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| ☆ 解離性同一性障害 ○ 解離性同一性障害 とは・・・ 簡単に言えば「多重人格」です。 日本の精神科で「多重人格(Multiple Personality Disorder; 略称 MPD)と言う診断名が聞かれるようになったのは 1980年にアメリカの「精神障害診断統計マニュアル(DSM−V)」でこの疾患が取り上げられてから・・・・ 結構最近なんですよ。MPDが確立されたのは。 この「多重人格」と言う名が「解離性同一性障害(Dissociative Identity Disorder; 略称 DID)」と変更されたのが 1994年のDMS−Wから。 この変更は、多重人格の「分身」のそれぞれが「人格」としての統合性を持っているとは言えず、中には人格の断片に 近い状態もあるという観察と認識によるものです。 ○ DIDの症状、状態像・・・・ DIDとは、1人の人に明確に区別される2つ以上の同一性(人格)、または人格状態が存在する病態。 それぞれの人格状態は、同一性、記憶、意識の統合の失敗を反映している。 控えめでおとなしい人格状態(通常その人本来の名を持つ)とより支配的で自己主張的、保護的、敵対的・・時には 性的にも、より開放的で積極的な人格状態と言う、対照的な2つの主要な人格状態を持つ事が多く、その他に 小児、児童、思春期の人格を持つ事が多い。 この他にも、数名ないし、数十名の人格状態を示す事がある。 二次的人格状態は年齢だけでなく、性別、人種、好み、筆跡、家族構成などがそれぞれ異なる事もある。 数十〜百以上の人格状態を持つケースでも、1日にせいぜい3〜6の人格状態しか出現しない。 本来の人格状態は、二次的人格状態の言動についての記憶がないのがほとんどだが 二次的人格状態はそれぞれの人格状態間である程度の共通記憶を持っていたり、主要な二次的人格状態は 本来の人格が優勢なときにもある種の共通意識を持っていたりする。 例えば、ある患者は 「私(第2人格)は、第1人格が話をしている時、どこか近くに居て聞いてはいるが干渉はできない。」という。 人格交代は、時には極めて微妙、または極めて顕著。 微妙な人格交代は、面接時の明らかな記憶障害から気付かれ、確かめられたりする。 顕著な人格交代の例としては、面接中、目の前で数分間に何度も激しく人格交代をが起こり その様は、シャーマンが交霊術を行うときのように激しいものだったりする。 人格交代は、何らかの情緒的ストレス、またはカウンセラーの希望、要求や暗示によって誘発され 時には意識的に、時には自然発生的に起こる 人格交代のスイッチングは、時には微妙だが、時には一瞬のうつろな表情、トランス状態や数秒間の閉眼をはさんだり 時には演技的にも見えるほどの意識消失発作(脱力、首の後屈、失立など)をはさむ事がある。 二次的人格状態への人格交代の時間は、主人格にとっては空白時間、つまり記憶喪失として体験される。 DIDではこのような最近の記憶障害は必発で、記憶喪失の時間は多くの場合数分から数時間だが 時には数日から数ヶ月に及ぶ事もある。 また、DIDは心的外傷性精神障害であるから、トラウマに関連したより長期の小児期の生活史に関する記憶喪失が 見られることもある。 記憶障害や解離症状はDIDで特徴的な症状ではあるが、臨床症状としては、鬱状態と自殺傾向(自殺念願、自殺企図)が より目立っている事が多いようだ。 合併身体症状として、頭痛の頻度が高く、また、幻視体験や幻聴(二次的人格状態からの命令が頭の中で聞こえる)などの 精神病状態を一過性に伴う例がある。 有病率は研究者によって差が大きいが、近年アメリカで急増している事は間違いなく、アメリカほどではないが 日本でも急増している。 思春期以降、20代の女性に現れやすく、成人女性が成人男性の3〜9倍多く同一性(人格状態)の数も女性のほうが 多いことが多く、性差がある。 