同時接種。 |
| 水痘 | (5歳時に、3種とも追加接種推奨。MRのみ定期接種(MR2期)。他は任意接種扱い) | |
| おたふく | (B型肝炎は1ヵ月間隔で2回、5ヵ月後に3回目。今回が3回目) | |
| B型肝炎3 | ||
| 1歳3ヵ月 | イモバックス3回目 | 不活化ポリオ単独接種(MR,水痘、おたふくから1ヵ月以上あけて) |
| 1歳6ヵ月 | DPT4 | 三種混合T期追加+ヒブ4回目+プレベナー4回目同時接種。 |
| アクトヒブ4 | (1歳半健診ごろを目安とする) | |
| プレベナー4 | ||
| 3歳 | 日本脳炎T期初回 | 日脳T期初回単独接種。(日脳は、T期は3歳時に1ヵ月間隔で2回、4歳で追加1回、U期は9歳時に接種) |
| 3歳1ヵ月 | 日本脳炎T期2回 | 日脳T期2回単独接種。(次回T期追加は1年後) |
| 4歳 | 日本脳炎T期追加 | 日脳T期追加単独接種。(次回、日脳U期は9歳) |
| 4歳1ヵ月 | イモバックス4回目 | 不活化ポリオ単独接種(不活化ポリオ終了)(2013年には定期接種になっている可能性あり) |
定期接種・任意接種
ある年齢になったら「保護者が積極的に接種に努めなければならない」とされているのが定期接種。義務ではなくとも病気の危険性から国や自治体が強く予防接種を勧めているもので、決められた期間内なら公費の補助(多くの地域では無料)で接種でき、万一事故が起こったときには予防接種法の適用により、死亡時には最高4280万円の補償が受けられます。
任意接種は、希望者だけが受ける予防接種。自費になりますが、任意接種の対象になる病気もやはり合併症や後遺症の危険性を伴うので接種が勧められます。なお、任意接種でも薬害補償制度の対象になり、健康被害の起きた場合は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」により、最高713万円の補償が受けられます。ただ、任意接種に含まれるワクチンも、重要度からいえば定期接種のワクチンと変わりません。そのため、任意接種のワクチンも定期接種として、十分な補償のもとに無料で接種できるよう、現在運動が進められています。
生ワクチン・不活化ワクチン
生ワクチンは毒性をごく弱くした病原体を生きたまま接種して、病気に軽く感染させて免疫力をつけようというものです。体内で病原体が殖えるので、接種後4週間はほかの予防接種が受けられません。
不活化ワクチンは死んだ病原体の成分やその毒素を無毒化して用いるため、免疫反応を起こすのに十分な回数だけ接種する必要があります。接種後1週間たてば、ほかの予防接種が受けられます。
集団接種・個別接種
集団接種とは、予防接種に適した年齢になった赤ちゃんが、地方自治体ごとに決められた日時、会場に集まって受ける予防接種のこと。生ポリオのほか、BCGも集団接種が行われています。BCGは、4ヵ月健診の時、集団接種で行われる方式の所が多いようです。また、品川区では、5月と10月に生ポリオの集団接種が行われています。
一方、かかりつけの小児科などに行って、個人で受ける予防接種が個別接種。こちらは赤ちゃんのことをよく知っている医師による診察が受けられ、赤ちゃんの体調で日程が決められるメリットがあります。
当クリニックの予防接種の詳細は、外来診療のご案内を参照下さい。
数日前
1.地域の予防接種スケジュールを確認
予防接種は各自治体によって実施させているので、自治体からスケジュールのお知らせがあります。ただ、事前に通知が来る自治体もあれば、広報などに掲載されるのみの自治体
も。通知の有無などあらかじめ先輩ママや保健所に確認して、くれぐれも接種日を見逃さないように。品川区では、保健所から予診票を郵送してきます。また、かかりつけの小児科の先生にスケジュールを立てていただくのもよい方法です。
2.予防接種について理解しておく
右は財団法人予防接種リサーチセンターが発行している、予防接種の冊子「予防接種と子どもの健康」です。予防接種の一覧や接種対象の病気、受けるときの注意などが細かく記載されています。よく読んで予防接種への理解を深めておきましょう。ほか、自治体で独自のパンフレットを作って配布している所もあります。受け取ったら、必ずきちんと目を通しておくことが大切です。
3.接種日・場所・時間などをチェック
集団接種は決められた日時・場所で実施されるので、カレンダーに記入するなどして忘れないように。また、当日、どうしても行けない場合は保健所に問い合わせましょう。集団接種の場合、予備日があることが多いです。個別接種の場合は受ける病院へ連絡して相談しましょう。
前日
前日までに予診票に記入
予診票は赤ちゃんの体調や体質を医師に伝える大切なデータです。地域によっては当日配布されることもありますが、あらかじめ入手できる場合は入手して、前日までに必要事項を正確に記入しておきましょう。当日、この予診票を医師に見せて、予診を受けます。
当日
1.赤ちゃんの体調を確認
当日は家でも赤ちゃんの体温を測って、平熱か確認しておくと安心です。受けられる目安は37度5分。ほかにも、うんちはいつもと変わりないか、体に発疹など出ていないかなど、赤ちゃんに変わったところがないかチェックしましょう。授乳は接種30分前までに済ませておきます。
2.持ち物はOK?
