Tomcatのファイル構成を知る
bin/ Tomcatのバイナリファイルが格納される
common/ 実行に必要なJavaのclassファイルが格納されている。サーブレットのコンパイルに必要なライブラリ群も含まれている。サーブレットのコンパイルについては後述する
conf/ 設定ファイルが含まれる。Tomcatの実行時の設定をするtomcat4.confファイル、サーバーの設定をするserver.xmlファイル、JSP・サーブレットのデフォルトの振る舞いを記述するweb.xmlファイルなどがある。confディレクトリは、/etc/tomcat4ディレクトリへのシンボリックリンクとして作成される
logs/ 各種ログが含まれる
server/ サーブレットコンテナの実行に必要なプログラムが含まれている。
shared/ 必要に応じて、Webアプリケーションから利用するライブラリのJavaのclassファイルやjarファイルを配置する。標準では空になっている
temp/ 一時ファイルの格納場所である
webapps/ 開発したWebアプリケーションを配置するデフォルトの場所である
work/ 一時ファイルの保存に使われる。JSPが実行されるとき、初回にコンパイルされサーブレットとなったファイルは、ここに配置される

/etc/tomcat4/tomcat4.confファイル内の設定

rpmコマンドでTomcatをインストールした際、最後のメッセージに表示されるよう設定ファイルが/etc/tomcat4ディレクトリに保存される。/etc/tomcat4/ディレクトリ下のtomcat4.confファイルが、Tomcat4のメイン設定となるファイルだ。

TIPS /etc/tomcat4/ディレクトリは、/var/tomcat4/confディレクトリからシンボリックリンクが張られている。よって、/etc/tomcat4ディレクトリではなく、/var/tomcat4/conf/ディレクトリに存在するファイルを編集しても、結果は同じである。

まずは、このtomcat4.confファイルを編集していこう。各項目の意味するものは、次の通りである。

・JAVA_HOME

Javaのホームディレクトリの場所を設定する。いままでの手順でJ2SE SDK 1.4.01をインストールした場合、Javaのホームディレクトリは、/usr/java/ j2sdk1.4.0_01となっている。次のように設定しよう。

JAVA_HOME="/usr/java/j2sdk1.4.0_01" ・JAVACMD

Javaを実行する際のコマンドを設定する。javaに何もオプションを与えずに実行するだけであれば、次のようにすればよい。

JAVACMD="$JAVA_HOME/bin/java"

・CATALINA_HOME、JASPER_HOME、CATALINA_TMPDIR

サーブレットやJSPを設置するホームディレクトリを設定する。Tomcatにおいては、CATALINAとJASPERという名前がよく出てくるが、CATALINAとはサーブレットコンテナ、JASPERとはJSPを処理するサーブレットを意味する。標準では、次のように設定されている。

CATALINA_HOME="/var/tomcat4" JASPER_HOME="/var/tomcat4" CATALINA_TMPDIR="/var/tomcat4/temp"

先に説明したように、Tomcatのインストール時には、/var/tomcat4ディレクトリが用意され、その中に必要なファイルがインストールされる。このため、通常はそのままで問題ない。

・TOMCAT_USER
Tomcatを実行するユーザー権限を設定する。標準では、次のようにtomcat4というユーザーになっている

TOMCAT_USER="tomcat4"

RPMパッケージとしてインストールした場合、インストール時にtomcat4ユーザー、tomcat4グループが自動的に作られている。このため、通常はこのままの設定で問題ない。

・LANG
言語情報を設定する。標準ではコメントアウトされており、実行時の環境変数に設定された言語が使われる。そのままで構わないだろう。

動作確認用のサンプルを用意する
以上で設定完了だ。すぐにでもTomcatが利用できる状態である。しかし、この時点ではコンテンツが何も含まれていないので動作確認をすることができない。
そこで、サンプルファイル(http://jakarta.apache.org/builds/jakarta-tomcat-4.0/)をダウンロードしてインストールしてみよう。サンプルファイルは、

「tomcat4-admin-webapps-4.1.12-full.2jpp.noarch.rpm」

というパッケージに含まれている。これをダウンロード後にインストールしよう。

# rpm -ivh tomcat4-webapps-4.1.12-full.2jpp.noarch.rpm

実行後には、サンプルファイルやTomcatのドキュメントが/var/tomcat4/web-appsディレクトリ下に展開される。

TIPS:
サンプルファイルやドキュメントは、Tomcatの実行に必須ではない。例えば、開発したJSPやサーブレットを実行したいことが目的でしかないならば、サンプルファイルやドキュメントをインストールしなくてもよい。

Tomcatデーモンを起動させる
# /etc/rc.d/init.d/tomcat4 start

標準設定のTomcatでは、ポート番号8080で待ち受け状態となっているが、/etc/tomcat4/ディレクトリ下のserver.xmlファイルの設定によって変更が可能だ。ポート番号を変更したいのであれば、viエディタなどを使用して、次のようにserver.xmlファイル中にある下記のエレメント中のportアトリビュートを書き換えればよい。


# vi /etc/tomcat4/server.xml
port="8080" minProcessors="5" maxProcessors="75"
enableLookups="true" redirectPort="8443"
acceptCount="10" debug="0" connectionTimeout="20000"
useURIValidationHack="false" />