「もう幾つ寝るとお正月」
「お正月には鞠ついて」
「追羽根突いて遊びましょう」
「早く来い来いお正月」
お正月が近づくと子供達が歌う童謡
「お正月」(2番です)
でも此処では何よりも大事な日です
大事な日
「「「「「蜜柑ちゃんの誕生日おめでとう」」」」」
「皆ありがとな」
そう今日は佐倉蜜柑の誕生日
今日で12歳となる
皆が「此れ私から」などと言って蜜柑にプレゼントを渡す
しかし渡そうとしないのが一人―――――――
日向棗である――――――
しかし其の事に対し蜜柑は何も気にしていない
それは棗が人前では渡さない事を知っているからである
クラスの賑わいも納まったので蜜柑はある場所へ
「棗」
「蜜柑」
「相変らず人前では何もくれない」
「どうでも良いだろ……」
「まぁ…ええけど……」
「今年は何も無いといいな…」
]
「ああ…花園会…去年は散々だったわ……」
「あの時は巻き込んで悪かったな……」
「ええよ。棗があんな形で葵ちゃんと離れ離れだったほうが嫌」
「……」
去年の事を思い出すと辛い
好きな女をあんな目に遭わせた
「盗みのアリス」を持っていなかったら……
そう思うとぞっとする
「棗?」
「…」
「ウチは離れないよ」
「蜜柑」
「だから安心して」
「ああ………ほら…此れ」
そう言って渡されたのは長細い箱
「開けてええ?」
「ああ…」
あけると其処には――――――――
「可愛い♪」
ガラス細工のネックレス
ハートに羽が生えているモチーフが付いている
光が当たると七色に輝いて見える
「有難う棗♪」
「どう致しまして」
(やっぱり良いな。蜜柑の笑顔)
「貸せ。着けてやる」
首下に光るネックレス
其の輝きがずっと続くように
大事な笑顔が続くように
Happy Birthday and A Happy New Year!!!!