取り返す


必ず


君は本当に居たのだろうか2



「フフフ……」

「どうかなさったのですか姫様」

「『若竹の君』そなたあの者に違和感を感じなかったのか?」

「あの者とは「雪姫様」の事でしょうか?」

「そうじゃ」

「………!まさか「佐倉蜜柑」だと仰りたいのですか?」

「しかしあの娘(こ)は5年前にアリスがなくなりこの学園を去ったとの噂が少しの間ですがたちましが」

「フフフ……あの娘の持つ「アリス盗み」のアリスだが初等部校長は後にあの娘の母となる者が持っていたときから狙っていての……」

「確実に手に入れるために……」

「しかもご丁寧に記憶まで消したとな……」

「え!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「そこまでして…何となるというのです!!!!」

「本来の…姿に戻れるという事かの……」

「本来の……姿……」

前から思っていた
初等部校長はなぜあの姿なのか
引っかかりこそしてはいたが……

「本来の姿」というものがあれば納得する

それが「アリス」で奪われたのならば「アリス」で以って還るしかないからだ

そんな芸当ができるのはこの学園内では唯一人

姿を消した





「佐倉蜜柑」しか居ない−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



しかし初等部校長の非道さを知ったままの彼女ではやりにくい


だから記憶を消したのだ

そして永遠に自分の下に置くために

自分に都合の良い様に動かすために







そのころ高等部では−−−−−−


「校長」

「日向達からの報告によりますと「雪姫」は確実に「佐倉蜜柑」であるとのことです」

「そうか」

「如何しますか」

「2人に任せると伝えてもらえるか」

「はい」



「棗。校長が俺らに任せるって。どうする?」

「……もう一度何とかして接触しねぇとな……」

「そうだね……」

「取り戻すぞ……必ず」

「そうだね」


2人は無事蜜柑を取り戻せるのか