運命(さだめ)と言う名の悪戯〜〜第2話〜〜



何やら声が聞こえてくる

一体何の話なんでしょう………………






「『女郎花の君』甚振るのは良いですが一体どうなさるおつもりで?」

「まあまあそう焦らず…私達にとって人間は天敵」

「そうですね……」

「しかもあろう事か蜜柑様をあのような所に……絶対に許しません!!!!!!」

「そうですね…これは「あのお方」からの最大の任務…失敗は許されませんし……」

「ですが……ここ数日行動を見てきましたが…低俗な方が多いのでそんなに心配はないかと……」

「そうね…」

「とくに「撫子の君」と「小梅の君」が……」



実は「蜜柑の君」を知る「花姫」達は皆蜜柑と同じ「物の怪」なのだ

人間の残酷さを蜜柑と同じように知っている



「あのお方」から任された最大の任務

其れは―――――――――――――





「蜜柑」を本当の故郷である「山城藩・飛鳥流」の忍びの隠れ里内に在る
蜜柑が本当に居るべき「屋敷」に連れて帰る事

である



「ねぇ…こんなのどうかしら?」

「あら……どんなの『桃山の君』」

「              」



「成る程…でも生温いのでは?」

「良いのよ……相手は低俗なんだから……」

「くすっ……全く「桃山の君」もお人が悪い……」

「どれもこれも蜜柑様の為・・・あのお方達の為なら喜んで命も捧げます」

「それに……「天狐」の血を引く蜜柑様が此処から居なくなれば……」

「此処「花姫殿」は没落する」


「天狐」が居る間屋敷は栄華を極め居なくなった途端没落すると言うほどの狐

狐の中で最高位に位置しているのである



「では…明日から実行しましょう」

「一番お馬鹿な「撫子」と「小梅」からで如何?」

「あの……」

「何ですか?『菖蒲の君』」

「『若竹の君』はどうなさるおつもりで?」

「あの人は中立の立場を取られている…あの人には人間ですが何もしません…」

「そうですか」





翌日

「女郎花の君」を始めとする「蜜柑の君」の存在を知る「花姫」達は
変化の術を使いジリジリと「若紫の君」を後継ぎにと推奨した「花姫」達を追い詰める


その内容は
「お茶会に遅刻させる」などの低俗なものばかりであったが

「若紫の君」の怒りを買い全員に切腹をさせられれば良かったのだ

相手に合せてやり方を考える

其れがこの者達のやり方だった

人間に対しては容赦無い者達なのだ

こんな内容のものが有った


「ご機嫌麗しゅう『白妙の君』」

「『撫子』さん。何かしら?」

「お聞きしたい事が……」

「何?」

「本当に「若紫の君」は此処を支えるだけの器が有ると?」

「何を言っているの?其れは「撫子」さん貴方が一番よく言っていることでは?」

「私の質問にお答えください『白妙の君』」

「勿論思っています。しかし「撫子」さん「若紫の君」に対し失礼では有りませんか?」

「本音はそう簡単に口にはしませんよ?」

「『撫子』さん」

「『白妙の君』何時までも夢は続きませんよ……それでは……」

「『撫子』さん」

「あーーそうそう……其の不細工な顔…何処かで取り替えてきたらどうです?」

「!!!!!!!」

なんて会話があったり……

因みに「若紫」側の「花姫」より「蜜柑」の存在を知る「花姫」の方が美人且優秀です

低俗な人に化ける時は低俗にそれなりの人に化ける時はそれなりに

「若紫の君」を間接的に侮辱しながら「花姫」達を精神的に追い詰めていく

「花姫」達の行動が不信になった為「若紫」の命により失脚・切腹に追い詰めた……






時を同じく山城藩・飛鳥流の忍びの隠れ里内の立派な屋敷では

屋敷内の謁見の間にいる少年の基に一羽のフクロウが来た

フクロウの足に括り付けてある繋ぎの手紙を読む少年

其の少年蜜柑と同じ顔立ちに左眼に漆黒の眼帯をしている

この少年こそ「女郎花の君」達の言う「あのお方」であり任務を言い渡した本人である

因みに「女郎花の君」こと浜野 理香は動物使いでありこのフクロウ「左源太」と言う



時は満ちた―――――――――――



少年は理香に繋ぎの手紙を送る






「『女郎花の君』何ですか?私達を呼んで……」

「時は来ました」

「と言う事は……」

「『時は満ちた。蜜柑を連れて忍びの里に戻れ。』との事です」

「この禍々しい所から出られると言うわけですね……」

「長かった……本当に長かった……」


「そうです。……行動開始です」

「「「「「「「はい」」」」」」」

8人は動き出した……






因みに「桃山の君」が言ったのは


「低俗な花姫達を相手にするんだもの低俗な方法で良いんじゃない?」
と言うものだった……


はたして少年の正体は一体?