843 シングル ステレオ パワーアンプ(トランスドライブ、出力2W)
出力段:843、初段およびドライバ段:6SN7、整流管:5U4G、電源トランス、ドライバトランス、出力トランス、チョークコイルはすべてTANGO製

オーナー:山梨県、岡さん
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「ラジオ技術」誌1995年10月号に掲載していただいたものです。843は傍熱型の3極管で、本来送信管として作られました。VT-25の傍熱タイプと考えてもよいでしょう。本機はTANGO製NC18を使用したトランスドライブ・シリーズ3機種の最初でした。わずかなカソードNFををかけただけですが実用上十分なダンピングファクタを得られ、帯域も十分広くなっています。古風なトランスドライブと言えども近代的なサウンドで音楽を再生します。オーディオ的に利用できる出力はわずか2Wまでですが、10畳間くらいまではガンガン鳴らして鑑賞できるのが、トランスドライブの不思議なところです。バランスのよいサウンドで、クラシックもポップスもこなしてしまいます。ST管の843は切れ味のよいサウンドを出します。ドーム管の843が存在しますが、こちらは真空度の違いか、甘い味付けの癒し系のサウンドになります。増幅回路は変わっていませんが、本機は感度が大きく初段6SN7のノイズを拾いやすいため、6SN7ヒーターに起因するノイズを防ぐための直流化回路を加えました。写真と違って、整流管はST管の5U4G(ロシア製)を使用します。
サイズ:W40cm、D25.5cm