予診票と母子手帳はくれぐれも忘れないように。おむつやタオルも必需品です。泣いたときにあやすおもちゃ、吐いたときのための着替え、飲み物、ミルクなど持っていくと、会場で役に立ちます。
3.脱ぎやすい服でGO!
予診や接種で、脱ぎ着せがひんぱんにあります。前あきの服など、着せやすい服を選びましょう。腕だけでなく、お腹や背中が出しやすいかも考えて。
会場で
1.BCGはよく乾かしてから服を着せる
ワクチンが確実に吸収されるように、必ず乾いてから服を着せるようにします。ママの髪や服にも注意しましょう。髪の長いママは、まとめておくとじゃまになりません。
2.接種後はしばらく会場で様子を見る
ごくまれですが、接種後に急なアレルギー反応が起こることがあります。接種後、30分が理想ですが、少なくとも15分ぐらいは会場にいて、赤ちゃんの様子を見ましょう。
当クリニックでは予防接種の後は15分は院内で経過を見るようにしています。
帰宅後
1.いつもどおりの生活を
特に安静にする必要はありません。激しい運動は避けたほうがいいですが、普通に遊んで大丈夫。授乳や離乳食も赤ちゃんのぺ−スで与えてかまいません。
2.人ごみを避ければ外出もOK
わざわざ外出したり、遠出したりすることはないですが、買物などはいつもどおり連れていってかまいません。人込みはできるだけ避けて。
3.お風呂にも入れます
接種後1時間たてば、当日でも入浴できます。ただ、接種した部分はこすったりしないように気をつけましょう。
●予防接種の内容
定期接種。生後0ヵ月から6ヵ月が接種年齢とされていますが、3ヵ月以降をお勧めします。品川区では3〜4ヵ月健診のときに健診会場で集団接種で行ないます。
●予防する病気
結核を予防します。特に、新生児や乳児に多い後遺症を残す恐れのある結核性髄膜炎や粟粒結核を防ぐことが明らかにされています。
●接種の方法
上腕に生ワクチンをつけ、9本の針があるスタンプで2ヵ所に押し付けて接種します。抗体ができ始める3〜4週間後になると、スタンプのあとがジクジクしてきます。
Q. BCG接種後、乾かないうちに触っても大丈夫?
BCGの接種後、よく乾かしてから服を着せるように言われるので心配になりますね。たしかに、ワクチンを確実に入れるためには触らないほうがいいのですが、実際はスタンプの針を刺す時点でワクチンはしっかり体内に入っています。少しぐらい洋服でこすれたり触ったりしても、ワクチンのつきに影響することはないでしょう。あまり神経質になる必要はありません。
Q. BCG接種後、あとがつかないけれどいいの?
BCGの接種がうまくゆけば、接種後3〜4週間目ぐらいからスタンプを押したあとが赤くなってきます。全部あとがつかなくても、合計18本の針のうち半分の9ヵ所が赤くなれば抗体ができたと考えていいでしょう。でも、2ヶ月後ぐらいになってもスタンプのあとが全くなかったら、抗体ができていない可能性があります。かかりつけの小児科で相談したほうがいいでしょう。
Q. BCGのあとが1ヵ月以上はれています。大丈夫かな?
正常な反応なので心配ありません。接種してから3〜4週間後に接種のあとが赤くなったり、多少うみが出るのはBCG菌(ウシ型結核菌)が体内で殖えて体が菌と闘っている証拠。1〜2ヵ月後にはかさぶたになります。また、時にわきの下のリンパ節がはれる赤ちゃんもいます。この場合もふつうは接種部位と同様に1〜2ヵ月で自然に消えますが、大きくはれたうみが出たりして、いつまでも治らないときは小児科を受診して。
●予防接種の内容
生後3ヵ月から受けられる定期接種で、小児まひを予防する生ワクチンです。毎年春と秋の2回、自治体ごとに集団接種で行われるケースがほとんどです。
●予防する病気
小児まひは、ポリオウイルスが口から入って感染する病気。感染しても症状が出なかったり、下痢やかぜ症状だけで終わる人がほとんどですが、約2000人に1人の割合で手足がまひし、最悪の場合、呼吸まひで死亡する重症例がみられました。日本からポリオの患者があっという間に見られなくなったのは、ポリオワクチンのおかげです。