DIDはPTSDと共に、慢性、重症の外傷性精神障害の代表と考えられ、小児期の重篤な身体的、性的虐待と関係が あると考えられる場合がほとんど。 その他の外傷性精神障害を合併する事も多く、PTSD、自傷行為、自殺行為、攻撃的行動、気分障害 物質関連障害(アルコール、薬物、乱用・依存)、摂食障害、睡眠障害、性障害、境界型人格障害などが 同時に診断される事が多い。 身体的虐待や性的虐待をなぞるような対人関係を反復(reenact 再上演)することが少なくない。 DIDは、一般には重症の精神障害と考えられているが、症状出現が限定的な軽症例では 社会的に有能で、外部からは成功した社会人とみなされていることもある。 DIDの症状は、強くなったり、弱くなったりを繰り返しながら、一般には慢性に経過する。 そして過去のトラウマのフラッシュバックを契機として突然悪化し症状が顕在化する。 ○ DIDの診断 アメリカでは、DID患者が初めて精神科診療を受けてから正確な診断が下されるまでには 平均6、7年かかると言われている。 DID患者に与えられていた過去の診断としては、感情障害、人格障害、不安障害 分裂病物質乱用(アルコール・薬物乱用)、適応障害、身体化障害、摂食障害、器質性精神障害などがある。 DIDは他の精神障害(鬱病など)より稀な精神障害だが、研究者によっては 人口の1%程度に見られるという報告もある。 DIDは、時に精神分裂病と誤診されることがあるが、本来、精神分裂病とは全く異なる病気。 だから、DIDと精神分裂病の鑑別診断が問題になることはあっても DIDが進行して精神分裂病になる事はない。 DID患者に見られやすい精神症状としては、鬱気分、気分変動、自傷行為、自殺企図、心因性健忘 性機能障害、転換性症状、解離性遁走、パニック発作、離人症状、物質乱用、恐怖症 強迫行為、幻聴、幻視、拒食・過食、妄想、思考障害、躁状態などがある。 DID患者に見られやすい身体症状としては、不眠、頭痛、原因不明の痛み、意識消失、消化器症状 吐気・嘔吐、動悸、知覚異常・痛覚消失、体重減少、視覚障害、不随意運動 てんかん様エピソード、麻痺などがある。 DIDの症状が明らかになるのは多くの場合、10代後半から20代であり また見逃されたり誤診されたりしやすいために、DIDが幼児期に診断されることは稀だが DIDの発病は幼児期(12歳以前,多くは3−9歳)であると考えられている。 患者本人や家族の情報から、あるいは医療記録から、幼児期の発病が確かめられることも少なくない。 少数例ながら、幼児期に診断されたDID患者では、治療期間が成人の場合に比べて短いという報告がある。 ○ DIDの原因 DIDの原因に関しては、多くの研究者が多因子説を主張している。 このうち、Kluft,R.P.の4因子説(1984)と Braun,B.G. の3Pモデル(1985)がよく知られている。 4因子とは、解離能力(=催眠感受性)、外傷体験、外的影響力と内的素質の相互作用、保護や慰めの欠如。 3Pというのは、predisposing factors(脆弱性因子)、precipitating event(促進的事件) perpetuating phenomena(永続性現象)。 もともと子供は、成人に比べて催眠感受性(解離能力)が高いが、幼児期の外傷体験はこの解離能力をさらに高める。 慢性的に心的外傷にさらされている子供は、「これは自分に起こっている出来事ではない」 「何も起こらなかった」、「痛くない」と自己催眠をかけ、身体的に避けられない苦痛から 精神的避難をすることによって事態を乗り切ろうとする。 この訓練によって解離能力は高まるが、一方でこの解離は習慣化し成人期まで持ち越され DIDの基礎になる。 子どもの虐待では、どんなに苦痛な仕打ちを受けても、家族や周囲の成人への愛着を断ち切ること ができないという構造が解離を促進すると考えられている。 