国風文化が栄える今日この頃

一つの屋敷のお話

年の離れた幼馴染のお話



華やかな者達


「蜜柑様、翼様の所へ行かれる時間です」

蜜柑付きの女房(お手伝いさん)がそう言うと

「そう…仕度の方は?」

「既に整っております」

「参りましょう」

今日は若き帝――――――翼とその幼馴染である娘――――――蜜柑の祝言の日

蜜柑は大貴族「佐倉家」の令嬢

生まれた時より決められていた婚約者である







「翼様、蜜柑様がお見えになりました」

「そうか……準備のほどは?」

「ご心配なさらず…」

「そうか……」



「翼様」

「蜜柑か?」

「はい……」

「入れ」

「はい」

戸を開けてはいる

翼の目には何時も以上に綺麗な蜜柑が居た

「/////////////」

「翼様?」

「いっいや……何でも無い……」

「然様でございますか」

(ヤバイヤバイヤバイ普段と違うというのも有るんだろうが…)

チラッと蜜柑を横目で見る

其処には普段と違う十二単を着、化粧をした蜜柑
「佐倉家」の令嬢という事に加えその外見で幾人をも魅了した
その所為か襲われる事も多々有った
その蜜柑を妻にするのだこれ以上無い幸福である


(何時も以上に可愛い……俺って物凄く幸せ者だよな)

「翼様?如何されました?」

「いや……何でも無い……」

「翼様」

「何だ?」

「蜜柑は夢の様で御座います」

「何故?生まれた時から決まっていたではないか?」

「そうなのですが…実現するとそう思うのです」

「そうか」
「蜜柑は翼様の妻になれて本当に幸せです」

「私もだ…」

「翼様、蜜柑様。お時間です」

「「相分かりた(ました)」」




こうして無事に祝言を行い晴れて夫婦になった二人は
何時までも幸せだったそうな…