TRICK or TREAT!
恋はするものじゃなくて
始まるものだよね__________?
アリス学園の迷(?)イベントのハロウィン祭。
国際意識を高めようと毎年行われているが、
生徒にとってはただの1大イベント扱い。
「蛍ちゃん!蜜柑ちゃんとは一緒じゃないの?」
「あら?さっきまで居た気がしたんだけど。」
「・・・・・・」
本当に親友なのか?と、疑問が飛び交った。
もぐもぐとチキンを食べながらそう言う彼女は
絵本から出て来たいじわる妃そのものだ。
「みんな〜!!!遅れてごめんっっ!!!」
「あっ、蜜柑ちゃん!!!」
「謝って済むなら警察は要らないわ。」
バカンッという音がした瞬間、
同時にゴンッという音が響いた。
「お前は四六時中バカン砲持っとるんかっっ!!!」
「当たり前じゃない。」
「と、とにかく中央の方に行かない・・・・・?」
なんとなく納得いかない中、
痛む頭を抑えながら広場の中央へと向かった。
「おっ、チビーズじゃねーか!」
「ホントだー。」
そう言いながらこちらへ歩いてきたのは、
翼先輩達だった。
肉を片手で握りしめながら、
蜜柑をひょいっと抱えた。
「翼先輩、それ吸血鬼の格好?」
「ああ。男子は吸血鬼なんだとさ。」
「へー!似合ってるでー♪」
「蜜柑も魔女の格好似合ってるぞー」
「ほんま?/////えへへへ/////」
何やら異空間を作っているお2人さん。
こんな所をあの2人に見られたら
確実に姿がなくなるまで殺られるだろう。
「あっ、棗君達だー!!!」
運良く(悪く?)あの2人登場☆
「棗にルカぴょん♪来てたんやねー!!!」
今の状況を理解していない蜜柑。
翼先輩に抱きかかえられながら、
のんきに鼻歌混じりで2人を手招きした。
(蜜柑、俺を殺す気か__________?)
冷や汗をかきつつ、
結構今の状況を楽しんでいる翼先輩(ぇ)
「佐倉・・・・・何してるの?」
「何って、翼先輩と話してるだけやで?」
「話すだけはともかく、抱くのはおかしくねぇか・・・・・?」
2人とも後ろに黒いオーラを発しながら、
蜜柑を言葉で責めていく。
その予想通りの反応に、
翼先輩は笑いを堪えていた。
「そういえば・・・・・今井は?」
「蛍なら、何か怪しい顔しながらどっかいったで。」
「「・・・・・」」
「「間違いなく殺られるっっ___________」」
「棗・・・・・準備しといた方がよさそうだね。」
「そうだな。きっと、怪しい機械を3人分作ってくるだろうな。」
「俺ってその中に入るのか!?」
逃げる事は不可能だとわかっているらしく、
3人はおとなしくじっとしている事にした。
「そうだ!翼先輩だったら知ってると思うんやけど・・・・・」
「何だ?」
「TRICK or TREATってどうゆう意味?」
前からずっと気になっていた事。
何故かハロウィンになるとこの言葉が耳に入ってくる。
親友に聞いたって無駄な事も知っていた。
「翼先輩、この意味知ってる?」
「ああ、それなら・・・・・・・」
言葉を続けようとした途中、
妙なアイディアが浮かんだ。
「意味なら、そこの2人から教えてもらいな♪」
翼先輩がそう言うと、
各方から同時に同じような声が飛んできた。
それを無視して、翼先輩は去っていった。
「2人はこの意味知ってるん?」
「知ってるけど・・・・・。」
「教えてほしいか?」
少し怪しい笑みを浮かべている棗に聞くのは危ないが、
仕方が無いので聞いてみた。
「こうゆう事。」
ゆっくりと手を引かれ、
手の甲にキスが降ってきた。
「なっ・・・・・//////」
驚いて口をパクパクしていると、
流架が笑いながらやって来た。
「TRICK or TREATって、
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞって意味なんだよ/////」
耳元でそう囁くと、
静かに頬にキスを落とす。
「「理解できた?」」
恋をする資格がない、なんて諦めないで。
誰にだって恋はできるんだから
TRICK or TREAT!
終わらない夜の宴を始めよう__________