運命(さだめ)と言う名の悪戯〜〜第6話〜〜



「柚季♪」

「ん?何だ?」

「ううん。ただ――――――」

「ただ?」

「日に一回は呼びたいの。確信していたい、ウチは「此処」に居るって」

「好きなだけ呼んで良い。お前が安心する為なら幾度呼ばれようと怒らない」

「有難う。柚季」


蜜柑が此処に来てから随分と経つ

しかしやはりまだ不安なのだろう

仕方ない、離れていた時間(とき)の方が長いのだから―――――――――

柚季は蜜柑が望むなら出来る範囲の事でなんでもしてやった

かけがえの無い双子の姉の頼み本来なら嫌う「長話」も付き合った

気が付けば寝息が聞こえる

自分の膝を枕に蜜柑が寝ている


(本当は安心されても困るのだが……)


柚季だって男なのだ「姉弟」でなければとっくに喰らっている

雪のように白い肌

茶金のウェーブがかった長い髪

其の容姿は「絶世の美女」と呼ぶに相応しい女

(「姉」でも「妹」でも無かったら如何してくれようこの娘)

自身を抑えながら蜜柑の寝顔を眺めるのであった………





丁度其の頃棗達一行は


「首領」

「どうだった?」

「どうやら此処しか道は無いようです」

「そうか……」


棗達は「危険!立ち入り禁止!!」の立て札の前に居た

関所のような所である……実はこの先が「飛鳥流」の忍びの隠れ里なのだ


「首領」

「何だ?」

「今更ですが…本当に行くんですか?」

「当り前だ」

「副首領(泣)」

「棗は一度言ったら聴かないから」

「「「「泣」」」」

如何してこの二人に付いて来たのだろう

そう思った部下たちだった

「行くぞ!」

「「「「「はっ!」」」」」


棗の号令で地元の百姓の忠告を無視し其の里内に入って行った





「ん?」
(この気配は―――――――――)

「里砂」

「はっ」

「全忍びを此処に集めろ!今すぐにだ!!」

「畏まりました」



その後1分も経ってないんじゃないかと言うほど速く全員が集合した


「良く聞け!人間が里に侵入した1人も生かして返すな!!
里に災いを呼ぶ穢れた人間を殺せ!!!」

「「「「「はっ!!」」」」」


忍び達は武器を取ったり罠を設置しに行ったりした



「ん?」

「起きたか?蜜柑」

「うん………嫌な気配がする」

「お前は此処に居ろ!!」

「?」

「必ず護る」

「うん♪」


さぁ……此れからどうなるのか―――――――――