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homemade synthesizer
当サイトでの自作電子楽器 ( Homemade Electronic Musical Instruments ) は、アナログシンセサイザーやテルミンなど、自作あるいは市販品を改造したアナログ電子楽器を指しています。自作そのものが目的ではなく、私の音楽制作に必要なツールとして考案した電子楽器の記録であり、自作ノウハウを解説するものではありませんが、ものづくりの参考になれば幸いです。ただし、当サイトを参照しての自作、改造は全て自己責任でお願いします。

ウェーブキット・シンセサイザー WAVE KIT SYNTHESIZER 1977

wave kit synthesizer
wavekit_01
Homemade Synthesizer "WAVE KIT Micro Wave Synthesizer"

1975 年頃、電子雑誌か音楽雑誌 (?) に WAVE KIT というシンセサイザーキットの広告が載っているのを見つけ、興奮してカタログを取り寄せたことを思い出します。フェーズシフターなど各種エフェクター、リズムマシーンからシンセサイザーに至るまでキットが豊富に揃っていました。当時、そのキット販売店は秋葉原にあり、私は 1976 年頃から何度か足を運んだものですが数年後には無くなっていました。そのお店の人たちは今どこで何をしておられるのでしょうか?

Moog など当時のメーカー製シンセサイザーは高価なものばかりでとても学生の手に届くようなものではありませんでした。しかし、このキットはアナログシンセサイザーの基本構成を充分に満たしながら2万円台だったと思いますが、外装ケースは無いもののこの価格はかなり驚きでした。

キットの内容は、IC、トランジスタ、抵抗、コンデンサーなど電子パーツ、プリント基板、コントロールパネル、VR、SW、ツマミ、配線材などです。
カタログには外装ケース付きの完成写真が載っていましたが、いずれのキットにも外装ケースは付属していませんでした。
wavekit_02

回路構成は写真のパネルレイアウト、カタログからもわかるように 2VCO、LFO、Noise Generator、VCF、VCA、2EG となっていました。VCO の波形は、矩形波、ノコギリ波、三角波の3種類で、もちろん、ポルタメント、S&H 回路によるランダムノート機能 ( スイッチ追加 ) もあります。

外装ケースは自分の好みに合わせて自作することになりますが、当時はこれがまた楽しみでもありました。 裏面に外部入力端子を多数付加するのもマニアックなオシャレ?だったかも知れません。

コントロールパネルのデザインが moog に似ていたこともあって、私としては最初から Moog 風に仕上げるつもりでいました。
参考にしたのは特に Mini Moog で、何度も楽器店に通ってその造りを調べたものです。

本体ケースは、入手や加工が容易なものしか使えないので、ラジオ部品店でアルミシャーシ、日曜大工の店で工作用木板、塗料を買うことにしたのです。それでも一応それなりに加工して体裁は整えたつもりです。
鍵盤が付属していなかったので、Mini Moog 風ではない置き方もできるようにして、システムタイプのように垂直に立てることも可能です。

幸運にも本機は現存しています。

keyboard_for_wavekit


basskeyboard

SYNTHE KEYBOARD CONTROLLER 1977


WAVE KIT SYNTHESIZER 専用の鍵盤 ( Keyboard ) として製作したものです。

楽器店より譲り受けた古いエレクトーンを解体して、更に 61 鍵の鍵盤部を分断し、37鍵分をメインキーボードに、17鍵分をサブキーボードに割り当てました。

外装はシンセ本体同様、木板で化粧したので本体の前に置くと統一感が出てしかも高級感すら感じてしまうのは私だけでしょうか(笑)。

メインキーボード左側の黒い帯状の部分は、小型リボンコントローラーのように見えますが、実は太陽電池(セル)で、光を手で遮って音程やレゾナンスを変化させるための光コントローラーなのです。

