KT88 モノラルプッシュプル(3極管接続、出力30W)
出力段:KT88/6550A、初段:6267(EF86)、ドライバ段:6CG7/6FQ7、電源トランス、出力トランス、チョークコイルはすべてTANGO製。

オーナー:新潟県、矢代さん
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「ラジオ技術」誌1996年10月号に掲載していただいたアンプです。発表当初はUL接続でしたが、現在は音が素直という結果から3極管接続になっています。カソードNFに入る交流信号をバイパスするスイッチを追加しましたので、カソードNFのあり、なしを音質面から選べるようになっています。私が聴く限りではカソードNFありのほうがリアリティが出てくるように感じます。写真のKT88は中国製のソックリさんです。本物の音がどんなものかは知りませんが、この中国製は中低域の腰がしっかりした解像感のよいクリアな音が出ます。東芝製の6FQ7は、日本人好みのハイファイ感に寄与しています。ハーモニクスや残響音をよく再生するアンプに仕上がりました。出力管は自己バイアスですが、プッシュとプルのバランスを調整できるようになっています。この調整はこだわりたいときにのみ利用すればよく、ペア球を使用する場合はおおざっぱに真中あたりに合わせておいてもかまいません。何の変哲もないプッシュプルですが、実用品として十分及第点を取れるのではないかと思います。
サイズ:W20cm、D30cm (1台につき)