DID患者の各々の人格状態はそれぞれの機能を持っている。 たとえば孤独な主人格を保護し、慰める友人役であったり、主人格の代りに痛みや悲しみをひき受けたり 主人格には許されないような積極さや活動性や奔放な性格を持っていたり 主人格が戻りたい幼児期であったり、主人格が持つには危険すぎる攻撃性や自殺衝動を持っていたりする。 このような多くの人格状態を持つことによって、その時々の危機における負担を軽くすることができ それによって、子供は厳しすぎる人生を、かろうじて発狂せずに生き延びてきたと考えられる。 だから、多重人格は、虐待のような避けられない苦痛と困難な状況を生き延びるための戦術とも考えられる。 数十、あるいは百以上の断片化した人格状態を持つ患者は、長期にわたってサディスティックな 身体的、性的暴力、虐待を幼児期に受けている可能性が高いと考えられる。 ○ DIDの治療 DIDの患者は、その多くが人格障害(境界型人格障害など)や嗜癖問題(アルコール薬物依存など) 自殺未遂、自傷行為などを合併し、極めて不安定な状態。 ほとんどの患者が幼児期に性虐待を受けていることが多く、他人を信頼する能力に欠けていることが多い。 したがって治療は、安全な場所を確保し、多彩な身体症状、精神症状に対処しながら 行動化(アクティングアウト)に対応する。 その中で、治療の基盤となる信頼に基づく治療的関係を築き育て維持するといったことになる。 必要に応じ、個人精神療法、集団療法、家族療法、教育的治療、社会機能訓練(SST)、認知行動療法 自助グループ、薬物療法などを組み合わせて行なうが、 何度かの中断をはさむ長期治療になることが多い。 DIDの治療には5−6年を要するという専門家が多い。 これだけの長期の入院治療は不可能であるから、DIDの治療は基本的には外来治療を中心に行う。 安定した治療関係の確立と平行して、あるいはその次に、DIDという診断を患者と共有する必要がある。 これは単に診断名を告げるということではなくて、この診断に含まれる意味を解説し 協力関係を築く過程を意味する。 患者のペースに合わせて、主人格だけでなく、二次的人格状態とのコミュニケーションをとり それぞれの機能や役割を整理し、治療契約と限界設定を確認してゆくことが必要。 主人格は、怒りや自殺衝動、性的衝動などへの対処を学習しなければならない。 DIDの治療において、薬物療法は補助的な役割しかない。 処方薬のまとめ飲みは予測される危険。 薬物乱用の可能性が高いので、手近な自殺手段の提供にならないように気をつけるべき。 マイナートランキライザー(抗不安薬、眠剤)は依存傾向があるので、長期に使用すべきではない。 処方薬依存を合併しているDID患者をみることが多いので、このことは特に注意をすべき。 メイジャートランキライザー(抗精神病薬)は、幻覚妄想に対して 抗うつ薬はうつ状態に対して対症療法的に使用できるであろう。 ○ 愛羅と解離性同一性障害 以上の文は、いろんな解離性同一性障害のHPや文献を読んで、一番詳しく分かりやすい(であろう)HPの文を パクらせて頂きました。(もちろん無断で・・・(爆)) 愛羅にとって、この「解離性同一性障害」は、身近に存在しています。 また、M女さんのお友達の中にも、お友達やその関係者に解離性同一性障害の方がいらっしゃると 言うお話を複数頂きました。 どの精神障害を持つ方の主様、奴隷、恋人、友人になった人に言えることですが 大切なのはその病気の現状や状態、症状を把握し、その病気を「受容」することが大切だと思うんです。 簡単な事ではなく、もしかしたら偏見の目で見てしまったり、どうしたらいいのか悩む事は多くあると思いますが その病気である事は何も「特別」ではないんです。 愛情と受容を持って、暖かい目で見てあげることが大切だと思います。 |
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