●接種の方法
三つの型のポリオウイルスのワクチンが入ったシロップをスポイトで飲ませます。1回に0.05mlずつ、6週間以上あけて計2回接種します。
Q. なぜポリオは集団接種なの?
ポリオの抗体は、ワクチンに含まれるウイルスが腸管内で増えることによって作られます。そのためワクチンのポリオウイルスがうんちに混じって排泄され、その地域にはワクチンのポリオウイルスがあふれることになります。そしてウイルスが人から人へと感染し、そのうち毒性を取り戻して病気を起こす可能性がないとはいえません。こういった理由で、我が国では地域で一斉に接種し、だれも予防接種を受けそびれていない状態にしようと、集団接種が行われているのです。
Q. 下痢だと受けられないのはどうして?
下痢していると、ポリオウイルスは下痢の原因となるウイルスの影響を受けて腸内で増殖できないまま排泄されてしまいます。ですから、明らかに病的な下痢のときは接種を控えたほうがよいでしょう。でも、ふだんから便がゆるめなだけなら、接種してもかまいません。また、接種後にひどい下痢をしたときは、便とともにワクチンが排泄されて抗体がついていない可能性があります。保健所に相談し、念のためもう一度接種を。ワクチンを飲んだから下痢を起こすという心配はありません。
Q. どうして2回も受けるの?
ポリオのウイルスには1型から3型まで三つの血清型があり、ワクチンにもこの3種類の弱毒化したウイルスが含まれています。しかし一度きりの接種では、3種すべての抗体は誘導されないため、2回接種することになっています。とはいっても、2回でも3型すべてに十分な抗体をつけるには不充分だといわれています(本来なら、3回必要)。もしもポリオの感染が危惧される外国へ行く場合は、もう1回追加接種を受けることが必要です。
Q. 接種直後、指しゃぶりをしてはだめ?飲んだり食べたりもいけない?
ワクチンはごく微量でも、一瞬にして口の中に広がるように作られています。ですから、指しゃぶりをしても問題ありません。また、少し時間をあければ飲んだり食べたりしてもかまいません。
また、よだれが多くて、ワクチンが流れてしまわないか心配になりますが、この点でも大丈夫。よだれで流れる分も計算して接種量が決められているので、必要な量はちゃんと接種されています。
Q. 接種後、吐いてしまったら受け直す?
ポリオはたとえわずかでも、ちゃんと飲み込んでいれば腸管の中で増殖して抗体ができます。ですから、帰宅してからなど、しばらくしてたってから吐いたなら飲み直さなくていいでしょう。
たしかにポリオの予防接種をすると、2〜3週間はワクチンのウイルスがうんちに混じって排泄されます。ですから、うんちに触るなどすれば感染する可能性はあります。
2000年5月に、福岡県と大分県でポリオ集団接種後に2名のお子さまに足のまひ、急性脳症があらわれたとの報告があり、ポリオの集団接種が一時中断されたことがありました。しかしこれらの2例は、その後の専門家の調査で、ワクチンとの因果関係が否定されたため、2000年秋のポリオ集団接種は再開されました。その直後、今度はポリオワクチンを飲んだ子どものお父さま(37歳)がポリオ様まひを生じた、と報告されました。この方は、ポリオワクチンを接種していませんでした。この例は、質問のようなポリオ接種後のうんちから感染した例(750万回に1回おこるといわれる)と考えられます。
ポリオ生ワクチン接種でも、100万回に1回は副反応としてお子さまにポリオ様まひ(ワクチン関連麻痺)を生ずることが知られており、ポリオ生ワクチンは全く副反応がないわけではありません。そのため、現在不活化ワクチンへの転換が焦眉の課題になっているのです(詳細は次項)。
2002年4月19日、読売新聞は『ポリオ生ワクチン中止−「不活化」接種に転換』という記事を報道しました。この記事では厚労省が2003年からポリオワクチンを(欧米のように)不活化ワクチンに変更することを決定したと書かれていますが、実際にはポリオワクチンの変更を審議会で審議することになった、ということが真相のようです。この誤報記事に対し、読売新聞から訂正記事や読者に対するお詫び等はいっさいありませんでした。(いわゆるマスコミには、この種の見こみ記事や誤報が少なくありません。しかも最近、新聞やテレビでは悪意のない誤報記事だけでなく、ただただセンセーショナルな反響を狙った、意図的で悪質な捏造記事、番組が増えてきています。直近では、2011年4月4日「NHK朝イチ」で同時接種に対する根拠のない誹謗番組が放映されました。
