『P.S.』(第九十八訓補足)
副長。
あの旦那は、どうにも
俺如きがおしはかれる人じゃないようで。
なんだか、掴みどころがなくてね。
愛されてんだか 憎まれてんだか
周りを巻き込むくせに、人が集まってくるようで
え?
そんな事きいてないって?
攘夷志士?
いや… あんま…
わかんなかったんですけど。
でもね…。
土方は良く行く定食屋で報告書を読んでいた。
少し前に、何かと目障りな銀髪の男について調べて来いと部下に命じたもの。
『報告書
攘夷活動とか旦那はしてないと思います。
それは女の子がやっていないと言っていたからです。
あの娘の笑顔が見たかったんだろうな。と僕は思いました。
山崎 退』
「作文んん!?」
あまりにもつたない報告書に思わず辺りはばからない声を上げてしまった。
その時。
ペラリと一枚の紙が落ちた。
報告書にはどうやら続きがあったらしい。
『そうだよな。たったコレだけじゃ…』
気を取り直し、落ちた紙を拾い上げた。
そして真っ先に目に入ってきたのは、報告書にはあるまじき『P.S.』の文字。
『P.S.
旦那の怪我は、大分酷いようでしたが
志村宅を逃げ出そうと足掻くことが出来るくらいにはお元気でした。
副長。
そんなに旦那の怪我が心配なら、今度は自分でお見舞いに行ってください。』
〜〜〜〜〜〜っ。
バレてる!?
20070503UP
いまさらあんな命令出すなんて絶対に怪我が心配だっただけだよね。
(07、05、05)
おまけ
報告書にはさらに続きがあった。
『P.S.のP.S.
志村宅でうちの馬鹿を見つけました。
どうしてやりましょうか?あの馬鹿。』
「あの人は〜〜〜〜! 毎度揉み消すこっちの身にもなれ〜〜!!」