そのコはブルーな瞳をきらきらさせ
可愛い声でリョーマを呼ぶと
目の前で擦り寄ってうっとりと目を閉じた・・・・・・




K i t t y








部活の休憩中。ドリンクとタオルのセットを配っていた私に、桃先輩が
不思議なことを言ってきた。
「越前の家に猫がいるだろ?あれ、何故かオレには懐かねんだよなー。
お前もだろ?」
「猫?猫って・・・カルピンですよね?桃先輩、遊んであげなかったんですか?
それとも・・・・・まさか餌を食べたとか?!」
「ハァ?・・・んなもん食うか!!」
「えへへ〜冗談ですって。」
でも言われてみると、今まであんまり仲良くしてくれなかった気がする。
・・・・・・何で?

桃先輩みたいに苛めてないし、餌だって取ってないのに・・・・??
彼氏の猫に嫌われるなんて、悲しくない?
どっちかっていうと、好かれたいよね。
こういうときは・・・・・と。
私はコートの隅に目をやると、お目当ての先輩に駆け寄った。







「海堂先輩!あの・・・・ちょっと伺いたいんですけど・・・・・。」
「ああ?」
海堂先輩はまだトレーニング中だったが、珍しく真剣な顔をしていた為か
手を止めて話を聞いてくれた。

「えっとですね・・・・その・・・・・猫と仲良くなる方法ってあったりします?」
「なっ・・//・・・何でそれをオレに聞く?」
「先輩って結構動物好きだって聞いた気が・・・・あの・・・・・違いました?」
背を向けてもなお食い下がる私に観念したのか、海堂先輩は顔を赤くしつつも
しぶしぶ教えてくれた。

「・・・・特別なもんがなくても・・・アルミ箔をひねって投げたり、ヒモをヒラヒラ
させるだけで喜ぶ。」
「やっぱり。構ってくれる人が好きなんですよね?」
「ああ。もともと遊ぶのが好きだからな。」

なるほど・・・ボールにじゃれたりするのが猫のイメージだもんね。
一緒に遊んであげればいいんだ?
あとは・・・・もうひとり。
菊丸先輩も動物好きだよね?ペットショップとか行くっていうし・・・・。









きょろきょろしているとちょっと不機嫌そうな声が私を呼んだ。
「何してんの?」
振り返るとすぐ後ろにリョーマが立っていた。
近付いてきた顔を思わず避けたら、何か睨まれちゃった・・・・かも///
「キスしたかったのに・・・なんで避けんの?」
「だ・・だって、こんなトコで恥ずかしいんだもん・・・・・//」

機嫌を損ねたリョーマはさらに、突っかかってくる。
「さっきから先輩達の世話ばっかじゃん。」
「えっ・・・・そうかな?」
「大体いつも気遣い過ぎ。それに誰にでも優しくし過ぎなんだけど。
・・・・オレだけでいいじゃん。」

もしかして先輩達と話してたから、妬いてるの?
たはは・・・その顔。ちょっと好きだったりして・・・・・/////








でもこれ以上怒らせるのはマズイので、私はちゃんとリョーマの方に向き直った。
「ゴメン。リョーマの話してただけだよ?てか、カルピンだけど。」
「カルピン?・・・カルピンがどうかしたの?」
「桃先輩が私には懐かないって言うの。そんなことないよね?」
するとリョーマは、何故だか、ああ・・・という顔になった。
てことは・・・・・やっぱりそうなの?
 
「桃先輩には懐いてないかも。も・・・多分ダメ。」
「なっ・・何でそんなふうに言い切るの?そんなのわかんないじゃない!」
ニヤリと笑われたのが悔しくて。私は明らかにムッとしてしまった。
「なんなら・・・・帰り寄ってく?」
「行く!!」









■□■

私たちが部屋に入った途端、カルピンは待ち構えていた様に擦り寄ってきた。
可愛い声でリョーマを呼ぶと、尻尾をピンと立てて、足元にじゃれるように纏わりつく。
リョーマが座れば当然とばかりにそのしなやかな体を預け、うっとりと目を瞑った。

今までじっくり見たことなんてなかったけど。
この子・・・・・白くてふわふわして、ほんっと可愛いかも♪
「ねぇカルピン。・・私とも遊ぼ?」



「・・・・カルピン?」
でもそう言って手を出しても、リョーマに甘え中のカルピンは、私には目もくれない。
「いつでもこんなふうにべったりなの?」
「まぁいつもここまでじゃないけど・・・くっついてはくるかな?・・寝てると上に乗ってるし。」
・・・・・一緒に寝てるんだ・・・//
ヤキモチを妬く対象ではないってわかってても、ちょっと羨ましくなる。



「そうだ!じゃぁこれは?・・・・海堂先輩直伝の猫グッズ!」


「・・・・・て、これもダメなの〜?・・何で?・・・ねぇ、カルピン?」






無視され続ける私を可笑しそうに笑ったリョーマは、膝からカルピンを下ろすと
私の肩をぐいっと自分に引き寄せた。
そのままカルピンにしていた様に、私のことをゆっくり撫でてくる。
「だからさ・・・・猫って知らない人を仲間って認めないし、ましてや飼い主と
仲良くしてたら、警戒したり嫉妬するわけ。」
「嫉妬?」

 




ほあら





急に放り出されたカルピンは、尻尾を左右にパタパタ振りながら、まだリョーマを呼んでいる。
だけどそれを構いもせず、リョーマは私を撫で続ける。
キスするわけでも抱きしめるわけでもなくただそうされるのは、
心地いいけど気恥ずかしくて・・・・。私はリョーマの胸に自分の頬をぎゅうっと押し付けた。








lip to hair
寄せられた唇に 自然と鼓動が早くなる


lip to ear
「ねえ、気持ちいい?」
耳元でそんなこと言うなんて リョーマって意地悪だよね


lip to neck
火照った顔が上げられなくて・・・・・またリョーマに笑われた















わかってる?
つまりカルピンが感じるほど、のことが好きってこと。
そんなことにも気付かないなんて
まだまだだね









キャラレスで63000Hitを踏んで下さった上坂美咲様に捧げます。
ケンカして仲直り・・というリクを頂いたのですが、ヒロインがジタバタしただけになり申し訳ございません。m(_ _)m
でも・・カルピンになって王子と眠りたいって・・・貴女も思った事、ありますよね?(笑)





Yagamania様のキャラレス掲示板で、63000番のカウントを踏めたときに頂いた、リョーマで恋人、喧嘩して仲直りな夢です。
リョーマってばかっこいいですよね!八神様のリョーマ、ホント大好きなんです。
私はカルピンに対抗意識満々ですが、どうでしょう(笑)
八神様、素敵な小説ありがとうございました!