新型インフルエンザ騒動やタミフル騒動もそうでしたが、テレビ、新聞などがセンセーショナルに報道すると、このチンドン記事を馬鹿正直に真に受けて、右往左往しパニックを起こす人たちが少なくありません。逆にこのようなマスコミ信者の人々がいるからこそ、テレビや新聞のマスコミ連中は愉快犯のように捏造報道を乱発して、視聴率を稼ぎ、面白がってにやにやと馬鹿騒ぎする人々を眺めているのです。新聞やテレビの「報道」記事、「報道」番組には必ず「視聴率を稼ぐため、面白おかしく記事を膨らます。場合によってはでっち上げる」というバイアスがかかっていることを忘れてはなりません。
ポリオ生ワクチンは、全身の免疫のほかに腸管での局所免疫もできる、効果が一生続く、値段が安価で接種方法も簡単(飲ませるだけ)というように優れたワクチンです。ただし、ポリオワクチンの本文でも述べたように、先祖帰りして毒性を取り戻し、ワクチン関連麻痺を100〜400万回に1回のわりで起こすこと(日本だと毎年1名ぐらいは起こりうる)などの問題があります。
不活化ワクチンの欠点としては、腸管免疫が弱いこと(ポリオウイルスの侵入を防げない)や1回のみの接種では免疫が不充分なため、DPTのように何回も接種を繰り返さなければならないこと、高価なことなどが挙げられます。しかし、不活化ポリオワクチンは生ポリオワクチンの副反応である、ワクチン関連麻痺やポリオワクチン未接種者への感染は起こらないため、我が国でも、多くの小児科医が不活化ポリオワクチンの導入を強く求めてきました。しかし、不活化ポリオへの転換は厚労省ペーパー医者役人の不手際、ミスリードにより、10年以上遅々として進んでいません(下記報道記事参照)。そのため、2010年日本では認められていない不活化ポリオワクチンを個人輸入し、希望者に接種する医療機関が出現し、その後実施医療機関は続々と増えている状況です。
現在アメリカなどはDPTと一緒に4種〜6種混合ワクチンとして、ポリオ不活化ワクチンの接種を行っています(以前は日本と同じように、生ワクチンを接種していました)。しかし変更の準備として、まず生ワクチンと不活化ワクチンを併用し、それから不活化ワクチン単独に移行しています。我が国も、不活化ポリオワクチンに切り替えて、円滑に生ワクチンから移行することは焦眉の課題です。(不活化ポリオについてはこちら。)
しかし、野生のポリオはまだインド、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアで患者が発生し続けており、2010年にタジキスタンに侵入、大きな流行を起こしました(厚労省検疫所の発表はこちら)。最近中国新疆ウイグル地方にも広がっているという情報もあります(報道はこちら)。ポリオに対する抗体保有率が下がることは、野生ポリオの再流行をもたらすかもしれないのです。スケジュール通りにポリオの生ワクチンを接種するか、個人輸入で法の裏付けのないが安全性の高い不活化ワクチンを接種するか、保護者もよく検討しなければならない時代が来たようです。
2006年4月1日の報道によると、
ポリオの新ワクチン断念 不活化導入、数年以上先か(共同通信)
国内唯一のポリオ(小児まひ)ワクチンメーカー、財団法人日本ポリオ研究所(東京都東村山市)が、現行の生ワクチンより安全性が高いとして開発を進めていた不活化ワクチンの製品化を断念し、厚生労働省に提出した製造承認申請を取り下げていたことが4月1日、分かった。
単独で使うものとして申請していたが、厚労省検討小委員会が世界的に導入が進む4種混合ワクチンとするよう提言したため、それに沿って方針転換した。4種混合の製品化にはあらためて臨床試験(治験)や承認申請が必要で、生ワクチンからの脱却には数年から10年程度かかりそうだ。
とのことです。
不活化ポリオワクチンの説明はこちら。
不活化ポリオワクチンについてのさらに詳しい解説は、こちらをお読みください。
●予防接種の内容
百日ぜきと破傷風、ジフテリアの三つの病気を予防する不活化ワクチンです。定期接種で生後3ヵ月から受けられますが、公費負担の時期は自治体によって異なります。
●予防する病気
百日ぜきは百日ぜき菌が原因で、新生児期でもかかる可能性がある病気。しつこいせきが続き、肺炎や脳障害を起こすこともあります。破傷風はごく当たり前に土の中にいる菌で傷口から入り、けいれんなどを起こします。ジフテリアはジフテリア菌の毒素のために、心臓まひや呼吸困難で亡くなる危険性があります。