サブキーボードは WAVE KIT の VCO-2 を低音域設定して Synthe-Bass として機能させるものでした。

残念ながらこれらの鍵盤はいずれも現存していません。
WAVE KIT が現存しているだけにキーボードが欲しいところですが、古い電子オルガン等の鍵盤は各鍵を並べている鉄製シャーシが頑丈で分断するのに苦労するので、今更昔と同じ加工をしたいとは思いません。


wave kit super effector 1

WAVE KIT SUPER EFFECTOR 1976

ウェーブキット・スーパー・エフェクターという組み立てキットです。
ウェーブキットシリーズの中で初めて組み立てたものです。キット内容は、IC、TR、C、Rなど電子部品、可変抵抗器 ( Volume )、プリント基板、ツマミ、コントロールパネルで、ケースは付属していません。
本機はエフェクターということになっていますが、これはもはやシンセサイザーと言っても良いでしょう。
基本構成は、フェーズ・シフター ( Phase Shifter )、VCO、NOISE、VCF、エンベロープ・フォロワー ( Envelope Follower )、MIXER となっています。
この中で特に嬉しいのがエンベロープ・フォロワーという回路で、これによって外部入力信号が制御用電圧に変換されるので、VCO や VCF をコントロールすることができるのです。これで手軽にギター・シンセやドラム・シンセの効果が得られます。もちろん普通にギターやドラムにフェーズをかけたり、VCF によるオート・ワウ等のエフェクト機能はありますが、より面白いのは、VCOを音源とするシンセサウンドをミックスすることでしょうか。

左図は、ラジオ用小型スピーカーと空き缶 (プラスチック蓋付き) を使って自作した簡易型パーカッション・コントローラによるドラム・シンセを構成した再現 CG です。
wave kit effector

Mini Synthesizer Synthi WKS (Prototype) 2010/1976

mini synthesizer
mini synthi
1970 年代中頃、都内の楽器店の多くは Moog や ARP をはじめとするあらゆるアナログ・シンセサイザーが集結して、シンセ博物館の様相を呈していました。中には、大型の Moog システムタイプ を置いている店もありました。それらを触って音出しも出来たので何度も楽器店に通っているうちに色々なシンセの使い方を覚えていました(笑)。

店頭に並ぶ多数のシンセ群の中で特に私の目に留まったのは、カラフルなツマミが並んだ不思議なアタッシュケースでした。それが EMS Synthi AKS というシンセサイザーだったのです。Moog のように、黒いコントロールパネルと木製ケースがシンセの姿だと思っていた私にとってこれは衝撃でした。 楽器というより通信機か何かのようで、しかも鍵盤の絵?に触れて演奏するというこの未来的な装置にすっかり魅了されてしまいました。初めて Moog を見た時以上の感動でした。小型の Mini Moog でさえ高価でしたが AKS はもっと高価だったこともあり、いずれも購入の機会はありませんでした。

一方で、ミニシンセをローコストで自作することも別の楽しさがありました。一度は「自分だけの小さな "EMS" 」を作りたいと思ったものです。しかしアナログ衰退と共に自作から遠ざかり、安価な割に高機能なデジタルシンセへ、更にDTMへと趣向が変わり現在に至りました。ようやく最近になって、静かなアナログブームに押されながら中断していた自作を思い出し「自分だけの小さな "EMS" 」作りが私の中で再起動したというわけです。


synth diagram
主要部の回路は、1976 年頃に自作した Wave Kit Synthesizer (強引に略して "WKS" ) シリーズの SA-12 というワンボード・アナログ・シンセサイザー基板キットです。
遥か過去の遺物ですが、一度も使われることなく現在まで新品同様に保存されて来たのはこの機会を待っていたからに違いありません。
SA-12 はメロディー演奏というより効果音発生器としての位置付けになっていますが、一通りのアナログ・シンセの基本構成は押さえてあります。VCO は2基あるものの1基は変調用 LFO となっているので発振周波数帯を上げて音源用に設定し 新たに LFO を追加します。これで音源部は 2VCO となります。

また、この手のシンセは鍵盤よりシーケンサー ( Sequencer ) での演奏が主になります。EMS Synthi AKS にはタッチ式鍵盤 ( Touch Keyboard ) 入力のデジタルシーケンサーが搭載されていましたが、ここではアナログ・シーケンサーで充分だと思います。 鍵盤は無くても良いのですが、Wave Kit 付属マニュアルの参考資料に載っていたタッチ・キーボード回路が使えそうなので、補助的な手弾き演奏用に加えることにしました。
また、EMS の特徴であるパッチ・ピン・マトリックスも欲しいと思いましたが、ここでは回路が単純でパッチ接続は必要無さそうなのでとりあえず省略ですが、ENV (Envelope Generator) で VCO のピッチを制御する等の追加要素も考えられるのでタッチキーボード付近の空きスペースに簡易型ピンボードを追加しても良いかと思います。
コンパクトな工具ケースにバーニアダイアルと色分けしたツマミ群を配置すれば一応"小さな EMS" を装うことができます。パネルレイアウトは EMS Synthi VCS3 も参考にしました。

