「理香」
「はい」
「全員を集めろ」
「畏まりました」
運命(さだめ)と言う名の悪戯〜〜第11話〜〜
「柚季様」
「ん?」
「全員集まりました」
「分かった……皆集めたのは他でもない…あの人間についてだ」
「如何なさるおつもりですか?」
「蜜柑を壊した罪は重い。その者達が住んでいる街を奇襲する」
「神通力を以って復讐すると言うわけですか…」
「そうだ…今すぐ調査しろ…判った其の夜に一気にやるぞ」
「「「「「はっ」」」」」
(蜜柑…必ずお前の笑顔を取り戻す)
其の日の昼
「柚季様」
「何だ?」
「どうやらあの人間共は江戸に居るようです」
「江戸…で?やつ等は何をしていた?」
「何事も無かったように生きてます」
「そうか…元々加減はしねぇつもりだが、更に其の必要はなくなったな…」
其の時の柚季の顔は何時にも増して恐ろしかったようだ…
そして夜
「寝静まったな…今だ!!!」
柚季の号令で変化狐の一族は一斉に火の神通力を使い火を放つ
長屋やら店やらあらゆる物に火をつける
火事であることに気が付いた人が半鐘を鳴らすが時既に遅し
町火消し大名火消しの人数で消火出来る量では無かった
棗の父流架の両親蛍の祖父は3人に言った
「町人達を安全な場所へ!1人でも多くの命を救って!!」と
そして現場へと向かった
何人もの犠牲が出た
自分達が今生きている事が不思議なくらいだった
「棗…」
「……」
「…仕返しかな…」
「…多分…」
こんな胸騒ぎがした事が有っただろうか
此れほどの火災が起るものなのか
謎は深まっていくばかり……
そして一週間後やっと消火された
しかし火元は判らなかった
それ程のものなのだ神通力とは――――――
消火が終わった翌日戻る事が出来た流架の屋敷に来た
「「「!!!!!!」」」
だが屋敷には異様な臭いが立ち込めていた…
「あっ…開けるよ…」
恐る恐る屋敷の子である流架が襖を開けた
「「「!!!!!!!!!」」」
其処には身体の所々を食い千切られた
3人の保護者の死体が有った
「だっ誰がこんな事を……」
目の前の光景を見た棗と流架は誰がやったのか気付くのに時間はかからなかった