●接種の方法
T期とU期があり、いずれも腕に注射します。T期は3〜8週間の間隔で計3回打ち、その後1年〜1年半の間に4回目を接種。U期は11〜12歳で1回接種します。
Q. なぜ4回も受けなくてはいけないの?
三種混合で使う不活化ワクチンは、病原体の成分から作られています。生ワクチンのように、弱らせたウイルスを直接接種し、軽く病気にかからせて確実に抗体を作る方法とは異なり、不活化ワクチンは効果が弱いため、何度か接種を繰り返して免疫を確実にする必要があるのです。
初回3回の接種で一応免疫はできますが、1〜2年たつと弱まってしまうので、さらに4回目を接種して免疫力を高めます。
Q. 3種類のワクチンを一度に接種して大丈夫?
死んだ病原体の成分なので、3種類を一度に注射しても赤ちゃんの体に負担がかかったり、副反応が強く出る心配はありません。むしろ、三つの病気の注射を別々に受けるほうが、何度も赤ちゃんは痛い思いをして大変ですよね。
Q. すでに百日ぜきにかかっていても三種混合をうけるの?
百日ぜきは一度かかれば、抗体が作られるので、再度かかる可能性はほとんどありません。しかし、百日咳の正確な診断は難しく、もしかしたら「百日咳」の診断が異なる病気であるにもかかわらず、下されている可能性もあります。この場合は当然百日咳に免疫はできないわけですから、また百日咳にかかる危険があります。また、本当に百日咳にかかっていたとしても、三種混合ワクチンの接種は何も問題はありません。DPT接種をお勧めします。
Q. 3〜8週間おきに3回とあるけれど、どうしてそんなに間隔をあけるの?間隔があきすぎたときは?
一度だけの接種では、免疫力は次第に薄れていってしまいます。ところが、なくなる前にちょうどいいタイミングで再接種すると前以上にグンと免疫力が高まるため、間隔をあけるのですね。それを繰り返すことで、十分な抗体がつくわけです。
三種混合で最も大切なのは、決められた回数を受けること。ですから間隔があいても、なるべく早めに次回を接種すれば大丈夫。最初から受けなおす必要はありません。
Q. 注射したあとが、腫れやすいって本当?
平成8年のデータでは、三種混合のT期1回目を受けたうち、約10%で接種部位のはれなど局所反応が出ています。ほとんどの場合は数日で自然に治るので心配ないのですが、あまり腫れや痛みがひどいときは小児科を受診して。炎症止めなどの薬が処方されるでしょう。
また、月齢が高くなるほどはれやすくなる傾向があるようです。生後3ヵ月からスタートし、なるべく早く接種を終わらせたいですね。
●予防接種の内容
はしか(麻疹)と風疹を予防する生ワクチン。1歳から2歳の間に受ける定期接種です(1期)。
●予防する病気
はしかは、麻疹ウイルスが原因でおこり、今でも発病すると障害が残ったり命を落とす危険がある病気です。感染力はとても強く、自然感染すると10日間〜2週間で発病します。高熱が1週間も続いて発疹が出るのが特徴ですが、せきがひどく、中耳炎や気管支炎、肺炎、脳炎などを合併する恐れもあります。
風疹は、風疹ウイルスが原因で起こる病気。数千人に1人が合併症を起こしたり、妊娠初期にかかると「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれる可能性があります。
●接種の方法
定期接種では、1歳を過ぎてから(1〜2歳)1回腕に注射します(1期)。また、小学校に入学する前の1年間(前年4月1日から入学前日の3月31日まで)、5〜6歳の時点でもう一度、腕に注射します(2期)。
さらに、すべての子どもがMRワクチンを2回接種できるよう、平成24年度までの時限処置ですが、中学1年でMR3期、高校3年でMR4期として、2回目の接種が無料でできることになりました。
Q. 自然感染したほうが、免疫力が強いって本当?
はしかに限らず、どんな病気でも自然感染したほうが強い免疫力がつくに決まっています。もしも自然感染したのなら、もう予防接種は受ける意味がなくなってしまいます。
もともと予防接種のある病気は、障害が残ったり、死亡することのある恐ろしい病気ばかりです。だからこそ、自然に感染しないで免疫がつくように予防接種が開発されてきたのです。ときどき「自然にかかったほうが本当の免疫がつくから、わざとかからせた。」などと平然と言う親がいるようです。病気に無知な愚かなふるまいで、お子さまが気の毒です。
自然にかかったほうが免疫力が強く残るのは、それだけ赤ちゃんが苦しく辛い体験をした代償なのです。場合によっては死亡したり、重い後遺症が残るケースもあります。特に麻疹の場合は、SSPEという治療法のない恐ろしい後遺症もあるのです。(→麻疹)
予防接種は必ず受けましょう。
Q. 保育園に入園する前に、1歳前でも受けたほうがいいの?免疫がつかないと聞いたけど…
はしかにかかった人の年齢を調べると、感染した約半数が1歳半前に、またその半分が1歳前にかかっているという報告があります。したがって、保育園に入園する前に接種しておきたいと考えるのは意味のあることです。
ただし、1歳前だとお母さんから受け継いだ抗体の影響で免疫がつかないことがあるので、受けるなら生後9ヶ月以降を目安にすべきでしょう。1年後(1歳9ヶ月ごろ)さらに定期接種として追加接種を行います(このときはMR混合)。なお、1歳前に受けるときの接種は任意となり、費用は自己負担となります。
2006年4月からMR混合に変更されたため、従来のように1歳前に麻疹ワクチン(単抗原ワクチン)を任意接種で行い、1年後にMR混合1期を受けるとよいでしょう。次は5〜6歳の時点で2期の追加接種を受けることになります。ただし、乳児期の麻疹ワクチン接種については、医師の間でもいろいろな考えがあるので、かかりつけの先生とよく相談してください。
