MacユーザーのためのATAガイド(99/10)
Enhanceed-IDEインターフェイス(ATA-2)


Enhanceed-IDEとは、IDE規格の最大528MBという容量制限などを拡張した規格で、ANSIで規格されATA-2が正しい名称。最大容量は8.4G、4台まで接続可能とされている。ATAの規格は転送プロトコルの違いからATA〜ATA5まで分けられている。

最近のマッキントッシュで使われているIDEインターフェイスはPowerMac4400、PowerMac5xxx、PowerMac6400。この3機種はATAバスは1系統。
PowerMacG3-DT/233、PowerMacG3-DT/266、PowerMacG3-DT/266。この3機種はATAバスは2系統でハードディスクとCD-ROM用。転送速度は16.6MB/s(FastATA)。

UltraATAには対応していない。マッキントッシュではIDEインターフェイスに2台目のハードディスクを増設できないことになっている。増設するには外付けSCSIインターフェイスを使用する。98年5月発売のG3モデルは前期と後期の2タイプがあるようだ。前期のモデルは2系統あるIDEインターフェイスに各1台しかATA機器を接続できないが、後期のG3からは2系統あるIDEインターフェイスに各2台(合計4台)のATA機器を接続できるそうである。99年1月発売のG3モデル(青白)からUltra DMA/33(Ultra ATA)に対応している。

PC/AT互換機の世界では、Enhanceed-IDEのハードディスクにはPIO(プログラム I/O転送)モード(I/Oストリングス転送方式とも呼ばれる)、DMA(Direct memory access)モードの2つのがある。

PIOモードはCPUがデータの転送を受け持ちDMAモードはチップセットがバスマスタとなり、データの転送を受け持つ。インターフェイスボード上のDAMコントローラー(バスマスタチップ)が一度に大量のデータを処理する。また同期転送(非同期転送の2倍のデータ転送ができる)を行う。当然DMAモードのほうがCPUの負担が少ない。

最近のEnhanceed-IDEのHDにはPIOモード4、マルチワードDMAモード2という2つの転送方式が用意されているものが多い(FastATA)。どちらも最大転送速度は16.6MB/sである。

IDEの弱点は、データラインにパリティがないのでノイズに弱くデータ化けが多い。SISCのように終端抵抗を使った信号の反射を除去できないなど。そのため内部に2台のHDが増設できる機種でもケーブルの長さは46cm未満にする必要がある。

DMAモードを使うにはHDとインターフェイスが対応している必要がある。対応している最近のチッップセットはIntelなら430FX、HX、VXなどである。それ以外のチップセットで対応しているのはSiS、VIAなど最新のものはほぼ対応しているようだ。

バスマスタ転送方式を利用するには、ドライバが必要だ。Win95自体は430FX用のバスマスタのドライバはもっておらず、マザーボードの製造メーカーやチップセットメーカーから入手する必要がある。Win95 OSR2は標準でバスマスタのドライバを装備している。

 
PIO
マルチワードDMA
 モード0
3.33MB/s
4.17MB/s
 モード1
5.22MB/s
13.3MB/s
 モード2
8.33MB/s
16.6MB/s
 モード3
11.1MB/s
33.3MB/s
 モード4
16.6MB/s
 


最新のIDE-HDはUltra DMA/33(UltraATA)が主流。

Ultra DMA/33とは、マルチワードDAMモード3の通称で、Enhanceed-IDEの転送速度を2倍に引き上げた規格。Ultra DMA/33対応のHDを使うには、対応しているチッップセットが必要。Intelなら430TX PCIset440LX AGPsetなどである。DMAモードを使用しバスマスタ転送方式を利用するには、ドライバも必要。

Ultra DMA/33は従来のEnhanceed-IDEドライブとケーブルやコネクタの形状が同じで、ハードディスク制御コマンドも拡張コマンドが追加されるだけなので、古いIDEドライブと混在利用も可能だ。Ultra DMA/33の弱点はノイズに弱くデータ化けが多いといわれている。これはIDEドライブ全体に共通する問題のようである。ノイズ対策としてケーブルの長さは46cm未満で1チャンネルという条件が付いている。最近ではデータの末尾にCRC(Cyclic Redundancy Check)信号を付加しデータ化けを検出し、エラーが発生したらリトライを繰り返すという仕組みが追加されている。

99年1月に発売された新しいG3MacはUltra DMA/33に対応。

ATA規格のハードディスクはUltra DMA/33を使用しても、増設できるのは2台までで、必ず内臓で使用する。

古い機種でUltra DMA/33ハードディスクを使用するには、フラッシュバックから発売されてターボマックス(PCIカード)を使用すれば実現できる。ターボマックスが対応しているのはPowerMac8500/9500/8600/9600/全G3シリーズだそうだ。ただし起動ディスクとしては使えない。詳しくは、http://www.flashbackj.com/TURBO/index.html

フラッシュバックが経営している通反ショップ「CValley六本木クリエイティブ店」の広告を見ると、2,2800円で、IBM DTTA・351680 (16.8G)のUltra DMA/33のハードディスクが48,000円であった。同じハードディスクがT-ZONEでは39,800円。ちなみにUltra Wide SCSI、IBM DDRS-39130UW(9.1G)が4,7800円であった。--99/3/5