この EMS を想起させる自分だけの小さなアナログシンセを作るのが長年の目標でしたが、 この製作意図は、ミニチュアレプリカ製作が本旨ではなく、演奏ビデオ等での映像効果を狙ったもので、デジタルサウンドに 70 年代的アナログサウンドを取り入れた自分の音楽コンセプトの視覚的シンボル設定にあります。ならば AKS (ヴィンテージ) を入手すれば早いのかも知れませんが、依然高価でありメンテナンス等を含めるとリスクが大きいと思われます。超小型であることの意外性やデジタル機器類と並べた時のバランスの良さなどを見ると、この自作モノはローコストながら独自性のアピールも出来そうに思えます。
 

COMPACT SYNTHESIZER GAKKEN ― 楽 鍵 ― 2010

compact synthesizer
casio gakken
傾斜した黒コントロールパネルに多数のツマミ、木製ケースという Moog タイプの超小型アナログシンセを簡単に作る方法です。3台の 学研 SX-150 を使ってそれらしいルックスが簡単に得られます。
3台の 学研 SX-150 搭載ですが、これはできるだけ見た目上ツマミの数を増やしたかったのと、たまたま入手した鍵盤の幅が、SX-150 を3台並べた幅と同じくらいだったのでこうなってしまいました。パッと見だけはドキッ!とするでしょうか?
あらかじめ SX-150 には改造を施しておきます。カーボンパネル部分を簡易リボン・コントローラー化しますが、右端の1台だけはカーボンパネルのままにします。電極棒によるスライド奏法も効果として面白いからです。ただし、付属の電極棒はテスターみたいで見た目がちょっと?なのでスタイロホンのペン型電極棒 ( stylus ) を拝借しました。その他、チューニング用 VR (可変抵抗器)、鍵盤/リボン切替スイッチ、出力 VR を付けます。出力 VR は、3台の音量バランスを調整するミキサー役です。

3台のシンセサイザーが組み込まれていればポリフォニック・シンセサイザーみたいなものです。だからできれば鍵盤は、レイヤでもスプリットでも設定可能にしたいところですが、きちんとした鍵盤回路は少々複雑で面倒な上、SX-150 は音程の安定性から見て鍵盤回路を組んでもあまり報われないように思えます。カタチ先行でせっかちな私としてはとりあえず、単純に鍵盤数分の半固定抵抗器を並べるだけに留めました。それで、3台の SX-150 を鍵盤左端から12鍵ずつ (3番目のみ13 鍵 ) 割り当てたスプリット式で妥協することにします。鍵盤の1オクターブ毎に異なった音色や音程になる場合もあって奇妙ですが、これでも両手で弾けて部分的には三声の演奏も可能なので意外に面白いと思います。

鍵盤部は、リサイクルショップで見つけたカシオ・ミニキーボード ( Casio mini keyboard ) のジャンク品を分解して流用しました。ミニ・キーボードの鍵盤は導電ゴムによるスイッチになっているので流用には注意が必要です。導電ゴムは電気抵抗がゼロではないのでそのまま接続すると音程が狂ってしまいます。今回の場合は、半固定抵抗器で1音1音調律する原始的方法なので問題ありません。

メロディー演奏より効果音発生器的な使い方を主体に考えているので、鍵盤の存在は、見て楽しむ為、ステージ効果とか写真映りの為にあるのです(笑)。
と、一応割り切ってはいますが、鍵盤 SW 導通検出回路、S / H 回路を組んで、CV と Gate Trigger を得られるようにすべきかと思います。
あるいは、簡易 MIDI インターフェースを作り、市販の小型 MIDI キーボードを流用した方が良いかも知れません。黒いボディーの MIDI キーボードなら鍵盤と基板をボディーから外すことなくそのまま組み込んでもカッコつきそうです。
 