Q. はしか(MR)と三種混合の接種時期が重なったら、どちらを優先するの?
赤ちゃんも1歳を過ぎたら、百日ぜきにかかっても1歳未満ほど重症になる恐れは少なくなります。ところが、はしかは1歳過ぎでも自然感染すると重症になりやすい病気。また、はしかのほうが百日ぜきより流行しているので、1歳以上ならはしか(MR)を優先しましょう。
ただ、三種混合は不活化ワクチンのため、接種後1週間たてばほかの予防接種を受けられます。三種混合を打ち、1週間してからMR混合を接種してもいいでしょう。
Q. 接種後、熱や発疹が出るって本当?
MR混合ワクチンは、弱毒化した麻疹、風疹ウイルスに軽く感染させて抗体を作るもの。ですから10人に1人ぐらいの割合で、接種してから7〜10日目ごろに微熱や発疹など軽いはしかの症状が副反応で出ることがあります。ですが、接種2〜3日後に発熱したのなら、かぜなどほかの感染症が原因でしょう。
現在MR混合ワクチン接種は高度に精製されているため、卵アレルギーは問題ありません。
Q. 赤ちゃんが接種したら、風疹にかかったことのないママにうつる?
MR混合ワクチン中の弱毒風疹ウイルスが、接種した人からほかの人へうつることはありません。たとえママが次の子を妊娠していても、赤ちゃんに接種することは問題ありません。
しかし、もしもママやほかの家族がまだ風疹にかかっていないのなら、地域での流行による自然感染のほうが心配。ママが妊娠中でなければ、この機会にママ自身も、ほかの家族や赤ちゃんといっしょに、予防接種を受けましょう。
●予防接種の内容
日本脳炎を予防する不活化ワクチンで、生後6ヵ月から受けられる定期接種です。
●予防する病気
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを持った豚を刺したコガタアカイエカが人を刺してうつる病気。40度以上の高熱や嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害を起こし、後遺症が残ったり、亡くなることもあります。
●接種の方法
初年に1〜4週間隔で腕に2回注射。その翌年に1回追加接種し、さらに4〜5年に一度の割合で追加接種を受けます。
Q. 流行していないと思うけれど、受けたほうがいいの?
たしかに現在わが国では流行は見られませんが、毎年10人近くのの患者は発生しており、豚においては広範に日本脳炎ウィルスに感染していることが明らかにされています。さらに東南アジア、中国、インドでは現在でも流行が続いています(中国では乙型脳炎と呼ばれ、現在でも多数の死者が出ています)。かかると後遺症が心配な怖い病気ですから、どこに住んでいるかに関係なく、接種しておいたほうがよいと思われます。
Q. 何歳ごろ受ければいいの?
定期接種では生後6ヵ月から受けられますが、流行の中心となる地域以外では公費負担で接種できるのは3歳以降の地域が多いようです。はしか(MR混合)や三種混合など、かかると怖い病気から先に接種していき、その後に公費負担で受ければよいでしょう。
ただし、旅行や転勤などで流行の危険性がある地域に行くときは、かかりつけの先生と一度相談しておくとよいでしょう。
Q. 日本脳炎の接種が中止になったって新聞に出ていたけど?
残念ながら現状はその通りです。その経過を詳細に解説した別稿をごらんください。(→こちら)
ところが、2009年6月2日よりようやく新しいワクチンが発売され、2010年から不完全なかたちではありますが、積極的な勧奨も再開されました。(→くわしくはこちら)
さらに、2011年5月20日より、平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれのお子さまは、6カ月〜20歳未満の間、いつでも日本脳炎の定期予防接種を受けることができることになりました(→厚労省の発表はこちら)。これは遅きに失したとはいえ、朗報です。
●予防接種の内容
水ぼうそうを防ぐ生ワクチン。任意接種で1歳から受けられます。当クリニックは、1歳時にMR、水痘、おたふくの同時接種を強くお勧めしています。
●予防する病気
水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して起こり、強いかゆみを伴う水疱ができるのが特徴の病気。将来、帯状疱疹になることも。
●接種の方法
腕に注射を1回打ちます。(2〜6歳でMRと同じように追加接種が勧められています)