ターボマックスを購入して(輸入版約15,000円)使ってみた。

現在使用している機種はMT300の後期型。価格の安いIDEドライブで増設したかったので、ディスクはIBM-DJNA370910(9.1GB)/17000円を購入することにした(IBM DTTAの後続機種だそうだ)のだが、このディスクはMT300のATAインターフェィスに接続しても正常に作動しないとショップで言われ、ターボマックスを購入することになった。ターボマックスはPCIバスに差すだけで、ドライバ等イントールものはなにもない。80線の専用ケーブルが付属していた。マニュアルは英語で青白G3Macに増設することを想定して書かれてあった。付属のケーブが短かくとりましがキビシイ。購入時にインストールしたUltra WideSCSI2台、今回増設したUltra DMA/33とで3台のディスクをMT300に内臓した。

ATAディスクのフォーマットはMacOS8.6に付属のドライブ設定で行う。IBM製のものはドライブ設定でフォーマットできる場合が多いようだそうだ。物理フォーマットする場合は、ドライブ設定のファンクションメニューから「全データを0にする」を選択する。Mac用として売られているものは当然物理フォーマット済みだろうから、イニシャライズ(初期化)するだけで十分なはず。--99/10/7

・G3(青白)PowerMacintoshへの増設

マザーボード上にはATAコネクタが2個あり。ATA-3とATA-4。ATA-3は2台の機器を接続できるが、ATA-4のほうは1台しかサポートしていないようだ。

350MhzのMacintoshは、CD-ROM、ZIP、ATA12Gのハードディスクの構成だ。CD-ROMがマスター、ZIPがスレイブでATA-3に接続されている。ハードディスクはATA-4に接続されているので、ハードディスクを増設するならSCSIか、別途ターボマックスなどのカードが必要になるが、雑誌などではATA-4に2台のUltra DMA/33ハードディスクを接続しても動くとしている。

マザボード上の2個のATAコネクタにはIED(ATA-3)、ULTLA ATA(ATA-4)と表記されているので、機器の増設で迷うことはなさそうだ。ATAのケーブルは横に赤のラインがある方が、コネクタの1番ピンに差し込まれる。

400MhzのMacintoshのハードディスクは、Ultra2 LVD SCSI内臓カードに接続されている。ATAハードディスクを増設するなら、Ultra DMA/33(ATA-4)である。ケーブルは80 線ケーブルが指定されている。

ATAハードディスクのIBM製ドライブDTTA-351680(16.8G)はAppleドライブ設定で初期化可能。

400MhzのMacintoshに、ATA内臓MOドライブ、Ultra2 LVD ハードディスク2台、Ultra DMA/33ハードディスク(DTTA-351680(16.8G))1台と、すべてのベイに機器を増設した方が、起動時にDTTA-351680(16.8G)をマウントしたり、しなかったりするという。ショップでUltra DMA/33ハードディスクを増設するケーブは40線のもので大丈夫といわれ、それを使用しているという。指定どうり80線のものを購入すべきだろう。80線のケーブルはUltra ATA/66ハードディスクで使用されている。(99/5/18)

秋葉原でも、80線のケーブルを扱っているお店が少ないようだが、なんとか見つけて80線のケーブに交換したそうだ。これで問題を解決できたそうだ。(99/5/20)

※ATAドライブでのフォーマットについて--J1-1.7

ATAドライブにて通常の「初期化」を行う以外に、データを完全に消去したい場合には、「ファンクション」メニューから「オプション設定」を選択し、「全データを“0”にする」をチェックする。ATAドライブに対しては、オプション設 定にて「物理フォーマット」をチェックしても物理フォーマットは行われない。「全データを“0”にする」をチェックすることにより、物理フォーマットと同様の効果を得ることができる。

AppleのTechNote No:0308--Create Date:1999/3/4より
http://asep.apple.co.jp/Techdoc/TechNote/

現在販売されているUltra DMA/33対応のHDは、ほとんど下位互換があるので、古いMacがUltra DMAに対応していなくてもE-IEDインターフェイスに接続可能だ。購入する時は確認しましょう。自分の使用している機種に購入予定のハードディスクが接続できるか、店員が答えせれるお店で購入しましよう。

これからはUltra ATA/66が主流になる。(99/4)

PC Watchの記事「Ultra ATA/66対応IDEコントローラカードの実力は?」を参考に
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990402/hotrev04.htm

日本のQuantumのサイトにセットアップ入門という記事があります。

Apple Tech Info Libraryなどへのリンク

ATA(IDE)ハードディスク内蔵のコンピュータをお使いの場合の注意点
Macintosh Performa 54xx, 64xx、Power Macintosh 5500/225, 6300/160 、twentieth anniversary MacintoshでMac OS 7.6.1またはMac OS 8を使用する場合。



HDメーカーなどへのリンクページ
QuantumSeagateIBMFWBシステムソフトLa CieLavixパワービー・エイチ・エー