ねぇ、好きな人と話すときって、いつもうまく話せないよね?
でもこのままじゃ、なにも始まらない。
いつまでたってもただのクラスメートのままだよ?





L O V E








初めはただ・・見ているだけだった。そっけない態度にさえ くぎづけになった。
教室で・・・・テニスコートで。
あなたはいつも前を向いていて、上を向いていて、眩しくて。
放課後まで騒がれるのを見ては溜息をついていた。
溢れそうな想いは募るばかり。
告白しても、うまくいくかどうかわからないけど・・・もう隠してはおけない
       この想い、あなたに伝えたい







今日こそ・・って思っても、いつ捕まえよう?
例えばそう、朝練のとき?


早起きして、テニスコートを覗いてみる。
放課後は女の子がいっぱい見てるけど、今朝は誰も見てない。
いま出てったら、目立ちすぎ(汗)

「・・はよ。・・・何か用?」校舎の影から様子を伺っていたは、背後から声を
かけられて飛び上がった。 げっ・・見つかった!しかも本人じゃん!・・・・///・・・
「おはよ・・・・は・・早く来過ぎちゃって・・・あはは・・。」 「ふーん。」
びっくりしたー・・・朝から心臓に悪いよぉ・・てか、私より遅く来るな(笑)



でもせっかくだし。ちょっと見ていこっかな。
越前君ってやっぱりテニスしてる時がいちばんかっこいい!
綺麗で、無駄のない動き・・・・ずっと見ていたくなる。
は遠慮がちに少しコートに近付いた。

ぅ・・でもさっきから、何かこっちを見られているような・・・気にしすぎ?
じろじろ見たのがいけなかったのかな? やっぱ教室戻ろ。
きびすを返したに越前は声をかけた。
「ねぇ。鈴木さん。・・見に来てくれたんじゃないの?」
「あ・・うん。そ、だけど・・・?・・・///・・」
「じゃぁもうちょっと待っててよ。そろそろ終わるから・・・同じ教室なんだし。」
思いっきりふたりで話せそうなシチュだ!
けどまだ勇気が出なくて・・・・ほとんど何も話せないうちに着いてしまった。
せっかくのチャンスだったんだけど。






昼休み。教室にいないなら、絶対あそこだよね。・・・屋上。
意気込んでは来たものの、いっぱい人いるし。
告白どころか、ふたりになるのも無理って感じ?

ん?・・・そうでもないか。
越前君がいたのは隅っこのフェンスのところだった。
お昼寝中かぁ。邪魔しちゃダメだよね・・? でも、気持ちよさそう・・・・。
羨ましくなって傍に座ってみた。「ここ、越前君の指定席かな?・・いい眺め。」
「・・・・・・もう昼休み、終わり?」
エッ?寝てると思ったから来たのに・・・///・・・・今の声、聞かれたかな?
恥ずかしくて立ち去ろうとしたけど、上から手を掴まれて立てなかった。
「ねぇ・・なんでさっきからオレの周りうろうろしてんの?・・言いたいことでもあるわけ?」

あります。
でも、こんな雰囲気では言えません!!てか、もう、泣きたい〜〜×
早く手、どけて・・・(涙)
越前君は、じたばたする私を面白そうに見ながら言葉を続ける。
「鈴木さんさ、朝も来てたよね?オレのこと見てたの?・・それとも他の誰かとか?」
う・・・ニヤニヤしてるし。越前君の意地悪。
「男テニの人って、フォームとか綺麗なんだもん。参考にしたくて。部活の時間は一緒
だから見れないし。ぁ・・あのっ・・・・今度教えてくれない?」
「別にいいけど。部活のないときね。」
話しているうちに、少し落ち着いてきた。
今なら言える・・・かも・・?





はまっすぐに越前の方を向いて、小さく深呼吸をした。
「・・あのね・・前から言いたかったんだけど・・・/////・・・・わ・・私、越前君のこと――」
!」
越前はのくちびるに手をあて、あわてて言葉を止めた。




突然呼ばれた名前に
意識が集中して
続きの言葉が紡げない







あなたに伝えたかった言葉
      「好きだよ。」
それは耳元で聞こえた。
越前はを少し見つめて、耳元で囁くように言った。
いつもより低めのその声に髪の先まで震えそうだった。




「オレの方から言いたかったんだよね・・・・のことが好きだって。」
「越・・前・・・・君・・・?」
「・・リョーマ。」
「リョ・・マ・・・・今の言葉・・ホント・・・?」
真っ赤になって問いかけるに、越前は少し笑いながら聞いた。
は?」
「わ・・たしも・・・私もリョーマが好き・・・///・・・・・。」
「よかった・・・アンタってなんか目が離せないっていうか、ほっとけないんだよね。
オレとよく目が合うって思わなかった?・・・・もしかして、気付いてなかったとか?」
リョーマも少し赤い顔をしていたけど、いつの間にかいつもの顔に戻っていた。
「顔、赤いよ?まっ、そういうところも可愛いけどね。」






あなたを見るたびドキドキして
もっともっと好きになる
あなたの声を聞くだけで
身体が痺れて動けない
こんなにも好きなんて友達にも話してないの









カウント6000を踏んで下さった上坂美咲様に捧げます。
王子への告白というリクでした。ちょっとは甘くなったかな?(^^)
王子とか桃ちゃんって好きな娘にわざと意地悪しそうな気がしません?(笑)






Yagamania様で6000番のカウントを踏めたときに頂きました、リョーマの同級生告白夢です。
先に言いたかったっていうリョーマが素敵。
特に、最後の文章がすごく好きです!!
八神様、ありがとうございました!