*オリジナル設定が出てきます。ご了承ください
狂った運命〜狂運(きょううん)〜第1話
蜜柑は考えていた
あの声が聞こえた直後は身体がとてもだるかった
しかし
(今は全然悪くない)
(でも)
「あの事を考えれば考えるほど体が重くなっていく……何でやろ?」
蜜柑は其処で考えるのを止めた
それがあの「Z」のしかも「首領のアリスによるもの」だとは知らずに
一方「Z」では
「首領」
秘書のような女が尋ねる
「何だ?」
「如何でした?「佐倉蜜柑」は」
「悪くない」
「そうですか……」
「あの娘を必ず我が手中に」
「畏まりました」
秘書のような女は去っていった
何を企んでいるか解らない……
首領は何もつかめない
しかし何故?
「佐倉蜜柑」を欲するのか――――――――
秘書のような女――――――――浦原 上総―――――――――
彼女は知らなかった
「佐倉蜜柑」の事を何一つ
まさかあの「安積 柚香」の娘だと言う事も
「無効化」そして「アリス盗み」のアリスである事も――――――
ただ「欲しい」としか聴かされていなかったのだ
「蜜柑」
「ほっ蛍!?」
「「体調不良」と聞いたから来たのよ」
「そうなん?有難う」
「で?如何なわけ?」
「うーーーーん……実はな………」
蜜柑は蛍に今日の朝有った事を全て話した
「と言う訳やねん」
「成る程……蜜柑……」
「何?」
「勿論棗君達は知らないのよね…私が最初に此処に来たし……」
「うん……」
「言っても良いのは其の二人だけよ」
「何で?」
「もしも其の通りになったら如何するの?知っている人が少ない方が対処がしやすいでしょ」
「それに……」
「それに?」
「後はパニックを起すだけだし……」
「成る程……」
「取敢えず。あんまり考えないことね……体がどんどん動かしにくくなっていくんでしょ?」
「うん」
「安心なさい」
「そんな事起させないから」
「蛍」
「兎に角、明日は学校に来なさい」
「うん♪蛍に話して良かったわ。楽になった」
「あんたは笑ってなさい」
「今日はもう寝るな……明日はちゃんと行って笑ってるわ」
「そうね……じゃあお休み」
「お休み」
そうして蛍は出て行った
蜜柑は安心して眠りに就いた
しかし運命とは非情なものであった―――――――