ペダル・シンセサイザー PEDAL SYNTHESIZER 2010

pedal synthesizer
改造した学研 SX-150 をベース・シンセにするアイデアです。
ペダル鍵盤は、ヤマハエレクトーン B-3 ( YAMAHA ELECTONE B-3 ) 付属の足鍵盤です。何と1964 年 (昭和 39 年) 製の超レアモノ?です。ベース・ボックスという製品名で、エレクトーン本体から独立していて、専用ケーブルで接続していました。このエレクトーンは昭和 52 年頃に楽器店から中古品を譲り受けたもので、上段鍵盤は以前に WAVE KIT SYNTHESIZER 用に改造しました。その後処分してしまいましたが、このペダル鍵盤は手付かずのまま現存しています。いつかアナログ・シンセ・ベースに使いたいと思っていましたが機会が無く何十年も経っていました。
このペダル鍵盤はアナログ時代のものなので、スイッチ部は金属接点の単純なものとなっています。これが改造には好都合で、鍵盤数の抵抗器もしくは半固定抵抗器を並べればそのまま学研 SX-150 に接続できます。この場合 SX-150 はピッチ調整 VR で低音域設定にしておきます。
 

簡易型リボン・コントローラー RIBBON CONTROLLER SX-150RC 2009

ribbon controller

学研 SX-150 のカーボンパネルを簡易型リボン・コントローラーに改造してみました。ハンダ付けは不要で僅か30分で完成という超安直な代物です。
付属の電極棒は外し、その代わりにラッピング・ワイヤーというビニル導線を使います。これがカーボンパネル接触用電極の代役を引き受けます。
ラッピング・ワイヤーは細い針金のような硬めの導線にビニルが被覆されている電気配線材で、電子回路の基板裏のジャンパー線 (回路短絡用) としてよく使われます。この適度な硬さの金属導線がとても都合が良く、SX-150 のカーボンパネル面から僅かに浮かせて (ゴムシート片をスペーサーとして)、指で押さえた時だけ接触するように適度に張ることができます。指で押さえながら左右に移動することは、電極棒の先端がカーボン上をスライドするのと同じ原理です。ただ、指幅が接触面を大きくしてしまうので電極棒のような微細な接点というわけにいかず、デリケートな演奏は困難かも知れません。本物のリボン・コントローラーは距離が長いので指幅のハンディはカバーできるわけです。
製作上での注意点は、ラッピング・ワイヤーをカーボンパネルのビスに引っ掛ける際にラッピング・ワイヤーの金属導線部がビスに接触しないようにすることです。必ずビニル被覆を剥いでいない部分 (絶縁部) をビスに引っ掛けて締め付けます。そしてワイヤーの延長部 (右端) を基板の端子 (電極棒が接続されていた部分) に接続すれば配線終了です。
最後に、ワイヤーの保護と体裁を兼ねてフェルトなどの柔らかい素材でカバーします。その時にフェルトがワイヤーを押さえつけないように厚みをもった両面テープを周囲に貼っておきます。

 

トーキングモジュレーター付き小型オルガン 1975

talking_organ
この当時、ギタリストの間でトーキングモジュレーター ( TALKING MODULATOR ) が流行っていて、音楽雑誌でよく自作特集を目にしたものです。それを電子オルガンに応用してみたいと思いました。
電子トイオルガンの内蔵スピーカー部に防水シートと漏斗をかぶせてビニールチューブを繋ぐだけの簡単な仕組みです。ビニールチューブを口にくわえて口内に音を共鳴させマイクで音を拾うだけですが、単純なオルガンの音色が口内の形状変化によりあの独特のサウンドがいとも簡単に得られるので思わず笑ってしまいました。ただし、内蔵アンプの出力が小さいので囁くような声で歌わないとあまり効果が出ませんでした。声を出さずワウ的な効果のみでも結構楽しめたのですが、"トーキング"というにはちょっと・・・?
左は CG 再現による姿図です。
 

テルミン4号機 THEREMIN-IV 2009

theremin 4
テルミンの外装ケースのアイデアです。

本体ケースは、100 円ショップで見つけたプラスチック製小物入れです。
フロントパネル、オブジェ型アンテナ、ケースの足は、薄いアルミ・パンチングメタルを切ったり折り曲げたりして加工しました。