Q. 予防接種をしてもかかることがあるって本当?
本当です。もともと水ぼうそうのワクチンは、病気にかかると重症になりやすい白血病や免疫不全の子どもたちのために開発されました。そのため効き目がゆるやかで、接種しても約10%は後に自然感染してしまいます。
でも、ワクチンを接種すれば自然感染するより病気が軽く済むのは確か。自然感染すると高熱が出たり、かなり激しい水疱が出る子もいて、赤ちゃんにとって負担が大きくなります。やはり、受けておいたほうが安心できますね。
Q. いつごろ受ければいいの?
水ぼうそうは感染力が強い病気なので、1歳を過ぎたらなるべく早めに受けたいものです。とはいっても、はしかの予防接種がまだなら、まずMRワクチンを打つか、MRワクチンとの同時接種を考えましょう。また、生ワクチンは接種後1ヵ月たてばほかの予防接種を受けられます。したがって、MRワクチンから1ヶ月後に水ぼうそうの接種を受けてもかまいません。
Q. 感染している子と接触。急いで接種しても間に合わない?
ウイルスと接触してから2〜3日以内なら、予防接種を急いで受ければ発病を抑えられる可能性があります。確率は70〜80%。たとえ間に合わずに発病したとしても、ワクチンを接種していれば軽く済むことがほとんど。ぜひ早急に病院へ行き、接種しておきましょう。
もし、予防接種を受けそびれたのに発病しなかったとしても、今後、いつ感染するかわからないのですから、早めに接種しておくと安心です。
●予防接種の内容
おたふくかぜを予防する生ワクチン。満1歳から、任意接種で受けられます。当クリニックは、1歳時にMR、水痘、おたふくの同時接種を強くお勧めしています。
●予防する病気
おたふくかぜは、ムンプスウイルスに感染して起こる病気。2歳以上でかかりやすくなります。耳の下やあごの下がはれるほか、無菌性髄膜炎や脳炎を併発する恐れもあります。また、難聴の後遺症が残ることが少なくありません。
●接種の方法
腕に注射を1回打ちます。(5〜6歳でMRと同じように追加接種が勧められています)
Q. 副反応で髄膜炎になるって本当?
たしかにワクチン接種後、5000人に1人の割合で接種してから2〜3週間後に軽い髄膜炎にかかることがあります。ワクチン反対派はこれを根拠に「おたふくかぜのワクチンは髄膜炎になるので危険です!打たないで」などと吹聴しています。 髄膜炎とは、脳や脊髄を包んでいる髄膜という膜が炎症を起こして、けいれんを起こしたり、脳障害の後遺症が残るこわい病気。けれど、予防接種によるおこる髄膜炎は、大半が1〜2週間で治り、後遺症を残すことはまずありません。
一方で、おたふくかぜに自然に感染したときに起こる髄膜炎は約10人〜20人に1人という高率です。しかもより重症の脳炎(脳そのものに炎症が起こる)が6000人に1人の割りで起こります。また、永久に耳の聞こえなくなる「ムンプス難聴」が最近の報告だと、数千人に1人の割合で後遺症として残ることも明らかにされてきました。
確かにワクチンで髄膜炎をまれに起こすこともありますが、実際におたふくかぜにかかったときの合併症の頻度と重さとは比較になりません。予防接種でおたふくかぜを防いだほうが断然リスクは少ないといえるでしょう。
Q. 何歳までに受ければいいの?
おたふくかぜにかかりやすいのは、1歳から学童期の間です。1歳になったら、まずはしか(MR混合)の予防接種を優先させて。その次に受ければいいでしょう。MR(はしか)や水ぼうそうと同時接種がお勧めです。
Q. 親がおたふくかぜにかかっていない場合、親も接種しないとうつるの?
子どもが接種したワクチンによって、親やまわりの人が感染する心配はありません。
けれど、おたふくかぜにかかっておらず、予防接種もしていなければだれでも自然感染する危険は常にあります。特に、思春期以降にかかると、男性なら睾丸炎、女性なら卵巣炎を起こすこともありますから、ぜひお父さま、お母さまも予防接種を受けてくださいね。
●予防接種の内容
インフルエンザを予防する不活化ワクチンで、生後6ヵ月から任意接種で受けられます。
●予防する病気
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって、おこる病気。毎年冬になると流行し、かぜよりはるかに重症になるだけでなく、脳症や肺炎などの合併症が心配です。
●接種の方法
1〜4週間の間隔をあけ、注射を2回接種します。
インフルエンザワクチンについては、別項で詳しく解説しました。詳細はこちらをお読みください。
Q.重くなる病気なのに、どうして任意接種なの?
