束の間の休息に
ちょうど良いイベントだと思ったの
学園から追われる立場になったけど
母親らしい事を
今からでも−−−−−−
母娘の時間
逃げる中
目に付いたのは街の飾り物たち
ああ「ハロウィン」が近いのね
そう思ったら勝手に体は動いていた
蜜柑を志貴に任せて
街へと足を運んでいた
「志貴さん」
「何だ?」
「お母さんは?」
「心配ない……(柚香…無理はするな……)」
志貴の言葉に安心したのか
疲れた様子で眠ってしまった
(無理も無いな……)
母のために学園を脱走し
2人の為に極限状態でアリスを使った事もある
こんな子供に過酷な事はさせたくないが……
仕方が無いと思うしかなかった……
「ただいま……寝てるのね…」
「嗚呼……やはり疲れているらしい……」
「無理も無いわね……」
「少しでも…と思ったのか……」
「ええ……仕方が無かったとはいえ10年ほったらかしたのに……それでも最終的には「母」として認めてくれたこの子に」
「本番は明日だ……」
「そうね……今日はもう休みましょう……」
翌日
「どうしたん此れ!?」
仮住まいとして借りている部屋には
ジャック・オ・ランタンなどハロウィンでよく見られる飾りが飾られている
「今日はハロウィンだから」
「柚香がどうしても君とやりたいそうで……束の間の休息になるだろうが…楽しもう」
「母として…何もしてあげられなかった分…楽しんでほしくて」
「お母さん」
「はじめよか」
「うん♪」
その日はなぜか追手もこず
平和に過ごした
「まさかこの子の笑顔を見れる日がくるとは思わなかった」
「うん……」
「今度はクリスマスね」
「ああ…」
また…つらい逃亡生活を送る事になる
でも……
その分楽しい時間をすごしてあげよう
私達母娘は今がスタートライン
「先生」の分まで幸せにしてあげないと
『きっとできるさ柚香』
「今度は3人で買い物に行きましょう」
「そうだな」