回路の部分は、手軽に組める市販のキットを利用します。左の写真は、秋葉原で購入した WATZ というメーカーの基板キットです。3個の小型 VR は別途購入となります。







theremin kit


 

テルミン3号機 THEREMIN-III 2009

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テルミンの外装ケースのアイデアです。ちょっと妖しげながら可愛くもあります。回路は学研テルミンの基板をそのまま使いました。半固定可変抵抗器は外し、小型可変抵抗器を接続してツマミを付けます。本体ケースは 100 円ショップで買った焼桐の貯金箱で、アンテナはインテリア雑貨店で見つけた針金細工のようなカードスタンドです。カードスタンド足元の透明アクリルの塊は絶縁体なので、針金部分に細くて目立たない錫メッキ銅線を半田付けしてアンテナ回路に接続します。また、光源を仕込んでアクリル部分を光らせれば妖しさ倍増です。光源には LED 懐中電灯のヘッド部分をそのまま使うと明るくて効果的です。ここでの光源は単純にスイッチで ON / OFF するだけですが、音声点滅回路を組み込めば音に合わせて光が瞬くので更に妖しくなることでしょう。
(追記) LED にも検波作用があるので、LED のタイプやバイアス電流にもよりますが、検波回路を持ったテルミン回路ならゲルマダイオードを LED に置き換えれば音と同期して発光させることができるかも知れません。※ 学研テルミンには検波回路が無いのでこの実験はできません。
 

ラジオをテルミンに改造 THEREMIN-RADIO 2009

theremin radio
市販のラジオをテルミンに改造する計画です。たまたま見つけたこのラジオが昔のSF映画に出てくる通信機のようなレトロフューチャーな形をしていたので、これはテルミンに改造するしかないと衝動買いしました。昔はSF映画の効果音としてもテルミンが活躍していました。このラジオを見つけて以来、電気店のラジオ売り場でテルミンに改造できそうなものは無いかついつい物色してしまいます。
ラジオをテルミンに改造する場合はスーパーヘテロダイン方式のラジオを使います。テルミンは2個の高周波発振器の周波数の僅かな差を取り出して音声周波数を得るのが基本原理です。2台のスーパーラジオを近づけて片方のチューニングを微妙にずらすとピーと発振音が聞こえることがあります。これはラジオ回路の中の局部発振器 (OSC) の仕業ですが、実はこれがテルミンの原理のようなものです。
局部発振器をもう1個追加し、2つの高周波電流を混合して検波すると音声電流が得られる筈です。テルミン回路にはラジオの同調器と中間周波増幅器は不要ですが、検波器、低周波増幅器、スピーカーはそのまま利用できます。また、AM/FM 2バンドラジオなら、FM 用のロッドアンテナがテルミンのアンテナとして使えます。同調器と中間周波増幅器を残しておき、4〜5回路2接点ロータリースイッチを付ければテルミンとラジオを使い分けることが可能です。

テルミン2号機 THEREMIN-II 1974

theremin 2       
当時の私は、電子楽器を自作する以前にラジオをよく自作していました。これは以前に作ったトランジスタ・ラジオを解体してアルミシャーシを流用したものです。テルミンの発振原理はシンセサイザーよりむしろラジオに近いので、外観がラジオに似てても不思議ではないでしょう。
また、当時の私はクラシック系現代音楽の電子音楽やミュージック・コンクレートを好んで聴いていたので、楽器というより電子音楽スタジオにあるような実験装置 (発振器など) に憧れていました。そういうわけでこの当時の自作機はあまり楽器に見えないものが多かったと改めて感じます。
ちなみに、ここで使った回路は、スーパーヘテロダイン方式ラジオ用の OSC (コイル) を使ったハートレー発振器2個とダイオード検波回路からなる簡単なものでした。
 

