《流行語大賞》
今日は、月に1度の学級新聞が寮の部屋の玄関に設置されているポストに投函される日。
報道委員を務めている杉崎君は、超聴覚の能力を生かす為に報道委員としての勤めに励んでいた。
「おはよ〜蜜柑ちゃん」
「おはよ〜野乃子ちゃん!アンナちゃん!
今月の学級新聞読んだ?」
「うん…読んだけど…」
「ねぇ…」
「??」
野乃子とアンナの様子に、蜜柑の頭上に「?」マークが大量に現れた。
「「「「杉崎ーーーーっ!!!!」」」」(怒)
学級新聞を配布した張本人・杉崎君がB組の教室に入ってきた。
それと同時に、クラスの男子たちが一斉に彼の側に駆け込む。
「…何だよ?そんなムキになって目くじらを立てたりして」
「これは一体何の真似だよ?」
「は?学級新聞だろ!?」
「そうじゃねぇよ!!今月の学級新聞のテーマである『アリス学園内の流行語大賞』が
何で…『いいね いいねぇ…』なんだよ!?」
どう見てもこれは、グラビアアイドルの写真を撮影する際、専属のカメラマンが言う台詞だ。
初等部の生徒には、ある意味刺激が強すぎる言葉だ。
「仕方ないだろ?中等部の高等部の男子たちが…その…」
「「「プリンセス・ミカンだから(でしょ?・だろ?・なんだろ?)」」」
鬼神・魔神・(邪悪な)女神を召喚した御三家(蛍・棗・流架)が、杉崎君に詰め寄る。
「う…うん…」
「ほっ…蛍〜…。何処行くんや!?」
「蜜柑…、これから悪霊退治に行ってくるから大人しく良い子で待っていて頂戴ね」
「すぐ、戻るから…」
「あの野郎…ッ!まだネガを隠し持ってやがったのか…!」
こうして、御三家は悪霊退治に出かけて行った。
流行語大賞『いいね いいねぇ』の理由…
蜜柑の盗撮写真をおかずに、盗撮の被害に遭っている事を知らない蜜柑本人に対し…無意識の内に飛び出た言葉のようだ。
『プリンセス・ミカン』の間で、噂が噂を呼んで流行語大賞まで上り詰めたのだ。
御三家の活躍(?)により、盗撮写真のネガは全て没収されたのは言うまでもない。