以前は義務接種として学校で集団接種が行われていましたが、このワクチンを受けてもかかってしまう人が少なくないことがワクチンの効果がないと誤解されたこと、当時は正確にインフルエンザを診断できなかったため、インフルエンザ以外の病気もワクチンが効かないインフルエンザとしてカウントされたため、「このワクチンは効かない」、「副作用が怖い」とワクチン反対派や彼らに操られた捏造左翼マスコミが大騒ぎしたために、平成6年から現行のような任意接種に格下げになってしまいました。それとともに一時接種数も激減したのです。
それとともに、インフルエンザワクチンを勧めることがタブー視されるようになり、新聞などでも毎年インフルエンザのシーズンになると、感染症の専門家とともに毎回同じ顔の、ワクチン反対派の自称「小児科医」が登場し、新聞記事でもワクチン勧奨派とワクチン反対派のコメントがちょうど半分ずつになるよう、記事が構成されていたのです。そして、記事の最後はワクチンを接種しましょう、ではなく、ワクチンについてよく考えましょう、という無責任なフレーズで結ばれていたのです。
ところがインフルエンザワクチンは、インフルエンザの発病は防げなくても、インフルエンザの症状を軽くし、死亡を減らすことが明らかになりました。アメリカなどは老人へのインフルエンザワクチンに以前から熱心でしたが、最近では「子どもでもインフルエンザにかかる!」といって、健康な子どもへのインフルエンザワクチンの積極的な接種を呼びかけるキャンペーンを始めています。そして、現在アメリカではインフルエンザワクチンの接種を6ヶ月の乳児から18歳の少年まで積極的に勧奨しているのです。(CDCの原文はこちら)
ワクチン反対派は「学童集団接種などという馬鹿なことをやっているのは日本だけ。外国はどこも子どもにワクチンなんか勧めていない。」などと非難していましたが、何のことはない、外国の方が1週遅れで走っていただけだったのです。(もっとも先頭を走っていた日本は、この後、このプロ運動家連中や無責任な捏造マスコミ、無能な厚労省の役人のために1周遅れどころか、北朝鮮とブービー争いをするところまで落ちぶれてしまったことは、周知のとおりです。)
さらに学童集団接種を行っている時には少なかった、老人のインフルエンザによる死亡者や乳幼児のインフルエンザ脳症が、集団接種を中止した頃から激増し始めたのです。健康な学童が集団でワクチンを受けることによって、インフルエンザにかかると重症になるお年寄りや赤ちゃんをインフルエンザの流行から守っていたのです。集団接種の中止により、老人や赤ちゃんがインフルエンザの脅威に直接さらされることになり、肺炎や脳症が増加したと考えられています。(同じ現象は7価肺炎球菌ワクチン接種でも認められました。アメリカで、7価肺炎球菌ワクチンが乳幼児に開始されると、高齢者の重症肺炎球菌感染症が減少したのです。)
このような経過に加え、目前に迫ってきた新型インフルエンザの過熱報道や、かつてのワクチンたたきを思わせる馬鹿げたタミフルバッシングによって(笑止なことに、現在なお、タミフルを勧めることが一部のマスコミ連中の間ではタブーになっているようですが)、インフルエンザワクチン接種は必要なことであり、積極的に勧奨するべきだ、という健全な常識的な考えが盛り返し、昨今の大勢を占める情勢になってきました。得意げに不勉強な捏造マスコミの手下記者連をはべらせて、「インフルエンザワクチンは打たないで」とお説教を垂れていたワクチン反対派の大御所は、育児雑誌に成りすました偏向雑誌とワクチン反対のインターネットの密教サイトに女「国立」サンチョ、下僕達とともに立て篭もり、今なお日本の子どもの健康を脅かすエセ情報を発信し続けています。
ワクチンバッシングのなかで、インフルエンザワクチンは任意接種に格下げになってしまいました。その結果、日本の保護者は高い接種料金を払って、任意接種の名の不利な条件の下で、インフルエンザワクチン接種を受けなければならない、という現在の状況に追い込まれてしまったのです。
Q.受ける季節が決まっているの?何歳ごろに受ければいいの?
インフルエンザがはやり始めるのは1月から。ですから、その前に接種を終わらせるため、10月下旬〜11月中旬に1回目、12月に2回目を接種するといいでしょう。また小さい赤ちゃんは、生後6ヵ月から接種を受けることができます。(→詳しくは別稿を参照してください)
Q.接種してもかかってしまうことがあるの?
インフルエンザはA型の中にもいくつものタイプがあり、しかも毎年流行する型が微妙に変わる面倒な病気です。そこでインフルエンザワクチンは流行しそうな型を予測して作られますが、違う型のウイルスに感染すると発病してしまうのですね。とはいえ、最近では予測も精度を増し、型が外れることは少なくなりました。
また、インフルエンザを発病したとしてもワクチンを接種していれば、重症化を防げます。合併症を起こす危険性も低くなることが期待されるため、予防接種は無駄にはなりません。(→詳しくは別稿を参照してください)