テルミン1号機 THEREMIN-I 1974

thermin_I
1973 年 (昭和48年) 10 月4日、NHK教育テレビ「みんなの科学−楽しい実験室−」という番組で「手のひら演奏器」というテーマで電子楽器の作り方が紹介されていました。それは紛れも無くテルミンだったのです。その回路図を手掛かりとして自分なりに製作したのがこれです。
真空管に似た性質の電界効果トランジスタ (FET) を使った簡単な回路で、バリコンとコイルは真空管ラジオ用のものでした。1927 年頃のテルミンの真空管回路を FET に置き換えたような回路です。
この回路の面白い点は、2つの発振回路、検波回路がそれぞれ互いに独立していることです。信号系が結線されていないのです。
3台のスーパーヘテロダイン方式ラジオを隣接させてテルミン効果を得るような構成です。
混合回路は同調検波回路で、2つの発振回路の電波を受けるゲルマラジオとなっています。
最古の電子楽器と言われるテルミンには懐かしいレトロフューチャーなイメージがあります。逆三角形のアンテナは、初期のテルミン専用スピーカーの形状、あるいは、SF映画『宇宙水爆戦』に登場した通信機「インタロシター」のメタファーでもあります。
私としては、テルミンでメロディーを奏でるつもりは毛頭無く、あくまでもプログレッシブ・ロック・シーンで使われたサウンドエフェクト的なものと考えていました。ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンのように。

爆発音発生バネ + ファズボックス EXRLOSIVE SPRING + FUZZ BOX 1973

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板の上に張ったスプリング(バネ)を弾いて打楽器的な効果音を作る装置です。電気的仕組みはエレキギターに近いので、電子楽器というより電気楽器の部類に入るでしょうか。ファズ (FUZZ) に通して音を歪ませると、かなりリアルな爆発音が得られます。爆発音を作ってどうするの?って言われればそれまでなのですが...
既製のリバーブユニットを FUZZ に接続するだけでその効果音は得られるのですが、スプリング部がデリケートで叩いたり擦ったりすると切れそうなので、ピックアップ部を含めて自作しました。
ピックアップ部は、E・ギター用のものが高感度ですが高価であることから、トランジスタラジオ用の小型トランス ST12 のコアの一部を外してマグネットを密着させて作ることにしたのです。ビスまたは釘にコイルを巻いて磁石を密着させる方法もあります。ちなみに FUZZ BOX も低予算で自作しました。


ツイン・オシレーター TWIN OSCILLATOR 1973

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当時、高校生だった私にとってシンセサイザーは雲の上の存在でした。そこで何とか似たような音を手軽に作れないものかと思い付いたのがこれです。
2個の低周波発振器 (マルチバイブレーター) の周波数を2連 VR でコントロールするのです。2連 VR の軸に穴をあけてアルミ棒 (レバーハンドル) を差し込むという職人技でした。
Moog の特徴のひとつで、私がことのほか憧れた音は、リボンコントローラーによる2個の発信器のピッチをずらして平行3〜5度でグリッサンドさせるものでした。EL&P「展覧会の絵」でのキース・エマーソンのパフォーマンスで聞かれるあの殆ど雑音のようなサウンドがそれです。(今となっては誰も知らない?)
リボンコントローラーの代わりに、このレバーハンドルで2個の発振器を同時に制御するという単純なものですが、ワウペダル ( Wah-wah pedal ) 等のエフェクトをかけることでシンセサイザーそっくりな音が得られたと自分では満足でした。 2発振器ということでテルミンのような高周波ビート式発振器を連想するかも知れませんが、これは全く別物です。ただし周波数を上げると一種のうなり (ビート) が発生してリングモジュレーターのような面白い音が出る時もあるので、ビート式に近いと言えるのかも知れません。でもやはり、電圧制御式発振器でないことを除けば仕組みはシンセサイザーの一部に近いもので、2つの音を同時に鳴らすことができるのです。


 

簡易型ノイズ発生器 NOISE GENERATOR 1973

ノイズ・ジェネレーター

トランジスタの「電子なだれ」現象を利用する簡易型ノイズジェネレーターです。ベースとエミッタ間に逆方向の電圧をかけます。 (コレクタはあそび)

簡易トーンコントロール回路により、ピンクノイズ風〜ホワイトノイズ風へと変化します。まだシンセサイザーを作ってなかった時期なので、サウンドエフェクトとして重宝しました。

ケースは化粧品の白いプラケースを流用し、薄い塩ビ板を細いライン状に切って貼り付けストライプ模様をあしらっていました。外装デザインの真似事をしていたことに我ながら苦笑してしまいます。

左の画像は CG 再現による姿図です。

 
・自作曲 / Original Music Composed by Shnader Orchestra ・自作電子楽器 / Homemade Analog Synthesizer  ・空想デザイン / Architecture, Future Images
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